聖永杯の開幕後、部室にやって来た瀬里シアス。
そんな彼に挑んだのはベイブレード部部長である、バン。
はじめは一点を取られたが、その後、モードチェンジにより勝利。
聖玉10個を獲得することが出来た。
しかし、シアスのバトル中の行動をバンは怪しむのだった(ナレーション)
__根尾中ベイブレード部部室(翌日)__
5人全員揃っている中、ソウタとバンは椅子に座りながら、話し合っていた。
「なぁ、バン。さっきのはどういうことなんだ? 聖玉が増えるのって良いことだと思うだけどな」
「聖玉が増えるのは、確かに良いことだ。だが、一つ疑問がある」
「疑問?」
互いに顔を合わせ、言葉を交わす。
夕日が差し込み、二人が座っている椅子は輝いていた。
「相手が聖玉を10個も与えたということは、俺達が聖永に近づく時間も早まる」
「……言われてみれば確かに」
「自ら近づかれるような展開を作るなんて、敵に塩を送るようなものだ」
疑問の内容。
それは、聖永が自ら近づかれるような展開を作ったことに対するものだった。
「……そういえば、お前。あいつにどうするかは任せるみたいなこと言ってたな。じゃあ、あの時のバトルは最初から……」
「ああ。俺はあくまで、マイが連れて行かれるのを防ぐために挑んだ。それを達成できたから、聖玉をどうするかはあいつに委ねた」
「そういうことだったのか……」
どうやら、聖玉のことは最初から気にしていなかったらしい。
「これで疑問は晴れたか?」
「ああ! ありがとな、バン」
椅子から立ち上がり、ランチャーを手に取った瞬間。
__コンコンッ
部室のドアを何かが叩く。
「誰だ? こんな時間に」
ドアを開くと……
『根尾中学校の皆さん。お届けものです』
聖永学園のドローンがまたしても入ってきた。
「今度は何だ?」
『受け取りを確認。ありがとうございました』
箱を受け取ったことを確認すると、ドローンは去っていった。
「開けてみるか……」
「!」
箱を開けた途端、驚く5人。
そこに入っていたのは……
「腕時計……?」
5人はそれぞれ、腕時計のようなツールを取り出す。
「ボタンがついているな、押してみるか」
右側に小さく出っ張っていたボタンを押す。
すると……
『バトルバンドの起動を確認。ユーザー情報を取得中……』
「何だッ……!?」
『ユーザー情報を確認。蒼龍ソウタ。根尾中学校在籍中』
AI音声が鳴り、ソウタの情報までもが表示される。
__ピコン
更に通知が届く。
感嘆符のマークをタップすると、メッセージが表示された。
『今、貴様らに届けたツールは「バトルバンド」だ。それで、貴様らが持っている聖玉の数、近くにいるチームを把握することが出来る。更に、そのチームとのマッチアップも通知する。それを活かし、私達にたどり着け。__天道シオン__』
ソウタ達に届いたツール、その名はバトルバンド。
聖玉の数と近くにいるチームの把握だけでなく、そのチームとのマッチアップを通知する機能を搭載している。
5人がバトルバンドの機能に圧倒される中、新たなライバルが忍び寄る。
「ここだね、姉さん。僕たちの相手というのは」
「そうよ。彼らに見せてやりましょ」
「「星の導きを」」
「確かに便利な機能だな。だが、そんな都合よくマッチング__」
『対戦相手確定! 対戦相手確定! 相手は星楼中学校! 相手は星楼中学校!』
ヒカルが「そんな都合よくマッチングしない」と言いかけた矢先、バトルバンドによるマッチアップの通知が来た。
「……本当に来るとはな。星楼中学校と言ったか。恐らく、近くにいるはずだ。外へ出てみよう」
部室から廊下、廊下から下駄箱へと伝っていく。
__根尾中学校(校庭)__
「お前らが星楼中学校か」
校庭にたどり着いたベイブレード部。
遂に星楼中学校と相対する。
「……来たわね根尾中。星の導きは、今日ここで私達の時代が拓かれると示していたわ」
「バトルバンドの通知はただの偶然なんかじゃない。僕達が君達を選んだんだ。早速、君達の持つ『聖玉』。僕達のものとさせてもらうよ」
最初に口を開いたのは、顔に双子座のマークのような痣を持つ、双子の姉弟だった。
「星の導き……? 何を言っているのか分からないが、お前らは?」
「あら、自己紹介が遅れたわね。私は弐階堂レイ」
「僕は弐階堂ライ。レイ姉さんの弟だよ」
「星の導きというのは、星楼中学校の建学の精神。人生の開拓において、必要な直感という意味さ」
双子はそれぞれ、弐階堂レイ、弐階堂ライと名乗る。
「は……はぁ……」
ソウタは目を丸くする。
「さあ、最初に出るのは誰なのかしら?」
「それと、ルールを言っておくわ。ルールは、互いに聖玉3個を賭ける。勝利した方に、それをあげるわ」
レイがそう言った後、星楼中学校側から一人の少年が前に出る。
「この勝負、僕が行かせてもらおう。この、工藤キリトがね」
「へぇ……。君が出るなんてね」
最初に名乗りを上げたのはキリトだった。
ライが興味深そうに彼を見る。
「対戦相手は僕が選ばせてもらう。星の導きに従って……」
「……決めたよ。一角ヒカル、君にね」
「……俺か?」
キリトはヒカルを指名する。
「君からは星を感じるんだ。その瞳、実に美しい」
「あ、ああ……(妙な気分だ……)」
「君を僕の『毒』で包み込みたい……。この、ベノムスコーピオでね」
そう言って、「ベノムスコーピオ」というベイを取り出す。
その形状は独特で、外周の殆どがラバー刃に覆われ、金属部は小型刃3つのみかつ内側だけだった。
「さぁ、君の『運命』はどちらに転ぶ? スコーピオの『毒』に殺されるか、それとも生き延びるか」
「そんな『運命』は俺の手で書き換える」
「そう威張ってられるのも今のうちだよ」
互いにランチャーを構え……
『マッチアップを確認! 一角ヒカルVS工藤キリト。Ready……Set!』
3・2・1 ゴーシュート!
