星になったヒーロー 作:日暮 蛍
凶人が切り刻んだ触腕や金属バットがぶった斬った腕が新しいのに生え変わり、ムカデ仙人は3人を見下ろしていた。
「もうここで仕留めるしかねーぞ!! 俺が決める!!」
「ひっこんでろ。俺がやる!」
「子虫がいくら協力したところで吾が六千六百六十六脚の連携に勝てると思うか!」
3人を屠る為に全身に高速回転をかけて突進してくるムカデ仙人。
「再生能力の対策はあんのか。」
ムカデ仙人に気づかれないように小声で話しかけるガロウ。
2人もガロウに倣って小声で自身の考える対抗策を話した。
「全身まんべんなくブン殴りゃいい!! ダッシュでな!!!
「口の中に入って内部をズタズタに切り裂きます。」
「...だと思ったぜ。」
2人の策を聞いて呆れるガロウ。
ドリルのように3人を削り潰そうとするムカデ仙人の突進に対して、3人は各々で攻撃をする事にした。
連携を金属バットとガロウはする気など全く無かったのだが、凶人が目を見張り、ムカデ仙人が驚愕するほどの連携度で即席の合体技をムカデ仙人にぶつける2人。反発する2人ではあるが、力の性質が似通っているからこそ出来た事である。
ガロウに引き上げられるように金属バットの力が増し、ついにムカデ仙人の外骨格を砕けるまでに至った。
「生意気な!」
ただの子虫と思っていた金属バットからの手痛い攻撃に怒りを感じたムカデ仙人は金属バットを殴り飛ばそうとするが、凶人が間に入り戦鎚を振り下ろしてその腕を木っ端微塵に砕く。
「おのれ、扇動者! どこまでも邪魔を!!」
「私は凶人! 名前はアズマです! 変な呼称で呼ばないでください!!」
ムカデ仙人が凶人に気を取られている間、ガロウは動いた。
金属バットと同様、力を引き上げられたガロウはついに、ムカデ仙人の身体に大きな穴を開けた。自身の強固な身体に大きな傷をつけられた事に驚愕するムカデ仙人だったが、すぐに治る傷と高を括った。
「? !! !!?」
傷口はいつまで経っても塞がらなかった。
「再生しない!?」
「やっぱりな。こいつが再生核だろ。」
地面に着地したガロウが持っているのは巨大な肉塊。
「ピンときたぜ。再生する度に特定の部位が気を放っていた。前にも似た様なものを見てたんでな。」
「返」
ガロウは体をのけぞらせ、再生核を空高くへと投げ飛ばした。
「とってこい!!」
「くそオオォ!!」
再生核を追ってムカデ仙人は全身を垂直に伸ばす。
その後にガロウも空高くへと跳んだ。
「勝てよクソッタレ! てめーとの決着はまた今度にしといてやるぜ。」
金属バットと凶人は地上から空を見上げた。
再生核を取り戻す為に天を突くように体を伸ばすムカデ仙人の背の上を走るガロウ。
触腕を伸ばして再生核を取り戻そうと掴むムカデ仙人。
頭のてっぺんまで昇ったガロウは跳び上がり再生核を足場にして潰し、勢いをつけてムカデ仙人の頭に向かって手刀を振り下ろした。
その結果、ムカデ仙人は瓦割りのように全身が縦真っ二つに割れた。