ありふれない能力二つ持ちが最強生物へ   作:悪魔の力

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最強の生物を目指す者、爆誕!!

 

 ───その男は、生まれた瞬間から特別な存在だった。赤ん坊にしては頑強過ぎる肉体、生まれたばかりの筈なのに理性が宿った視線に泣き出しもしない。そして、流石に筋骨隆々と呼べるほど目に見えて筋肉質ではなかったが、強過ぎる筋力。

 

 そうして生まれた男──青龍院 カイドウは、普通の人間の子供ではあり得ない速度で成長していった。子供とは思えない身長と体格。

 中学生に上がる年齢の頃には、筋骨隆々という言葉が似合う肉体。分厚い胸板にバキバキに割れた腹筋、そして腕や足に背中に至るまで、体中の全ての箇所が筋肉で覆われたかのような肉体の仕上がりとなっていた。

 

 

 故にカイドウは、“怪物”だの“化け物”だのと両親に恐れられ、殴られ蹴られの虐待を受けているのだが、カイドウ本人は三つほど理由もあって微塵も気にしていない。因みにその虐待で負った傷が、より頑強になって回復しており、正に鋼の肉体化してきている。それも恐れられる理由の一つだ。

 そしてもう二つ目の理由は、一応生んでくれた恩がある為、無関心でいようと決めており、高校に入った今では別居している状態だからだ。

 最後の三つ目は、実はこのカイドウ。前世から同じような境遇であり、両親に殴られ蹴られは当たり前だった。そんな事があって虐待には慣れっこなのだ。

 

 カイドウの前世だった男は、ONEPIECEに出てくる“百獣”のカイドウに強烈に憧れを抱き、そして死んだ。“弱肉強食”の理は、確かに現代では認められない思考だろうが、現代でも人間以外の自然に生きる生物達はその理のもとに生きている。

 人間だって自分達より弱い動植物を殺して食わなければ、生きていくことが出来ない。ならば、弱肉強食というその思想も世界の心理の一つであり、極端だが正解の一つだ。生まれたばかりの弱者だった時のカイドウは、虐待三昧のその境遇から“弱肉強食”の理と思想に共感したのだ。

 

 そうして死んだ男は、転生の際に幾つか特典を受け取って、青龍院カイドウとして生まれ変わったのだ。

 

 

 ──受け取った特典は四つ。

 

 

 一つ、百獣のカイドウの如き頑強な肉体。

 二つ、悪魔の実の能力を二つ持てる特殊体質。

 三つ、望んだ悪魔の実を出せる箱。ただし、条件として同じ実は二つと出す事は出来ない。自然系の能力は無しで、ニカ、ニーズホッグ、アクマの実も不可能。

 四つ、ONEPIECE世界の便利な道具。電伝虫や貝、ビブルカードの製造方法に悪魔の実図鑑。

 五つ、覇王色、見聞色、武装色の三種の覇気。

 

 因みに何故五つも特典を貰えたのかというと、カイドウの死因が落雷によって倒れてきた大木の下敷きというものだったのだが、その落雷が神のミスで落とされた物だったらしい。その礼をする為に、四つまでならOKだった。

 因みに百獣のカイドウの肉体というのは、生まれた頃は幼少期のカイドウの肉体という事であり、原作時点での肉体ではない。あくまでも、そうなれる素質があるというだけで、原作カイドウの様に鍛えなければそうはならない。

 

 肉体と体質、そして覇気は生まれついてからのものであり、自在に動けるようになるまで成長してから修行を積み重ねた。そうして筋骨隆々な肉体を作り上げ、身長が二メートル程になり覇気も全種基礎をマスターした。

 その上で武装色は内部破壊まで到達しており、見聞色は一番の得意分野で生まれた時からうるさい程の精度で使えており、更に修行を重ねた結果、未来視もかなり高い水準になっている。

 

 この二つは、平和な世でも鍛える事が出来たが覇王色はそうもいかない為、コントロールまでとなっている。

 

 

 それから、四歳の頃に悪魔の実が出る箱とビブルカードの知識の書かれた説明書が届いた。

 それからすぐに行ったのが悪魔の実の能力の獲得。二つ食べられる内の一つ目は、勿論動物系〘ウオウオの実 幻獣種 モデル青龍〙。もう一つは、超人系〘ミラミラの実〙にした。

 

