ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第24話 作戦

根尾中学校に転校生とやって来た少女・風馬マイ。

 

彼女のベイ「サイクロンペガサス」は、その圧倒的なスピードで、ソウタ達を凌駕した。

 

彼女の言う「無駄を削ぎ落とす」と言う言葉に対し、「正確さだけでは出来ない戦い方を見せる」と宣戦布告をした。

 

リベンジとともに、マイの真意を探り出せ__(ナレーション)

 

__根尾中学校(翌日・昼休みの部室)__

 

「うーん……。サイクロンペガサスのあの速さ、必ず何かがあるはずだ」

「確か……3つの刃のところに穴が空いていたような……」

 

ソウタは僅かな記憶を頼りに、サイクロンペガサスの速さについて考察する。

 

更には、それをノートに書き殴っていた。

 

「あぁー……。なんだか疲れてきた……」

「あまり考え込んでも埒が明かない。少し校内を散策するか……」

 

背筋を伸ばした後、部室のドアを開ける。

 

「何だろうな……このモヤモヤ感」

 

独り言を呟きながら歩いているその時__。

 

__ゴッ……!

 

「痛っ……!」

 

誰かとぶつかる。

 

「おやおや、大丈夫ですか?」

 

「はい、大丈夫です……あっ……!」

 

顔を見上げた途端、ソウタは驚く声を上げた。

 

「校長先生……!」

 

「おやおや、蒼龍ソウタ君でしたか……」

 

ぶつかった相手は根尾中学校校長の根尾新太だった。

 

「す、すみません……」

 

「いえいえ、気をつけてくれれば良いんです。それに 、ベイブレードカップでの活躍、素晴らしかったですよ」

 

許してくれた上に、ソウタの活躍を称賛した。

 

「ありがとうございます」

 

「ところで、何かありましたか? 何やら疲れている顔をしていますよ」

 

「……! ……実は、今の俺達を遥かに超える強いブレーダーが現れて。風馬マイというのですが……」

 

「ほぉ……。あなた達を超える強いブレーダーですか、それは興味深い。どんなベイを使っていたか教えていただけますかな?」

 

「サイクロンペガサスというベイです。少なくとも、俺達はそのベイを今まで見たことがありませんでした」

 

校長と会話を繰り広げている中……。

 

「ソウタ?」

 

複数の声がソウタを呼ぶ。

 

「!」

「バン、ヒカル、ツバサ!」

 

声の主はベイブレード部のメンバーだった。

 

「こんな所で何をしてるんだ?」

「それに、校長先生も……」

 

「えーと実は……」

 

バン達に一連の流れを話す。

 

「なるほど、マイとペガサスについて話していたということか……」

「つまり、最終的にどうやってそれを攻略するかという話か?」

 

「そうなんだよ……。けど、中々いい方法が思いつかなくて。せめて、話でも聞いてきもらおうかなぁって……」

 

首に手を当て、傾げる。 

 

そんな中、根尾校長が口を開く。

 

「それでは、こんな方法はいかがでしょう。とっておきの案があります。ついてきてください」

 

「とっておきの……案?」

 

指を立て、「とっておきの案」というものを伝える。

 

数分後……

 

「こちらです」

 

「これは……?」

 

ソウタ達の目の前には、真っ白で大きい扉が映っていた。

 

校長はすぐに鍵を取り出し、解錠する。

 

ソウタ達は驚いている暇も無かった。

 

扉を開けた先には__。 

 

「これは……?」

 

中には椅子が設置されていて、プラグがぶら下がっている。

 

その横には黒い液晶画面の機械が置かれていた。

 

「これは、頭の中で思い浮かべているベイを、プラグを通じて出力する機械。通称『ツクール君』です」

 

「ツ……ツクール君……」

 

扉の中の機械について得意げに説明する。

 

それに対し、ソウタは若干戸惑う。

 

「……本当に、使っていいのでしょうか? なんと言いますか、この機械で結構高かったり……」

 

説明された性能もあり、使用を躊躇いそうになる。

 

しかし……。

 

「どうぞどうぞ、お使いください。あなた達を応援してきた者として、協力をしたいのです」

 

「……! ありがとうございます!」

 

校長の言葉に嘘偽りは無かった。

 

温厚な笑みが信頼というものに拍車をかけていた。

 

ソウタもそれに気づいたのか、感謝の言葉を述べる。

 

「準備が出来たら、いつでもお声がけください」

 

「はい」

(待ってろよ、マイ……。すぐに追いついてやるからな……!)

