トリッカル・記憶もち教主大作戦   作:strawberrycake

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ハーメルンとpixiv、どちらもこちらの想定を遥かに超えた反響に驚きました!!

流石トリッカル…影響力が凄すぎる!!


多くのいいね、ブクマ、ウォッチリスト(お気に入り)登録、コメントなど、本当にありがとうございます!

おかげさまで筆が捗っております!






エピソード1-2:女王と教主

 

 

 

「周囲をよく調べろ! きっとこの近くに女王がいるはずだ!」

 

 

「困ったなぁ…どこへ行っても反乱軍だらけね」

 

「私が追い払った反乱軍はほんの一部だったわけか…」

 

「あの前さえ通り抜けられれば、なんとか教団本部まで辿り着けそうですが……」

 

「仕方ありません。ここは私が……」

 

「ネル? 何か策でもあるの?」

 

「ネル、何をするつもり? まさかあなた、自分を犠牲にする気じゃ………」

 

(ネルがゴソゴソと何かを取り出している)

 

「さあ、キャンディです!!」

 

 

ネルはそう言うと、袋に入れていたキャンディの一部を教団本部への道とは別の方向に投げつけた。

 

 

「キャ、キャンディ!? ど、どこだ!?」

 

 

そして、投げられたキャンディめがけて反乱軍が飛びついて追いかけていく!!

 

あれっ、その手があらかじめあったということは…

 

 

「今のうちです! 彼らがキャンディに気を取られている間に行きましょう!」

 

「ちょ!? その手があるから先にやってよ!! 私が命がけで反乱軍に立ち向かおうとした意味…()」

 

「そうよ! ネル! 食べ物は持ってないって言ってなかった!?」

 

「あなたたち…せっかく隙を作った私の作戦を無駄になさるおつもりですか?」(ゴゴゴゴゴ)

 

「ひ!? はい逃げます!!!」

 

「ヒィィ!! 急いで行動しなきゃ!!!」

 

 

 

そしてネルの作戦により私たちは反乱軍の隙をついて逃げ出し、なんとか教団本部の近くまでやってきた。

 

 

 

「で、あのキャンディはこっそりと持っていたものなの?」

 

「その通りです、教主様。万が一のために持っていたキャンディです」

 

「あくまでも万が一だから、さっきは敢えて全面的に私の作戦に乗ったのか…」

 

「でも、もう私にバレちゃったんだからいいでしょ! 一つちょうだい!」

 

「いけません、この先に何があるのか分からないので、残しておかなければ」

 

「それに女王様は1つで満足できないでしょう? 袋ごと口の中に入れるに決まっています」

 

「袋ごとって、どれだけ爆食なんだよー(棒)」

 

「ちょっと! 私のことバカにしてるのー!?」

 

「バカにしてるも何も、反乱軍が発していた言葉やこの燃えてる王国の状況を見てなんとなく察した…感じかな?」

 

 

まあ、各使徒の特徴は前世で履修済みだから多少の手がかりでエルフィンがやらかしただろうってすぐに検討がつくけどね…

 

 

「流石です、教主様! お察しの通りこの惨状は女王様が原因で間違いありません」

 

(あたふたエルフィン)

 

「ちょっとネル!! 何バラしてるのよ!!」

 

「バラしたのではなく、教主様にこの騒ぎを解決して頂く上での説明をしたまでですよ、女王様」

 

「ああ、やらかしちゃったか(棒) まあ、力になりきれるかどうか不安だけど、教主になったからには騒ぎ解決に尽力させてもらうよ」

 

「それはそれは、とても頼もしい限りです!」

 

「ぐぬぬ………2人とも覚えてなさい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガチャッー』

 

 

「鍵をかけたので、教団本部の中ではゆっくりできるでしょう」

 

「ところで、救世主について書いてある本はどこにあるの?」

 

「そうですね。こちらの棚に…」

 

 

ネルが何やら分厚い本を取り出した。

 

 

「どうぞ、お二人もご確認ください。最初のページに記してあるので、すぐ見つかるはずです」

 

「なるほど、せっかくだからちょっと見てみますか」

 

「『序章:予言』、『昔世界樹エーダルがある地、エーリアスに人間が現れた』」

 

「『人間はエーリアスの混乱を鎮め、忽然と姿を消した』」

 

「『遠い未来に同じようなことが起こるならば、必ず人間が現れ、エーリアスを救済するだろう』」

 

