ベイブレードカップの新チャンピオンとなった聖永学園。
そこのリーダーである天道シオンは、マイの親友だった。
しかし、嘗てソウタが倒した男・神世征二狼の手によって操られ、彼女らの友情が切り裂かれた。
マイはシオンを取り戻すべく、ベイブレード部への加入を申し出て、ソウタ達からもそれを受け入れられた。
そんな中、聖永4戦士という勢力の一人、黒野エイキが現れた。(ナレーション)
「聖永4戦士……?」
突如として現れた勢力にソウタは困惑する。
「……聖永学園には、ブレーダーの実力に応じてランク付けされる制度があります」
「ラ……ランク付け」
「下から順にブロンズランク、シルバーランク、そして最高ランクのゴールドランクの3つです。私は聖永学園在籍時はブロンズランクでした」
なんと、聖永学園にはブレーダーのランク付けがなされていたのだ。
そして、マイはその内の最下層であるブロンズランクだった。
「それじゃあ……シオンは」
「シオンはゴールドランクです」
シオンは聖永学園内最高ランクであるゴールドランク所属であった。
そんな中、エイキが口を開く。
「それで、根尾中ベイブレード部。俺達聖永4戦士はシルバーランクだ。それも、その中で特に優秀なシルバーランクの集まりってことさ」
「な、何だって…!?」
エイキは、聖永4戦士は飛び抜けて優秀なシルバーランクのブレーダーの集まりであることを告げる。
「俺達はシオン『様』には遠く及ばない。だが、そんじょそこらのブレーダー達を遥かに凌駕する実力は持っている」
シオンを「様」付けしているところに、聖永学園のランク制度がどれほど強力なのかが垣間見える。
そして、力強く豪語しているところにも聖永学園の上位層であることへの誇りを感じさせた。
「さぁて本題だ。マイ。シオン様と近しくありながら裏切ったんだ」
「それがどれだけ、愚かだったか思い知らせてやるぜ。……この『アポカリプスクロック』でな!」
そう言って、時計モチーフのベイ「アポカリプスクロック」を取り出す。
「!!」
(何だあのベイは!? 真円に近い形をしているが、あんなの見たことないぞ……!)
それを見て、ベイブレード部は目を見開いて驚く。
「それで、誰が出るんだ? マイ、お前が出ても構わないぜ。そっちの方が効率が良いからな」
「……」
「待て!」
「?」
「俺が相手だ。マイはシオンを取り戻すためにここへ来たんだ」
「同じ学校にいたのに何でそんな態度を取るんだ?」
「お前もシオンを慕ってるんだろ?」
ソウタがエイキに顔を近づけ、問いかける。
「決まってるだろ? シオン様は聖永学園の中でトップクラスの実力者。それだけでも特別なお方だというのにマイというダチがいた」
「だが、そいつが離れたらシオン様はどうなる? 残るのは友を失ったという喪失感だけだ」
煽り立てるような笑みで、その真意を話す。
「マイ。お前が戻れば、シオン様は安心できるんだ」
マイの方へ目線を移すも、それと同時に威圧感が彼女の肌を突き刺す。
「……!」
「おい」
「お前の相手は俺だって言ってるだろ? それに、マイは自分の意志でここへ来たんだ。たとえ上のランクだろうがマイの意志を否定される筋合いはねぇ!」
エイキに向かって、啖呵を切る。
「ハッ! そこまで言うなら相手をしてやる。だが俺はマイを連れ帰るためにここへ来たんだ。2分以内でお前を片付けてやるぜ」
そうして、互いにベイをランチャーにセットする。
「バトルは3ポイント制だ。俺が勝ったら、マイを連れて行くぜ」
3・2・1 ゴーシュート!
遂に開始された聖永学園からの刺客との戦い。
アポカリプスクロックはスタジアム中央で、どっしりと待ち構える。
「行くぜッ! ドラグニル!」
それに対し、セイバードラグニルが一直線に向かっていき、アタックを仕掛ける。
__ゴッ……
「よし……!」
攻撃が届いたのを確信する。
しかし……。
「フッ……」
何故かエイキは余裕の笑みを浮かべる。
その瞬間。
__ジャリッ……!
「何ッ……!?」
何かに引っかかるような接触音を立てた後、攻撃が受け流されてしまった。
(確かに俺はあいつのベイに攻撃したはず……!)