 何故この二つにしたのかとカイドウが問われると、青龍の方は言うまでもなく原作のカイドウの能力だからだと答えるだろう。最近ではニーズホッグという能力も出てきているが、カイドウとしては青龍の方がカッコいい。

 故に青龍を選んだのだ。

 

 もう一つの〘ミラミラ〙に関しては戦闘能力の向上性こそ微妙だが、その他の方面に便利な能力だからだ。特に鏡の中に鏡世界(ミロワールド)という特殊な空間を作り出す能力が、真骨頂と言えるだろう。この中に食料や物資の貯蔵、そして多彩な種類の電伝虫の飼育に至るまでを行えて、出し入れもカイドウ次第。その上、ある程度の広さがある“鏡世界”なら青龍の能力や覇気の修行の場に最適なのも、ミラミラを選んだ理由である。因みに、青龍の能力を使用すれば周囲の鏡も破壊してしまい、大事件が発生してしまうが、そこは周囲に家のない山奥で“鏡世界”に入って修行し、鏡も壊さないように気を付けていた。

 その御蔭もあって大事件こそ起きなかったが、気をつけていても鏡が割れたりしたので、怪談話のような騒ぎは起こった。

 

 それはさておき、戦闘面では青龍の能力を得たので、後は覇気と能力を鍛え上げるだけ。そこから更に戦闘能力を強化する能力をもう一つプラスして強化してもいいが、もう一つは便利な能力が欲しいと思ったカイドウはこの能力を選んだのだ。

 こうして力を得たカイドウは、貰い物の力を真に自分のものにするために現代で出来るだけ鍛え抜いていく。

 

 こうして──カイドウが生まれ変わってから十七年程の年月が流れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───月曜日。それは会社、学校に行く全ての人間が憂鬱だと思うであろう始まりの日。

 そして、ここでもそんな憂鬱な日が始まろうとしていた。

 

 「今週も始まりか……怠いな。ウォロロロ」

 

 窓際の席に座り、机に頬杖をついたカイドウは退屈そうに一言呟く。

 この世界に原作となる漫画やラノベがあるのか分からないが、カイドウを転生させた神は戦闘もある世界だと言っていた。にも関わらず、今まで一度もそういった場面がなかった為すっかり暇を持て余しており、結局前世のように漫画やラノベで暇を潰すオタク趣味を続けていた。

 

 

 「……ハァ──……ん?」

 

 

 そんなカイドウが退屈な日々の始まりに溜め息を吐いていると、いつも聞いている不快な男の声が響いてきた。

 

 「よぉ、キモオタ!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

 「うわっ、キモ〜。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん」

 

 

 声のした方に、カイドウが顔を向けると案の定予想通りの四人が、カイドウの趣味友達とも言える南雲ハジメという少年にうざ絡みをしていた。

 一番最初にハジメに声を掛けた男の名前が檜山大介といい、毎日のようにハジメに絡む筆頭の男だ。その近くで馬鹿笑いをしているのは、斎藤良樹、近藤礼一、中野信治の三人だ。

 

 「おう、オタクなのがそんなに面白れぇか?」

 

 格下(檜山達が勝手に思っているだけ)のハジメに意気揚々と話し掛けていた檜山達だったが、そこへ声を掛けてきたカイドウの姿を見て顔が青褪めたものに変わる。

 現代日本で暴力沙汰は流石に出来ないが、鍛え抜かれた肉体を持つ二メートル程の男に、正に鬼の形相で睨まれれば怯えて逃げ出す程度の小物達なのだ。

 

 それでもハジメへの嫌がらせをやめない事だけは、凄いと言えるかもしれないが。

 

 

 「っ!!……チッ、行くぞお前ら」

 

 「!まっ、待ってくれ大介──」

 

 「……みっともねぇ奴らだな」

 

 

 舌打ちした後、去って行く檜山と取り巻き三人にみっともないと吐き捨てたカイドウは、続けてハジメへと視線を向ける。

 

 「お前もちょっとは言い返せよ。受けてばっかじゃ調子に乗るぜ…?ああいうクソ野郎はよ……」

 

 「助けてくれてありがとう、青龍院くん。……あはは……ハァ…。でも言ってもやめてくれないだろうし………」

 

 「そりゃあそうだが………」

 

 カイドウからの忠告に、ハジメは礼を言いつつ苦笑いをしながら、言っても無駄だと口にする。これには檜山のクソっぷりを理解しているカイドウは同意するしかない。

 そんな訳で少し暗い雰囲気になった二人の所に一人の女子生徒が近づいてきた。

 

