トリッカル・記憶もち教主大作戦 作:strawberrycake
(※用事が固まって執筆に時間がかかり正確には2時間ほど日付超えたのは大目に見てぇ…)
拙作の1話分は基本的に本家の1話分(右下にクレープの-続く-か-おわり-が出るまで)の長さで連載していこうと思っています。
また、これ以降は作者のマイペースで執筆していく為、書き上がったタイミングでの更新となりますのでよろしくお願いします。
エピソード1-1:プロローグ
『わぁー! わぁぁー! バキッー』
「ヒィィッ!!」
「向こうだ! 向こうから女王の泣き声が聞こえるぞ!」
「いつも聞いていた声だ!」
「と、とにかく逃げよう!」
エルフィンにぶっ飛ばされた私が立ち上がると、すぐに妖精の反乱軍が追いかけてきたので、エルフィン、ネル達と一緒に一旦逃げた。
追いかけてくるなんてそんな事よ(う)せ(い)よ!!と叫びたかったが、下級精霊の気分を沈めそうな気がしたので我慢した。
「はぁ、はぁ、しつこいな反乱軍…」
(息を吐くエルフィン)
「どうやらこちらの位置がバレたようですね」
「あちらです! あの路地に逃げましょう!」
「うん…!」
(息吐きネルとモヤモヤエルフィン)
「女王を探せ! 探し出して掴まれろ!!」
「間一髪だった危ねぇ…」
「行ったようですね」
「みんな、正気じゃない! これからどうしよう!?」
「ねぇ! 何かいい考えはないの?」
「それなら…一か八か、かけてみるか…」
「一か八かとは…何をなさるおつもりなのですか?」
「後で詳しく話すが、私は君たち妖精よりも身長差が2〜3倍ほどある人間だ」
「「!?」」
「人…間…?」
「そういえばさっきからやけにデカい体してるわね…ずっと気になってたけどあなた何者なの?」
「そこは後で詳しく話すから! とりあえず話を聞いて!」
「恐らくだけど私のようなデカい存在が前に出ていけば、反乱軍たちは絶対に怯むはずだと思うんだ」
「「…!!」」
「それに、例え襲撃を受けたとしても私自身はちっとやそっとじゃ大ダメージを受けない体質だ」
「その辺りも後で詳しく話すが、とにかく私がごり押ししてでも反乱軍を追い払って見せようと思う」
「「…………」」
「どう? 完璧だr……って、あれっ???」
「なんかあまりにも捨て身すぎるんだけど…こいつの作戦に乗って、本当に大丈夫なの?(ひそひそ)」
「少なくとも自ら盾となって私たちを守ってくれるのであれば、ひとまずは安心なのでは?(ひそひそ)」
「おーい、全部聞こえてんぞー(棒)」
(ピクンとするエルフィン・ネル)
「まあ、とはいえ突然、君のために助けにきたぞエルフィン!とか」
「私は予言に書かれていた人間としてやってきたんだネル!とか」
「そう言ったところで急には信じられないという気持ちは分かる」
「でも私は…」
「待ってください!!」
「ん、どうしたー?」
「今、予言に書かれた人間…とおっしゃいませんでしたか!?」
「そ、そうだけど…?」
「予言…そして人間……」
「も、もしかするとあなたが…!!」
「この状況からわたくしたちを救ってくださる救世主なのですか!!!」
「ちょ、ネル! 声がデカいわ…!!」
「おい、落ち着け! 感動する気持ちは分かるが、そんなに大声出したら…」
「ん? 今、何か聞こえなかったか?」
「見ろ、お菓子のカスが落ちている……」
「ヒィィ!!」
「私のした事が…感動しすぎてついウッカリしてしまいました…」
「と、とりあえず私の正体を信じてくれたのはありがt…」
「見つけたぞ! こんなところに隠れていたのか!!」
「さっさと秘密のおやつ倉庫の場所を吐け、女王!」
「そんなものはないって言ってるでしょ!?」
「囲まれてしまいました…一見すると私たちだけでどうにかできる状況ではありませんが…」
「人間さん、自信がおありならば、先ほどの方法を試して頂けますか?」
「よし、私に任せろ!!」
私が教主様としての信頼を勝ち取るチャンスだ。
幸いにも、”予言”と”人間”という2つの言葉で、予言に書かれた人間は私じゃないかってネルは信じ始めてくれている。
「本当にあいつに任せて大丈夫なのー!?」
「あの方の発言が正しければ、予言に書かれている人間で間違いないはずです」
「とにかく今は他に方法はなさそうですし、あの方に賭けてみましょう」
「でも、その予言って、女王である私でも初めて聞いたんだけど!」
なんでいう言葉が後ろで聞こえてきているが、今は私が考えた作戦を実行させよう。
デカい体に世界樹のご加護、使える手段は思う存分利用してやるまでだ!!
