龍のギャラクシードラゴに触発され、マイが開発したディスクフレームとギアによる強化がドラグニルに施された。
その直後、聖永4戦士の虹羽アイが襲来し、体育館を占拠。
彼女が使うドレッドピファウルに苦戦するも、ドラグニルの真価を発揮し、逆転。
撃破するとともに聖玉40個を掴み取るのだった。(ナレーション)
――聖永学園4階教室――
敗北を喫したアイは恐る恐る、シオンに結果を報告する。
「申し訳ありません、シオン様。奴らが更なる進化を遂げていたとはつゆ知らず……」
「……」
「……ッ」
「アイ。龍太も言っていたはずだ、油断はするなと。ましてや、マイを仲間に加えている時点で、何かしらの動きがあると予測出来たはずだ」
「はい……」
「……去れ」
「はい……。失礼しました」
そっと教室のドアを締める。
「シオン様……! もう、あの時のあなたは帰ってこないのですか? お願いです……、帰ってきてください」
憧れていた者から放たれる威圧、彼女はただ怯えることしか出来なかった。
そして、シオンの変わり具合をひどく嘆いた。
ピファウルを握りしめ、大粒の涙を流す。
「アイは彼らの実力を見誤ったのが敗因です。私にそのような抜かりはございません」
「それは頼もしいな。ところで、今はどこが一番聖玉を集めている?」
龍太の自信満々な発言を受け止めつつも、すぐに話題を切り替える。
「そうですね……。現在は、神世学園が99個集めています」
「そして、根尾中学校は64個でございます」
「そうか……。私は根尾中学校を近付けたい。龍太、貴様を神世学園に送り込ませてもらう」
「かしこまりました。貴女様の教えを彼らに……」
自身のベイを取り出し、じっと見つめる。
――神世学園――
現在、聖玉を99個にまで集めた神世学園。
龍達はというと……。
「ゴー……シュート!」
大型スタジアムで、ベイの練習をしていた。
後1個というところでも、油断を許さない心が表れている。
スタジアム内には、ギャラクシードラゴのもとに、コウ達のベイが集まる。
「呑み込め! ギャラクシードラゴ!」
3VS1の勝負でも、単機で勝利を収める。
それだけドラゴの回転吸収が強力なのだ。
「龍。やはり君は、このチームの中で最も成長している。残る聖玉はあと一つ。聖永との戦いまであと一歩だ」
「ああ……」
他愛もない会話を広げる中……。
「だ、誰か入ってきたぞ!!」
突如、校内が騒然とする。
「誰だお前は!? ここは生徒と関係者以外、立入禁止だ……ウッ……!」
「……」
そこには聖永4戦士最後の一人、帝龍太の姿があった。
教師が彼に注意するが、見つめられた瞬間、一気にその体が固まる。
(何だ……この男。とてつもないプレッシャーを感じる……!)