 「南雲くん、青龍院くん、おはよう!南雲くんは今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

 ニコニコと微笑みながら話し掛けてきた彼女の名前は、白崎香織。本人が悪い訳ではないが、檜山大介がハジメに絡んでくる原因となってしまっている少女だ。

 

 彼女は、学園二大女神として人気な美少女であり、容姿が整っている上に面倒見が良い為、よく人に頼られる。

 そんな彼女はよくハジメを構う。ハジメは毎度何故だと思っていそうな顔をしているが、恐らくハジメと約一名以外は気付き始めている者も居るだろう。香織がハジメに惚れているということに。

 そして当然カイドウも間近に見てきたので気付いているが、当人の問題だと静観の姿勢を取ることにしている。

 

 しかし、ここで一つの問題があった。人気者の香織が明らかに一人を特別視しているのが気に入らない。その上ハジメが、香織に色々と構われているにも関わらず、授業中の居眠り等を辞めない。

 そんなハジメは、成績は平均を取っていても不真面目な生徒だとクラスメイト達から嫌われてしまっている。そして香織に気がある檜山を筆頭にした四人は、特にそれが顕著になっているのだ。

 

 

 「あ、ああ、おはよう白崎さん」

 

 

 向けられる鋭い眼光から放たれる殺気とも感じられる視線に、ハジメは頬を引き攣らせながら挨拶を返す。それに嬉しそうに微笑む香織と、ツッコミたそうな顔をするハジメに、未だ気付かないハジメに呆れるカイドウ。

 三者三様の反応をしているカイドウ達の所に、更に三人の生徒達が近づいて来る。

 

 「南雲君。おはよう。毎日大変ね」

 

 「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」

 

 「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄だと思うけどなぁ」

 

 話し掛けてきた三人の中で唯一挨拶をした女子生徒の名前は八重樫雫。香織の親友であり、ポニーテールにした長い髪がトレードマーク。

 百七十センチという女子としては高い身長と引き締まった体、そして八重樫流という実家の剣術を学んでおり、雑誌の取材等もあって熱狂的なファンも学校内外にいる二大女神の一人だ。

 

 その次にカッコつけた臭い台詞で声を掛けた男は、天之河光輝。如何にも勇者っぽいキラキラネームの彼は、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人というのが世間での評価だ。

 サラサラの茶髪に高身長に細身ながら引き締まった体。誰にでも優しく、正義感が強い(分かっている者からすれば、思い込みが激しい)。小学生から八重樫道場に通う門下生で、全国クラスの猛者。ダース単位で惚れている女子がいるが、雫や香織に気を遣って告白していない者が多いらしいが、それでも月二回以上は学校内外を問わずに告白される筋金入りのモテ男である。

 

 最後に投げやり気味な発言をした男子生徒は、坂上龍太郎という名前で光輝の親友である。短く刈り上げた髪に陽気さを感じさせる瞳、百九十センチに筋肉質な熊の如き大柄な体格、そして見た目のとおりに脳筋なタイプだ。

 龍太郎は努力とか熱血とか根性とかいう言葉が好きな男で、その影響が多分にあってハジメの事を嫌っている。現に今もハジメを一瞥した後、フンッと鼻を鳴らして顔を背けて以降、ハジメの方を見ようともしない。

 

 

 「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」

 

 「おい、ハジメ。挨拶なんざ、返すのは雫だけでいい。野郎二人はしてねぇんだからな…」

 

 

 雫達に挨拶を返し、苦笑いするハジメ。そのハジメに男二人に挨拶は要らないと注意するカイドウ。その間にも、雫と言葉を交わした事への批難を感じさせる視線がハジメに刺さり、光輝を蔑ろにする発言をしたカイドウにも女子達の批難の視線が刺さるが、カイドウは素知らぬ顔だ。

 

 「それが分かっているなら直すべきじゃないか?南雲。何時までも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから。青龍院も、挨拶をしなかったのは悪いがそういう言い方は止したらどうだ?」

 

 そんなハジメとカイドウに、光輝による説教じみた言葉が聞こえてくるが、二人はまともに取り合わない。

 

 何故なら光輝は、自分の正しさを疑わない性格なので、他人の言葉を聞かない。或いは、自分に都合の良いように自分の中で置き換えてしまう為、どちらにしろ何を言っても意味がない。

 