 

心の中でリベンジの決意を固める。

 

そして……。

 

「お願いします」

 

「それでは始めますよ」

 

(確か、ペガサスには3つの刃があって、その内側には穴が空いていた……)

(それを基に出力するんだ……!)

 

記憶を頼りに、出力の準備をする。

 

暫くして……。

 

『出力完了。ベイを取り出してください』

 

機械から出力完了を知らされる。

 

丁寧にプラグを外し、ベイを取り出す。

 

「すげぇ……! 本当にベイが出来ちまった……!」

「細かいところまで、再現されてる……!」

 

出力されたペガサスを手に取る。

 

ソウタの頭には驚きと感心が同居していた。

 

「校長先生、ありがとうございました!」

 

校長に礼を言い、その場を後にする。

 

「また何かありましたら、いつでも頼ってくださいね」

 

__根尾中ベイブレード部部室__

 

放課後、いつも通りの部室に集まる。

 

「このペガサスを使って、あのスピードの秘密を暴いて見せるぜ!」

 

ソウタの決意は固かった。

 

その証拠に青い瞳の輝きがあった。

 

「バン、相手を頼めるか? ツバサ、審判を頼むぜ」

 

「ああ」

 

「分かった」

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「……! は、速い……!」

 

スタジアムに放たれたペガサス。

 

機械で出力されたとは言え、その速さは本物にも劣らなかった。

 

全員がスタジアムを目を向ける。

 

その時__。

 

__キンッ……!

 

ケルベロスが大きく弾かれ、そのままスピンフィニッシュ。

 

「サイクロンペガサス、スピンフィニッシュ! ソウタの勝ちだ」

 

「驚いたな。スピードまでもがここまで再現されてるなんてな」

 

バンも、スピードまでもが再現されていたことに感心していた。

 

そんな中……。 

 

「……」

 

ソウタが沈黙する。

 

「どうかしたのか? ソウタ」

 

「いや、さっきから気になってはいたんだけどさ。ここ…」

 

ヒカルの質問に対し、ソウタはペガサスの3枚刃の内側を指差す。

 

「穴……? それがどうかしたのか?」

 

「もしかして……ペガサスの速さは、この穴に秘密があるんじゃないかって」

 

「なるほど……。ソウタ、俺が相手になる。お前のドラグニルとペガサス、どっちがフィニッシュまでの時間が速いか比べてみないか?」

 

「……! おぉ、それは良いな! 是非とも頼むぜ!」

 

ヒカルの提案を快諾し、早速、ランチャーを握る。

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

ヒカルが相手になり、先にドラグニルで検証をする。

 

連続した刃でユニコーンに攻撃を叩き込む。   

 

「サンライトスティンガー!!」

 

__バァァンッ……!

 

「セイバードラグニル、バーストフィニッシュ」

 

フィニッシュした瞬間、ストップウォッチを止める。

 

「時間は?」

 

「42秒だ」

 

「まずまずと言ったところか……」

「じゃあ、次は……」

 

続けて、ペガサスをシュートする。

 

__シャァァァァ……!

 

大地を駆け抜けるように、スタジアムを旋回する。

 

そして……

 

__バァンッ……!

 

「サイクロンペガサス、バーストフィニッシュ」

 

またしてもバーストフィニッシュ。

 

「どのぐらいだ?」

 

「……! さ……38秒……!」

 

ストップウォッチを持っている手を震わせる。

 

「マジかよ……! ドラグニルより速いなんて、やっぱり、ブレードの構造が関係していたのか!?」

 

(アタックタイプは、高い攻撃力を持つ代わりに空気抵抗を受けやすい……。ペガサスはブレード内側に穴が空いていることで、それを減らしているということだろうか? もしそうだとすれば……)

