ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第32話 銀河の青龍

星楼中学校戦後の次なる刺客として現れた、聖永4戦士の一人、四天カイト。

 

彼が使うベイ、ウィザードピクシスに苦戦を強いられ、

マイを囚われてしまう事態に一時は陥った。

 

しかし、ソウタがその弱点を見抜き、見事勝利。

 

無事、地下水道から脱出したのだった。(ナレーション)

 

カイトとの戦いから2日後、聖永学園では__。

 

「シオン様、カイトが敗れました」

 

「何……?」

 

「にわかには信じがたいですが……」

 

「誰に負けた?」

 

「蒼龍ソウタでございます」

 

「フフフッ……。またしてもヤツか。エイキだけでなくカイトも倒すとは、相当の強者と見た……!」

 

「私が直接出向くことも出来ますが……いかが致しますか?」

 

シオンは静かに笑うも、そこには狂気が秘められていた。

 

「帝龍太。貴様は4戦士最強。今ここで出すのは、貴様自身にとっても惜しいはずだ。今は奴らがどう動くか確かめる」

 

「かしこまりました」

 

帝龍太という少年は、戦前に出るべきかをシオンに聞いたが、彼女に根尾中学校の監視を優先される。

 

「フフフ……」

 

「何をしている? 征二狼」

 

「いえいえ、何でもありませんよ」

 

教室の隅で征二狼が何かを手に持ちながら、笑っていた。

 

シオンに気づかれた瞬間、とっさに誤魔化す。

 

「……」

 

(させませんよ……。この世界を『手に入れる』まで、私は……!)

 

――根尾中ベイブレード部部室――

 

いつも通り、練習に励むソウタ達。

 

そんな中、ヒカルがバトルバンドを操作する。

 

「なるほどな……」

 

「どうしたんだよ、ヒカル」

 

「ああ……今、聖玉を多く集めているチームを調べていたんだ」

「それで出てきたのが、これだ」

 

そう言って、4人に見せる。

 

「!」

 

すると、バンとソウタとツバサが目を大きくして驚く。

 

「神世学園……。90個……!?」

 

なんと、ベイブレードカップを辞退していた神世学園がトップに立っていた。

 

「でも、あいつらはベイブレードカップを辞退して……」

 

当然、それを疑問に思うも……。

 

「恐らくだが……聖永杯自体、公式の大会ではないからな。それで自由に参加することが出来たのだろう」

 

「なるほど……」

 

考察とはいえ、聖永杯に参加できた理由に納得する。

 

『対戦相手確定! 対戦相手確定! 相手は豪龍学園! 相手は豪龍学園!』

 

その時、バトルバンドがマッチングを通知した。

 

対戦相手の名は豪龍学園。

 

聖玉の数、60個とランキングでは3位に位置していた。

 

「おっ、対戦相手が決まったのか!」

 

対戦相手の通知に、ソウタは相変わらずワクワクしていた。

 

しかし、ヒカルの表情は、どこか曇っていた。

 

「……」

 

「どうかしたか?」

 

「豪龍学園か……。厄介な相手と当たったなって……」

 

「どうしてだよ」

 

「豪龍学園はその実力は確かだが、勝つためには卑怯な手を使うことも厭わないという噂も立っている」

 

「マジかよ……」

 

なんと、豪龍学園には勝つためなら、どんな卑怯な手も厭わないという噂があった。

 

だが、彼らは気づいていなかった。

 

もう既に奴らが接近していたということに。

 

「へっ……!」

 

謎の少年は、ドクロマークが印字された鉄球らしきものを持ち、怪しげな笑みを浮かべる。

 

その時、一人の少女が彼に声をかける。

 

「本当にやるの? ま、それはそれで面白いけど」

 

「当たり前だ。あの男の言うとおり、根尾中を潰し、最終的に聖永もぶっ潰す」

「俺達こそが最強だってのをここで示してやる」

 

「根尾中ベイブレード部……君達の聖玉を僕らのものとさせてもらうよ」

 

「さっさとやっちまおうぜ」

 

他の少年2人も会話に混ざる。

 

(あの男の言うとおり、俺達は勝つためならどんなことでもやる……。どんなことでもな……!)

