ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第33話 恐怖の孔雀

豪龍学園とマッチアップしたベイブレード部。

 

しかし、卑怯な手を使うことで有名な彼らと征二狼の魔の手により、聖玉を奪われるピンチに陥る。

 

しかし、突如として現れた、皇龍が新ベイ・ギャラクシードラゴを引っ提げて登場。

 

見事、豪龍学園を打ち破るのだった。(ナレーション)

 

毒ガスから解放されたソウタ達は、部室の方で休んでいた。

 

「龍のやつ、ここまで強くなっていたなんてな。俺も負けてらんねぇぜ……!」

 

ソウタの闘志が燃え上がる一方、マイが彼のもとへ近づく。

 

「どうしたんだ、マイ?」

 

「ソウタさん。皇龍のギャラクシードラゴに勝つには、ドラグニルの強化が必要になります」

「そこで提案があります。ドラグニルに最適なパーツを作りたいので、ベイを貸していただけませんか?」

 

彼女は、ギャラクシードラゴに対抗するためのパーツを作りたいと、ソウタに願い出た。

 

「本当か!? そいつは嬉しいな。分かった、ドラグニルを貸すぜ」

「そのパーツとやら、楽しみにしてるぜ」

 

「楽しみにしておいてくださいね」

 

ソウタは更にウキウキし、マイにドラグニルを渡す。

 

彼女は部室を出て、技術室に向かう。

 

「ギャラクシードラゴの特徴は回転吸収……。少しでも攻撃のチャンスを作らなければ」

 

独り言を呟きながら、パーツの作成に勤しむ。

 

「よし、これで……!」

「ソウタさん、完成しました。これがドラグニルを強化するディスクフレームとギアです」

 

暫くしてそれを完成させ、ソウタに見せる。

 

「おおっ、遂に完成したんだな! どんな性能なんだ?」

 

彼は新たなパーツへ期待の一言を言い、早速手に取る。

 

「それは回してからのお楽しみです」

 

「そっか! それじゃあ……早速」

 

ドラグニルの強化パーツが完成した一方__。

 

「シオン様。征二狼がやられました」

 

「構わない。あの者は、私にとってもう必要はない。むしろ手間が省けた」

 

龍太の報告に、シオンが耳を傾ける。

 

そんな中、一人の少女が口を開く。

 

「アイツが何を目的にしていたかは分かりませんが、これで『邪魔者』が消えましたわね」

「シオン様、次は私が向かいますわ。ピファウルの羽で、ずたずたに切り裂いてあげますわ」

 

「アイ、油断はしないでくださいよ。根尾中はマイを仲間に入れ、実力をあげています」

 

「分かっていますわ、龍太様」

 

聖永学園からは新たな刺客が送られようとしていた。

 

――根尾中ベイブレード部部室――

 

「よーし……!」

 

ソウタはドラグニルをランチャーにセットする。

 

強化された相棒がどんなものか、楽しみで仕方がなかった。

 

「3・2・1 ゴーシュート!」

 

――ギュゥゥゥン!――

 

シュートされた直後、とてつもないスピードで加速し、スタジアムを飛び出す。

 

「!!」

「あっぶねぇ……! でも、すげぇよ……! これがドラグニルの新しい姿……!」

 

幸いにも、落ちる寸前のところでドラグニルをキャッチする。

 

「これなら、龍に勝つのも夢じゃねぇな!」

 

そんな中、一瞬だけ光を発した後、何かが迫ってくる。

 

「……! マイ、危ない!」

 

「……ッ!」

 

目にも留まらぬ速さで迫ってきた後、それは壁に突き刺さる。

 

ソウタの警告により、マイが間一髪でそれを避ける。

 

「……何だこれは。羽か?」

 

壁に刺さっていたのは羽のようなものだった。

 

それを抜くと、紙切れがついていた。

 

紙切れには……。

 

『こんばんは、根尾中ベイブレード部。突然だけど、予告するわ。今夜、あなたのドラグニルはクジャクの華麗な羽に包まれる。場所は根尾中学校体育館。そこで愛機が生まれ変わる瞬間を目に焼き付けなさい』

 

予告状が書いてあった。

 

それもご丁寧に場所が指定されている。

 

