星になったヒーロー 作:日暮 蛍
「俺は阿修羅カブトってんだ。戦闘実験用ルームがあるからよぉ、そこでやろうぜぇ〜。」
サイタマ達に強襲してきた怪人、阿修羅カブトの提案によって移動する事になったサイタマ達。
阿修羅カブトの誘いに真っ先に乗ったサイタマと阿修羅カブトは遮蔽物の無い広い空間の中央に立つ。
「広いだろ〜。この施設で一番でけぇ場所だ。戦力として使えるかどうかここで戦わせて実験してんだ。」
楽しげに話しながら阿修羅カブトは殺気を膨らませる。
「んじゃ殺し合いますか。」
臨戦体制に入ろうとした阿修羅カブトに熱線が襲う。
「お?」
しかしそれをものともせずに邪魔をされたことで少々苛立った阿修羅カブトは熱線が来た方向を睨むとアズマに背負われながらも焼却砲を放ったジェノスの姿が見えた。
「まーだ生きてやがったのか。」
遅れてアズマもジェノスが阿修羅カブトを攻撃した事に気がつく。
「良かったジェノス君。意識がってちょっと?! ジェノス君危ない!」
意識が戻ったジェノスに歓喜するアズマだったが、すぐさま阿修羅カブトに向かって行くジェノスを止めようと声を張り上げる。
しかしジェノスは止まらない。
阿修羅カブトを倒そうと高速連打を当てるが、阿修羅カブトに効果は無くジェノスを軽々と殴り飛ばす。
勢いよく飛ばされたジェノスを受け止めたサイタマはジェノスの片目が吹き飛び顔面が半壊しているのが見えた。
「不覚。」
「顔壊れてんぞ」
いくら頑丈なサイボーグといえどこのまま動けば身体に致命的である事はサイタマにも理解が出来た。
「あいつは、俺が。」
「もう無理すんなって。」
ジェノスにこれ以上動くのは止めろと言うがジェノスは止まらない。再び阿修羅カブトに熱線を当てようとするが、阿修羅カブトはジェノスの攻撃を嘲笑い息吹だけで熱線を跳ね返してしまった。
「息で返された!!? そんな」
これには流石のジェノスも驚き、そのまま返された熱線をもろに浴びてしまった。
「ジェノス!! 大丈夫か!?」
「は、い。」
慌てた様子で声をかけたサイタマに心配かけないよう気丈に振舞おうとするジェノスだったが
「いや大丈夫じゃないだろその頭!」
「ジェノス君の髪がちりちりに!?」
顔面は半壊し人工毛髪は熱によって縮れてしまっている。身体のあちこちにも損傷がありその影響で動きが鈍い。今のジェノスはとても大丈夫と言える状態ではない。
「アズマ、ちょっとジェノス連れて離れててくれ。」
「分かりました。ちょっと失礼ジェノス君。」
ジェノスに肩を貸して阿修羅カブトとサイタマから距離を取るアズマは向かう先に人がいる事に気がついた。
ボロボロの体を引きずってまで阿修羅カブトとサイタマの戦いを見ようとやって来たジーナスだ。
「あれ、さっきの人。...もしかして、貴方がジーナスですか?」
「...そうだ。」
「へー。」
少しの間が空き
「襲ってこないでくださいね。」
と、アズマはジーナスに釘を刺す。
「しないさ。私はね。」
アズマと話をしながらも阿修羅カブトとサイタマから目を離さないジーナスの姿に言葉に嘘偽りではないと判断したアズマはジェノスをそっと下ろして自分も2人の戦いを見るのに集中する事にした。