 

――

 

『何者だ? あんた』

 

『私は神世征二狼。豪龍学園の皆さん、あなた達に頼みがあってここへ参りました』

 

『頼みだと?』

 

『先ずは、これをどうぞ』

 

部室の前に現れた4人組の正体、それは豪龍学園の面々だった。

 

そして、彼らの前に現れたのは神世征二狼。

 

彼はそう言って、先程の物体を渡す。

 

『何だこれは?』

 

『それは「毒ガス」です。私は彼らに礼をしなければならなくてね。あなた達は勝つためにはどんな手も厭わないとお聞きしました』

『なので、それとは相性が良いと思いまして。どうです?』

 

『……良いぜ、やってやるよ』

 

『それはそれは……光栄ですね。では、頼みましたよ』

 

―― 

 

「まぁでも、ここで退くわけにはいかない。俺達はシオンを助けるために勝たなくては!」

 

ソウタが決意を固め、部室のドアを開けると彼は急に立ち止まった。

 

「?」

 

豪龍学園の面々が持っていた物体が、廊下の方に立ち塞がるように置いてあった。

 

更には5人がその場に留まった瞬間、毒ガスが放出される。

 

「……あぁっ……、ケホッ……ケホッ……」

 

「く……、苦しい……!」

 

「何だこれは……毒ガスか……!」

 

「誰の仕業だ……!?」

 

「立っていられない……!」

 

思い切り毒ガスを吸い込んでしまい、ソウタ達は激しく咳き込む。

 

「よぉ、根尾中ベイブレード部」

 

「……!! 誰だ……? この毒ガスは……ケホッ……! お前らの仕業か……?」

 

「その通り、俺は豪龍学園のリーダー、神管キバだ。早速だが、テメェらが持っている聖玉、全部よこしてもらおうか?」

 

豪龍学園のブレーダーの一人、神管キバはベイブレード部から聖玉を強奪しようとする。 

 

「誰が……渡すか……!」

 

「ならば、力づくで奪うまでだッ!」

 

(フフフ……! これで、私の復讐が達成される……!)

 

当然、ソウタは反発するが、キバが彼の頭めがけてベイをシュートする。

 

彼らは気づいていなかったが、征二狼が見えない所でほくそ笑んでいた。

 

地面に這いつくばるので精一杯なベイブレード部にとって、最大のピンチが訪れる。

 

「ふん……」

 

しかし、何者かがランチャーにベイをセットし、それをシュートした。

 

「何ッ!?」

 

「のわァァァ〜ッ!」

 

どこからかベイが現れ、キバのベイ、キラーレックスを弾き飛ばしたのと同時に、毒ガスをかき消す。

 

更には、征二狼を巻き添えで吹き飛ばす。

 

(何だ、今のは……? ……! あれは!)

 

ぼんやりと見つめた後に、ソウタはあることに気づく。

 

(ドラゴ……? でも、なんでここに……? それに、ドラゴを使うといったら……!)

 

それは、レックスを弾いたのがドラゴということだった。

 

そして、それを使うということは……。

 

「貴様らか。陳腐な小細工で聖玉を稼いでいる三流は」

 

「……龍!」

 

なんとそこへ現れたのは神世学園のリーダー、皇龍だった。

 

「……どうやら今のは征二狼の仕込みだな」

 

「だったら何だァ? テメェも大人しく倒れていればいいものを。まぁいい、テメェもすぐに倒して聖玉を狩り尽くしてやるぜ!」

 

「に……逃げろ、龍。今すぐ逃げないと、また……」

 

ソウタは地面に這いつくばりながら、龍に懇願する。

 

「蒼龍ソウタ、俺は今苛立って仕方がない……。コイツラの小細工と貴様らのヘタレ具合に」

 

「龍……」

 

龍は確かに苛立っていた。

 

だが、逆に言うと、それだけソウタのことをライバルとして意識しているということだった。

 

「そこで倒れている暇があるのなら、大人しく見ていろ」

 

「さぁ、どうすんだ? この毒は長く続く。テメェのベイが消し去っても何も問題じゃねぇ。俺達に去ってほしければ、ベイバトルで勝つことだな」

 

強気な態度で、龍を挑発する。

 

その時、床に落下音が響く。

 

それを恐る恐る見ると全員が驚愕した。

 

「!?」

 

龍は何故かランチャーを地面に落とす。

 

「ならば宣言する。俺自身の『手』で、貴様らを始末する。この……ギャラクシードラゴで……!」

 

「なに……ッ……!?」

 

「何だって!?」

(しかも……ギャラクシードラゴだって!? 進化していたのか……!)