「『第1章:救済』」

 

「…書かれているのはこれだけみたいだな」

 

「えっ、それだけなの?」

 

「あと残りのページは全部白紙になってる」

 

「予言と言っても大した事はないのね。もっと長々と書かれているものだと思ったわ」

 

「いや、エーリアスに混乱が起きたら人間が現れて救ってくれるだろうってだけでも充分シンプルかつ簡潔に予言が書かれていると思うけどな…」

 

「んで、今回の混乱のトリガーは直接的にはエルフィン女王だったわけか」

 

「何!? という事は今回教主を呼び寄せたのは私のおかげでもあるじゃない? 流石ね私♪」

 

「あ、あのなぁ…」

 

「そんな女王様には怖ーいOHANASHIが必要みたいですね?」(ゴゴゴゴゴ)

 

(超焦りエルフィン)

 

「ヒィー!!! よく分からないけど謝るから怖いOHANASHIじゃなくて普通のお話を続けましょ!」

 

「まあ、話が傍に逸れすぎるのも良くないしな…特に気にせず話を戻そうか」

 

「はぁー…今回は教主様の気に留めていない姿勢に免じて、聞かなかったことに致しましょう」

 

「助かったぁー…」

 

「そしてこの中途半端に終わっている文章…」

 

「見た感じでは第1章以降は書きかけみたいだけど、これ以上書かれていない理由とかはあったりするのかな?」

 

「それは本の表紙をご覧になればお分かり頂けます」

 

「表紙か。どれどれ、『教主の修養録』…」

 

「修養録、ってなんだっけ?」

 

「修養録とは、司祭が必ず書くべき日記みたいなものです」

 

「なるほど、日記として日々の出来事を記していくのか」

 

「そして、こちらの本は過去の世界樹教団の初代教主様がお持ちだったものです」

 

「え、初代の教主様が!?」

 

 

やべぇ…今この瞬間のストーリーは辛うじて履修してるはずなのに、覚えてる範囲が局地的すぎて思い出せねぇ…

 

世界樹エーダルが敢えて私を教主に選んだのは、世界観と使徒の特徴は知ってるのにストーリーは詳しく知らないという絶妙な知識のプレイヤーだったからなのか!?

 

 

「ええ…ですが、残念ながら初代教主様は1日教主を務められたあと、週末農場へ行かました」

 

「たった1日で!? 週末農場に行った原因とかは判明しているの?」

 

「残念ながら、今となってはあまり知られてはいけない情報なのか詳細は謎に包まれているのです…」

 

「世界樹のご加護を持ってしても、恐らく何か良からぬ事が起こったというのか…」

 

 

1日といえば本国のトリッカルもリバイブ前は1日でサ終した伝説を持つけど、まさかそれと関係してたり……いや、違う次元の話だから関係はなさそうか。

 

 

「そして、初代教主様が早く週末農場へ行かれてしまって以来、みんなが教主というポジションを恐れたため空席のままになっていました」

 

「真の教主様は人間にしか務まらないということに気がついたのです!」

 

「まあそれなりの覚悟とやる気が必要になりそうなポジションだもんね…人間にしか務まらないというのは言い過ぎかもだけど」

 

「言い過ぎではありません! 使徒たちはみんな個性が豊かすぎる故、人間にしか務まらないのです」

 

「たまたま偶然、初代教主様も私も人間という共通点があるだけに過ぎない気もするけど…まあそれも一理はあるのか」

 

「いえ、偶然が集まり必然となるのです」

 

「過去や未来の予言、妖精王国が滅亡する危機、人間の降臨、あなたが見せてくださった力、そして私たちとの出会い……」

 

「全てまとめてみると、決して偶然ではありませんよね?」

 

「確かに、運命に導かれて私もこの世界に降臨したものだからなぁ…」

 

「とりあえずはまあ、これから教主としてみんなを支えていけばいいのかな?」

 

「ええ、もちろんです! その為にもまずは毎日修養録に日記を書いてください。私が確認し、3行以下であった場合は職務放棄とみなして、お尻ペンペンです」

 

「っ……つまりは教主として得た知見なんかを日記として毎日書けばいいんだね?」

 

「その認識で問題ありません」

 

「分かった、約束する」

 

 

まあ出来事や知見を整理する代わりになるから寧ろ有難いが、流石にお尻ペンペンなんていうのはやめてくれ…笑いを堪えるのに必死だったぞ。

 

そんなんだからエルフィン女王は『ここを我慢すれば問題なし!』なんていう実質上で罰の意味を成してない状態になってるんじゃないのかい?