「……それもそうだが、俺の意見を述べさせてもいいだろうか?」

 

ヒカルは心の中であることを考えつく。

 

「お……おう」

 

「ソウタ。お前はさっき、ペガサスはブレード内の穴がスピードと関係していると言っていたな」

 

「ああ」

 

「その可能性は大いにある。恐らくだが、空気抵抗というのをその穴で減らしていると考えられる。通常、アタックタイプは高い攻撃力と同時に空気抵抗を受けやすいため、スタミナは少ない」

「だが、サイクロンペガサスの場合は空気抵抗減少に特化したブレードになっている」

 

心の中で立てた考察を基に話し始めた。

 

「……ということは?」 

 

「つまり、こちらも空気抵抗を減らすことが出来れば勝ち筋は見えるはずだ」

 

「なるほどな! そうとなればさっそ__」

 

__キシ……

 

「!」

 

「大丈夫か、ソウタ」

 

「ああ、大丈夫。大丈夫。ちょっと強くシュートし過ぎたのかもな……」

 

ソウタの腕に痛みが走る。

 

しかし……。

 

「ん? シュート? ……ああ、そうか!」

 

「?」

 

__根尾中学校・教室(翌日)__

 

チャイムが鳴り、教室は再び昼休みに入る。

 

「マイ!」

 

「ソウタさん?」

 

ソウタはマイを呼び出す。

 

腕の痛みは取れたらしい。

 

「再戦の準備が出来た」

「やろうぜ」

 

そう言って、ドラグニルを取り出す。

 

「……分かりました。あなたがペガサスをどう攻略するのか見させてもらいます」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「先制攻撃だ、ドラグニル!」

 

「!!」

(速い……! ペガサスが追いつかれる……!)

 

あの日とは打って変わって、ドラグニルがペガサスを追いかける。

 

それもかなりのスピードで。

 

そして……。

 

__キィンッ……!

 

「よし!」

 

遂に攻撃が届いた。

 

「ペガサスに攻撃が……!?」

「ソウタさん、先程のスピードと言い、何を……?」

 

マイの表情は驚嘆一色だった。

 

それに対し……。

 

「シュートさ」

「お前の強さは『無駄を削ぎ落としたこと』って言ってたよな? その『無駄』の正体は『空気抵抗』だ!」

 

「……ッ!」

 

堂々とした言い切りに、図星の表情を見せる。

 

「お前のペガサスは、ブレードの内側に穴が空いていることでそれを減らしていた。正直、俺も分かったところでどうやればいいか分からなかった」

「だが、その後の練習で俺に出来ることが掴めたんだ」

 

ソウタはこれまでの経緯をマイに話す。

 

「それが、シュートによる空気抵抗の減少ということさ!」

 

「……!」

(ペガサスの特徴を一瞬で掴むとは……。……完敗です)

 

「これでトドメだッ!!」

 

__ガァンッ……!

 

最後の一撃を叩き込み、ペガサスをバーストして勝利。

 

見事、リベンジ達成となった。

 

「よっしゃーーッ!!」

 

リベンジに喜ぶソウタに、マイが近づく。

 

「あなたの観察眼には一本取られました。確かにその強さ、見させていただきました」

 

「そう言うマイも強かったぜ。またやろうな!」

 

(ソウタさん。そして、ベイブレード部の皆さん。あなた達なら、あの子を『救える』かもしれません……)

 

マイは心の奥底で、意味深長な思いを抱える。

 

マイとのリベンジを達成したソウタ。

 

しかし、戦いはまだこれで終わりではなかった。

 

これから、彼女が自分達と関わっていくこと、新たな強敵が待ち構えているということに__。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

根尾新太-宮澤正

風馬マイ-水瀬いのり

ナレーション-森川智之


2話目にして、1話より多めの文字数となりました。

一応、リベンジ回というわけですが、少々プロセスに偏った感はあります。

ですが、後悔はないです。自分のしたいことに嘘はつきたくないので

次回はマイの加入と新しい敵の登場予定です。   

お楽しみに。
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