豪龍学園とマッチアップしたベイブレード部。
しかし、卑怯な手を使うことで有名な彼らと征二狼の魔の手により、聖玉を奪われるピンチに陥る。
しかし、突如として現れた、皇龍が新ベイ・ギャラクシードラゴを引っ提げて登場。
見事、豪龍学園を打ち破るのだった。(ナレーション)
毒ガスから解放されたソウタ達は、部室の方で休んでいた。
「龍のやつ、ここまで強くなっていたなんてな。俺も負けてらんねぇぜ……!」
ソウタの闘志が燃え上がる一方、マイが彼のもとへ近づく。
「どうしたんだ、マイ?」
「ソウタさん。皇龍のギャラクシードラゴに勝つには、ドラグニルの強化が必要になります」
「そこで提案があります。ドラグニルに最適なパーツを作りたいので、ベイを貸していただけませんか?」
彼女は、ギャラクシードラゴに対抗するためのパーツを作りたいと、ソウタに願い出た。
「本当か!? そいつは嬉しいな。分かった、ドラグニルを貸すぜ」
「そのパーツとやら、楽しみにしてるぜ」
「楽しみにしておいてくださいね」
ソウタは更にウキウキし、マイにドラグニルを渡す。
彼女は部室を出て、技術室に向かう。
「ギャラクシードラゴの特徴は回転吸収……。少しでも攻撃のチャンスを作らなければ」
独り言を呟きながら、パーツの作成に勤しむ。
「よし、これで……!」
「ソウタさん、完成しました。これがドラグニルを強化するディスクフレームとギアです」
暫くしてそれを完成させ、ソウタに見せる。
「おおっ、遂に完成したんだな! どんな性能なんだ?」
彼は新たなパーツへ期待の一言を言い、早速手に取る。
「それは回してからのお楽しみです」
「そっか! それじゃあ……早速」
ドラグニルの強化パーツが完成した一方__。
「シオン様。征二狼がやられました」
「構わない。あの者は、私にとってもう必要はない。むしろ手間が省けた」
龍太の報告に、シオンが耳を傾ける。
そんな中、一人の少女が口を開く。
「アイツが何を目的にしていたかは分かりませんが、これで『邪魔者』が消えましたわね」
「シオン様、次は私が向かいますわ。ピファウルの羽で、ずたずたに切り裂いてあげますわ」
「アイ、油断はしないでくださいよ。根尾中はマイを仲間に入れ、実力をあげています」
「分かっていますわ、龍太様」
聖永学園からは新たな刺客が送られようとしていた。
――根尾中ベイブレード部部室――
「よーし……!」
ソウタはドラグニルをランチャーにセットする。
強化された相棒がどんなものか、楽しみで仕方がなかった。
「3・2・1 ゴーシュート!」
――ギュゥゥゥン!――
シュートされた直後、とてつもないスピードで加速し、スタジアムを飛び出す。
「!!」
「あっぶねぇ……! でも、すげぇよ……! これがドラグニルの新しい姿……!」
幸いにも、落ちる寸前のところでドラグニルをキャッチする。
「これなら、龍に勝つのも夢じゃねぇな!」
そんな中、一瞬だけ光を発した後、何かが迫ってくる。
「……! マイ、危ない!」
「……ッ!」
目にも留まらぬ速さで迫ってきた後、それは壁に突き刺さる。
ソウタの警告により、マイが間一髪でそれを避ける。
「……何だこれは。羽か?」
壁に刺さっていたのは羽のようなものだった。
それを抜くと、紙切れがついていた。
紙切れには……。
『こんばんは、根尾中ベイブレード部。突然だけど、予告するわ。今夜、あなたのドラグニルはクジャクの華麗な羽に包まれる。場所は根尾中学校体育館。そこで愛機が生まれ変わる瞬間を目に焼き付けなさい』
予告状が書いてあった。
