ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第27話 新たなベイ

聖永4戦士の一人である黒野エイキに勝利したソウタ。

 

その後、マイをベイブレード部のメンバーとして迎え入れた。(ナレーション)

 

エイキとの戦いから翌日、ベイブレード部は部室に集まる。

 

そんな中、マイが口を開く。

 

「昨日は私を受け入れてくれてありがとうございます。そこで、私から話があります」

 

「話?」

 

何やら話したいことがあるらしい。

 

ソウタ達は一斉にマイの方へ目線を向ける。

 

「バンさん達の可能性を引き出すお手伝いをさせてくれませんか?」

 

「俺達の可能性を引き出すだって?」

 

なんと、話したいことはバン達の可能性を引き出したいという内容だった。

 

「はい。ソウタさんがエイキに勝利したことは確かなことです。彼の鋭い観察眼が戦い方に組み込まれているという証拠とも言えるでしょう」

「ですが、残る4戦士やゴールドランクのことを考えると更なる戦力の拡大が必要になると思います」

 

メガネのブリッジを押しながら、そう言う。

 

そんな中、ヒカルが口を開く。

 

「確かにそうだな。現にベイブレード部の中で、ソウタは一歩先を進んでいる」

「だが、全てをソウタに背負わせるのも酷だ。そろそろ俺達も変わる時が来たようだな」

 

「ヒカル……!」

 

ソウタの顔に笑みが浮かぶ。

 

一方__。

 

__聖永学園(4階教室)__

 

「申し訳ありません、シオン様……。アタックタイプごときにヘマを……!」

 

エイキは悔しさに塗れた顔でシオンに報告する。

 

その時、机が軋むような音を立てる。

 

「……ッ!」

 

エイキは恐怖で顔をひきつらせ、後退りをする。

 

自身より高いランクでなおかつ慕っている相手からのプレッシャーは尋常ではなかった。

 

「ヘマをした……? それは『油断』の2文字で済む。ブレードの性能に依存したことが、貴様の敗北を招いた」

 

「……ッ。反論の余地もございません……」

 

シオンの冷酷な言葉に、エイキは頭を垂れる。

 

ベイブレード部の部室に現れた時とは違い、完全に怯えきっていた。

 

「貴様は私の言う『新時代』に共感し、そのベイを創り上げたはず。敗北は『価値の喪失』だ。己と向き合い、今度こそ勝利を掴め」

 

「はい……。失礼しました」

 

静かに教室のドアを締める。

 

しかし、振り返った後にシオンを覗き込む。

 

そうしてこう言う。

 

「……」

「シオン様……。俺『達』はあなたのためならどんな道でも進みます。たとえ、それが険しくとも」

「ですが、一つだけ教えてください。なぜ『あの男』はあなたから笑顔を奪ったのですか? 俺達はあなたに憧れ、そして今のランクへ上り詰めた。あなたが変わろうとも、その気持ちがあったから新時代を目指した」

 

ポケットから写真を取り出す。

 

そこにはエイキとシオン、マイ、そして他の4戦士とゴールドランクが映っていた。

 

しかし、それを持つ手は震えていた。

 

「……新時代を創り上げれば、また笑顔を見せてくれるのでしょうか? もしそうであれば、俺達はこいつとともに歩み続けます……!」

 

アポカリプスクロックを取り出し、ギュッと握りしめ、歩き出す。

 

そんな中、シオンは……。

 

「根尾中ベイブレード部か……。恐らくマイは、そこに加わった。でも……示さなければならない。私達こそが時代を創るのにふさわしいということを」

「そうとなれば……」

 

__翌日__

 

ソウタ達はスマホにて、ベイブレードの小規模大会「フリーリーグ」のライブ配信を視聴していた。

 

『インペリアルワルキューレ、バーストフィニッシュ! 聖永学園の勝利!!』

 

『聖永学園、フリーリーグも見事優勝です!! それでは聖永学園の天道シオン選手、コメントをどうぞ!』

 

