ベイブレードNEO Season2   作:マツザキ蓮

8 / 8
ベイブレードNEO 第30話 星の導き

聖永学園からバトルバンドというツールが渡され、その直後に星楼中学校という学校とマッチアップ。

 

最初の一戦は一角ヒカルVS工藤キリト。

 

キリトの使うベイはベノムスコーピオ。

 

ラバー刃による回転吸収で一時は苦戦するが、ソウタ達の相棒を信じることを思い出し、弱点を突いて勝利。

 

続く第二戦、根尾中学校からはソウタが、星楼中学校からはニカが戦前に出た。(ナレーション)

 

『マッチアップを確認! 蒼龍ソウタVS木麻ニカ。 Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

互いにスタジアム内を駆け巡る。

 

「先制攻撃だ! ドラグニル!」

 

前にいたワイルドクラブに、攻撃を仕掛けようとする。

 

しかし……。

 

__スッ……

 

攻撃を当てる前に避けられてしまった。

 

「よ、避けたッ!?」

「なら、もう一度攻撃だ!」

 

再び、攻撃を仕掛けるも……。

 

「無理よ」

 

再び避けられてしまう。

 

その証拠に、風を切るような音がスタジアムに反響する。

 

「だ〜っ、また避けられた! 何でこんな避けられるんだ? まるで、一手先を読んでるみたいに……!」

 

「仕方ないわよ、なにせクラブに搭載されているギアは軸先が中空になっているわ。それによって高い持久力を実現し、そんじょそこらのアタックタイプなんかじゃカスリもしないわ」

「そろそろスタミナ切れね」

 

気づけば、ドラグニルはフラついていた。

 

相手を追うのに時間をかけ過ぎたということだ。

 

「ああっ……」

 

__カタン

 

無慈悲にもドラグニルの回転が止まった。

 

『ワイルドクラブ、スピンフィニッシュ! 木麻ニカの勝利! 聖玉3個を転送します』

 

勝ち取った聖玉が星楼中学校のもとへ還される。

 

それは、振り出しに戻ってしまったことを意味した。

 

「ごめん……皆」

 

ドラグニルを拾い、敗北を詫びる。

 

「気にするな、ソウタ。お前の敵は俺達が取る」

 

「ヒカル……。ありがとな」

 

ヒカルの励ましに、ソウタは笑顔を取り戻す。

 

一方__。

 

「さあ、次の相手は誰かしら?」

 

ニカは次の相手を待っていた。

 

そんな中__。

 

「この勝負、私が受けます」

 

「!」

「マイ……!」

 

なんと、マイがその勝負を受けると宣言する。

 

「ふぅん。あなたが出てくるのは予想外だったけど……。でも、相手が誰だろうと容赦はしないわ。辞退するなら今のうちよ?」

 

ニカは強気な口調で、マイの動揺を誘う。

 

しかし……。

 

「辞退? そんな気は更々ないです。ただ戦いを眺めているだけの者だと思ったら大間違いです」

 

口調を崩さず、冷静に言い返す。

 

『マッチアップを確認! 風馬マイVS木麻ニカ! Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「行きなさい、ワイルドクラブ! その刃でペガサスの羽をズタボロにしてあげなさい!」

 

その言葉とともに、ペガサスを強襲する。

 

「……」

 

しかし、マイは動じない。

 

彼女は黙って、ペガサスの動きを眺めていた。

 

__キンッ

 

その直後、クラブのハサミを模したアッパー刃が直撃。

 

軌道を大きく変えられた。

 

(勝った……!)

 

勝利を確信したのか、笑みを浮かべ始める。

 

しかし……。

 

「……」

 

マイは表情を何一つ変えない。 

 

それを見て、次第に焦りだす。 

 

(なんでこの女は冷静なの……。今のでペガサスはスタミナを消費したはず……)

 

「よく見てください」

 

「……!」

「ま、まだ回っている……!」

 

強い攻撃を受けたにも関わらず、ペガサスの回転は衰えていなかった。

 

「でも、なんでまだスタミナが……!」

 

「ペガサスの形状は空力特化。無駄な空気抵抗を減らすことによって、アタックの時間が長くなります。さて、次はこちらの番です」

「応じなさい、ペガサス!」

 

ペガサスのオーラが現れ、一直線にクラブへ向かっていく。

 

「旋風疾走《サイクロンドライブ》!!」

 

__カンッ……

 