「反乱軍たち、エルフィンとネルを襲おうとするなら私が相手だ!!」
「………こ、こいつは何者だ?」
「私は人間だ!」
「に、人間?」
「ちょっと! 予言が何か知らないけど明らかに不利で無謀すぎるじゃない!!」
「女王様、とにかく今は落ち着いて見守りましょう」
「わたくしもまだ人間(仮)の認識ですし、ここを突破してこそ予言に書かれた人間と初めて認めることに致しましょう」
「新型の魔法ゴーレムか?」
「ゴーレムを分解したら砂糖が出るかもしれない!」
「あれっ!? 思ったんと違う!!?」
「ゴーレムのメイン燃料は糖分だ! 大半が溶かした砂糖を燃料として使っているらしい!」
「分解しよう!」
「分解してキャンディを使って食べよう!」
「ちょお!!?」
「あいつ押し負けているわ! 結局ダメじゃない!!」
「やはり真の救世主は他にいるのでしょうか…?」
「おい! こいつら”正気の沙汰でNight(ない)”過ぎやろ!! どうしたらそんな発想になるんだ!!!」(ヒュウゥ〜)
「なんだ!? うっ…急に寒気がしてきたぞ…」
「押し負けてると思ったら、今度は寒いじゃない!!」
「下級精霊の気分さえもコントロールするとは…人間さんはやはり何か特殊な能力でもお持ちなのでしょうか?」
「え、何!? 一体何が起こったんだ!?」(※無意識の無自覚)
【ブルミ! これは一体何が起きてるんだ!?】
【あれっ? ブルミ…?】
(※さっきの駄洒落で凍って地面に転がっているブルミ)
【ブルミィー!? ってあれ、なんだこれは…?】
何が起きたのかは理解できなかったが、地面に落ちて固まっているブルミの近くに銃が落ちているのを見つけた。
【これはもしかして…!?】
その銃を拾い上げると、前世でトリッカルをプレイしている時のチュートリアルとして『何が起きたのか見に行ってみよう!』とブルミに誘われて見た2話の展開をふと思い出した。
そうか、これで一気に形成逆転できるぞ!!
切り札をくれてありがとう、世界樹さん…!
そうと決まれば銃を構えて……
「何がゴーレムだ!! 私は分解型のゴーレムじゃない!!! とにかく全員そこを動くな!!!!!」
「なんだ、それは?」
「あいつ、床に落ちてた変なものを拾ったぞ?」
「もう一度警告する、少しでも動いたらコイツを撃つぞ!!!」
「構うことはない! 攻撃しろ!!」
「くそぉー! これでも怯まないなら致し方ない、許せぇ!!」
『カチャーーパァン!!!』
「これでどうだ!!!!!」
「なんだ、あれは? 新しい魔法武器か?」.
「に、逃げろ!」
「女王が新しい武器を発明した!!」
反乱軍は逃げ去った!!!