「また聖永4戦士か? しかも今度は体育館だって!?」

 

「バン。聖永4戦士が来ようが、関係ねぇ! 俺達の絆、そして相棒との絆で討ち取ってやる!」

 

ドラグニルを手に、そう意気込む。

 

ベイブレード部は、予告状通りに体育館にむかう。

 

しかし、体育館の目の前で足を止め、思わず言葉を失う。

 

「!」

 

「こ……、校長先生……!」

「校長先生! 起きてください! ……完全に眠ってしまっている」

 

根尾校長が倒れていて、そのうえに眠ってしまっていた。

 

「外傷はないようだ。でも……」

 

ツバサは彼に目立った外傷がないことを確認する。

 

その際、体育館の方をチラッと見る。

 

「体育館の明かりが点いている。校長先生はここの目の前にいた。……さっきの予告と関係しているのだろうか?」

「……行こう」

 

そう言って、体育館のドアを開ける。

 

すると……。

 

「!!」

「何だ、これは……!?」

 

ソウタ達は一斉に驚いた理由……、それは。

 

「何で体育館がこんなにデコレーションされてんだ!?」

 

キラキラと輝く石のような飾りが、体育館の内装一面を埋め尽くす。

 

天井の電気が反射し、目が眩んでしまう。

 

「目がチカチカする……」

 

そんな状態の中、歩き続けるとステージの方にたどり着いた。

 

そこにかかっていた幕は、ステージ内を全て覆い尽くしている。

 

「……何かあるかなと思ったけど、そこに誰かいるのか?」

 

そっと近づいた瞬間、ステージの幕が降りた。

 

「いらっしゃい、根尾中ベイブレード部! ようこそ、私のステージへ!」

 

そこにいたのは、右目を黒い仮面で覆っている少女だった。

 

「誰だ、お前は……! 体育館を改造した奴か?」

 

「私は聖永4戦士の一人、虹羽アイ。予告状の通り、来てくれて嬉しいわ」

 

ソウタが何者か問うと、少女は虹羽アイと名乗る。

 

彼女は、エイキやカイトと同じく、聖永4戦士のメンバーだ。

 

「何が目的だ? 根尾校長に何をした?」

 

「根尾校長……? ああ、外で倒れている老いぼれのこと? あれは私のステージをうろちょろして邪魔だったから、笑気ガスで休んでもらっただけよ」

 

アイはそう言うと、笑気ガスの瓶と体育館の鍵をポケットから取る。

 

「つまりお前は、眠らせた校長から鍵を奪い、体育館に侵入した挙句、そこを自分好みに仕立て上げたのか」

 

「そういうこと。だって私、地味なの嫌いだし」

 

「なんて身勝手な……!」

 

ヒカルの質問に対し、彼女が次々と残虐な手口を明かす。

 

彼は当然、静かに怒りを顕にする。 

 

「自分勝手な理由で皆の場所をめちゃくちゃにしやがって……! お前の汚れきった理屈を、ベイと一緒に清めてやる!」

 

ソウタがドラグニルを手に取り、宣戦布告する。

 

「あら怖い。けどこれからはそんな顔、二度とできなくなるわ。あなたのベイは、私の可愛いクジャクのディナーになる。さあ、私の『ドレッドピファウル』の舞に戦慄しなさい!」

 

アイは孔雀モチーフのベイ、ドレッドピファウルを取り出す。

 

「その前に一つ条件を出しておくわ。あなた達が勝ったら聖玉40個あげるし、大人しくここを出てってあげる。でも、負けたら……」

「あなた達の持っている聖玉を『全部いただくわ』」

 

「なっ……! 何だって!?」

(勝てば、聖玉40個……。確かにそれは大きいけど、負けたら、最初からやり直しってことかよ!)

