ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

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聖永杯・決戦編
ベイブレードNEO 第39話 1%


聖永4戦士との戦いを完全突破したソウタ達。

 

その後、彼らのもとに宿敵・神世征二狼が現れる。

 

彼は「紫琉石」という謎の石でシオンを洗脳したことを明かす。

 

悪辣な行動に怒りを滲ませつつも、全員で決戦に臨むのだった。(ナレーション)

 

ソウタ達は隠し通路内の階段を上り進める。

 

その先には学校内にあるとは思えないほどの巨大な会場が広がっていた。

 

「!! これは……!」

 

4人が一斉に驚いたわけ、それは……。

 

「今までの学校達が集まっている……!」

 

観客席には冥来中学校、獣界中学校、爽海学園、和真学園、王谷中学校、星楼中学校、豪龍学園等今まで戦ってきた学校や他の参加者達が座っていたのだ。

 

「でも、なぜこの場所が分かったのでしょうか?」

「この場所は私達以外知らないはず……」

 

「それについては私がお答えします」

 

マイが困惑する中、ある人物が声をかけてきた。

 

急にかかってきた声に思わず彼女は振り返る。

 

「!」

「あなた達は……!」

 

「さっきぶりですね、根尾中ベイブレード部の皆さん」

 

なんと、聖永4戦士が彼らのもとに集まってきた。

 

そして、先程の声の主は龍太だった。

 

「あなた達ですか? 他の学校のブレーダー達を集めたのは……」

 

「その通りです、マイ。バトルバンドを通じて、聖永杯に参加している学校達をここへ呼び寄せました」

 

話によると、彼がバトルバンドでここへ来るように呼びかけたのだという。

 

「急に通知が来たと思ったら、そういうことだったのか」

 

その時、またしても誰かが会場内に入ってきた。

 

「!」

「お前らは……!」

 

ソウタはその人物達を見て驚く。

 

「コウ、ダイ、リン!」

 

「数時間ぶりだな、蒼龍ソウタ」

 

彼らの前に現れたのは、神世学園のメンバー達だった。

 

「お前らもバトルバンドの通知を見て……」

 

「ああ、そうだ」

 

どうやらバトルバンドの通知を見て、ここへ来たとのこと。 

 

そんな中、ソウタが話題を切り替える。

 

「そういえば龍はどうしたんだ?」

 

「龍なら怪我は治った。けど、神世学園の方で観戦したいと言っていた」

「俺が来たら、すぐにそっちの方へ気を取られるだろう。先ずは自分達のことを優先させろって」

 

「そっか……」

(龍……ありがとな。俺達、頑張るよ)

 

龍は既に怪我は治ったそうだが、ソウタ達のためにあえてここへ来なかったのだ。

 

そんな中、コウも話題を切り替え始めた。

 

「そうだ、この時のためにある人が来てるんだ」

 

「ある人?」

 

そのある人とはと思った瞬間、靴音を立てて近づいてくる。

 

「それは私、古面定太でございます!」

 

「実況者さん!」

 

それはベイブレードカップの実況者、古面定太だった。

 

「いやー、お久しぶりですね。根尾中学校の皆さん。神世学園の皆様から、仕事の依頼が入ってきまして」

「久々の大仕事、張り切っちゃいますよ!」

 

「そうだったんですね。それでは、よろしくお願いします!」

 

彼曰く、神世学園の方から頼まれたとのこと。

 

本人も満更でもない様子であった。

 

そんな中……。

 

「おい」

 

「どうしたんだ、エイキ?」

 

「ここまで来たんだ。最後の最後で無様な姿を晒すんじゃねぇぞ」

 

「僕達は君達に可能性を見出したんだ」

 

「あなた達を信じるほかないわ。だから、諦めることはしないで」

 

「頼みましたよ、皆さん」

 

「ああ!」

 

4戦士のメンバーたちが次々とエールの言葉を贈る。

 

彼らの心境の変化にソウタはどこか嬉しげだった。

 

「おのれぇ……! これでは私の出る幕がないじゃないですか……!」

 

一方で征二狼は会場内に隠れていた。

 

彼にとって想定外だったのか、イラつきながらぼやいていた。

 

数分後……。

 