「!」
沈黙した後、龍太の前に膝をつき始めた。
それだけでなく、周囲の生徒と教師が続々と彼に膝をつく。
長身かつ中学生とは思えない威圧感が、彼の存在感を際立たせる。
そんな中、龍達が彼のもとへ向かってくる。
「来ましたね」
「貴様、何者だ? のこのこと、ここに踏み込むとはな」
「申し遅れました。私は帝龍太と申します。皇龍さん、あなたにお会いしたくてここに参りました」
「やはり聖永の使いか。それで、貴様が俺になんの用だ?」
丁寧な言葉遣いだが、どこか掴みどころのない雰囲気を醸し出していた。
「要件は一つ。私達の新時代とあなた達の新時代、どちらがベイブレード界に相応しいか競うことです」
胸に手を当て、要件を明かす。
「新時代だと……?」
「くだらん。貴様らの『空想』など喰らうまでもない」
「もちろんそう言うと思っていました。なので、あなたでも楽しめるバトルを用意しました」
そう言って、龍太は指を鳴らす。
すると、神世学園のメンバーのバトルバンドに通知が来た。
「!!」
その瞬間、龍以外は冷や汗を流した。
「ルールは簡単。私に勝てた場合、聖玉1個を贈りましょう。ですが……負けた場合、あなた達の聖玉99個を全て没収させていただきます」
「……何……!?」
「何だって……!?」
「何だと!?」
「そんな……!」
「そんな道理がまかり通っていいわけないでしょ!」
神世学園の面々が一斉に驚く中、リンが龍太に向かって、啖呵を切る。
「ここは僕達が相手をする」
その言葉とともに、コウ達がベイとランチャーを手に取る。
「……まぁ、肩慣らしにはなりますかね」
「このベイでお相手します。『黄龍』のベイ、『グランドラゴ』で」
「グ……グランドラゴ!?」
「お前も龍と同じ、アタックタイプ使いか?」
「いえ、グランドラゴはバランスタイプです。まぁ、それは戦ってからのお楽しみということで……」
彼が取り出した、グランドラゴというベイ。
ドラゴの名を冠しつつも、モチーフは「黄龍」。
更には、バランスタイプと全く違う。
果たして、彼の戦い方とは……。
『マッチアップを確認! 帝龍太VS水城コウ、白牙ダイ、華炎リン! Ready……Set!』
3・2・1 ゴーシュート!
神世学園のメンバー3人が全力でシュートしたのに対し、龍太は勢いを殺してシュートする。
先にグランドラゴが中央を陣取る。
「3人で攻撃だ。いくらバランスタイプといえど、複数での攻撃には対処できない」
コウの指示とともに、彼を含めた3人で攻撃をする。
しかし……。
「見事な攻撃ですね。ですが……」
「……ハッ……!」
その瞬間、コウ達は目を見開いて驚く。
グルル……
彼らの目には、黄龍のオーラが映し出されていた。
そして、喰らい尽くすかのように、黄龍が彼らに向かって口を開く。
コウ達はそこから動くことも出来なかった。
その瞬間、ダークゲンブ、ファングビャッコ、バーニングスザクが一斉にバーストした。
「そんな……」
「嘘……」
「ちくしょう……」
圧倒的な敗北感に打ちのめされ、3人は膝をつく。
「黄龍は中央の守護神。秩序を保つにはあらゆる面で対応をしなければなりません」
グランドラゴをそっと手に取り、彼らに語りかける。
――根尾中ベイブレード部部室――
「聖永4戦士の3人目に勝てたことは非常に大きい。だが油断はするな、ソウタ。一気に聖玉の数を増やしたことによって、俺達は今非常に注目を受けている。いつ聖玉を奪いに来る奴らが来てもおかしくない」
「分かってるって、バン。俺もそこんとこは気をつけてるからよ」
――ブーーーッ!! ブーーーッ!!――
「!!」
ソウタとバンが話し合っている中、突如としてバトルバンドからブザーが鳴る。
「な、なんだ……!?」
ヒカルがバトルバンドを調べると、神世学園の見取り図が示される。
すると、そこから3つの反応が消えた。
「これは……!? まさか、神世学園が窮地に追い込まれているのか!? こうしてはいられない、お前達、すぐに向かうぞ!」
ヒカルの言う通り、ソウタ達は急いで、神世学園へ向かう。
神世学園では……。
――神世学園(1階)――
「貴様……。そのすました顔ができるのも今のうちだ」
「貴様のベイを、銀河の果てまで喰らってやる」
とうとう龍が、龍太の前に出る。
「いいですね、それでは早速始めましょう」
『マッチアップを確認! 帝龍太VS皇龍! Ready……Set!』
3・2・1 ゴーシュート!
