星になったヒーロー   作:日暮 蛍 

73 / 73
Re 絶望の果てに、

身体に宇宙を宿している。

それ以外に表現しようがない風貌の男がヒーロー達の前に現れた。

 

何名かが男がガロウである事に気がつく。

 

その姿を見た途端、ヒーロー達は理解した。

あの爆発を引き起こしたのは目の前にいるガロウの仕業である事を。

そして、肌から伝わるプレッシャーにほとんどのヒーロー達は悟った。

 

敵わない。

 

圧倒的な力の前にヒーロー達は怯え、腰を抜かし、逃げようとする者までもがいた。

それは仕方がない事だ。それほどまでに今のガロウは異質な強さを、圧を周囲に放っている。自ら命を捨てにいくようなものだ。

 

「...ありが」

 

それを真っ先にしたのが凶人だった。

 

理想の力を手にし、空に向かって何かに礼を言おうとしたガロウに向かって凶人は飛びつき胴辺りに抱きついたまま足に思いっきり力を込めて跳ぼうとした。

 

「あ、あれ?」

 

しかし、抱きついたまではいいがビクともしない。

 

「え?」

 

顔を上げれば目の前にサイタマがいて、

 

「え??」

 

ガロウはサイタマによって殴り飛ばされていた。

 

「え???」

 

唐突な事態に混乱する凶人はもう一度サイタマの方へと視線を向ける。

 

「サ、サイタマ様?」

 

サイタマと目が合った時、凶人はある事に気がついてしまった。

 

サイタマが、全裸だ。

 

抱きついている事でサイタマの素肌の感触が伝わってくる。その事実に顔を真っ赤にし体を硬直させて黙り込んでしまう凶人。

 

「へぶぅっ!!?」

 

なので、サイタマが急速な勢いで離れた事で凶人は体のバランスが崩れて勢いよく地面に顔面を叩きつけた。

 

「なん、何で!? サイタマ様、全裸? 裸!? え? ええええええぇっ!!?」

 

そのおかげで体の硬直が解けた凶人は勢いよく起き上がり、どうにか目の前で起きた事態を飲み込もうと必死になる。

神の力、神通力を宿していたガロウはサイタマに吹っ飛ばされた影響でその力は抜けていき、サイタマはどこかへと飛んでいってしまった。

 

「えっと。えっとぉ。」

 

どちらを優先すべきか迷う凶人だったが

 

大丈夫。

 

そんな言葉が強く頭の中に浮かび上がり、凶人はその言葉に背中を押されるように足に力を込めてサイタマが飛んでいった方へと跳んでいった。

 

「あっ! いた!」

 

跳んで行けばサイタマはさほど遠くまで飛んでおらず、ひと足先に駆けつけていたジェノスと共に地面に座り込んでいた。

遠目からだが、サイタマはヒーロースーツを着ていた。

 

「サイタマ様! ジェノ」

 

先ほどの全裸のサイタマの姿は見間違いだと安心しそのまま跳んで2人の元へと向かおうとする凶人だったが、このタイミングで厚底の靴が壊れてしまい

 

「ぎゃあああっす!!?」

 

もんどり打ってそのまま2人の元へと転がり倒れた。

 

「うう。」

「オイ大丈夫かアズマ!?」

「は、はい。すみませんこのような醜態、を...」

 

顔を上げて、アズマは目の前のものに言葉を詰まらせた。

 

サイタマは確かにヒーロースーツを身につけていた。

しかし遠目から見た時はジェノスが影になっていて分からなかったのだが、股間の部分が破れており、丸見えだった。

 

それを至近距離で見たアズマは、眼帯の下から血が溢れ出した。

 

「アズマぁ!!?」

「おいどうした!??」

 

前触れなく出血するアズマに動揺するサイタマとジェノス。

 

アズマはすぐさま起き上がり座り込んだ状態で2人から背を向ける。

 

「え、あの、その。ありが、じゃない! すみませんその、み、見て、その。あのえっと、そのぉ。」

 

顔を真っ赤にして片目を泳がせてしどろもどろで言葉を紡ごうとしている。

 

その間、血は垂れ流しでアズマの服を濡らしている。

 

「しっかりしろ!!」

「やはりかなりのダメージを。一旦横になれ!」

「待ってぇ!! お願いだから待ってえええっ!!!」

 

アズマは一旦2人から距離を取ろうとして、厚底の靴が壊れている事を忘れて立ちあがろうとしてそのまままた派手に転んだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ハグキ転生(作者:増えるヤバイ奴)(原作:ワンパンマン)

ワンパンマンに登場する怪人、ハグキになっちゃった転生者が生き抜こうと頑張る話。▼ONE版、村田版ともに最新話までのネタバレを含みます。▼原作既読推奨です。▼【挿絵表示】▼↑主人公ハグキの人間擬態形態『タベル』のイメージです。


総合評価:5447/評価:8.62/連載:21話/更新日時:2026年09月13日(日) 17:17 小説情報

ジョジョ四部アアアアァァァーーーーwwwwwwwwwwww(作者:K.A.Raage)(原作:ジョジョの奇妙な冒険)

ジョジョ四部に足立レイとして転生した主人公が原作に関わったり関わらなかったり色々な物を唐揚げにして食べたりする話。▼「スタンドあるヤッター!!◯ねぇぇぇぇァァァァァ!!……」


総合評価:2523/評価:8.66/短編:7話/更新日時:2026年08月18日(火) 16:30 小説情報

グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER(作者:霊槍って、良いよね)(原作:HUNTER×HUNTER)

 七つの大罪の世界でグロキシニアとして転生し、チャンドラーと相打ちになるという大金星を上げた主人公が気付けばHUNTER×HUNTER世界の暗黒大陸の世界樹の元にいた……というところから始まる話。▼ 


総合評価:7461/評価:8.38/連載:16話/更新日時:2026年10月03日(土) 20:15 小説情報

秦こころ、ロックス海賊団の副船長です(作者:カラカラ侍)(原作:ONE PIECE)

普通の女子中学生だった少女は、ワンピースの世界に転生する。▼奴隷として地獄を見る中で、口にした悪魔の実で秦こころの姿に。▼表情を失った少女は、海の悪魔の船に乗ることに。


総合評価:2688/評価:8.36/連載:7話/更新日時:2026年09月01日(火) 21:43 小説情報

無名のお喋りロリババァ大魔族(作者:あみたいと)(原作:葬送のフリーレン)

▼フリーレンの魔族に対するときの顔が好き▼なんでタイトル通りの魔族がフリーレン達に絡んだりする話です▼※原作最新話までのネタバレ・アニメ化されていない黄金郷編のネタバレの可能性があります


総合評価:5665/評価:8.55/短編:3話/更新日時:2026年09月19日(土) 06:55 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>