『サイクロンペガサス、オーバーフィニッシュ! 風馬マイの勝利! 聖玉3個を転送します』

 

ソウタの敵を取り、聖玉も取り戻すことが出来た。

 

「あり得ない……。クラブの攻撃は確かに、ペガサスに効いたはずなのに」

 

「確かにあなたのベイはペガサスを大きく弾いたように見えます。しかし、実際はそれも策の内です。あなたの攻撃の衝撃を利用し、スタジアム外周にまで軌道を変えて、遠心力による加速へと転換したのです」

「空気抵抗を極限にまで抑えたペガサスにとって造作もないことです」

 

ペガサスを拾い、ソウタ達のもとへ戻る。

 

「ありがとな、マイ! お前の戦い方、かっこよかったぜ!」

 

「礼には及びません。私はただ、ペガサスを信じただけです」

 

(単なる計算ではない。自分のベイの特性を把握し、信じる……。彼女もまた、本物のブレーダーだ)

 

2人の後ろにいたヒカルが、腕を組みつつ心のなかで、そう言う。

 

再び突き放された星楼中学校。

 

しかし、二階堂姉弟とヨウは余裕の表情を崩さない。

 

「……フフ、盛り上がってきたわね。私達の『星の導き』とあなた達の情熱……どちらに聖玉が輝くか試してみたくなったわ」

 

「そうだね、姉さん。もう挨拶も済んだことだし、僕達のベイでこの校庭を輝く夜に照らそう」

 

「「この……『レクイエムジェミニ』で!」」

 

「!」

(何だあのベイは!? 同じベイのはずなのに形が違う……!)

 

二階堂姉弟が取り出したベイ・レクイエムジェミニ。

 

レイの方は、大型の4枚刃。

 

ライの方は、小型の8枚刃とそれぞれ形状が異なっていた。

 

「おっと、バトルに移る前に特別ルールを知らせるよ」

 

「特別ルール?」

 

「そうさ。その内容は……」

 

ライはそう言うと、バトルバンドの方を指し示す。

 

「君達が勝ったら、僕達の聖玉を6個あげるよ。だけど……負けた場合には、君達の聖玉6個もらうよ」

 

「何だって!?」

(最後の最後で、本気を出してきたな……)

 

「バトルはどうするかと言うと……」

 

レイとライは、同時に指を空に向けて、高くあげる。

 

「『ペアバトル』!」

 

「ペアバトル……!?」

 

「ルールは簡単。これから、僕達と君達の中で、ペアを組み、バトルする。後は先程説明した通りさ」

「僕と姉さんは二人で一つ。そして、ヨウと組む」

 

「楽しみにしてるぜ、根尾中ベイブレード部」

 

「そして……君達の方は、僕達から選ばせてもらうよ」

「そうだなぁ……。よし、決めたよ」

 

ライの緑色の瞳がベイブレード部を捉える。

 

「焔ツバサ、蒼龍ソウタ。君達だ」

 

そして、彼が指名したのはツバサとソウタだった。

 

「俺!?」

 

ソウタは自分を指差して驚く。

 

再び、バトルすることが出来るとは思いもしなかったのだ。

 

「蒼龍ソウタ。ベイブレードカップを勝ち抜いた君の真価を見てみたい。是非とも、それを僕達に見せてくれよ」

 

「真価を見たい……か。分かった、今度こそ俺の戦い方を見せてやるぜ!」

 

『マッチアップを確認! 弐階堂レイ&弐階堂ライ、渡見ヨウVS焔ツバサ&蒼龍ソウタ! Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

スタジアムに放たれた5つのベイ。

 

スタジアムの外周をドラグニルとジェミニが駆け抜け、中央をフェニックスとシープが取り合う。

 

「センターは譲らねぇぜ? バニッシュシープ!」

 

__ビィン

 

バネが跳ねるような音ともにフェニックスが弾かれる。

 

「君のベイはバネを搭載しているのか? 弾かれるまでほんの一瞬だった」

 

「理解が早くて助かるぜ。俺のバニッシュシープはスプリング搭載のブレードによる防御」

「スタミナタイプだろうが、俺の鉄壁を打ち破れはしないぜ!」

 

(反発による防御ということか……? 普通の正攻法で挑むには厄介な相手だ。けど……)

 

バニッシュシープの性能に驚かされる中、スタジアム外周に目を向ける。

 

(ソウタ、随分と追い込まれているよ)

