ベイブレードNEO 第35話 4戦士再び
神世学園に襲来した帝龍太。
彼は、皇龍達に勝負を仕掛けた後、彼らを圧倒。
最終的に龍を倒すのだった。(ナレーション)
――根尾中ベイブレード部部室――
部室にまで戻ってきたソウタ達。
しかし、ソウタは龍の敗北から未だ立ち直れずにいた。
「龍が……。負けるなんて……。嘘だ。嘘であってくれよ……!」
「ソウタさん……」
「ソウタ……」
ライバルの完敗に、完全に心が沈み込む。
「俺、悔しい……! 悔しいよ……!」
「すっごく悔しい……!」
拳を振り上げ、悔しさのあまり机を叩く。
痛みなど最早どうでもいい。
彼の頭には、受け入れたくない気持ちと受け入れるしかないという気持ちがせめぎ合うだけだった。
その直後、部室のドアが開く。
そこに入ってきた者に思わず、彼らは驚く。
「お前らは……!」
「さっきぶりだな」
「そして……」
「久しぶりだね。君達に会うのは」
ソウタ達の目に映ったのは……。
「コウ、ダイ、リン! それに……レイ、ライ!」
神世学園のメンバーに、星楼中学校の弐階堂姉弟が部室へやって来た。
「いきなり現れてどうしたんだ。俺は今、気が滅入っていて……」
ソウタが何故ここへ来たのかを聞くと、ライが口を開いた。
「それはね……。君達にお届けものがあって来たんだよ」
「お届けもの?」
「これのことよ」
そう言うと、レイは中くらいの箱を持ってきた。
「こっ、これは……!」
「聖玉! しかも、36個!?」
「まさか、お前ら……!」
「ご名答。私達がチームを組んで、残りの36個を集めてきたのよ」
なんと、神世学園と星楼中学校がチームを組んで、残りの聖玉を集めてくれたのだ。
「マジかよ……! それにしても、お前らに接点があったとは知らなかったぜ」
「ああ、それについてだけどさ。今日、初めて出会ったばかりなんだよね」
「えっ……!?」
「実はさ……」
ライは、神世学園と出会った経緯を語りだした。
――
『あら……?』
『どうかしたの? 姉さん』
『神世学園が、1位から陥落したわ。99個あった聖玉が一気に0になってしまったようね』
『えっ? どうしたんだろう……』
姉弟2人でベイの練習に励んでいたところ、バトルバンドにて神世学園の陥落が通知された。
その時、ライはある者を目撃する。
『ん?』
『そんな……。龍……』
『君は確か、水城コウだね? ちょっと、話を伺ってもいいかな?』
『いきなりなんだ、君は?』
『僕は弐階堂ライ』
『私は弐階堂レイよ』
『君達がランキングから陥落したのが、たった今知らされた。ここで出会ったのも、何かの縁。君達に何があったのかを聞きたい』
『……実は、聖永学園の関係者が、神世学園にやってきた。僕達はおろか、龍も歯が立たなかった』
『その上、聖玉を奪われたんだ……。もう、僕らはどうすればいいのか……』
コウは暗い表情で、経緯を語る。
『なるほど……。それで、他には誰か来たりした?』
『根尾中学校なら……』
『!』
『姉さん、聞いた?』
『ええ。彼らの名前を聞くのも久々ね』
根尾中学校の名を聞いた瞬間、口角を少し上げた。
『それは良かった。なにせ、僕達も彼らと戦った』
『そうなのか?』
『そうだよ(根尾中学校は今、聖玉の数を着実に増やしている……。ここは一先ず……!)』
『それで、僕達から少し提案があるんだ』
『何だ、それは?』
『僕達と君達でチームを組み、彼らのために聖玉を集めないかい?』
『……!』
『君達の無念は、彼らが晴らしてくれるはず。それに……』
『僕達は見たんだ。彼らから一縷の希望を』
『そこの判断はあなた達に任せるわ』
『……』
(確かに、根尾中学校は聖永杯でも実力を上げてきた。賭けてみる価値は……!)
