星になったヒーロー 作:日暮 蛍
身体に宇宙を宿している。
それ以外に表現しようがない風貌の男がヒーロー達の前に現れた。
何名かが男がガロウである事に気がつく。
その姿を見た途端、ヒーロー達は理解した。
あの爆発を引き起こしたのは目の前にいるガロウの仕業である事を。
そして、肌から伝わるプレッシャーにほとんどのヒーロー達は悟った。
敵わない。
圧倒的な力の前にヒーロー達は怯え、腰を抜かし、逃げようとする者までもがいた。
それは仕方がない事だ。それほどまでに今のガロウは異質な強さを、圧を周囲に放っている。自ら命を捨てにいくようなものだ。
「...ありが」
それを真っ先にしたのが凶人だった。
理想の力を手にし、空に向かって何かに礼を言おうとしたガロウに向かって凶人は飛びつき胴辺りに抱きついたまま足に思いっきり力を込めて跳んだ。
あっという間に皆から距離をとった凶人とガロウ。
「ぐぅっ!?」
このままさらに距離を離そうとしたが、視界が反転し気がつけば凶人はガロウの手によって地面に叩きつけられていた。
「何しやがる凶人。」
「あのま」
凶人は立ちあがろうとして、そのまま足を滑らせて勢いよく地面に顔面を叩きつけた。原因は立ちあがろうとした瞬間に厚底の靴が両方壊れてしまったからだ。
すぐに靴を脱ぎ捨てた凶人は今度こそ立ち上がった。
「あのままじゃ皆死んじゃいますからね。」
険しい表情で凶人はガロウを見る。
「ガロウ。神の手をとりましたね。」
「手? そんなもん、払いのけたさ。」
「!」
それを聞いた凶人はわずかな希望を見出す。
「ほんの一瞬触れただけなのですか?!」
「そうなるな。それがどうした?」
「なら、まだ間に合います! その為に、お願いですからここでじっとしていてください!」
「なんだか事情を知ってるみたいだな。お前、あれの知り合いか?」
「...ちょっと縁がありまして。」
苦々しい表情を浮かべる凶人の話をガロウは黙って聞く。
「あいつは碌でもない奴です! 目をつけた相手に力を与えて思考を歪めて、利用して、使い物にならなければ命を奪う恐ろしい存在です!」
「...確かに、俺は体中をめぐるすさまじい力の流れに意識を飛ばされそうになったが、オレは流れと一つとなりコントロールする事に成功した。あの妙な奴の操り人形にならずにすんだ。」
それを聞いて凶人は表情が少し明るくなる。
「それじゃあ」
「だから、これからする事はオレ自身の意志だ。」
が、ガロウが歩みを始めたのを見て、凶人は顔を青ざめ冷や汗をかく。
「待ってくださ、待って! 何をする気!?」
「悪を執行する。」
ガロウの進む先にはジェノス達がいる。
「しっかりして!!」
凶人はガロウを止めようと刺股を取り出して立ち向かい、
「...あ、れ?」
刺股が折られ、腹に衝撃が走り、異物感を感じた凶人は視線を下に向けると、ガロウの腕が凶人の腹を貫いていた。