「さあ、全国のブレーダーのみなさん、お待たせいたしました! 実況は私、古面定太が務めさせていただきます!」

「聖永学園が開催したこの聖永杯。早速ですが、出場校の紹介に移ります! 先ずは東軍。ベイブレードカップ優勝に加え、先に聖永にたどり着いた……根尾中学校! 続いて西軍、今大会の主催者! 根尾中学校とはどう渡り合うのか!? 聖永学園!」

 

遂に幕を開けた決戦。

 

根尾中学校と聖永学園、2つの学校が相対する。  

 

「……!」

 

2校の間にはとてつもない緊張感が肌を刺す。

 

「お前らが根尾中学校か……」

 

「我々にたどり着いたこと……」

 

「敬意を表します」

 

「……」

 

聖永学園のメンバーである矢上テルブ、瀬里シアス、藤川イリア、天道シオン。

 

4人が揃った時の威圧感は想像を絶するものだった。

 

顔合わせを終えた後、互いに選手席に座る。

 

「遂に迎えたこの決戦……。誰が出るかは今まで以上に重要になります」

 

「……」

「この勝負、僕が出よう」

 

マイが試合の順番を重要視する中、ツバサが席から立ち上がる。

 

「ツバサさん……!? でも、フェニックスの状態が……」

 

彼とともに戦ってきた分、彼女は名乗りを上げてきたことに戸惑いを見せる。

 

しかし……。

 

「ああ。君の言う通り、フェニックスは少しボロボロになっている。けど、ここへ来る前に感じたんだ」

「フェニックスは『生まれ変わろうとしている』、と。だから、『1%』だけでいい。『1%』だけ信じてくれ」

 

「……、分かりました」

 

ツバサはマイの意見を汲みつつも、『1%』だけ信じてほしいと言う。

 

彼の目に嘘はなかった、彼女もその可能性に賭けてみることにした。

 

聖永学園はというと……。

 

「シオン様……、この勝負俺が行きます」

 

メンバーの一人である、矢上テルブが名乗りを上げる。

 

「油断はするな」

 

相対する2人のブレーダー。

 

会場内には強い緊張感が走る。

 

「ハッ、誰かと思えばアイに自分のベイをボロボロにされた奴じゃねぇか。しかもその後仲良くなりやがって。ここは聖永……、新時代を掲げる者達の聖地だ。お前らのようにシオン様に反抗した奴らはここで返り討ちにしてやる」

 

強い言葉でツバサを挑発するが……。

 

「返り討ち……?」

 

「……!」

 

すぐにその体を震わせる。

 

「やれるものならね……!」

「僕のフェニックスは確かにボロボロだ。けど、この不死鳥には僕達の『思い』を乗せている。相応の覚悟は出来てるよね……?」

 

ツバサは怒りを含んだ笑みを浮かべる。

 

『Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「さっきは驚いたが、所詮ボロボロの鉄くずだ!」

「すぐに楽にしてやるぜ!」

 

シュートされて早々、インフィニティヘラクレスのスタミナタイプとは思えない猛攻をフェニックスは受け続ける。

 

(少し危ないな……ここは)

「避けろッ!」

 

ツバサの声に応じるかのように、その攻撃から抜け出した。

 

「何……!?」

 

「おぉーっと! フェニックス、隙を突いて回避成功!」

 

「流石だ……! ツバサ」 

 

「ソウタ。相手は聖永のゴールドランクだ。次にどんな手を打ってくるか目を離すな」

 

「あ……そうだよな。ヒカル」

 

ソウタはツバサの戦い方に感心していたが、ヒカルの忠告ですぐに気持ちを切り替える。

 

「今のうちだ……、突き動かせ! フェニックス!」

 

「フェニックス、攻めに転じるーーッ! それによりヘラクレスは体勢を崩しています! このまま勝利へ持っていくのでしょうか!?」

 

反撃に転じ、ヘラクレスの体勢を崩すが……。

 

「甘いぜ……」

「アンシェイカブル・ネメア!」

 

「!」

 

「なんと、インフィニティヘラクレス! 体勢を立て直したーーッ!!」

 

ヘラクレスは体勢を立て直し、安定した状態に戻る。

 

「これがゴールドランクの実力だ。俺のヘラクレスに搭載されているギア『ガードボール』。軸先周囲のガードパーツがどんな角度でも姿勢を保持する……」

「そんなボロっちい攻撃、マッサージにもならねーぜ!」

 

