トリッカル・記憶もち教主大作戦 作:strawberrycake
筆が捗っていた中、ここにきてまさかのロレットのテーマ劇場で拙作にて現在進行中の反乱について取り上げられる事となったので、物語の状況確認や今後の展開の整理などで予定より更新が遅くなりました(汗)
結論的にはストーリー知識には疎い拙作教主に加えて秘密である以上はマリーが簡単に口を割りそうもなさそうな流れから、ロレットの件はひとまず拙作に大きく関与はさせない事にします。(入れられそうと思ったシーンで少し伏線入れる程度の予定)
そして今回は、前回の教団本部でのやり取りの続きとなります。
途中で教主がブルミの特性(考える速さでの会話)を活かした半テレパシーな会話とエルフィンたちとの会話を同時に進行させる展開がありますが、見辛かったらごめんなさい。
「ところで教主としての仕事は何があるのかな?」
「それはもう様々です。 書類の処理や日々の細かな実務や雑務、これから教団に加入される使徒の世話など…」
「ですが、それはこの騒ぎが落ち着いてからの話で、今は修養録さえ毎日書いて頂ければ結構です」
「まずはこの騒ぎから解決しましょう」
「分かった。今は主に修養録を書く、騒ぎの解決に奔走する、この2つをすればいいんだね」
「ええ、それで問題ありません」
「そして後者の騒ぎの解決ですが、いくら強い力をお持ちの者でも、反乱軍全員を1人でどうにかするのは不可能です」
「う…」←1人でどうにかしようとした人
(※エルフィンがニヤニヤしている)
(悔しそうに焦る教主)
「わ、笑うな、エルフィン!」
「ま、まあ、とりあえずは仲間を集めましょう。 妖精王国にはまだ、私たちの言葉に耳を傾けてくれる者がいるはずです」
「仲間か……それなら私に任せなさい」
「女王様に、ですか?」
「何よ? その疑うような目はやめて!」
「ほう、エルフィンの仲間か…どんな子がいるのか気になるな」
「いざという時には役に立つような子たちと仲がいいわ! 信じられない様なら、一緒に来てその目で確かめてみなさい」(キリッ)
「なぜ自慢しているんだ…?」
「何よ、悪い? 本当に私と仲がいい子が居るんだってば!」
「そこまで言うなら見せてもらおうか!」
「もちロン! この女王様に期待しなさい!」
「分かった。 期待してる」
私がさっきネルに暗唱した妖精の中には居るだろうが、それを物語的に詳しく知る前に前世を終えてしまったから、誰が出てくるのか非常に楽しみなのは本音だったりする。
「でも出発するその前に、さっき見た前の教主の修養録は棚に返した方が良さそうだね」
「そうですね。2代目の教主となる貴方には出発前に新しい修養録用ノートと書き物をお渡しします」
「それじゃあ、前教主の修養録は本の棚に…」
修養録を棚に戻そうとした時、本の中から小さなメモがひらりと落ちた。
「ん、何だろうこのメモ? 『妖精王国から始まり』…何だこれ? なんか本に挟まってたみたいだけど」
「誰かがしおりとして挟んだんじゃないのー?」
「わたくしもこのメモは初めて見ました。もしかすると誰かが悪戯で隠したのかもしれません」
「なるほど、悪戯で隠す…待てよ…悪戯で…隠す……」
「急に呪文なんか唱えてどうしたのよ。 そんな呪文の魔法なんかないわ」
「いや、なんか大事な事を忘れているような気がする…修養録の…」
「修養録には最初のページ数枚と本の表紙にしか、特に何も書かれていませんが、何か思い当たる事でもあるのですか?」
「本の…表紙……表紙といえばカバー………あっ!!!」
【思い出した!】
「「…!!」」
【修養録のカバー!!】
「いきなりデカい声出したらびっくりするじゃない!」
【例の心が読める魔法のメモが入ってるじゃん!!!】
「もう、教主ちゃん!」
「何か思い出されたのですか?」
「せっかく召喚されてすぐにあたちに話してくれたのに、てっきり忘れたまま出発するかと心配してたよ!!」
【ごめん!! ネルとエルフィンと話すことに集中してたら忘れかけてたよ!】
「この修養録のカバーに描かれてる聖画の辺り、触ったら何かがあるような違和感があるんだけど…流石に破いたらまずいよね?」
「それにしても教主ちゃんも凄く慎重だね? おもいっきり破いちゃえばいいのに」
「絶対にいけません!! そんな事をしようものなら、査問会を開いて磔の刑に…」(ゴゴゴゴゴ)
