星になったヒーロー 作:日暮 蛍
サイタマと出会えたアズマはサイタマも目的が桃源団を倒す事だと知り、共に征伐しに行く事になった。
「というわけで進行方向から見て桃源団を名乗るテロリストは大富豪であるゼニールの自宅に襲撃をしようと考えられています。ほら、あそこから見えるビ」
情報共有をしながらアズマはビルの目印である金のどぐろを巻いた巨大なオブジェを指差し、その瞬間にそのオブジェが突如飛来した何かにぶつかって派手に壊れた。
「金のウンコが爆発した。」
「きっと桃源団の仕業です。急ぎましょう!」
「働きたくないからってあそこまでするか。」
「他にも質問はありますかサイタマ様。」
「じゃあさ、その様づけ何? ファンレターでも俺の事サイタマ様って書いてあったんだけど。」
「読んでくださったんですか! ありがとうございます。そして深い理由はありません。自然とこうなりました。」
「恥ずかしいからやめてくれ。」
「え?! ではどうお呼びすれば?!!」
「普通にサイタマでいいから。」
「え、あ。その。...恐れ多いので、せめてサイタマさんでお願いします。」
「いいぞ。」
会話をしながらゼニールの自宅である高層ビルを目指すアズマとサイタマ。その途中で林に入る。
「ここを抜ければゼニールの住むビルに着きます。が、誰か来ますね。」
2人はビルへと向かおうとした時、誰かが走ってくるのが見えた。
「あっ。あの人が桃源団の親玉ですね。名前はハンマーヘッドです。」
走って来たのは桃源団のボス、ハンマーヘッドだった。
ハンマーヘッドもアズマとサイタマの姿を確認できたのか立ち止まり、2人の様子を伺っている。
「あいつがそうか。」
「1人だけですね。」
ニュースや報告では仲間を引き連れていたという情報があったはずなのに向かってくるのはハンマーヘッドただ1人。加えてハンマーヘッドの必死の形相を見てアズマはある仮説を立てた。
「仲間は誰かにやられて1人だけ逃げたかもしれませんね。」
「じゃあ残ったのはこいつだけか。」
「おそらく。」
2人が会話をしている時、ハンマーヘッドはアズマのマントを見て恐怖で顔を引き攣らせる。
「お前、凶人か?!」
「はいそうですよ。」
アズマの肯定の返事を聞いたハンマーヘッドは冷や汗を噴き出すが、すぐに覚悟を決めた様子を見せる。
「やってやる! やってやるさ!! このスーツのフルパワーならお前でも!」
「なんかやる気になったぞ。」
「どうしたんでしょうね?」
ハンマーヘッドが決死の覚悟を決めてパワースーツの出力を上げている時に2人はのほほんとした様子で会話をしている。
「あっ。サイタマさ、ん。倒すのどうします?」
「俺がやってもいい?」
「どうぞどうぞ。」
目の前で行われている緊張感の無いやり取りにハンマーヘッドは舐められていると思い、怒りが湧き立つもこれはチャンスだと捉えた。目の前のヒーローが油断している隙にフルパワーを叩き込もうとする。
「グルグルアターック!!」
両腕を振り回して行われる攻撃。スーツの性能を最大限にまで引き出して行われたその攻撃はハンマーヘッドの眼中に無かったヒーロー、サイタマによってあっさりと止められてしまった。
「え?! んなバカな。」
全く知らないヒーローに攻撃を止められたハンマーヘッドは驚愕する。正体を問おうとするが
「貴様、なにもぼ」
サイタマの一撃によってパワースーツを砕かれてしまった衝撃で最後まで言えなかった。
裸一貫となってしまったハンマーヘッドは慌てて命乞いをする。
「ま、待て! 俺はただ働きたくなかっただけで」
「もう悪さすんなよ。」
「,,.え? 俺を始末しに来たんじゃ。」
「行け。」
アズマが道を譲る為に移動する。
それを見てハンマーヘッドは大急ぎでその場から離れて行った。
ハンマーヘッドの姿が見えなくなった後、サイタマはため息を吐いた。
「どうかされましたか?」
「...あいつと俺、どこか似てるなと思ってな。」
アズマの視線は自然とサイタマの頭部に向けられた。
その視線をサイタマは敏感に感じ取る。
「いや見た目の話じゃねーから?!」
「すみません!!」