シュートされた直後、ギャラクシードラゴはスタジアム中央へ向かっていく。
「吸収しろ! ギャラクシードラゴ!」
彼の狙いは回転吸収。
迷いなく、グランドラゴに突っ込むが……。
「回転吸収が出来ない……!? むしろ、こちらが弾き飛ばされている……!?」
なんと、回転吸収が出来ずに弾かれてしまう
「残念ながら、お得意の戦法はグランドラゴには通用しません。フリー回転するギアと楕円形状のブレードは守護の象徴……。程よい弾きといなしを見せてくれます」
「ならば……!」
「ギャラクシーノヴァ!!」
ギャラクシードラゴがスタジアム外周を走り、勢いのままグランドラゴに突っ込む。
グランドラゴは大きく弾き飛ばされた。
しかし、龍太は余裕の表情を崩さない。
そんな中、ソウタ達が神世学園に到着する。
「龍! ……そんな……! コウ、ダイ、リンも……!」
ソウタは大急ぎで、彼らのもとに駆け寄る。
その顔は既に、焦りで満ちていた。
「蒼龍ソウタ……。今近づくのは危険だ。特に、龍が相手をしている帝龍太、アイツは凄まじいオーラを放っている……!」
コウが彼に向かって、強く警告する。
「まさか、そんな……! 聖永4戦士最強、帝龍太が来ているなんて……!」
その時、龍太が彼らに気づく。
「おや、久しぶりですね。マイ。そして、はじめまして根尾中ベイブレード部の皆さん。生憎ですが、私は彼に私達の教えを説いているところなのです。お話なら後でお聞きしますよ」
振り返って、挨拶する余裕まであった。
「よそ見している場合か? 貴様のグランドラゴは大きく弾かれた。そうとなれば、俺の勝ちだ」
「いいえ、よそ見ではありません」
「何……?」
「……ッ!?」
なんと、グランドラゴの刃がスライドし、攻撃的な形状に変形した。
「変形しただと!?」
「これがグランドラゴのもう一つの姿です。それは強い衝撃を受けることによって、ブレードのディフェンス刃がスライドし、大きなアタック刃となります。さあ、答え合わせです。グランドラゴ!」
グランドラゴから黄龍のオーラが現れ、龍を威圧する。
「……!」
「グランドビッグバン!」
一気に強い衝撃を叩き込まれ、ギャラクシードラゴがバーストした。
更には龍が膝をつき、その体を地面へ突っ伏した。
彼は既にボロボロとなっていて、そこにソウタが駆け寄る。
「龍! そんな……お前が……お前が負けるなんて……!」
「ソウタ……、俺の完全敗北だ……。あの男に……あの黄龍に勝てる希望を託せるのは、お前だけだ……」
ソウタは涙を流しながら、龍の手を握る。
それに対し、龍は彼に希望を託した後……。
手を離した。
「龍ーーーーッ!!」
ソウタは声を大にして慟哭する。
通報を受けて駆けつけた救急隊が、担架で龍を運ぶ。
「これで私は聖玉100個になりました」
そんな中、ソウタは龍太を睨みつける。
「テメェ! よくも龍を……! 絶対に許さねぇ!」
「許さないもなにも、彼は『過去』という枠組みから少し足を出しただけです。納得がいかないのなら、ソウタさん、マイ。聖永学園で待っていますよ。シオン様の新時代のもとへ、ぜひとも連れて行ってあげます」
龍太の丁寧ながらも冷たい言い回しに、彼は怒りに震えた。
聖永4戦士の最後の一人、帝龍太。
神世学園ひいては皇龍さえも凌駕するその実力は本物だ。
ソウタ達は、彼をどう超えるのか。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
一角ヒカル-小野賢章
風馬マイ-水瀬いのり
皇龍-諏訪部順一
水城コウ-内山昂輝
白牙ダイ-鈴木達央
華炎リン-沼倉愛美
帝龍太-島﨑信長
虹羽アイ-沢城みゆき
天道シオン-悠木碧
ナレーション-森川智之
ベイブレード
グランドラゴ.L7.EU
(リンクセブン・エターナルユナイト)
(黄龍モチーフのバランスタイプ。爆転シュートベイブレードのガイアドラグーンのオマージュ。)