星になったヒーロー   作:日暮 蛍 

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洗脳

別の所でも怪人とヒーローが戦っている。

 

怪水、エビル天然水と増殖する怪人、黒い精子と戦っているのはアトミック侍、イアイアン、オカマイタチ、ブシドリル、超合金クロビカリ。

人数と手数の多さは怪人の方が圧倒的だがヒーロー達は諦めない。

 

エビル天然水はクロビカリのパンチによって霧散したが、黒い精子はいくら倒してもキリがない。

 

「おらおらっ! 今度は逃さねぇぞサンドバック侍!」

「来いよ。試し斬り専用怪人。」

 

無数に分裂した黒い精子がアトミック侍達に襲い掛かろうとした時、何かが飛んできて大量の黒い精子をひき飛ばした。

 

「ギャアっ!!?」

「なんだ!?」

「何が飛んできた?!」

 

無事だった黒い精子は飛んできたものを見ると、それは下半身だった。巨体の下半身が突如飛んできたのだ。

 

「...マジでなんだこれ。」

 

上半身がミンチになってしまったせいでそれがブサイク大総統の死体である事を黒い精子は気がつかなかった。そして、死体に気を取られてしまっていた為黒い精子にとって因縁のある者が近寄って来るのに気付くのが遅れてしまった。

後ろから何かを叩いたような音が何回か聞こえ、振り返った黒い精子。

 

「何か聞こえなかったか?」

 

振り返った先にいたに声をかけた黒い精子だったが、返事は返ってこない。

代わりに虚ろな目をした黒い精子(自分)に殴り飛ばされた。

 

「いってぇ!! 何すんだよ!?」

 

黒い精子(自分)に殴られるという未知の経験に戸惑う黒い精子。気がつけば他の黒い精子(自分)達も襲っていたり襲われていたりしていた。

 

「おいどうしたんだいきなり?!」

「返事をしろって! おい!!」

 

まだ正気の黒い精子は時々聞こえてくる何かを叩くような音に不信感を抱き音がする方を見て、その正体を見た。

 

「さあみなさん! ヒーローの皆を援護してください!」

 

長い革鞭を振るっている凶人が弩Sのように鞭を使って黒い精子達を洗脳していた。

 

凶人の顔を見て誰だこいつと思った黒い精子だったが、マントの裏地が見えた時に凶人であると気がついた。

 

「あいつ、凶人か!!」

 

怪人協会のアジトで出会し、アトミック侍を連れて逃走し、その置き土産にエビル天然水とぬいぐるみの形をした爆弾を大量に置いていった事を黒い精子はかなり根を持っていた。

 

「おい! 凶人がいたぞ!!」

「何!?」

「あいつか!」

「俺達を洗脳して戦わせてるぞ!」

「許せねぇ! ぶっ殺してやる!!」

 

凶人の正体に気がついた黒い精子は他の黒い精子(自分)達にもそれを伝え、凶人によって黒い精子(自分)達が洗脳されている事にも気がつき一切に襲いかかる。

 

それが凶人の狙いであると知らずに。

 

「圧殺リンチ八つ裂き。ふふふ、んふ、ふふふふふ。どう殺されるんだろう。」

 

襲いかかる黒い精子達に凶人は革鞭をしまい剣を両手に持つ。

 

「さぁ来てください! じゃないと貴方も洗脳してやりますよ!」

「ほざけ凶人!」

「くたばりやがれ!!」

 

黒い精子から殺意を多方からぶつけられ、それでも嬉しそうに笑う凶人を応戦しながらも見ていたアトミック侍達は若干、いやかなり引いていた。

 

「...あいつ、ヒーローだよな。」

「一応、そう、だな。」

「あれさえなければ良い人なんだけど。」

 

助けられた経験のあるブシドリル、イアイアン、オカマイタチも凶人の二面性への反応に困っていた。

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