ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

12 / 20
ベイブレードNEO 第34話 青龍VS黄龍

龍のギャラクシードラゴに触発され、マイが開発したディスクフレームとギアによる強化がドラグニルに施された。

 

その直後、聖永4戦士の虹羽アイが襲来し、体育館を占拠。

 

彼女が使うドレッドピファウルに苦戦するも、ドラグニルの真価を発揮し、逆転。

 

撃破するとともに聖玉40個を掴み取るのだった。(ナレーション)

 

――聖永学園4階教室――

 

敗北を喫したアイは恐る恐る、シオンに結果を報告する。

 

「申し訳ありません、シオン様。奴らが更なる進化を遂げていたとはつゆ知らず……」

 

「……」

 

「……ッ」

 

「アイ。龍太も言っていたはずだ、油断はするなと。ましてや、マイを仲間に加えている時点で、何かしらの動きがあると予測出来たはずだ」

 

「はい……」

 

「……去れ」

 

「はい……。失礼しました」

 

そっと教室のドアを締める。

 

「シオン様……! もう、あの時のあなたは帰ってこないのですか? お願いです……、帰ってきてください」

 

憧れていた者から放たれる威圧、彼女はただ怯えることしか出来なかった。

 

そして、シオンの変わり具合をひどく嘆いた。

 

ピファウルを握りしめ、大粒の涙を流す。

 

「アイは彼らの実力を見誤ったのが敗因です。私にそのような抜かりはございません」

 

「それは頼もしいな。ところで、今はどこが一番聖玉を集めている?」

 

龍太の自信満々な発言を受け止めつつも、すぐに話題を切り替える。

 

「そうですね……。現在は、神世学園が99個集めています」

「そして、根尾中学校は64個でございます」

 

「そうか……。私は根尾中学校を近付けたい。龍太、貴様を神世学園に送り込ませてもらう」

 

「かしこまりました。貴女様の教えを彼らに……」

 

自身のベイを取り出し、じっと見つめる。

 

――神世学園――

 

現在、聖玉を99個にまで集めた神世学園。

 

龍達はというと……。

 

「ゴー……シュート!」

 

大型スタジアムで、ベイの練習をしていた。

 

後1個というところでも、油断を許さない心が表れている。

 

スタジアム内には、ギャラクシードラゴのもとに、コウ達のベイが集まる。

 

「呑み込め! ギャラクシードラゴ!」

 

3VS1の勝負でも、単機で勝利を収める。

 

それだけドラゴの回転吸収が強力なのだ。

 

「龍。やはり君は、このチームの中で最も成長している。残る聖玉はあと一つ。聖永との戦いまであと一歩だ」

 

「ああ……」

 

他愛もない会話を広げる中……。

 

「だ、誰か入ってきたぞ!!」

 

突如、校内が騒然とする。

 

「誰だお前は!? ここは生徒と関係者以外、立入禁止だ……ウッ……!」

 

「……」

 

そこには聖永4戦士最後の一人、帝龍太の姿があった。

 

教師が彼に注意するが、見つめられた瞬間、一気にその体が固まる。

 

(何だ……この男。とてつもないプレッシャーを感じる……!)

 

「!」

 

沈黙した後、龍太の前に膝をつき始めた。

 

それだけでなく、周囲の生徒と教師が続々と彼に膝をつく。

 

長身かつ中学生とは思えない威圧感が、彼の存在感を際立たせる。

 

そんな中、龍達が彼のもとへ向かってくる。

 

「来ましたね」

 

「貴様、何者だ? のこのこと、ここに踏み込むとはな」

 

「申し遅れました。私は帝龍太と申します。皇龍さん、あなたにお会いしたくてここに参りました」

 

「やはり聖永の使いか。それで、貴様が俺になんの用だ?」

 

丁寧な言葉遣いだが、どこか掴みどころのない雰囲気を醸し出していた。

 

「要件は一つ。私達の新時代とあなた達の新時代、どちらがベイブレード界に相応しいか競うことです」

 

胸に手を当て、要件を明かす。

 

「新時代だと……?」

「くだらん。貴様らの『空想』など喰らうまでもない」

 

「もちろんそう言うと思っていました。なので、あなたでも楽しめるバトルを用意しました」

 

