星になったヒーロー 作:日暮 蛍
金属バット、ガロウ、凶人。
この3人でそれぞれムカデ仙人を攻撃していくが、すぐに再生されてしまう。
「ヒビも入ってねーじゃねーな脳筋バット! やる気ねぇならブチ殺すぞ!!」
「あァ!? てめーの脳天からカチ割ったろうかクソ怪人!!」
「喧嘩してる場合じゃないよ2人共!」
すぐに言い争いを始めてしまうガロウと金属バットを注意する凶人。
「再生する間もなく全身を潰すか、再生の要の核か内臓を破壊しないと駄目ですねこれ。」
「核? ...宇宙人のアレか。」
良い対処方法が思い浮かばず、金属バットとガロウが攻撃していくが、ムカデ仙人が救助ヘリに追いついてしまった。
救助ヘリに乗っているヒーローの1人、
とうとう救助ヘリがムカデ仙人の触腕に捕まってしまった。一部が破壊され、機体が軋む。
それを見て金属バットとガロウは動きを止めてしまった。
「クク、どうした? もうチョコマカ跳ね回らんのか? ...ん?」
予定通り人質を取ったムカデ仙人は見下ろして、気がついた。
凶人がいない。
どこに行ったのだと視線を動かし、すぐ目の前で凶人が冷たく鋭い殺気を瞳に宿して刀を振り下ろそうとしている姿を目にした。
「おい! ま」
ムカデ仙人は人質を盾にしようとしたが、その前に凶人はムカデ仙人の顔全体と触腕を両方とも切り刻んだ。
自分達が死ねばどうせ人質も殺される。
ならば人質に危害が加わる前に殺せばいい。
それが無理なら自分に人質など無意味だと思わせればいい。
敵意を、悪意を、憎悪を、殺意を。全て自分自身に集中させればいい。
それが、凶人が考えた人質が取られた時の対処法だ。
「よし!」
折れた刀を投げ捨てた凶人はすぐに救助ヘリの元へと跳んで向かい、ムカデ仙人の触腕に捕まった時にメインローターなどが破壊され飛行が不可能になった救助ヘリが落ちないように下から支えてすぐにヘリをガロウに託そうとするが、その前に怒り狂ったムカデ仙人の腕に下半身を掴まれてしまう。
「うわっと!?」
「死ね!!」
鋭く巨大な牙を鋏のように動かし凶人の体を両断しようとする。牙は凶人の胴体に食い込むが、柔らかく強靭な肉体はムカデ仙人の牙に耐えていた。
強い圧迫感を感じながら、凶人は微笑んでいた。
「良かった。ヘリはまだ無事だ。」
凶人の思惑通り、ムカデ仙人は凶人を殺す事に集中している。これならガロウか金属バットの助けが間に合うと安心する。
凶人ではなく、救助ヘリの方だ。
救助ヘリの中にいる人達に被害が及ぶ前にガロウか金属バットに投げ渡そうとした時、一発屋と共に作戦に参加していたヒーロー、ギアスパーの力を借りた一発屋が撃った銃弾がムカデ仙人の全ての目に当たる。
それによって怯んだムカデ仙人の隙をついて金属バットは凶人を掴んでいるムカデ仙人の腕をバットでぶった斬った。
「「オラッッ!!」」
そして示し合わせていないにも関わらずガロウと金属バットは息を合わせてムカデ仙人を吹っ飛ばすほど攻撃を浴びせる。
「わおっ!」
救出された凶人は感心した様子で声が出た。
「おいアンタ! 500m先にデッケー網がある!!」
「揺れますよ! 気をつけてください!!」
金属バットが指し示した方角に凶人はヘリの中にいる人々に注意の言葉をかけた直後に思いっきりぶん投げた。
双眼鏡でヘリがスポーツ施設のネットに引っかかった事を確認した凶人はガロウと金属バットと共に地面に降り立つ。
「ヘリは無事網に受け止められました。これで、心置きなく戦えますね。」
「おう。」
「アンタ。なかなか根性があるじゃねーか。名前は?」
「凶人といいます。」
「...は?!」
ここでようやく凶人だと気がつき目を見開いて驚く金属バット。
もはやその反応にも慣れた凶人は戦鎚を取り出してムカデ仙人を見据える。
「じゃあ、やりましょうか。」