あってもおかしくないバッドエンドルートです。
こういうことが起きてしまっても仕方ないですよね?
でも此処に掲載されている時点でこのルートは本編からは辿り着かないエンディングなんですけどね。
一気に飛んでドレスローザ編の設定です。
残酷な表現が含まれています。
むしろ死ネタです。
成り代わり主人公からの視点はありません。
以上を見て、問題ないという方は、引き続きどうぞ!
IF BADEND-CRYCIS
コラさんの悲願を果たすため、乗り込んだドレスローザ
国王としてこの国を支配しているドフラミンゴを討ち倒せれば…!
おもちゃたちも解放した、幹部達も倒した、麦わら屋と力を合わせ、ドフラミンゴを倒す事ができた…!!
これで、この国は救われる…
これで、コラさんが望んだようにドフラミンゴを法の裁きの下に晒すことが出来る…!
そう、思ったのに…!!
「べ、へへ…残、念…だったな~……ドフィは、ここには、居なかったんだよね~…」
てっきり本体だと思っていたそれも、糸で出来ただけの人形に過ぎず…!
「うそ、だろ…?」
満身創痍で、倒せたと思った相手が、贋物だったなんて…!
「どこだ!?ミンゴはどこにいる!!?」
叫ぶ麦わら屋に、オレももう一度気を取り直す
挫ける訳には、いかないんだ…コラさんのためにも…!
「んね~…ロー…」
息も絶え絶えな様子のトレーボルがオレを呼ぶ
「…なんだ?」
一刻も早く…ドフラミンゴを倒して、ジョーカーを殺さないといけないんだ…
「…ドフィは…ずっと、待ってたんだよね~…おまえが…戻ってくるのを…」
それは知っている…オレのためにハートの椅子を空けておいただの言われたからな
「…だからどうした?」
でも、オレはアイツを倒すためだけに帰ってきたんだ!!
「…ドフィは…ずっと…“コラソン”を…」
言いよどむトレーボルの本意がわからない
これは、時間稼ぎなんじゃ…?
「もう…休ませて、あげてよ…んね~……おれからも…頼むから…」
コイツが何を言いたいのか、わからない
「…鍵…持って……北の、塔…ドフィが…いるから…んね~…」
鍵を取り出して、そのまま意識を失ったトレーボルに、これが罠の可能性も思い当たって
「…行くぞ、トラ男」
「待て、麦わら屋、まだ罠じゃないとは…!」
「罠なら、その罠ごとぶっ壊せばいい…おれはミンゴをぶっ飛ばすって決めたんだ!」
鍵を持って駆け出した麦わら屋を追って、北の塔に向かう
そうだな…罠なら、罠ごと斬り刻めばいいか
そう、思って、向かったのに…
「ミンゴォォ!!」
北の塔の鍵のかかっていた扉を蹴り開けた麦わら屋に続いて、その部屋に入ってけば、そこにはきょとんとした表情の女性と、驚いた顔をした男性が居るだけで…
「まあ、あなたドフィのお友達?」
そう嬉しそうに聞いてきた女性に、麦わら屋が首を傾げていた
「お友達が遊びにくるなんて聞いていなかったのだけれど…」
「休んでいるドフィを起こしてきた方が良いかね?」
周りの喧騒なんて知らないかのように話を続ける二人には、どこか違和感があって…
「父上?母上?兄上の友達が遊びに来たって聞こえたけど…」
聞こえてきた声に、オレを耳を疑った
そんな…
だって…
あの人は…!!
声のした方を見れば、化粧をしていないだけで、あの日々と変わらぬ姿をした、コラさんがいて…!
「コラ、さん…?」
「え…?アイツ、トラ男の恩人なのか!?でも、死んだって…!」
「その、はずなんだ…だって確かに、あの日…撃たれて…」
こっちに来る途中で転ぶ姿も、何一つ変わってなくて…!
「兄上、ドフィの友達か?おれはロシナンテ。ロシィって呼んでくれ!」
なのに、まるで初対面のような挨拶をされて…
なにが…
おれが…わからないのか…?
コラさん…っ!!
「悪いんだけど、父上は兄上起こしてきてくれないかな?それから母上はお茶の準備お願いしてもいい?」
「ああ…お友達の相手は頼むよ、ロシナンテ」
「ええ…甘いお菓子が好きだといいのだけど…」
なんの違和感も感じていないかのように、笑顔でそう話しているコラさんに、何が起きているのか、まったく理解できなくて…!!
それでも…他の二人が消えた瞬間、コラさんの姿が揺らいで…
オレの良く知る、コラさんの姿になった
「…良く聞け、ロー。おれがドフィの術に干渉できる時間はあまり長くないから、出来るだけ早く済ませたい」
煙こそはないものの、煙草をくわえた真剣な表情はあの日の再演のようで
「コラさん…!?一体何が…!?」
「お前も知ってる通り、おれも両親も既に死んでいる…ここにいるのはドフィの術で現世に縫い留められている死者だけだ」
死者だけ…?それじゃあ、ここにいるコラさんも、さっきの二人の人間も…死んでるのか?