彼曰く、ギア周囲のガードパーツによる姿勢保持が働いたのだ。

 

更には相変わらずの荒々しい口調でツバサを挑発する。

 

インフィニティヘラクレスは執拗にブレイズフェニックスにアタックを仕掛ける。

 

「ふーん、じゃあ君の要望に相応しいプレミアムプランをご用意しよう……!」

 

「……!!」

 

彼の笑みに、テルブは再び震え上がった。

 

「蘇れ、フェニックス!」

 

「!!」

 

そんな彼をよそに突如として、フェニックスが眩しい光を放ち始める。

 

「こ……これはーーッ! フェニックスが突如、謎の光に包まれました! 一体何が起ころうとしているのでしょうか!?」

 

実況者をはじめ、周囲は驚愕の表情を見せた。

 

その光の先にあるものとは……。

 

「さあ……もうすぐだ」

 

「な……ッ、なんと、フェニックスが進化しましたーーッ!! ツバサ選手とフェニックスが共鳴した故の進化なのでしょうか!?」

 

光が消えた先には9枚刃の……全く別の姿のフェニックスがあった。

 

「な……何が起きた!?」

 

「テルブ。君は確かに一筋縄ではいかない相手だ、けれど……僕達は先に進まなくてはならない」

「僕の相棒はたった今、その思いで進化したんだ。名を付けるのならば、そう……リヴァイヴァルフェニックスだ!」

 

「リヴァイヴァルフェニックス……!」

 

新たな姿となったフェニックスには、「復活」を意味するリヴァイヴァルフェニックスと名付けられた。

 

「さあ、羽ばたこう」

 

「フレア・オブ・リヴァイヴァル!」

 

「……!」

(なんだ!? ヘラクレスの軌道が逸れた!? だが、このままでは壁に!!)

 

全員には見えなかったが、フェニックスのブレードが一瞬だけスライドし、ヘラクレスの攻撃を受け流す。

 

同時にその軌道を大きく逸らした。

 

「……うぉぉぉぉぉッ! 耐えろ、ヘラクレス!」

 

壁に激突する寸前、さっきまでの余裕が完全に崩壊した。

 

「フィナーレだ」

 

壁に激突し、その衝撃に耐えられなかったのか、インフィニティヘラクレスはたまらずバーストした。

 

「……!」

 

「リヴァイヴァルフェニックス、バーストフィニッシュ! 焔ツバサの勝利!」

 

「決まったぁぁーーッ!! 焔ツバサ選手、聖永学園ゴールドランクの矢上テルブ選手に大勝利を収めました!」

 

「やったーー! ゴールドランクの一人に勝ったのもそうだけど、さっきのアレ、驚いたぜ!」

 

「まさか、バトルの中でフェニックスを進化させるなんて……。愛機を最後まで信じたツバサさんだからこそ出来たのですね」

 

「それもあるけど、何より君達が『1%』信じてくれたおかげさ」

 

仲間達の言葉を受け止め、1%信じてくれたことに感謝を述べる。

 

「申し訳ありません……、シオン様……」

 

「……」

 

シオンは黙り込んでいるが、依然として威圧感を放っていた。

 

遂に戦いの火蓋が切られた聖永杯・決戦。

 

第一戦目はツバサが勝利を収めた。

 

果たして決戦の中で、シオンを救うことは出来るのか?

(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

焔ツバサ-榎木淳弥

風馬マイ-水瀬いのり

神世征二狼-遊佐浩二

帝龍太-島﨑信長

虹羽アイ-沢城みゆき

四天カイト-山下大輝

黒野エイキ-子安光樹

水城コウ-内山昂輝

古面定太-小野坂昌也

聖永学園

天道シオン-悠木碧

瀬里シアス-福山潤 

矢上テルブ-谷山紀章
(髪型:オレンジのオールバック/目の色:赤)

藤川イリア-雨宮天
(髪型:黄色のポニーテール/目の色:水色)

ナレーション-森川智之

ベイブレード  

インフィニティヘラクレス.C6.GB
(サークルシックス・ガードボール)
(ヘラクレスモチーフのスタミナタイプ。)

リヴァイヴァルフェニックス.S9.WB
(サバイバーナイン・ワイドボール)
(フェニックスモチーフのスタミナタイプ。)
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