 

当然、周囲は驚きの声を上げる。

 

更には、ドラゴ自体、ギャラクシードラゴというベイに進化を遂げていた。

 

『マッチアップを確認! 皇龍VS豪龍学園! Ready……Set!』

 

宣言通り、自分の手をランチャー代わりにする。

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

豪龍学園のブレーダー達は力強くベイをシュートする。

 

その一方で手回しでシュートされたドラゴは、当然ふらつく。

 

「龍……、手回しはやっぱ無理がある……。そのままやられるだけだ……」

 

「見ていろ、ソウタ……。我が『銀河の咆哮』を……」

 

「手回しだァ? そんなチャチな戦略ごと噛み砕いてやるぜ!」

「行くぜ、テメェら!」

 

「おお!」

 

「先ずはアタシが受け止めて……」

 

ルリフのシェルタートリケラが攻撃を受け止め、

 

「次は僕が吹き飛ばす……」

 

サカトのゲイルプテラがスタミナを削り取り、

 

「更に俺がぶっ叩く……。そして……」

 

ハントのレイジスピノがアタック、最後に……。

 

「トドメだぁぁぁーーーッ!!」

 

キラーレックスがスタジアム内を飛び跳ね、上空攻撃を仕掛ける。

 

スタジアム内には金属音が反響する。

 

(勝った……!)

 

勝ちを確信し、笑みを浮かべた瞬間。

 

「何ッ…!?」

 

一瞬でそれは消え去った。

 

「4機全て弾いただと……!? しかも……」

 

「回転が回復しているだとォォ!?」 

 

なんと、その場にいた4機を弾いただけでなく安定した回転を見せていた。

 

「これが『銀河の咆哮』だ」

「ブレード外周に施されたラバー刃がどんな攻撃も吸収し、自身の回転に変換する」

「貴様らがいくら攻撃しようが、結局は龍の餌にしかならない」

「これが『ギャラクシードラゴ』だ」

 

回転吸収によって、パワーを増したドラゴは、豪龍学園のベイ達を一気にバーストする。

 

『ギャラクシードラゴ、バーストフィニッシュ! 皇龍の勝利!』

 

「クッソぉぉぉ、覚えてろよ……!」

 

豪龍学園の面々は捨て台詞を残して、学校を後にする。

 

「龍、ありがとな……」

 

毒ガスが完全に消され、ソウタ達は立ち上がる。

 

「勘違いするな、ソウタ。俺は害獣どもを払い除けただけだ」

「あんな三流の毒に屈する貴様を倒しても、俺のプライドは満たされない」

 

そう言って、龍も学校を後にした。

 

(手回しからここまで立て直せるなんて……。想定を遥かに超えています……! これがギャラクシードラゴの『真価』……!)

 

マイはギャラクシードラゴの真価に驚かされた。

 

「おのれ、龍……! またしても私の邪魔を……!」

「ただでは済まさんぞ……!」

 

暫くして征二狼が起き上がり、その場から逃亡する。

 

(ありがとな、龍……。いつかこの恩は返させてもらうぜ)

 

龍への感謝とともに、恩を返したいと決意する。

 

突如として現れた、好敵手《ライバル》。 

 

聖永杯は苛烈を極めるのだった。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴 

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

風馬マイ-水瀬いのり

天道シオン-悠木碧

皇龍-諏訪部順一

神世征二狼-遊佐浩二

豪龍学園

神管キバ-細谷佳正
(髪型:黒色のツンツンヘア/目の色:金色/その他:バツ字のフェイスペイント(赤))

真守ルリフ-小松未可子 
(髪型:緑のウェーブヘア/目の色:青)

羽院サカト-阿部敦
(髪型:灰色の無造作ヘア/目の色:青緑)

保渡ハント-寺島拓篤
(髪型:青色のオールバック/目の色:薄紫/その他:灰色のサングラス)

聖永4戦士

帝龍太-島﨑信長
(髪型:銀色の無造作ヘア(金色のメッシュ)/目の色:銀色)

ナレーション-森川智之

ベイブレード

ギャラクシードラゴ.Cl3.L
(クロースリー・リード)
(青龍モチーフのアタックタイプ。爆転シュートベイブレードのドラグーンとメタルファイトベイブレードのエルドラゴのオマージュ。)

キラーレックス.K3.Q
(ナックルスリー・クエイク)
(ティラノサウルスモチーフのアタックタイプ。)

シェルタートリケラ.Sh5.D
(シールドファイブ・ダウン)
(トリケラトプスモチーフのディフェンスタイプ。)

ゲイルプテラ.Bs4.O
(ブーストフォー・オーブ) 
(プテラノドンモチーフのスタミナタイプ。)

レイジスピノ.B2.LK 
(バランスツー・ローキック)
(スピノサウルスモチーフのバランスタイプ。)
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