「そんな…それじゃあ…コラさんは…」
「死んでる。今のおれたちは、おれたちの遺体の一部を核にドフィの糸で身体を構成して、魂を降ろしているだけの人形だ。ドフィはここで、人形遊びの家族ごっこをしてるんだ…」
どこから見ても、普通の人間と変わりないのに…
触れてみた手も、生きているのと変わりない温かさなのに…!
「なんで…そんなこと…!」
「もう、正気じゃないから、だな…何が引き金だったかはわからない…おれをも殺したことだったかもしれないし、父を殺したことだったかもしれないし、母が死んだことだったかもしれない…でも大事なのはそこじゃないんだ、ロー」
「アイツは昔から狂ってるんだろ…?コラさんだってそう言って…」
繰り返し繰り返し…アイツがバケモノであることを口にしていたのはコラさんなのに…
なんで今更、言葉を取り消すようなことを言うんだ…?
「ドフィを殺せるのは、今となってはおまえしかいないんだ…悔しいことにな」
苦々しげにそう口にしたコラさんに、疑問しかわかない
実力的には麦わら屋にだってアイツは倒せるはずだろ?
「おれだけ…?どうして!?」
「ヴェルゴの奴がドフィを狂わせていたらしくてな…ドフィは『コラソン以外には殺されない』よう、洗脳されている」
「それとおれだけが殺せるって一体何の関係が…!?」
ここの幹部の連中には三代目コラソンだと見られていたみたいだが、オレはその地位に付くつもりはないし、そう公言してきた
ドフラミンゴにも、そう言ってある…オレは、アイツのコラソンにはならないって…!
「ヴェルゴはもういないんだろ?おれはおれの意識があったとしても、ドフィの糸で出来ているせいか“コラソン”としては認識されないらしい…でも、ドフィは繰り返し何度も、おまえが三代目のコラソンだって言っていた…狂って、もう、ファミリー幹部でさえも、正しく認識できないにも関わらず…」
「なに…?それじゃあ…」
アイツが、家族と呼び大切にしていた奴らでさえ、ちゃんと、認識できてなかったのか…?
それを聞いてようやく、コラさんが言った、もう正気じゃないという言葉が理解できた…
アイツはもう…本当に、狂ってしまったのか…家族も解らなくなるくらいに…自分が操る人形を家族と呼ぶくらいに…
「ドフィは…おまえを待ってたんだろうな…おまえに、殺してもらえるのを…狂っていくのに耐えられなくて自害しようにも『コラソン以外には殺されない』という洗脳のせいで自害する事もできず……見ていて、辛くなるんだ…あのバケモノが、たくさんの人を苦しめた報いだと、最初は思ってたのに…ほんの僅か、正気に戻る時に、ずっと謝ってるんだ…父上を殺したこと…殺さなきゃ、いけなかったこと……ドフィの、本意じゃなかったんだって…どうしてもっと早く教えてくれなかったのかって…おれは…ッ!」
泣きながら、そう訴えてくるコラさんの気持ちは、何となくわかった…
ずっと…誤解して…すれ違ってたのか…
その結果…ドフラミンゴは、本当に壊れてしまって…
助けてあげたくても…もう、自分には出来ないのに…ずっと側で見させられて…
…アイツも…誰かのおもちゃでしか、なかったんだな…
「誰かが…兄上をあんなバケモノにしたんだ…!兄上はずっと…そんなことはしたくないって、言ってたのに…!…ごめんな、ロー…本当なら、おれがやらなきゃいけないことなのに、おまえにやらせて…でも…」
「コラさん…いいんだ。コラさんはあの日おれを助けてくれただろう?だから…今度はオレがコラさんを助ける番なんだ…」
コラさんの悲願を、本懐を叶えるために、オレは十三年間生きてきたんだ…
それがコラさんの望みだって言うのなら…叶えないわけには行かないだろう?
「お願いだ、ロー…もう…ドフィを休ませてやってくれ…!!」
「…わかった」
血を吐くような声で叫んだコラさんに、オレは鬼哭を握りなおし…
「…あにうえ…」
振り返ったコラさんの後ろに、いつの間にかドフラミンゴが現れていて…
はじめて見たかもしれないな…コイツの素顔…
どことなく、コラさんに似ていて…
「……ロー…?」
「…もう、お休みだ、ドフィ…」
心臓を突き刺す軌道で繰り出した鬼哭は止められる事もなく…
グシャァッ…
その胸を貫いて…
「…ああ…おや、すみ…」
安堵したように微笑んで逝ったドフラミンゴに、なぜか涙が止まらない…
「ありがとな、ロー…ずっと、見守ってるから、仲間と一緒に長生きしろよ…!?」
ドフラミンゴが死んで、能力も解けたのか、崩れていくコラさんはそう言って、
あの時と同じ、不細工な泣き笑いの笑顔を浮かべて…!