「ほらまた聖画の事で怒った! 聖画を破いていけないって概念に囚われているおバカさんだから、ずぅーっとこんな事にも気がつかなかったんだよ!!」
(あわあわな教主)
「ああああ、分かった分かった、破かないから破かずになんとか取り出す方法を考えるよ!」
【司祭長相手によく強気に出れるね…それはともかく、メモの魔法の判定について一つ聞いてもいい?】
「それならよろしいです。ただ、カバーは厳重に修養録を包んでいるので、物理的だとまず破くしか方法はなさそうですね…私が許しませんが」
「あたちと親分がその気になれば何でも思い通りにする事ができるから怖くないし平気だよ!」
「でも、破いたところで何か災いが起きるわけでもないでしょ? それなら思い切って破いちゃいましょ! 何が隠されてるのか私も気になるわ!」
「そしてメモの魔法のことだねー? 答えられる範囲ならいいよー」
【ありがとう! それなら、このメモにかけられた魔法はどうやって見つけた人判定を下してる? 例えば2人の魔法の力をお借りしてメモを直接カバーをすり抜けさせて取り出す、私自身に手が物をすり抜ける魔法をかけてもらって私がカバーからメモを取り出す…とか】
「なんという事を!! 教主様がせっかく聖画を破らずに済む方法を考えて下さっているというのに、女王様が教主様のお手本にならないでどうなさるおつもりなのですか!!!」
(涙目エルフィン)
「うぅ…怒られたとしても我慢すればいいから平気だもん!」
「あなたって人は…逆に教主様の方が女王様のお手本になっているとは情けありません…教主様の前で本当にお恥ずかしい限りです…」
「実は本当のところはね、ノーヒント!って言いたいところだけど、そんな気遣いできるところは他の使徒の為にもなるって期待しているから特別に教えてあげる!」
【ありがとう、感謝する】
「まず前者、これは例えばネルがこういった魔法を使ったらネルが能力を手に入れてしまうね。 でも後者なら大丈夫! 最終的に手にするのは教主ちゃんになるから予定通り、教主ちゃんが心を読む能力を受け取れるよ!」
「それで教主は、何か考えを思いついたー?」
【なるほど、分かった。 教えてくれてありがとう。 早速後者をネルかエルフィンにお願いしてみる!】
「そうやってまた話を逸らして…まあいいでしょう。 教主様、何かいい方法は思いつきましたか?」
「うん! 頑張って! あたちも隣で健闘を祈ってるよ!」
「ネル、君に魔法を使ってもらってもいいだろうか?」
「? 構いませんが、どのような魔法を使えばいいのでしょうか?」
(飾り目><で悔しそうに杖を振るエルフィン)
「なんで私じゃなくてネルを頼るのよおぉ!!」
「…それは、女王様自身の胸に手を当てて考えてみてください」
「胸に…手を…?」(試そうとしてる)
「話が脱線しましたね、魔法の種類にはよりますが、簡易的な魔法ならすぐに使えますよ?」
「それなら、私自身に一時的に物をすり抜けるような魔法をかけてもらっても…いいかな?」
「なんと! その魔法は滅多に使わないので上手くいくかは分かりませんが、教主様のためなら試してみましょう」
そんなこんなで、ネルも私自身も半信半疑なところはあったものの、ネルが私にかけた『物体すり抜けの魔法』により、私は無事にカバーの聖画の裏に隠された紙を取り出す事ができた。
紙を取り出した瞬間に魔法の効果が切れた気配がしたから、あと僅か1〜2秒でも遅かったら結局カバーの聖画を破く羽目になりそうだかったから危なかった…
そして一歩間違えればガチで『いしのなかにいる!』という恐怖になりかねない危険な魔法でもありそうという事は今は敢えて触れないでおこうかな…
「紙が出てきたわね!」
「僅かな違和感でその紙の存在に気がつくとは! やはりあなたには本当に教主になる素質があったのですね!」
「それで紙には何が書いてあるの?」
「『世界樹の枝に触れた者は、真実を見抜く者になるだろう。』」
「…何かの名言だろうか?」
「なぁんだ。今日運勢みたいなくだらない内容?」
「教理本に書いてある内容ですね」
「なるほど、結構意味深な…言…葉……」
なんだか急に何かをやり遂げられたような不思議な気分がする……世界樹が私の特徴に例の能力を付与した力を感じたのだろうか…?