 

ハイリスクハイリターンなルールのもと、バトルが執り行われようとしていた。

 

「……やってやる。お前に勝ち、ここを取り戻す!」

 

『マッチアップを確認! 蒼龍ソウタVS虹羽アイ! Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「切り裂きなさい、ピファウル」

 

シュートされてすぐに、ピファウルがドラグニルへ接近する。

 

その直後、外周の6枚刃が、ドラグニルを執拗に切りつける。

 

それによって、ブレードが少しダメージを受けてしまう。

 

「ドラグニル! 何でこんなダメージが……? まるでベイ全体を見ているように一つ一つの攻撃が重い」

 

ソウタがその攻撃に驚かされる中、アイが突然、拍手をしだす。

 

「よく分かってるじゃない! そうよ、ピファウルのブレードとディスクフレームの刃は互い違い……。それによって、全ての攻撃が届く! クジャクの羽のようにあなたのベイを捉えるわ!」

 

(何だよそれ……。でも、ドラグニルが何も出来ないのが一番悔しい……!)

 

目をキュッとし、恐怖に震える。

 

そんな中……。

 

「ソウタさん!」

 

マイの声が、彼の鼓膜を貫く。

 

「……マイ?」

 

「何よ、マイ? 裏切り者の分際で、ショーの邪魔をする気?」

 

「もうすぐです……。ドラグニルの『真価』が今、発揮されるはずです!」

 

「『真価』……。ああ、分かった! お前が言うのならやってみるぜ!」

 

「今ので何が分かったっていうの? 私には、ドラグニルの悲鳴しか聞こえないわ」

「そろそろ終演ね……。ドレッドピファウル!」

「フェザースコール!!」

 

孔雀のオーラが現れ、ドラグニルを弾き飛ばす。

 

(勝った……ッ!)

 

――カチッ――

 

「?」

 

勝利を確信した瞬間、ドラグニルのギア先端が格納する。

 

「えっ……!?」

 

アイは何が起こったのか戸惑う中、あの時と同じような音がスタジアムを駆け巡った。

 

ドラグニルが加速をし始めたということだ。

 

「嘘ッ……!」

「アンタ、何をしたの!?」

 

戦況の変化に、一気に冷や汗を流す。

 

「このギアとディスクフレームは、マイが作ってくれた。これはいわば俺達の技術の結晶!」

 

「そんな結晶、アタシが壊してやる!」

 

口調を荒げ、一気に襲いかかる。

 

が……。

 

「いいや、壊せないね。壊れるのは……」

「そっちの方だぁぁぁぁ!」

 

「イッ……、イヤァァァアァァア!」

 

発狂するアイをよそに、加速したドラグニルがピファウルに連続攻撃を叩き込む。

 

『セイバードラグニル、バーストフィニッシュ! 蒼龍ソウタの勝利! 聖玉40個を転送します』 

 

攻撃に耐えられなくなった末、ドレッドピファウルはバースト。

 

見事、ソウタが勝利を収めた。

 

「……」

 

「ヒッ……!」

 

「お前の敗因はただ一つ。お前は俺達の『逆鱗』に触れた。それだけだ」

 

「イヤァァァァ……!!」

 

アイに敗因を突きつけ、彼女は涙目で体育館を去る。

 

「マイ、ありがとな。お前のおかげで、勝ち筋を導けた」

 

「どういたしまして」

 

「……そういえば、この飾りたちはどうする?」

 

「……」

 

「今のうちに片付けるか。それが終わったら、校長をタクシーで家に送ろう」

 

「そうだな」

 

「そうだね」

 

「そうしましょう」

 

ソウタ達は、体育館の悪趣味な飾りの片付けをし始める。

 

片付け中にマイが、ソウタに視線を向ける。

 

(ソウタさん、どうか気をつけてください。聖永4戦士最強、帝龍太に__)

 

聖永4戦士の3人目、虹羽アイに勝利したソウタ。

 

たが、マイが恐れる最後の4戦士、帝龍太との戦いは近い。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

風馬マイ-水瀬いのり

天道シオン-悠木碧

帝龍太-島﨑信長

聖永4戦士

虹羽アイ-沢城みゆき (髪型:黒赤の縦ロール/目の色:赤/その他:黒いベネチアンマスク(右目に装着))

ナレーション-森川智之

ベイブレード

セイバードラグニル.Vr6.Tr
(ヴァリアブルシックス・ターボ)
(ドラゴンモチーフのアタックタイプ。セイバードラグニルの改良版。)

ドレッドピファウル.Br4.Qc
(ブレイクフォー・クイック)
(孔雀モチーフのアタックタイプ。メタルファイトベイブレードのキラービフォールのオマージュ。)

聖玉

24個→64個
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