九州新幹線「つばめ」誘拐殺人事件   作:新庄雄太郎

9 / 11
鉄道公安隊の九州を舞台にした鉄道推理を短編化にしました。

父親が脅迫されて、命が狙われた。

犯人は誰なのか?




短編作品集
特急ソニックの殺意


「何、最近命を狙われている!?。」

 

と、岩泉が言った。

 

「はい、最近親父が狙われているんです。」

 

「それで、お父さんには恨みはなかったんですか?。」

 

「そう言われてもね。」

 

「あのー、どんな些細な事でもいいんですよ。」

 

「先日、こんなものが届いたんです。」

 

と、息子の達也さんは手紙を見せた。

 

「ほう。」

 

「お前を殺してやる、一生許さない。」

 

「これって、脅迫手紙じゃないですか。」

 

と、高山は言う。

 

「本当に心当たりはないんですか?。」

 

「ええ、俺にもよくわからないんです。」

 

「そうですか。」

 

「じゃあ、犯人に心当たりはないんですね。」

 

「ええ。」

 

そして、次の日。

 

達也の父親は鉄道と旅好きであり、よく1人で列車旅をしていた。

 

特急「ソニック13号」の車内にて

 

「ん、お客さん終着の大分ですよ。」

 

と、1人の女性がが起こしにやってきた。

 

「あっ、この人死んでるわ。」

 

「誰か、誰か来てっ。」

 

「どうしました。」

 

「大変なんです、車内で人が死んでいるの。」

 

「何ですって。」

 

そして、車内で事件が起きたのだ。

 

「何、特急「ソニック」で男性の死体!。」

 

と、高杉は驚く。

 

「えっ。」

 

大分県警の話によると、稲垣 幸一さんはJR九州の日豊本線経由の下り特急列車特急「ソニック13号」の車内で発見されたそうだ。特急「ソニック13号」は10時04分に博多を発車し、小倉、別府、大分へ運転する特急で883系といわれる車両で運転されている、終着大分へは12時05分に到着する。

 

「第一発見者は、女子旅をしていた大学生で別府を通過した後に大分に到着したときに異常に気付いたんだそうです。」

 

「それで、死因は?。」

 

「死因は、青酸カリによる中毒です。」

 

「なるほど、するとお茶の中に青酸カリが混入されていたんですね。」

 

「ええ、そうです。」

 

「つまり、これは計画的な殺人事件で犯人は青酸カリ入りの緑茶を飲んだ後に殺害されたと考えられます。」

 

「お父さんは別府へは何をしに行くんですか?。」

 

「別府、それはどういうことですか、刑事さん。」

 

「これを見てください、被害者のポケットにこれが1枚は東京から別府への連絡切符、もう1枚は特急「ソニック13号」のグリーン車の券です。」

 

「何か、別府へ行くのか。」

 

「ええ、確か父さんはよくひとり旅をしているから九州へ行く事が多かったかな?。」

 

「なるほど。」

 

「という事は、別府へ行く途中で殺害されたと考えられますね。」

 

「うん。」

 

被害者は、この日ひとり旅で九州へ行く事になっていたことが分かった。

 

「さて、問題なのは脅迫状は誰が送ってきたのかだ。」

 

「やはり、父親の元同僚じゃないでしょうか?。」

 

「その可能性が高いな。」

 

と、高杉は言った。

 

数日後、1人の女に会った。

 

「ああ、その男なら私とよく合いに来るわ。」

 

「それは、本当なんですか?。」

 

「ええ、私はその時に出雲へ行っていたから。」

 

「そうですか、何時に出雲へ行ったか覚えていますか?。」

 

と、南は言った。

 

「私は22時に東京から寝台特急「サンライズ出雲」に乗って出雲へ行ったんだから、翌日に出雲に到着したのは10時04分よ。」

 

「ほう、それは間違いなくアリバイがあるな。」

 

「ええ。」

 

と、南は写真を見せた。

 

「本当に、乗ったのは本当みたいだね。」

 

「完璧なアリバイだな。」

 

「何か、引っかかるんだな。」

 

「わかったよ、犯人はこれを利用したんだよ。」

 

「何、列車トリックが分かった。」

 

「ええ。」

 

「犯人は最初から新幹線「のぞみ」に乗っていたんですよ。」

 

「そうか、犯人は東京から岡山へ向かって出雲へ行ったのか。」

 

「ええ。」

 

「この写真は、5月の写真だ。」

 

「そうか。」

 

東海道・山陽新幹線「のぞみ1号」

 

東京発6時00分 乗車

 

岡山着9時18分 下車

 

特急「やくも5号」

 

岡山発9時53分 乗車

 

出雲市着12時58分 下車

 

小倉着10時38分 下車

 

特急「ソニック13号」

 

小倉発10時48分 乗車

 

「やはり、彼女は最初から乗っていたんですよ。」

 

「そうか、犯人はこれに乗っていたのか。」

 

「しかし、こんな列車トリックを使っていたとはな。」

 

「それで、犯人は分かったのか。」

 

「ええ、この方法で殺害できるのは彼女さ。」

 

そして、次の日。

 

「ああ、南さんに高山さん。」

 

「ちょっといいですか。」

 

「えっ、何を。」

 

と、里見 京子は言った。

 

「あなた、東京駅で新幹線「のぞみ」に乗って岡山へ向かったんですね。」

 

「一体、何を言っているんですか?。」

 

「あなたは、的場さんをご存じですね。」

 

「だから、何なの。」

 

「そして、あなたは最初から新幹線に乗って岡山まで的場と一緒だった。」

 

「えっ。」

 

「じゃあ、この脅迫を送ったのは。」

 

「彼女だよ、朝市の新幹線に乗っていなければね。」

 

と、南は里美に言った。

 

「くっ、何で分かったのよ、私も計画がうまくいっていたのに。」

 

そこへ、警視庁の関警部が到着した。

 

「里見京子、的場大殺害容疑で逮捕する。」

 

と、部下の佐久間刑事と二宮刑事が里美を連行した。

 

「いやー、犯人が使った列車トリックと写真で見抜くなんてなかなかいい管をしているようだな、よしっ、行くぞ。」

 

「はっ。」

 

里見は、稲垣の不倫による殺害しようと脅迫したことを自供した。




ご意見・ご感想をお願いします

参考作品

西村京太郎「特急「にちりん」の殺意」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。