 

 

「それとも、何か文句でもありますか?」

 

(勘づかれたか!?と焦りぴくりとなる教主)

 

「いえ、ありません!」

 

「そしてこれから信徒たちを集めなければなりません。教主としての力を証明するのです!」

 

「仲のいいご友人やそのご家族でもいいので、できるだけ大勢を連れてきてください」

 

「つまりは教団に加入する使徒を集めるってことか」

 

「その通りです!」

 

「そして教主の任務遂行能力が向上したら、ランクを上げて差し上げます」

 

「まずはローズランクから始めましょう。これでも破格の対応ですよ、本来はふたばランクから始めるものなのですから」

 

「なんか教主という立場が形式的で堅苦しくなってきてないか!?」

 

「まあ、そんな難しいことじゃないって。 私が毎日やってる女王の日課と同じようなものよ。 私もちゃんとできてないから、いつもネルに叱られているし」

 

「おい、それじゃあダメだろぉ!!」

 

「別にいいじゃない。 お仕置きとしてお尻をペンペンされて、1食我慢すればいいだけだから、慣れれば楽なものよー?」

 

「つまり、実のところは何もしなくてもいいってこと!」

 

「女王の威厳まるで無しだな!!?(棒)」

 

「これはもう…この騒ぎを解決した後も先が思いやられそうだ…」

 

「教主様のおっしゃる通りです! 女王様のその態度のせいで王国が燃えているのですよ!?」

 

「も、燃やしたのは住民たちであって、私じゃないもん!」

 

「はぁ…女王様がこんなお方で非常に面目ないですが、どうか私たちを導く教主としてこれから務めて頂けますでしょうか?」

 

「まあ、確かに前途多難には見えるけど、それも覚悟承知の上でこの世界に来ているからね…勿論だよ」

 

「教主様…! 本当にありがとうございます」

 

「積極的な姿勢でとても嬉しいですが、例え焦らなくとも、隣のお方を反面教師に1つずつコツコツと学んで頂ければいいのです」

 

「ネル! それって、私のことじゃないよね!?」

 

「この状況で他に誰がいるんだい…」

 

「ネル…本当に今まで苦労が絶えなかったであろう心情をお察しするよ…」

 

「教主というポジションが空いたままであった今日(こんにち)までは本当に色々と大変でしたが、世界樹の啓示を信じて困難を乗り越えてきました」

 

「ですが、こうして教主のポジションが復活したからには思う存分こき使う事ができるので、これからが楽しみです」

 

 

【ダメだこりゃ…】

 

【ブルミぃ…私、これから地獄の日々がやってきたりしないよね?】

 

「大丈夫! いざという時があたちがジャーン!って登場して初めての事を教えたりアドバイスしたりして手助けすることもできるから!」

 

「あたちと教主ちゃん、一緒に頑張ろ! あたちも隣で応援してるからね!」

 

【分かった。いざという時は頼らせてね】

 

「もちろん!」

 

【ありがとう。気持ちが少し落ち着いてきたところで、再び2人に注意を向けることにするよ】

 

 

「教主、さっきから何考え事をしているのよ?」

 

「ああ…教主として本当にやっていけるか少し不安に思ってたんだ…」

 

「そんなに考え込まなくても大丈夫よ! 私も長年こうしてネルの元でやってきたわけだし! あなたもきっと毎日が楽しくなるわ!」

 

「それだといいけど…」

 

「女王様に対するご不安なお気持ちお察しします。 ですが、真面目に教主としてのお役目を果たして頂けるのであれば、私もお力添え致します」

 

「時々女王様がご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうかこれからよろしくお願いします」

 

「こ、こちらこそ…! ネル、エルフィン、そしてこれから出会う使徒全員のために出来る限り頑張るよ」

 

 

 

これから出会う使徒たちはクズが多いとは思うけど、みんな可愛いからヨシ!って思えるような広い心を持ってこれから頑張るかぁ…!

 

まあ、使徒本人たちに可愛いから許すだなんて言ったら調子に乗りそうだから心に秘めるだけに留めるけどね…特にエルフィンはそれが顕著な気がするな。

 

 

 

 

            -続く-

 

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