「当たり前だろ!?コラさんに貰った命なんだ!無駄になんかできるかよ!!?」
同じように不細工な泣き笑いになってるだろう笑顔で返せば、コラさんは嬉しそうにして…
「…トラ男…」
「……悪かったな、麦わら屋…おまえもアイツを倒したいって言ってたのにな…」
「いや、いいよ…ミンゴはトラ男に倒されたかったんだろ?…なら、トラ男がやるべきだったんだ…」
そうして…オレたち二人以外は誰も真実を知らぬまま…ドレスローザの悲劇は幕を閉めた…
「…天国って、センゴクさんのとこの茶室みたいな部屋なんだな~…」
「不思議部屋ですわね、あなた」
「これは床に座って足を入れる、こたつというものではないかね?ドゥルシネーア」
「あ、父上と母上もいたんですね……兄上も…ああ、でも兄上は…」
「おお、ロシナンテ、大きくなったなぁ!…頭を撫でようと思っても届かないほど大きくなるとは思いもしなかったが…」
「あら、でもあなた?高いところの食器にはすぐ手が届きそうでいいではありませんか!」
「それもそうだな!…ドフィは居ないのか?」
「…兄上は…」
「ふみ゛ゃッ!?」
「…あら?コタツの中に…あらあらまあまあ!!」
「ううう…今クリーンヒットしたぁ…」
「うおッ!?こ、コタツの中から小さい兄上が!!?」
「ドフィ?…ドフィは大きくならなかったのかい?」
「…肉体的にはロシィとおんなじくらいの大男に育ってましたよ、父上。生憎と魂と肉体の繋がりは今の見た目の年齢の時に切れてたっぽいんで、魂的にはこの年齢で死んだ扱いらしいですけどね!」
「あ~…つまりおれの知ってる兄上は父上と同じくらいの頃に…ってことか?」
「多分…なんか…オレなんだけど、オレじゃなくて、半分以上違うものになってて…なんかに潰されて喰われたような記憶もあるんだけど…オレを皮に被ってたみたいな?…わからん…だめだ…あたまんなかぐるぐるする…」
「…兄上にもローと同じくらいだった時期があったんだなぁ…」
「ッ……膝抱きにするのはいいんだけどさ、ロシィ…やる前に一応断ってからにして…今ぐるぐるしてて気持ち悪いからちょっと危なかった…」
「あ、ごめん、兄上」
「…ああ、でもその頭なでなでってのはちょっと落ち着くからもうちょっと…ん~…」
「…なんか…兄上って…すごく可愛い?」
「ふふふ…今頃気付いたんですか?ドフィもロシィも昔からとっても可愛かったんですよ?」
「ドフィは強がりばかりでロシィには弱いところを見せないようにしていたからなぁ…」
「そうだったんだ…今日から兄上の定位置はおれの膝ってことだな!」
「は!?なんでそうなったんだよ!?」
「え?だっておれローと一緒に居る間に抱き癖ついちゃったし、今の兄上ちょうどいい大きさだし、むしろ兄上はおれに謝らなきゃいけないことあるし、おれも兄上に謝らなきゃいけないし、でもなんか色々めんどくさいからこれでとりあえずチャラでいいんじゃないかって思って?」
「…ロシィのその理論はわかんねぇよ…まあ、抱いてたいなら嫌だとは言わないけどよぉ…」
「やった!」
題名のCRYCISは、危機を意味するクライシス、泣くのCry、同一側にあることを意味するシス型のCis、惨事ストレスの略語であるCIS、以上の四つの意味を含めてみました。
話の中にそれぞれ対応するような箇所があると思いますが、どこが何処にあたるのかは、皆様のご想像にお任せしておきます。
この話はニコニコ動画でドフィが踊っているとあるMMDを見て降りてきた話なんですけど、私にはその動画に出てきたコラさんがドフィの糸で出来た幻っぽいなと思えたので、こうなっちゃいました。
女の子バージョンでは似たような感じで糸を使ったククリをしてますし、某忍者漫画の糸も使うヒトは両親の人形で寂しさを癒してましたし…
一回コラさん糸人形vsローなんてルートが開きそうになったんですけど、麦わらさんがドアを蹴破った際にルートフラグも叩き折られてしまったので…。
それも修復不可能そうなレベルでバッキバキですので、読みたい方はご自分で妄想してくださると助かります。
ああ、それから、一応このドフィは不思議部屋で言っていたように、闇に潰されて喰われているので、ほとんど自我が消えてからはほぼ原作通りのようなルートを進んだんだと思います。
以上、鬱で終わらせるのには耐えられない病を発症している作者からでした。