 「いやぁ~、あはは……」

 

 「おれは席に戻ってるわ」

 

 故にハジメは笑って誤魔化そうとし、カイドウは無視してハジメの二つ後ろの席へと戻る。その後も、香織と光輝で何やらやり取りをしていたが、始業のチャイムが鳴って教師が入って来ると解散となり、そのまま連絡事項の通達が終わった後に授業が始まった。

 そしてハジメは何時ものように机に突っ伏し、カイドウは頬杖を付いたまま目を閉じ、夢の世界に旅立った。そんなハジメを見て香織が微笑み、雫が呆れ、男子達からは舌打ちが、女子達からは軽蔑の視線がカイドウも含めて浴びせられる。

 しかし、ハジメはともかくカイドウは前世で習った範囲のことである為、転生後に復習をすれば思い出せたので、カイドウにとっては眠たくなるほど退屈なのだった。

 

 やがて教室が騒がしくなると、ハジメとカイドウは目を覚まして突っ伏していた顔を上げる。辺りを何気なく見渡し、弁当を取り出したり購買に買いに行ったりしている姿を見てカイドウも鞄の中から握り飯やパンを取り出し、食らいつく。

 ハジメも十秒でチャージするゼリーを吸った後、もう一度寝ようとしている。しかしそこへ、クラスメイトにとっては天使でハジメにとっては悪魔が近づいていく。

 

 「南雲くん。珍しいね、教室に居るの。お弁当?よかったら一緒にどうかな?」

 

 その事実に再び不穏な空気が蔓延し始めている中、ハジメは心の中で悲鳴を上げる。

 

 「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

 ハジメも抵抗を試み、中身がスカスカになった昼食のパッケージを見せるが、残念ながらその抵抗は意味を成さない。

 

 「えっ!お昼それだけなの?ダメだよ、ちゃんと食べないと!私のお弁当、分けてあげるね!」

 

 (もう勘弁して下さい!気づいて!周りの空気に気づいて!)

 

 

 

 (──フッ、ウォロロロ。端から見てたら、なかなか面白ェな………)

 

 

 

 刻一刻と増していく圧力にハジメは冷や汗を流し、カイドウはその様子を観て面白がっている。するとそこへ、ハジメにとっての救世主が現れた。

 

 「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

 

 爽やかな笑みと共に気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。天然な彼女には、光輝の無駄なイケメンスマイルやセリフは意味を成さないのだ。

 

 「え?何で光輝くんの許しがいるの?」

 

 挙句の果てに、素で聞き返される始末。それに思わず「ブフッ!」と吹き出す雫と、しっかり聞き取って「ウォロロロロロロォ──!!」と爆笑するカイドウ。

 理解出来ていない香織に、光輝が困ったように笑いながらあれこれ話しているがみっともない言い訳にしかカイドウには聞こえず、更に笑ってしまう。

 

 そんな中、ハジメは内心溜め息を吐きながら愚痴る。

 

 

 (青龍院くんも、あんなに笑わなくても良いでしょ。他人事だと思って……。というかもういっそ、こいつら異世界召喚とかされないかな?どう見てもこの四人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。……何処かの世界の神か巫女か姫かもう誰でもいいので召喚してくれませんか〜)

 

 ──などと、ハジメが現実逃避している間に、カイドウの見聞色の未来視が異質な光景を捉えていた。

 

 (──!何だこりゃ?漫画なんかでよくある魔法陣のようだが……攻撃性能はなさそうだ、敢えて受けてみるか……)

 

 未来を見たカイドウが受ける事を決めた瞬間、光輝の足元に白銀に光り輝く円環と幾何学模様が現れた。

 その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が硬直して注視する、俗に言う魔法陣らしき物が徐々に輝気を増していく。そして一気に拡大する魔法陣を見て、要約硬直が解けた生徒達が騒ぎ始め、未だ教室に居た愛子先生が教室から出るよう促すが、既に遅い。

 カッ!と魔法陣の輝きが爆発し、その光が止むとそこには人っ子一人いない教室の光景が広がっていたのだった。

 

 

 

 

 

 





 面白ければ幸いです!!

 感想なども頂けると励みになりますので、これからよろしくお願いします!!

オリ主カイドウが築く百獣界賊団について。界賊団の構成員は、どちらがいいですか?

  • カイドウ以外全員が女性のハーレム界賊団。
  • ハーレムだが、男性も加えた界賊団。
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