「はぁ…なんとか助かった……砂糖が絡むとあそこまで気が狂うもんなのかアイツらめ………」
「あ、あなた……今のどうやったの?」
「あっ、そうか、この世界にはそもそもコイツが存在してないんだったな」
「コイツは銃といって、構えてこの引き金を引くと正面に強力な弾…」
「君たちに分かりやすく言うと威力が強すぎる小さな魔法弾みたいなものを素早く前に突き出して発射する武器だよ」
「そしてその強力な魔法弾を直で食らったら、相手はひとたまりもなく重傷を負うだろうね」
「うーん、よく分かったような、分からないような…?」
「つまりは相手を一瞬のうちに負かすこともできる攻撃に特化した小型武器、という事でしょうか?」
「正確にはこの世界における弱点はあるけど、ネルの解釈であってるよ!」
「それならそれをどんどん使っていきましょ!」
「そしたら、立ち塞がる敵をみーんな蹴散らせるじゃない!」
「エルフィン、そう上手くはいかないんだ。今から弱点の話をする」
「えっ、弱点があるの?」
「そう、弱点として使徒を始めとした動く物体には銃口を向ける事ができないんだ」
「どうしてなの? さっきは普通に使ってたじゃない!」
「さっきは動く物体に対して撃ってなかったからだよ。いわゆる何も物体がない場所への威嚇発砲ってやつだから撃てたんだ」
「何故だか分かる?」
「…分からないわ」
「世界樹のご加護があるからだよ」
「「…!!」」
「コイツに直接撃たれたら普通は重傷は免れないし、急所に当たったら確実に週末農業送りになるほどの大怪我をするんだ」
「だから、それをしようとするなら世界樹の加護に阻まれて出来ないってことだ」
「だから、あくまでもコイツは音で相手を驚かせることにしか出来ないってことだよ」
「なんだか話が難し過ぎて混乱してきたわ…」
「世界樹の…ご加護……もしや、エーリアスに関して色々とお詳しいのですか?」
「??? ま、まあ…そうかも?」(※無自覚でゲームの知識をひけらかしていた)
「ならば、エーリアスに存在する種族をお答えして頂いてもよろしいでしょうか?」
「種族? 確か、妖精、獣人、エルフ、精霊、幽霊、竜族、魔女、その他(???)、だったはず?」
「せ、正解です…!! それなら、妖精王国に住む妖精を10名お答えできますか?」
「10名…えっと…思い出すから待ってて!」
「ネル? さっきから何答えさせてるのよ?」
「世界樹のご加護の事をご存知でしたので、試しに少し意地悪問題的にエーリアスの特徴についてのクイズをお出ししたのですが…」
「えっと…ネル、エルフィン、キャロット、カレン、キュウイ、パトラ、マヨ、クロエ、シュパン、マリー、エシュール、それからえっと…」
「これも正解です!!! 既に11名お答えしているので問題クリアです!!」
「まさかとは思いましたが、これだけの知識があるのなら間違いありません」
「あなたこそ、この状況から私たちを救ってくださる救世主ですね!!」
「とりあえず、無事受け入れられた…?」
まさか、無意識のうちに口走ったエーリアスの知識から信じてもらえるルートになるとは思わなかったけど、とにかくなんとかなってよかった…
これもメインシナリオをもっとまともに履修しておけばよかったと悔いが残るが…ブルミも言ってたようにエーリアスの知識を駆使してなんとか頑張っていきますか…!
その後は本家通りに(?)ネルから『教主様』という呼び名が与えられ、それでもまだ納得のいってないエルフィンに理解してもらうためにみんなで教団本部に向かう事となった。
ここまでで本家と違った点をもう一つ挙げるならば…
「教主ちゃん! これからは気安く寒い駄洒落を言うのは控えて!!」
「あまりの寒さに凍りついてそのまま週末農業にいくかと思ったんだからね!!」
【ごめんなさい…以後気をつけます…】
ウッカリ放ってしまった駄洒落で週末農業に逝きかけたブルミに厳重注意を食らった事だろう。
ここまで来ると私なんかが教主としてこの世界に介入して本当に良かったのか不安になってきたが、世界樹に選ばれたのだからなんとか頑張っていくしかないな……