そう言って、龍太は指を鳴らす。

 

すると、神世学園のメンバーのバトルバンドに通知が来た。

 

「!!」

 

その瞬間、龍以外は冷や汗を流した。

 

「ルールは簡単。私に勝てた場合、聖玉1個を贈りましょう。ですが……負けた場合、あなた達の聖玉99個を全て没収させていただきます」

 

「……何……!?」

 

「何だって……!?」

 

「何だと!?」

 

「そんな……!」

「そんな道理がまかり通っていいわけないでしょ!」

 

神世学園の面々が一斉に驚く中、リンが龍太に向かって、啖呵を切る。

 

「ここは僕達が相手をする」

 

その言葉とともに、コウ達がベイとランチャーを手に取る。

 

「……まぁ、肩慣らしにはなりますかね」

「このベイでお相手します。『黄龍』のベイ、『グランドラゴ』で」

 

「グ……グランドラゴ!?」

「お前も龍と同じ、アタックタイプ使いか?」

 

「いえ、グランドラゴはバランスタイプです。まぁ、それは戦ってからのお楽しみということで……」

 

彼が取り出した、グランドラゴというベイ。

 

ドラゴの名を冠しつつも、モチーフは「黄龍」。

 

更には、バランスタイプと全く違う。

 

果たして、彼の戦い方とは……。

 

『マッチアップを確認! 帝龍太VS水城コウ、白牙ダイ、華炎リン! Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

神世学園のメンバー3人が全力でシュートしたのに対し、龍太は勢いを殺してシュートする。

 

先にグランドラゴが中央を陣取る。

 

「3人で攻撃だ。いくらバランスタイプといえど、複数での攻撃には対処できない」

 

コウの指示とともに、彼を含めた3人で攻撃をする。

 

しかし……。

 

「見事な攻撃ですね。ですが……」

 

「……ハッ……!」

 

その瞬間、コウ達は目を見開いて驚く。

 

グルル……

 

彼らの目には、黄龍のオーラが映し出されていた。

 

そして、喰らい尽くすかのように、黄龍が彼らに向かって口を開く。

 

コウ達はそこから動くことも出来なかった。

 

その瞬間、ダークゲンブ、ファングビャッコ、バーニングスザクが一斉にバーストした。

 

「そんな……」

 

「嘘……」

 

「ちくしょう……」

 

圧倒的な敗北感に打ちのめされ、3人は膝をつく。

 

「黄龍は中央の守護神。秩序を保つにはあらゆる面で対応をしなければなりません」

 

グランドラゴをそっと手に取り、彼らに語りかける。

 

――根尾中ベイブレード部部室――

 

「聖永4戦士の3人目に勝てたことは非常に大きい。だが油断はするな、ソウタ。一気に聖玉の数を増やしたことによって、俺達は今非常に注目を受けている。いつ聖玉を奪いに来る奴らが来てもおかしくない」

 

「分かってるって、バン。俺もそこんとこは気をつけてるからよ」

 

――ブーーーッ!! ブーーーッ!!――

 

「!!」

 

ソウタとバンが話し合っている中、突如としてバトルバンドからブザーが鳴る。

 

「な、なんだ……!?」

 

ヒカルがバトルバンドを調べると、神世学園の見取り図が示される。

 

すると、そこから3つの反応が消えた。

 

「これは……!? まさか、神世学園が窮地に追い込まれているのか!? こうしてはいられない、お前達、すぐに向かうぞ!」

 

ヒカルの言う通り、ソウタ達は急いで、神世学園へ向かう。

 

神世学園では……。

 

――神世学園(1階)――

 

「貴様……。そのすました顔ができるのも今のうちだ」

「貴様のベイを、銀河の果てまで喰らってやる」

 

とうとう龍が、龍太の前に出る。

 

「いいですね、それでは早速始めましょう」

 

『マッチアップを確認! 帝龍太VS皇龍! Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

シュートされた直後、ギャラクシードラゴはスタジアム中央へ向かっていく。

 

「吸収しろ! ギャラクシードラゴ!」

 

彼の狙いは回転吸収。

 

迷いなく、グランドラゴに突っ込むが……。

 

