星になったヒーロー 作:日暮 蛍
タツマキ。
ジェノス。
そして怪人協会の創立者ギョロギョロ改め、真の名はサイコス。
今、この3名による空中での決戦が行われていた。
サイコス自身が育て上げ、怪人協会のボスである怪人、オロチと合体して巨大化したサイコスに対抗すべく、巨大隕石をも一撃で砕くジェノスの新たな最終兵器、穿天雷光砲をサイコスに向けて放つが、オロチと合体した事で超能力者であるサイコスのパワーも上がり、真っ向から光線を放ち弾き返す。
最終兵器が押し返されて驚愕するジェノスだったが、今のサイコスの身体の一部である竜の首から放たれる光線に対応する為に自身の持つ兵器を放つ。
「ちょっと鬼サイボーグ! キングが私に任せた相手よ。余計な手出しすんじゃないわよ! また吹っ飛ばされたいの?」
「キングはサイタマ先生が来るまでのつなぎを貴様に任せただけだ! 先生のフォローは本来弟子の仕事だ。光線は俺がさばいてやるから、さっさとこのバケモノを片付けろタツマキ!!」
言い争いをしながらも、ジェノスとタツマキは目の前の巨大なサイコスへの抵抗を緩めない。
それが気にくわないサイコスは苛立ちを見せる。
「人類の進化の帰結たるこの私に歯向かう愚か者めら。究極の叡智の力を思い知るがいい!」
そうして再び光線をタツマキに向けて放った時、タツマキの前にジェノスが割り込む。
そして胸部に内蔵されている新たな兵器、真螺旋焼却砲を放ちサイコスの巨大な光線に対抗する。
「ハ! 正面から押し勝てるとでも」
また押し負ける。そう思い嘲笑うサイコスだったが、今度は違う。
ジェノスが放った真螺旋焼却砲がサイコスの巨大な光線をかき分けてそらしていく。
「早くしろタツマキ!!」
しかし、そう長くはもたない。
今のジェノスはパワー重視の装備であり、出力を全開にすれば身体が崩壊してしまうほどだ。フルパワーは10秒までが限界だ。
タツマキはジェノスが光線をさばいている隙にバリアに守られて地面に埋まっているヒーロー達を全員引っ張り出せた。
これでようやくタツマキはサイコスを倒すのに専念できる。
「よくやったわ鬼サイボーグ。」
「フン。お前の為じゃない。」
限界のジェノスと交代し、タツマキはサイコスの巨大な光線をあっさりと別方向にそらす。
そして、サイコスを超能力でしばり、
「ま、まだ本気じゃなかったっていうのか!? この、バケモノ。」
絞り上げた
地下深くまで張り巡らされているサイコスの肉の根を町ごと超能力でねじっていく。巨大なサイコスの原型が保てなくなるほどキツく絞り上げられたせいで大量の血液があちこちから噴水のように噴き出す。
このままトドメをさそうとした時、タツマキが突然吐血した。
超能力の使いすぎか、または思いの外ダメージを受けていたせいか。
または別の何かが原因か。
理由はどうあれ、サイコスの拘束が緩んでしまった。
「しめた! 煙幕!」
タツマキ達に向けて濃い煙幕をぶちまけ、すぐさま肉体を変形させてまるでジェット機のような形をした飛行形態をとった。そのまま飛んで逃走し街にいる人間の血肉を食らって再起を図ろうとするサイコス。
すると突然、下から突き上げられるような衝撃を受け、その後すぐにフロントガラスのような部分にばんっと何かが叩きつけられる衝撃音がした。
音が鳴った方に横に視線を向けて、サイコスは後悔した。
「見ぃつけた。」
血の手形をつけながら全身返り血で滴っている凶人がフロントガラスのような部分に張り付いていた。
「ギャアアアアアアアッ!!!?」
喉が裂けるほどの声量でサイコスは絶叫した。