『分かった、よろしく頼む』
――
「そういうこともあって、協力を得ることが出来たんだ」
「そういうことだったのか……。ありがとな!」
ソウタは涙目で、神世学園のメンバーと弐階堂姉弟に感謝した。
「役に立てたようで良かったよ。それじゃあ、君達のご武運を祈るよ」
そう言って、ライ達は部室を後にした。
遂に100個に到達した聖玉をバトルバンドが認証し、通知する。
『聖玉100個を確認! 聖永学園への挑戦を許可します』
「……よし! 遂に聖永への道が拓けたぜ。アイツらの努力は決して無駄にはしないぜ!」
「……待っていて、シオン。あなたの友として、必ず助け出してみせる!」
それぞれの思いを胸に、聖永学園へ向かう。
――聖永学園――
遂に聖永学園にたどり着く。
白と金を基調に、洗練された校舎がそびえ立つ。
「おや、ここへ来たということは聖玉100個を集めたようですね。おめでとうございます」
そこには、帝龍太が待ち構えていた。
彼は聖玉100個集めたことを拍手で祝う。
「お前みたいなスカした奴に祝われるのが、逆にバカにされてる気がするんだよ」
ソウタが彼に向かって、静かに怒る。
「……そのような意図はなかったのですがね」
「まぁいいでしょう。どうぞ、お入りください」
龍太がそう言ってソウタ達を案内した直後、目の前の階段に柵が勢いよく降下した。
「……なァッ! 階段が閉められた!?」
「お前、何が目的だ!?」
「目的はただ一つ。これから、私を含む聖永4戦士と戦ってもらい、勝ったら先に進むことを許可します」
「無論、負けた場合、すぐにこの場から退場してもらいます」
どうやら、聖永4戦士に勝たないと先には進めないとのことだった。
「お前を除けば、再戦ということか」
「だが、そちらも相当仕上げてきたんだろ?」
「当然です。我々はシオン様に仕えることこそ至高。そしてシオン様を満足をさせるには、我々を超えるべきだと思うので」
「上等だぜ。誰が出るのか、もう決まってるんだろ?」
「もちろん。今から、発表いたします」
その直後……。
「なっ……!」
「何ッ……!?」
「えっ……」
「うわぁぁぁ!」
突然、床が開き、バン達はどこかへ落下していく。
「バン、ヒカル、ツバサ、マイ!」
「くっそ〜……! つまり、俺の相手はお前ということか」
「左様でございます」
ソウタは龍太との対決が決定、バン達はというと……。
「ここは……!」
それぞれ見覚えのある空間に転送されていた。
部室、地下水道、体育館とあの時の戦いを彷彿とさせる場所だった。
戸惑う中、聞き覚えのある声がする。
「久しぶりだな/久しぶりだね/久しぶりね」
「まさか……!」
「フッ……」
それぞれの空間に、倒したはずの聖永4戦士のメンバー、黒野エイキと四天カイト、虹羽アイが現れた。
だが……。
――聖永の間・部室――
「黒野エイキ! その目は一体……!?」
「ああ、これか? これはお前らに対する憎しみ、そしてシオン様への完全な忠誠の証明。今度こそお前を永久の時間に閉じ込めてやる!」
「出番だ、『アポカリプスクロックα』!」
「アポカリプスクロックα……!?」
――聖永の間・地下水道――
「四天カイト……!」
「来ると思っていたよ、お互いリベンジマッチと行こうじゃないか……! この『ウィザードピクシスβ』で破滅の方角へ導いてやる!」
「ならばお前を倒し、そして正しい方角へ導こう」
――聖永の間・体育館――
「虹羽アイ……」
「前回はしくじったわ。だけど今回は全て切り刻んであげる……! 『ドレッドピファウルΩ』で私の華麗なる復讐劇が幕を開けるわ!」
「アイ……」
彼らの硬膜は黒く変色し、ベイブレード部に対する憎しみに支配されていた。
更には、使うベイにも新たな名前がつけられていた。
「エイキ、お前……。ベイを強化したのか!?」
「よく分かってるじゃねぇか……。俺は泥水を啜るような思いで、アポカリプスクロックを強化した」
「俺の真の力を見れることを光栄に思うんだな!」
「やるしかないのか……」
互いにベイをセットし、準備が完了する。
3・2・1 ゴーシュート!