2つのベイがシュートされた。
ベノムスコーピオがスタジアム中央を陣取り、アストラルユニコーンがスタジアム外周から徐々に迫る。
__ドッ……
異なる素材で出来たブレード同士は、重厚な接触音を立てる。
更には、互いに中央から離れない。
「センターから動かない……!」
「それだけではないよ。君のベイを見てみな」
「何……? !」
__ブゥゥゥン……
「な、何だ!? ユニコーンの回転が弱まっている。これは一体……?」
なんと、ユニコーンがブレ始めた。
「フフフッ、これがスコーピオの『毒』さ。ブレード外周のラバー刃で相手の回転をどんどん吸い取る。一度毒が回ったら最後、止まるまで弱っていくのさ」
何が起きたか、それはスコーピオのラバー刃による回転吸収だった。
それは蠍の毒の如く、じわじわとスタミナを削っていく。
(聖永にも劣らない性能……。だが、ソウタ達はこんな奴らが相手でも、相棒のことを信じてきた)
(俺だって……!)
「一度だけだ、そのまま傾かせる!」
「無駄だよ。君のユニコーンは、スコーピオの毒を『浄化』出来ない」
「いや、浄化してみせる」
その時__。
__キンッ
一瞬だけ響いた金属音と同時に、スコーピオが揺らぐ。
「なッ……!? スコーピオが揺らいだ……?」
「一角ヒカル……! お前、何をしたァァァ!」
先程までの冷静さはどこへやら、キリトは声を荒げて動揺する。
「言葉通りだ。ユニコーンを傾かせ、その刃をお前のベイの内側に当てた」
「そんな……計算していたのか?」
「計算ではない。俺はただ、相棒を信じた。ただそれだけのこと」
「話しは変わるが、お前のベイは回転吸収に依存し切っている。その細いギアでブレた状態を支えるのは困難だ」
冷静にスコーピオの弱点を指摘する。
そして……
__カタン……
「ああっ……」
『アストラルユニコーン、スピンフィニッシュ! 一角ヒカルの勝利! 聖玉3個を転送します』
「フッ……」
「やったな、ヒカル! 流石だぜ!」
「なあ、次は俺が出ていいか?」
ソウタが、次に出たいと願い出る。
「構わない」
「そんな……。僕の『毒』が、『運命』が浄化されたのか?」
キリトは両膝をついて、項垂れる。
「へぇ、やるじゃねぇか。アイツ」
「情けないわね、キリト。私が星楼の恐ろしさを見せてあげるから、そこで見ていなさい」
ヒカルのことを称えたのは星楼のメンバーの一人、渡見ヨウ。
そんな中、同じく星楼のメンバーである木麻ニカが前に出る。
「私のワイルドクラブは、他のアタックタイプとは『一味』違うわ」
「面白え、その『一味』ってのを俺に見せてみろ!」
新たに現れた勢力・星楼中学校。
未知数のブレーダー達が集う中、ソウタ達はどう勝利を掴み取るのか__(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
一角ヒカル-小野賢章
風馬マイ-水瀬いのり
__星楼中学校__
弐階堂レイ-鬼頭明里
(髪型:青と黄色のセミロング/目の色:緑/その他:双子座マークの痣)
弐階堂ライ-八代拓
(髪型:青と黄色のカルマパーマ/目の色:緑/その他:双子座マークの痣)
工藤キリト-代永翼
(髪型:ワインレッドのコンマヘア(後ろ髪を束ねている)/目の色:黄色)
木麻ニカ-伊藤かな恵
(髪型:赤色のショートヘア+おさげ/目の色:黄緑)
渡見ヨウ-古島清孝
(髪型:白色のフェザーパーマ/目の色:銀色)
ナレーション-森川智之
ベイブレード
ベノムスコーピオ.Ot3.C
(アウタースリー・センター)
(蠍座+蠍モチーフのスタミナタイプ。)
ワイルドクラブ.U2.H
(アンダーツー・ホール)
(蟹座+蟹モチーフのアタックタイプ。)
聖玉
15個→18個
▽
Season2で初めての学校同士の戦いです。
星座モチーフということで、聞き馴染みがある人はいると思います。
作者は乙女座です。
それではまた、次回。