『優勝は今の私達にとっては必然。だが、それよりもっと重要な情報を持ってきた』

 

『重要な情報?』

 

「何なんだ? 重要な情報って……?」

 

報道陣とソウタの疑問が重なる。

 

『重要な情報……それは』

 

__ビッ……!

 

そう言うと、シオンは虹色の玉のようなものを掲げる。

 

『虹色の……玉?』

 

『これより聖永学園主催のもと、聖永杯の開催を宣言する!』

 

『「聖永杯!?」』

 

突如として、シオンは聖永杯なるものの開催を宣言する。

 

『ルールはベイバトルで聖玉100個を集め、先にそれを達成したチームが私達と対戦できるというものだ。先ずは各チームに5個与える。そこから這い上がり、私達の見せる新時代を超えられるか確かめさせてもらう』

 

そう言って、ライブ配信が終了する。

 

「シオン……」

 

マイはただ悲しげに一言こぼすだけだった。

 

その時……。

 

__ドンドン

 

何かがドアを叩く。

 

「何だ……。そんな叩かなくても」

 

バンがドアを開けると……。

 

『お届けものです』

 

ドローンが入ってきた。

 

『聖永杯に使用する聖玉5個でございます。』

『受け取りを確認。ありがとうございました』

 

どうやら、聖永杯に使う聖玉を届けに来たらしい。

 

受け取ったのを確認すると、そのまま廊下の方へ向かっていった。

 

「……」

 

マイが胸を抑える中、ヒカルが口を開く。

 

「聖永杯か……。この大会でもまだ見ぬ強敵たちが待ち構えている。だが同時に、シオンを救うために避けては通れない道が出来たということだ」

「マイ、さっき君が言ったように戦力の拡大がシオン達に近け付ける鍵となるはずだ」

 

「ヒカルさん……」

「……分かりました。聖永杯に備えて、あなた達のベイの強化をこの私に任せていただけますか?」

 

マイの目に強い決意が宿る。

 

「よろしく頼む」

 

「ありがとうございます……!」

 

ヒカルはマイの頼みを了承する。

 

「そうとなれば……。バンさん、ヒカルさん、ツバサさん。あなた達のベイを一度、貸していただけますか?」

「それをベースに新しいベイを作ります」

 

「……」

 

__コクッ

 

「それでは、頼む」

 

一斉に首を縦に振り、マイにそれぞれのベイを渡す。

 

「ありがとうございます。開発には少し時間をいただくので暫くお待ちください」

 

そう言って、部室を出る。

 

(バンさん達は私を信頼してくれている。私もそれに応えなくては……! そして……待っててね、シオン。必ずあなたのもとへ辿り着くから……!)

 

今の仲間達と友に思いを馳せ、新型ベイの開発に着手する。

 

数分後……。

 

__ガラッ

 

部室のドアが開き、マイが入ってきた。

 

「マイ。ここへ来たということは……」

 

「はい、あなた達の新しいベイが出来ました」

 

「遂に完成したんだね……!」

「早速、どんなものか見せてもらえるかな?」

 

「こちらです」

 

そう言って、ポケットから3つのベイを取り出す。

 

「!!」

 

彼女の手のひらには、新しくなったケルベロスとユニコーン、フェニックスが乗っかっていた。

 

「これが、俺達の……!」

 

「そうです。ちなみに名前も私の方から命名させて頂きました。インフェルノケルベロス、アストラルユニコーン、ブレイズフェニックスです」

 

「すっげぇ……! マイ、ベイの名前まで考えてくれたなんて……最高だぜ」

 

ベイの名前を聞いて、ソウタが3人より大きな声量で喜ぶ。

 

「ありがとな、マイ。大切に使わせてもらう」

 

「それじゃあよ、新しくなったバン達のベイ、どんなものか見せてくれないか?」

 

ソウタが目をキラキラさせながら言う。

 

「仕方ないな、それではやってみるか」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

各自、スタジアムにベイをシュートする。

 