 

「あら? どうしたのかしら、蒼龍ソウタ」

 

「皇龍を超えた君の実力はそんなものではないはずだよ?」

 

2つのレクイエムジェミニに、ドラグニルは後ろを追われていた。

 

「くっ……!」

「避けろ! ドラグニル!」

 

今は回避するので精一杯だった。

 

「このままでは埒が明かないわ、ライ」

 

「それじゃあ、行こうか。姉さん」

 

弐階堂姉弟は、互いに首を縦に振る。

 

そして……。

 

「輝け、レクイエムジェミニ!」

 

彼らの声に応じ、双子の精霊のオーラが現れる。

 

「ツインフラッシュ!」

 

ジェミニがドラグニルに激突しようとしたその時__。

 

__ガンッ……

 

「!!」

 

何かにぶつかり、互いの動きが逸れた。

 

「何が起こったんだ?」

「! これは……!」

 

ソウタが目にしたのは……。

 

「フェニックス!」

 

ブレイズフェニックスだった。

 

「危なかったよ」

 

「なんで……?」

 

「新しいフェニックスは空力×低摩擦。以前より、スタミナが上がっていた」

「少ししたことでは、倒れない。だから、僕があの2人の攻撃を受け止めることが出来たんだ」 

 

「ツバサ……」

「ありがとな。さあ、反撃開始だぜ!」

 

「行こうか」

 

(凄い……。今の2人は間違いなく、このバトルを楽し

んでいる。私もアドバイスを……!)

 

マイは懸命にスタジアムを観察する。

 

「ソウタさん、ツバサさん!」

 

「マイ?」

 

「2人の『波長』を合わせてください! そうすれば、攻略法《みち》が開けるはずです」

 

彼女は、ソウタとツバサにそう呼びかける。

 

「波長を合わせる?」

 

「ソウタ、難しく考える必要はないよ。君とドラグニルが相手を片付けてくれ、僕とフェニックスがその発射台になる」

 

ツバサが諭すようにそう言う。

 

「分かった。お前の言うとおりにしてみるよ」

「さあ、来い!」

 

__キィンッ……!

 

その金属音は雷鳴のようにスタジアムに鳴り響く。

 

ドラグニルは雷撃のように、一直線にシープとジェミニへ向かっていく。

 

「先ずは一機目……!」

 

__ガチンッ……!

 

「な……。何だと……!?」

 

勢いのまま、シープを弾き飛ばす。

 

「そして……これで」

「これで最後だぁぁーーーッ!!」

 

(……間違いない。彼の強さは)

 

(本物ね……)

 

__バァァンッ……!

 

一瞬にして、ジェミニ2機を場外へ吹き飛ばした。

 

ソウタは気づいていなかったが、弐階堂姉弟は穏やかな笑みを浮かべていた。

 

『セイバードラグニル、オーバーフィニッシュ! 蒼龍ソウタの勝利! 聖玉6個を転送します』

 

「よっしゃぁぁ!」

 

見事、星楼中学校に勝利した。

 

「ここまでやるなんてね、やっぱり根尾中の名は伊達じゃないわね」

 

「約束通り、君達に聖玉6個をあげるよ。最後に君達の『星の導き』が聖永を打ち破ることを切に願うよ」

 

「お前らも強かった。この勝負、楽しかったぜ!」

 

聖玉6個を与えた後、星楼中の面々は校庭を後にした。

 

そんな中、一人の少年が彼らを眺める。

 

「根尾中の実力、確かに見させてもらったよ。この時のためにマッチアップをハッキングしていて良かった。僕にも君達の『新時代』を是非とも見させてくれよ?」

「この僕、四天カイトにね」

 

星楼中学校を破った根尾中学校。

 

だが、彼らはまだ知らなかった。

 

更なる刺客が近づいているということに。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

風馬マイ-水瀬いのり

弐階堂レイ-鬼頭明里

弐階堂ライ-八代拓

木麻ニカ-伊藤かな恵

渡見ヨウ-古島清孝

聖永4戦士

四天カイト-山下大輝
(髪型:銀色の短髪/目の色:緑/その他:眼帯(左目))

ナレーション-森川智之


VS星楼中学校、決着です。

Season2に入ってから、文字数が増えたと感じるこの頃。

表現力というより、ストーリー展開の広げ方でそうなっているのは確かです。

次は、聖永4戦士2人目との戦いです。

それではまた、次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。