それもご丁寧に場所が指定されている。
「また聖永4戦士か? しかも今度は体育館だって!?」
「バン。聖永4戦士が来ようが、関係ねぇ! 俺達の絆、そして相棒との絆で討ち取ってやる!」
ドラグニルを手に、そう意気込む。
ベイブレード部は、予告状通りに体育館にむかう。
しかし、体育館の目の前で足を止め、思わず言葉を失う。
「!」
「こ……、校長先生……!」
「校長先生! 起きてください! ……完全に眠ってしまっている」
根尾校長が倒れていて、そのうえに眠ってしまっていた。
「外傷はないようだ。でも……」
ツバサは彼に目立った外傷がないことを確認する。
その際、体育館の方をチラッと見る。
「体育館の明かりが点いている。校長先生はここの目の前にいた。……さっきの予告と関係しているのだろうか?」
「……行こう」
そう言って、体育館のドアを開ける。
すると……。
「!!」
「何だ、これは……!?」
ソウタ達は一斉に驚いた理由……、それは。
「何で体育館がこんなにデコレーションされてんだ!?」
キラキラと輝く石のような飾りが、体育館の内装一面を埋め尽くす。
天井の電気が反射し、目が眩んでしまう。
「目がチカチカする……」
そんな状態の中、歩き続けるとステージの方にたどり着いた。
そこにかかっていた幕は、ステージ内を全て覆い尽くしている。
「……何かあるかなと思ったけど、そこに誰かいるのか?」
そっと近づいた瞬間、ステージの幕が降りた。
「いらっしゃい、根尾中ベイブレード部! ようこそ、私のステージへ!」
そこにいたのは、右目を黒い仮面で覆っている少女だった。
「誰だ、お前は……! 体育館を改造した奴か?」
「私は聖永4戦士の一人、虹羽アイ。予告状の通り、来てくれて嬉しいわ」
ソウタが何者か問うと、少女は虹羽アイと名乗る。
彼女は、エイキやカイトと同じく、聖永4戦士のメンバーだ。
「何が目的だ? 根尾校長に何をした?」
「根尾校長……? ああ、外で倒れている老いぼれのこと? あれは私のステージをうろちょろして邪魔だったから、笑気ガスで休んでもらっただけよ」
アイはそう言うと、笑気ガスの瓶と体育館の鍵をポケットから取る。
「つまりお前は、眠らせた校長から鍵を奪い、体育館に侵入した挙句、そこを自分好みに仕立て上げたのか」
「そういうこと。だって私、地味なの嫌いだし」
「なんて身勝手な……!」
ヒカルの質問に対し、彼女が次々と残虐な手口を明かす。
彼は当然、静かに怒りを顕にする。
「自分勝手な理由で皆の場所をめちゃくちゃにしやがって……! お前の汚れきった理屈を、ベイと一緒に清めてやる!」
ソウタがドラグニルを手に取り、宣戦布告する。
「あら怖い。けどこれからはそんな顔、二度とできなくなるわ。あなたのベイは、私の可愛いクジャクのディナーになる。さあ、私の『ドレッドピファウル』の舞に戦慄しなさい!」
アイは孔雀モチーフのベイ、ドレッドピファウルを取り出す。
「その前に一つ条件を出しておくわ。あなた達が勝ったら聖玉40個あげるし、大人しくここを出てってあげる。でも、負けたら……」
「あなた達の持っている聖玉を『全部いただくわ』」
「なっ……! 何だって!?」
(勝てば、聖玉40個……。確かにそれは大きいけど、負けたら、最初からやり直しってことかよ!)
ハイリスクハイリターンなルールのもと、バトルが執り行われようとしていた。
「……やってやる。お前に勝ち、ここを取り戻す!」
『マッチアップを確認! 蒼龍ソウタVS虹羽アイ! Ready……Set!』
3・2・1 ゴーシュート!