「回転吸収が出来ない……!? むしろ、こちらが弾き飛ばされている……!?」

 

なんと、回転吸収が出来ずに弾かれてしまう

 

「残念ながら、お得意の戦法はグランドラゴには通用しません。フリー回転するギアと楕円形状のブレードは守護の象徴……。程よい弾きといなしを見せてくれます」

 

「ならば……!」

「ギャラクシーノヴァ!!」

 

ギャラクシードラゴがスタジアム外周を走り、勢いのままグランドラゴに突っ込む。

 

グランドラゴは大きく弾き飛ばされた。

 

しかし、龍太は余裕の表情を崩さない。

 

そんな中、ソウタ達が神世学園に到着する。

 

「龍! ……そんな……! コウ、ダイ、リンも……!」

 

ソウタは大急ぎで、彼らのもとに駆け寄る。

 

その顔は既に、焦りで満ちていた。

 

「蒼龍ソウタ……。今近づくのは危険だ。特に、龍が相手をしている帝龍太、アイツは凄まじいオーラを放っている……!」

 

コウが彼に向かって、強く警告する。

 

「まさか、そんな……! 聖永4戦士最強、帝龍太が来ているなんて……!」

 

その時、龍太が彼らに気づく。

 

「おや、久しぶりですね。マイ。そして、はじめまして根尾中ベイブレード部の皆さん。生憎ですが、私は彼に私達の教えを説いているところなのです。お話なら後でお聞きしますよ」

 

振り返って、挨拶する余裕まであった。

 

「よそ見している場合か? 貴様のグランドラゴは大きく弾かれた。そうとなれば、俺の勝ちだ」

 

「いいえ、よそ見ではありません」

 

「何……?」

「……ッ!?」

 

なんと、グランドラゴの刃がスライドし、攻撃的な形状に変形した。

 

「変形しただと!?」

 

「これがグランドラゴのもう一つの姿です。それは強い衝撃を受けることによって、ブレードのディフェンス刃がスライドし、大きなアタック刃となります。さあ、答え合わせです。グランドラゴ!」

 

グランドラゴから黄龍のオーラが現れ、龍を威圧する。

 

「……!」

 

「グランドビッグバン!」

 

一気に強い衝撃を叩き込まれ、ギャラクシードラゴがバーストした。

 

更には龍が膝をつき、その体を地面へ突っ伏した。

 

彼は既にボロボロとなっていて、そこにソウタが駆け寄る。

 

「龍! そんな……お前が……お前が負けるなんて……!」

 

「ソウタ……、俺の完全敗北だ……。あの男に……あの黄龍に勝てる希望を託せるのは、お前だけだ……」

 

ソウタは涙を流しながら、龍の手を握る。

 

それに対し、龍は彼に希望を託した後……。

 

手を離した。

 

「龍ーーーーッ!!」

 

ソウタは声を大にして慟哭する。

 

通報を受けて駆けつけた救急隊が、担架で龍を運ぶ。

 

「これで私は聖玉100個になりました」

 

そんな中、ソウタは龍太を睨みつける。

 

「テメェ! よくも龍を……! 絶対に許さねぇ!」

 

「許さないもなにも、彼は『過去』という枠組みから少し足を出しただけです。納得がいかないのなら、ソウタさん、マイ。聖永学園で待っていますよ。シオン様の新時代のもとへ、ぜひとも連れて行ってあげます」

 

龍太の丁寧ながらも冷たい言い回しに、彼は怒りに震えた。

 

聖永4戦士の最後の一人、帝龍太。

 

神世学園ひいては皇龍さえも凌駕するその実力は本物だ。

 

ソウタ達は、彼をどう超えるのか。(ナレーション)

 




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

一角ヒカル-小野賢章

風馬マイ-水瀬いのり

皇龍-諏訪部順一

水城コウ-内山昂輝

白牙ダイ-鈴木達央

華炎リン-沼倉愛美

帝龍太-島﨑信長

虹羽アイ-沢城みゆき

天道シオン-悠木碧

ナレーション-森川智之

ベイブレード

グランドラゴ.L7.EU
(リンクセブン・エターナルユナイト)
(黄龍モチーフのバランスタイプ。爆転シュートベイブレードのガイアドラグーンのオマージュ。)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。