アポカリプスクロックαは中央で待ち構え、インフェルノケルベロスはスタジアム外周から距離を詰める。
「俺達は先に進まなければならない……! 行くぞ、インフェルノケルベロス!」
バンの決意に応じるかのように、ケルベロスがクロックにアタックしまくる。
だが、エイキは何故か余裕の笑みを浮かべる。
「ただ受け流すだけだと思うなよ! これから『真価』を見せてやるぜ!」
――ストンッ――
「何ッ!? 衝撃を殺した……!?」
なんと、アポカリプスクロックαのギアが一瞬だけ沈み込み、衝撃を無効化した。
「これが『巻き戻し』だ。俺が独自に作成したギア『ナッシング』は軸全体にバネを搭載することで、あらゆる衝撃も吸収する!」
「まるで、今までの攻撃を無かったかのように……!」
「生まれ変わった俺のベイで、お前の時間を壊してやるぜ!」
アポカリプスクロックαのカウンター刃がヒットし、インフェルノケルベロスはスタジアム外周を走り出す。
「ケルベロス……!」
(もはや、これまでか……! どんなに攻撃しても衝撃を吸収される。こんなのにどう立ち向かえば……?)
強力なギミックに苦戦を強いられている上、相棒が激しく動き回っている。
しかし、先に進みたいという思いがバンの心を突き動かすというのを、彼自身も知らなかった。
(ん? 立ち向かう……? 今までは真正面からぶつかってきたから、衝撃が吸収された。そして、今ケルベロスは暴れまわっている。……これだ……!)
その時、彼の前に一筋の光が差し込む。
「お前の愛機はもうすぐ力尽きる! 飛び込んできたことを後悔しながら止まるんだな!」
「……いや、後悔はしていない」
「何……?」
「ケルベロス!」
ケルベロスが高速で駆け回りつつ、スタジアムの壁にぶつかる。
「おいおい、何かと思えば気でも狂ったか? どんな作戦を練ろうが結果は同じ……」
そう言った瞬間……。
「なっ、何いッ!?」
アポカリプスクロックαがぐらつく。
「アポカリプスクロックαが衝撃を吸収できていないだと……!?」
「お前のベイは確かに生半可な攻撃は吸収される。だが、気づいたんだ。ケルベロスがスタジアム外周を走っているのを見て、あえてそうしてスタジアムの壁にぶつけ、衝撃を蓄積させた」
なんと、ケルベロスをスタジアムの壁にぶつかることで、アポカリプスクロックαの吸収出来る衝撃を超えたのだ。
「くそォ、俺はまたしても負けるのか……?」
「仕上げだ! ケルベロス!」
「インフェルノバイト!」
グラついたところを狙い、ディスクフレームの直撃してバーストフィニッシュ。
「う、うぅぅ、がァァァ!」
「!!」
突如、エイキが頭を抑えだす。
その瞬間 、彼から黒いオーラが抜け、アポカリプスクロックαから紫の石の欠片のようなものが分裂した。
「ん? 俺は一体何を……?」
(目の色、フェイスペイントの形が戻った……? それに、あの欠片は……?)
顔を上げた瞬間、普段の様子に戻る。
「ハッ……! 門守バン! まさか、俺は負けたのか?」
(どうやら前のことは覚えていないようだな……)
「ああそうだ」
「……そうかよ。俺はあんだけ新時代を語っておいて、2回も負けるなんてな。バカバカしくなってきたぜ。シオン様に用事があるなら、先に進みな」
「そうさせてもらう」
(そっと手に取ったが……。シオンの変わり方と関係があるのか?)
階段の方へ足を伸ばしていく。
彼は、あの欠片を手に持っていた。
見事、エイキに勝利したバン。
だが、紫の石の欠片という新たな謎が現れた。
果たしてそれは、シオンとどう関係しているのか。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
一角ヒカル-小野賢章
焔ツバサ-榎木淳弥
風馬マイ-水瀬いのり
帝龍太-島﨑信長
虹羽アイ-沢城みゆき
(変化:黒白目+仮面の左端が顔の輪郭に沿って延びた)
四天カイト-山下大輝
(変化:黒白目+眼帯にN字状の穴が空いた)
黒野エイキ-子安光樹
(変化:黒白目+フェイスペイントが稲妻状になった)
水城コウ-内山昂輝
弐階堂レイ-鬼頭明里
弐階堂ライ-八代拓
ナレーション-森川智之
ベイブレード
アポカリプスクロックα.V0.Nt
(バーチカルゼロ・ナッシング)
(N(ニードル)ギアから新パーツに変更。)