「いきなりボーッとしてどうしたの?」
【あぁ〜、もう疲れた〜、ジャムの上にパンを乗せて食べたい】
「教主様? 急に無言になられて何かを感じたのですか?」
【やはり教主という立場にプレッシャーを感じているのでしょうか? 病まれてしまっては元も子もないので、こき使うなら程よい加減が良さそうですね】
相手に聞かれてないと思っているからか言いたい…もとい思いたい放題の状態ではあるが、とりあえず心を読む特徴は私に正常にインストールされたみたいだな。
「ああ、ごめん、急に脳に何かが吹き込まれた気がして驚いたけど気のせいだろうか? それとも世界樹からの啓示か何かなのか…」
「普段であれば世界樹にお祈りを捧げた上で、世界樹から啓示を与えて頂くのが祈祷方法ですが、ここまで真剣に私達に向き合って頂いたことでお祈りしなくとも何かを授かったのかもしれません」
【それはさておき、もしかするとここまで頭を使い過ぎたせいで一時的に脳がおかしくなったのかもしれませんね】
「なんだろう…? 脳が一瞬何かに支配されるような気配はしたけど…何が起きたのかよく分からないし、何も変わった気はしないかも」
【ブルミの存在と心を読む能力は使徒たちには内緒にしないといけないもんね。ここだけは重要な設定故にしっかりと覚えてた!】
「でしたら今は脳を休ませましょうか。気晴らしにおやつでも召し上がりますか? どうぞそちらへお座りください」
「お、いいのか? じゃあお言葉に甘えて…」
「うんうん! 教主ちゃん、偉い! 本来はここで本格的に心を読む能力の説明をしようと思ってたんだけどね」
「教主ちゃん自身があの時に説明してくれて知ってくれている様子から手間が省けそうだよ!」
「って、今はこんな状況でおやつはキャンディぐらいしかなかったんじゃなかったのか!?」
「あっ…そ、そうでしたね。今はおやつよりこの騒ぎを解決しなければいけませんね」
「ネル! 座ったわ! おやつを頂戴! 早く!」
「エルフィン話聞いてた? 今、キャンディしかおやつないよね?って私確認したよね?」
「キャンディでもいいから早く早くぅ!!」
【お腹が空きまくっている私の前では横からの話など通用しないわ!!】
【うわ…これ、エルフィンがよその種族の備蓄された食料とか、たかったりしない? 大丈夫??】(※フラグかな?)
「教主ちゃん…エルフィンはお腹を空かすと何でも食べようと暴走しがちだから、くれぐれも気をつけてね…?」
【マジか…先が思いやられるなこれ…】
「とにかく、教主様が鋭い感覚の持ち主であるようで、よかったです」
【おやつ作戦はダメでしたか、女王様のように楽にはいかないようです】
「とりあえず、さっきの脳の支配の正体が分からない以上、どうしようもなさそうだな…」
「それにエルフィンの友達の事が気になるし、今は前教主の前教主の修養録を本棚に戻したら友達の場所に案内してもらっていいかな?」
「あっ、そうだった! えへへ、私についてきて!」
そんなこんなで、エルフィンに案内してもらえる様になった訳だが…
【ブルミ、私があの時に説明した通りこれより先の出来事の記憶はほぼ一切無いから、困った時にはサポートよろしく頼むね?】
「うん! 任せて!」
前世で観測したブルミは『使徒から教主ちゃんへのプレゼントを横取りする気はほんの99%しかないし!』とかゲンコツしたくなる様なお茶目クソ言動もあったけど、私が真摯に向き合っているからなのか今世(?)のブルミは頼りになるなぁ…!
「教主ちゃん? あたちだってやる時はやるんだから、そんなにバカに思わないでくれるー?」
【そ、そんなバカにすることなんて微塵にも思ったりしてないからねー!!?】
ブルミに読んでもらう心の内とそうでない心の内をスピーチバルーン(【】)と地の文でわざわざ分けてるのに、まさか更に深く心を読んできただと!!?
まさか、モノローグさえもやろうと思えば看破して読むことができるのか…???
新たな事実が明らかになりました(?)、恐ろしい…
こんな事実は受け入れ難いんですよ…
本当に前途多難な状況は続きそうだけど、とりあえず今は妖精の誰が出てくるのかを期待することにしようか…