星になったヒーロー 作:日暮 蛍
怪人協会とヒーロー協会の決戦が終わり幾分か日にちが過ぎた。
「おーっ。あったあった。」
「やりましたね先生!」
「良かったぁ。」
現在、サイタマ、ジェノス、アズマはゴーストタウンだった場所に来ていた。水が引いた為、サイタマの家の家財道具を探す為だ。
地道に探してようやくサイタマとジェノスが住んでいたマンションを探し出す事に成功した。
「お鍋あるといいですね。」
そう言ってアズマが視線を向けた先にあるバケツの中にはハマグリといった食用の貝が入っている。家財道具を探している途中で見つけたものだ。
「先生!」
「ん?」
サイタマが埋没していたマンションを持ち上げて地面に下ろした時、ジェノスがあるものを見つけ、抱えてサイタマに見せる。
「でっけぇ犬!」
「あら可愛い!」
ジェノスが見つけたのは大きくて黒い犬らしき生き物だった。
一旦地面に降ろされ、今度はサイタマに抱えられる大きな犬。ジェノスにもサイタマにも抱えられても吠える事も暴れる事もせずおとなしかった。
「犬いいよなぁ。」
再び地面に降ろされた犬はサイタマに甘えるように擦り寄る。
「おとなしくて人懐っこい子ですね。」
「先生。犬がお好きだったんですね。」
「最近な。人間の最良の友っていうだけあるよなって。」
「...たしかに可愛いですからね。ただエサ代など」
話の途中でジェノスとアズマの通信端末から着信音が鳴る。確認すると、協会本部に来るようにという通達だった。
「先生。俺は本部に用事があるのでこれで。」
「私もです。失礼します。」
「おう。」
ジェノスとアズマはサイタマに別れを告げて協会本部へと向かった。
◆◇◆◇◆
「そういえば報告書はちゃんと読んだかアズマ。」
「もちろんだよ。シババワの予言の事でしょ。」
協会本部のエレベーター内で話をするジェノスとアズマ。指定した階に着くと並んで歩く。
「必ず当たるんだってね。怖いなぁ。あと数ヶ月だもん。」
予言が必ず当たるという大預言者として有名なシババワがのど飴を喉に詰まらせて死ぬ間際に残した最後の予言。
地球がヤバい!!!
という。
具体的な事は一切告げられてはいないが、シババワがヤバいと表現したのはこれが初めてだそうだ。
洪水、危険生物の発生、大地震よりもヤバい何かが来る。
それを危惧してヒーロー協会は世間の混乱を避ける為に秘密裏に対策をする事にしS級ヒーロー全員に協力を呼びかけたのだ。以前、宇宙からの侵略者が来襲した日にジェノス達がヒーロー協会本部に呼び出されたのはこれが理由だ。
「今日のお話はそれに関係あるのかな?」
「詳しい事はまだ分からん。緊急招集としかなかったからな。」
指定された会議室の前に立った2人は堂々と中に入る。
すでに中には数人おり、その内の1人であり地球がヤバい予言対策担当の協会幹部、シッチがジェノスとアズマの来訪を確認する。
「よく来てくれた鬼サイボーグ。凶人。...あっ。いやすまない。変わったんだったな。」
「はい。変えました。なので、ここで名乗らせてさせていただきます。」
そう言ってアズマは帽子を脱ぎ、会議室に集まっている者達に向けて礼をする。
裏地に金色の糸の星座の刺繍が入っている黒いマント。
ゴツイブーツ。
フリルや星の飾りがついた軍服風の格好。
木星や星の飾りがついた官帽のような帽子。
相変わらず派手な格好はしていたが、凶人の頃と比べてテーマにまとまりがあった。
「改めましてこんにちは。私のヒーローネームは凶星と申します。この度S級ヒーロー昇級をきっかけに改名いたしました。今後は私の事は凶星とお呼びください。」
そう言って