「切り裂きなさい、ピファウル」
シュートされてすぐに、ピファウルがドラグニルへ接近する。
その直後、外周の6枚刃が、ドラグニルを執拗に切りつける。
それによって、ブレードが少しダメージを受けてしまう。
「ドラグニル! 何でこんなダメージが……? まるでベイ全体を見ているように一つ一つの攻撃が重い」
ソウタがその攻撃に驚かされる中、アイが突然、拍手をしだす。
「よく分かってるじゃない! そうよ、ピファウルのブレードとディスクフレームの刃は互い違い……。それによって、全ての攻撃が届く! クジャクの羽のようにあなたのベイを捉えるわ!」
(何だよそれ……。でも、ドラグニルが何も出来ないのが一番悔しい……!)
目をキュッとし、恐怖に震える。
そんな中……。
「ソウタさん!」
マイの声が、彼の鼓膜を貫く。
「……マイ?」
「何よ、マイ? 裏切り者の分際で、ショーの邪魔をする気?」
「もうすぐです……。ドラグニルの『真価』が今、発揮されるはずです!」
「『真価』……。ああ、分かった! お前が言うのならやってみるぜ!」
「今ので何が分かったっていうの? 私には、ドラグニルの悲鳴しか聞こえないわ」
「そろそろ終演ね……。ドレッドピファウル!」
「フェザースコール!!」
孔雀のオーラが現れ、ドラグニルを弾き飛ばす。
(勝った……ッ!)
――カチッ――
「?」
勝利を確信した瞬間、ドラグニルのギア先端が格納する。
「えっ……!?」
アイは何が起こったのか戸惑う中、あの時と同じような音がスタジアムを駆け巡った。
ドラグニルが加速をし始めたということだ。
「嘘ッ……!」
「アンタ、何をしたの!?」
戦況の変化に、一気に冷や汗を流す。
「このギアとディスクフレームは、マイが作ってくれた。これはいわば俺達の技術の結晶!」
「そんな結晶、アタシが壊してやる!」
口調を荒げ、一気に襲いかかる。
が……。
「いいや、壊せないね。壊れるのは……」
「そっちの方だぁぁぁぁ!」
「イッ……、イヤァァァアァァア!」
発狂するアイをよそに、加速したドラグニルがピファウルに連続攻撃を叩き込む。
『セイバードラグニル、バーストフィニッシュ! 蒼龍ソウタの勝利! 聖玉40個を転送します』
攻撃に耐えられなくなった末、ドレッドピファウルはバースト。
見事、ソウタが勝利を収めた。
「……」
「ヒッ……!」
「お前の敗因はただ一つ。お前は俺達の『逆鱗』に触れた。それだけだ」
「イヤァァァァ……!!」
アイに敗因を突きつけ、彼女は涙目で体育館を去る。
「マイ、ありがとな。お前のおかげで、勝ち筋を導けた」
「どういたしまして」
「……そういえば、この飾りたちはどうする?」
「……」
「今のうちに片付けるか。それが終わったら、校長をタクシーで家に送ろう」
「そうだな」
「そうだね」
「そうしましょう」
ソウタ達は、体育館の悪趣味な飾りの片付けをし始める。
片付け中にマイが、ソウタに視線を向ける。
(ソウタさん、どうか気をつけてください。聖永4戦士最強、帝龍太に__)
聖永4戦士の3人目、虹羽アイに勝利したソウタ。
たが、マイが恐れる最後の4戦士、帝龍太との戦いは近い。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
風馬マイ-水瀬いのり
天道シオン-悠木碧
帝龍太-島﨑信長
聖永4戦士
虹羽アイ-沢城みゆき (髪型:黒赤の縦ロール/目の色:赤/その他:黒いベネチアンマスク(右目に装着))
ナレーション-森川智之
ベイブレード
セイバードラグニル.Vr6.Tr
(ヴァリアブルシックス・ターボ)
(ドラゴンモチーフのアタックタイプ。セイバードラグニルの改良版。)
ドレッドピファウル.Br4.Qc
(ブレイクフォー・クイック)
(孔雀モチーフのアタックタイプ。メタルファイトベイブレードのキラービフォールのオマージュ。)
聖玉
24個→64個