__ギュゥゥゥゥン……!

 

「!!」

 

一斉にスタジアムから轟音が響く。

 

「何だこの音は……!? ケルベロスがこんなにも暴れるなんて……!」

 

「お前だけじゃない、俺のユニコーンもスタジアムに強くグリップしている……!」

 

「僕もだ。フェニックスが以前より更に回転している……。後はフワー……って風を感じる」

 

3人は、以前より性能が変化している相棒達に驚きを隠せないでいた。

 

「新しいベイとなると、性能の変化に戸惑うのは自然なことです。ここから慣れていくことが、バンさん達の可能性を引き出すのに繋がります」

 

「なるほど……。確かに驚いたが、相棒と向き合う時間も必要だな」

「……。ん? ソウタ、少しいいか?」

 

「? どうしたんだ? バン」

 

バンがふと、ある疑問を浮かべる。

 

「お前は今、セイバードラグニルを使っているだろ? その時、普通にコントロールしているように見えた。その時、慣れるって意識はしなかったのか?」 

 

「慣れるって言ってもなぁ……俺、そこまで難しく考えるのは苦手っていうか……。強いて言えば、『相棒だから信じる』ってところかな」

 

「相棒だから信じる……。なるほど、その素直さがコントロールに繋がっているということか」

 

バンはケルベロスを見ながら、どこか納得した様子を見せる。

 

「もう一度だ。俺も含めて、ヒカル、ツバサ。もう一度、やってみよう」

 

「ああ」

 

「そうだね」

 

(……信じるんだ、相棒が今どうしたいかを。その思いでいざ……)

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

__シャァァァァ……!

 

「!!」

 

先程より暴れっぷりが抑えられた様子を見せる。

 

暫くして……。

 

__カタン……

 

「……」

 

__コクッ

 

「やったな、ヒカル、ツバサ」

 

「どうやら……」

 

「上手く行ったようだね」

 

3人揃って頷いた後、成功を確認した。

 

「〜〜!! 良かったな、バン、ヒカル、ツバサ!!」

 

それに加わるようにソウタも喜ぶ。

 

「ありがとな、ソウタ。それに、マイも協力してくれて……」

 

「こちらこそお役に立てて良かったです……!」

(間違いない、この人達なら……!)

 

マイは頬を染めながらも、笑顔を見せる。

 

そんな中……。

 

__ガラッ……

 

「やはりここにいたか」

 

「!!」

 

またしても聞き慣れない声とともに、何者かが部室に入ってくる。

 

5人は一斉に驚く。

 

「聖永学園ゴールドランク、瀬里シアス。シオン様からのご命令でここへ来た」

 

背が高く、白色のアップバングに赤色の瞳を持つ少年は「瀬里シアス」と名乗る。

 

新ベイとともに新たなステージへ踏み込んだベイブレード部。

 

しかし、ここに来てまさかの聖永学園ゴールドランクの襲来。

 

返り討ちにするか、されるか、運命はどちらに転ぶのか__。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

風馬マイ-水瀬いのり

天道シオン-悠木碧

黒野エイキ-子安光樹

聖永学園

瀬里シアス-福山潤
(髪型:白色のアップバング/目の色:赤)

ナレーション-森川智之

ベイブレード

インフェルノケルベロス.T6.E
(ターンシックス・エキスパンド) 
(ケルベロスモチーフのバランスタイプ。)

アストラルユニコーン.Wl5.RS
(ウォールファイブ・ラバースパイク)
(ユニコーンモチーフのディフェンスタイプ。)

ブレイズフェニックス.F4.LB
(フローフォー・ローボール)
(フェニックスモチーフのスタミナタイプ。)


5話目です。

今回はバン達の新ベイと聖永学園ゴールドランク2人目の登場です。

新ベイ登場は定番ですが、やっと自分でもこの展開に踏み込めました。

これで1つの章は一区切りと言ったところです。

次からは新章・聖永杯編です。

それではまた次回。
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