この世界で9番目ぐらいな俺、異世界人の監視役に駆り出されました 作:東雲(しののめ)
「——失礼しました」
はぁ……
表彰という名のお喋り会が終わった。
学園長室を出てようやく自由の身になる。
さすがに疲労が溜まってきてフラフラだ。
「この後は授業か……」
監視役として来ているとはいえ学生の身分。
サボることは普通許されない。
そして時間的にはまだ授業中。
だから廊下には本来誰も生徒はいない、はずなんだが……
「こんにちは」
学園長室の近く、その人はいた。
「こ、こんにちは、です」
その金髪は神々しく輝く。開いた碧眼は宝石のよう。
美の化身でありながら、平民に憧れる少女。
(な、なんでここにクラリスさんが……)
彼女の名はクラリス・ランドデルク。
公爵家の人間あり、この学園では生徒会長に座す人だ。
「数日ぶりですね、クレス君」
「ど、どうも」
「林間合宿での件は聞いてますよ。大変でしたね」
「何とか無事に済んで良かったです」
どうやら我らがトップも事情は知っているらしい。
まさか
「じゃあ俺はそろそろ……」
「待ってください!」
静かに去ろうとしたが途端に腕を掴まれる。
(ですよねー。素直に帰してくれるわけないですよねー)
今の時間は授業中。
生徒会長と言えど、用なくこの場にいることはないだろう。
つまりクラリスさんは学園長室前で待ち伏せしていた事になる。
「クレス君。いえ、クレス・アリシアさん」
改まった喋り口調。
真剣な目、俺も自然と背筋が伸びる。
「今日は貴方を見込んで、とあるお願いをしに来ました」
「……お願い、ですか?」
「ええ。少しでも早くお伝えしたくて、こうして待っていた次第です」
お願い……
パシリ? 召使い? それとも奴隷?
何をすれば、いや、何になればいいですかね?
(本人は口に出さないが、クラリスさんには大きな借りがある)
彼女がいなければ不合格、そもそも監視任務自体が破綻していた。
それを忘れる俺ではないし、彼女も忘れる気はないはず。
いいだろう。
どんなことでもやってや——
「結婚してください」
「………………は?」
意を決してクラリスさんが告げる。
真剣な
だが呆けた俺に、クラリスさんは再度言い放った。
「クレス君、
それは突然のこと。
俺は公爵令嬢クラリス・ランドデルクに、プロポーズをされたのだった。