「もう一度だ!」
再びアタックを仕掛けるが……。
「無駄だ」
__ガンッ……!
「今度は弾かれた……! 何が起きてるんだ?」
受け流されたかと思えば、今度はスタジアム外周に大きく弾かれる。
「簡単な話だ。アポカリプスクロックのブレードは真円60枚刃。これによって受け流しに特化しているのはもちろん、その内の大型4枚刃によってカウンターも出来る」
「それに、よく見てみろ」
「……!」
「ドラグニルがグラついている……!?」
ドラグニルがブレードからギアにかけて、揺らぎ始める。
「56枚刃で攻撃を分散し、スタミナを削り取った。後は残った回転力もカウンター刃で奪い取る……。それがアポカリプスクロックの戦い方だ!」
「それを知らずして挑んできたことを後悔させてやる……。アポカリプスクロック!」
エイキの声に呼応して、時計盤のオーラが現れる。
「ユニバース・ゼロ!」
一周して繋がった刃が攻撃を分散し、スタミナを削り取る。
自身は回転力を保ちつつも、相手は回転する時間を一方的に進められる。
時間とともにスタジアムを支配していく。
そして……
__カタン……。
「スピン……フィニッシュ……!」
セイバードラグニルの回転が遂に止まった。
「先ずは1点目だな」
エイキがアポカリプスクロックをスタジアムから取り出す。
「次だ。次こそは……!」
再びドラグニルをランチャーにセットし、2戦目に入る。
それと同時にエイキの方を見つめる。
(ブレードの防御力の高さは確かだ。けど、どんなベイにも必ず『弱点』というものがある。そこを見つければ……!)
自身にそう言い聞かせ、ランチャーにセットされたアポカリプスクロックを観察する。
その時__。
(……あのディスクフレームは一体? まるで壁のようだ)
ソウタはアポカリプスクロックのディスクフレーム「バーチカル」に注目する。
(……無理にブレードは狙わない。今度はそっちを狙ってみるか)
__チャッ……
「!」
ソウタはランチャーを傾ける。
「斜め打ちか? それをしたところで勝負は見えている」
「やってみなきゃ分からないだろ? それに、負けたからこそどうやれば良いかが得られるんじゃないか」
焦りの表情を一切見せず、諭すように反論する。
3・2・1 ゴーシュート!
先程と同様、中央で待ち構えるアポカリプスクロック。
それに対し、斜め打ちでシュートされたセイバードラグニルは一直線で中央に向かっていく。
__ガァンッ……!
「何だ……!?」
ブレードではない、どこかに鈍い接触音が鳴り響く。
それに加えて
「そのままだ。そのまま攻撃だ、ドラグニル!」
まとわりつくように連続攻撃を仕掛ける。
__グラ……
「……!」
遂にアポカリプスクロックが傾いた。
「お前、何をした!? 蒼龍ソウタ!」
「ディスクフレームだ」
「ディスクフレーム? ……まさかッ」
「そうだ、お前のベイは確かに防御力は申し分ない。特にブレードはな」
「同じ場所を狙おうとすれば、何も出来ずにまた終わるからな。他にどこか狙えないか探したんだ。そこで見つけたんだ」
そう言って、アポカリプスクロックを指差す。
「お前のディスクフレームをな!」
「……ッ!」
「壁のように垂直に切り立った形状は、高い防御力を誇る。だがそこに強い攻撃が加わると体勢を立て直しづらくなる。俺はそれを利用して、斜め打ちによる攻撃へ切り替えたんだ」
「ラッシングセイバー!!」
__バァァンッ……!
「ばかなッ……!」
「セイバードラグニル、バーストフィニッシュ! ソウタさんの勝利です!」
「よっしゃぁぁぁ!」
ディスクフレームの弱点を突き、バーストフィニッシュで勝利した。
一方……。
「聖永学園シルバーランクであるこの俺が、こんな奴に……!」
エイキはアポカリプスクロックを握りしめ、悔しさを滲ませる。
「エイキ。シオンに伝えておけ。俺達がシオンを助けるから待っていろってな!」
「……! お前らがどうしようが関係ねぇ、俺達はシオン様の意志に従うだけだ」
エイキは捨て台詞を残して、部室のドアを勢いよく締める。
「感じ悪いな。それはともかくとして、マイ。これから宜しくな!」
ソウタはマイに手を差し伸べる。
「はい……!」
マイもその手を受け取り、握手を交わす。
ベイブレード部に吹いた新たな風。
仲間とともに友を救うべく、歩み出す。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
風馬マイ-水瀬いのり
黒野エイキ-子安光樹
ナレーション-森川智之
ベイブレード
アポカリプスクロック.V0.N
(バーチカルゼロ・ニードル)
(時計モチーフのディフェンスタイプ。メタルファイトベイブレードのバサルトホロギウムのオマージュ。)
▽
やっと4話目が書けました。
本日は3話目に続いて、4話目も書けたので後は体を休めます。
夏休みが明ければ、後期授業なので時間の流れは本当あっという間だなと実感する今日このごろ。
それではまた次回。