第二章
明朝、午前6時過ぎ。
島のビルの屋上。
統原 恭也(とうはら きょうや18歳)は、朝日に包まれながら、心地よいそよ風に身を委ねていた。
「気持ちいいね〜恭くーん♪」
と、すぐそばに座りながら朝日を拝んでいる少女、斬咲 唯(きりさき ゆい16歳)が無邪気な笑顔で話しかけてくる。
「ああ、そうだな」
いつもであれば無視しているところだが、あまりにも朝日とそよ風が気持ちいいので、つい口調が柔らかくなってしまう。
「あ、今日は返事してくれるんだ。…………なんか、嬉しい」
恭也の思いもよらない返事に、唯はどう対応すればいいのか困惑してしまい、恥ずかしくなって顔を俯かせてしまう。
恭也は、唯の様子に違和感を感じるが、さほど気にはしなかった。
そらからしばらくし、恭也は満足げに腕を広げ深呼吸。それにならい、唯も深呼吸。
「まねすんな」
「へへっ」
特に意味もない会話をしていると、
《ドゴォォォォオン!!!!!》
爆発音が鳴り響く。
「なっ、なんだ!?」
恭也は、突然の爆発音に驚き、唯に指示を出す。
「唯!現状報告!」
唯は、恭也の指示通りに、現状を確認し、恭也に伝える。
「現状報告!南西の方向、距離およそ700m先にて、原因不明の爆発あり!!」
二人の口調はがらりと変わる。
「よし、その爆発があったところに向かうぞ」
「ラジャー♪」
二人は、何があったのかを確かめるべく、先を急ぐ。
………5分後。
爆発があったすぐ近くの建物の影に身を隠す。
二人は、爆発があった現場を確認するが、さっきの爆発のせいで粉塵が舞い上がっていて、うまく辺りを把握することができない。
「何も見えないね」
「(静かに!誰かいる!)」
恭也は、粉塵の中に人がいることに気づき、唯に知らせる。
二人の間に、緊張感が広がる。
次第に粉塵は収まっていき、少しずつ辺りの様子を確認することができるようになった。
「イッターーイデース!!」
若い女の声が響く。
そこにいるのが人間であることに恭也たちは安堵するが、緊張感や警戒心は解けない。その女が、敵か味方か、まだはっきりしていないからだ。
警戒しているうちに、辺りがはっきりと見えるようになり、女の正体があらわになる。
髪はツインの銀色で、肩甲骨辺りまで伸びている。背丈は恭也より10cm程低いだろうか。服装は、ちょっとしたドレスっぽくなっていて、黒色をしている。明らかにゴスロリっていう感じだ。
「っ!」
恭也は、睨みつけるようにして粉塵の中にいる女の子を見ていたが、その女の子が手にしている物を目にして驚く。彼女が手にしているのは、彼女よりも大きい鎌だった。その鎌は、見ているだけで引き込まれそうな漆黒色をしている。そんな彼女を改めて見ていると、否応無く“死神”を連想させられる。
「(どーするの恭くん?)」
唯が恭也に問う。
「(静かにしろ、あいつにばれる)」
《パキッ》
と、そう言った矢先、恭也が小枝を踏んでしまった。
「っ!? やべっ!!」
唯を抱えて物凄い勢いで後方へ飛び退き、その場を離れる。
さっきまで隠れていた建物は、その女の子の大きな鎌の餌食となり、横に真っ二つに切断されていた。
「なんてやろーだ…」
あまりの素早さに驚嘆する恭也。
「逃げんなデーーース!!!!!」
ツインテールは、自分より大きな鎌を軽々と持ち上げると、追撃を仕掛ける。
「ぐっ、なんであんなのを持ちながら、飛び跳ねたりできるんだよ!?」
恭也は愚痴をこぼしながら、ツインテールの攻撃を避けようとするが、唯を抱えている状態ではどうしても避ける事は難かった。
すると唯が、
「私の刀で防ぐってのはどーお?」
「ダメだ。さっき見ただろ、あいつの鎌の威力。あれはお前の刀じゃ防ぎきれない」
「ならどーするの?」
恭也は、頭をフル回転させる。
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ…。
そこで、一つの可能性に気づく。
「唯、俺に任せとけ。ただ、今からする事は一か八かだ。もしもの事があったら…………すまん」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
そう唯に言い残し、恭也は二丁のハンドガンを構え直し、迫り来るツインテールに立ち向かう。
「そこ動くなデスよぉぉぉお!!」
ツインテールは、漆黒の鎌を振り上げ、恭也たちを目掛けて襲いくる。
しかし、恭也は逃げる素振りを見せない。それどころか、その場に仁王立ちになる。
そして、叫ぶ。
「反転プロセス! バースト!!!!!」
「なっ」
すると、恭也は一瞬消えたかのように見え、次の瞬間、ツインテールの真横に移動し、蹴りを一発くらわせた。
「ぐふっ(デース)!」
ツインテールは、真横から腹部を蹴られ、吹っ飛んだ。
「な……何が(デス)?」
「お前、何物者だ?」
突っ伏しているツインテールの目の前に、恭也は立ち尽くし、厳しい眼差しで問う。
そして、ツインテールは目の前に立っている恭也に気がつく。
「や、やややややめやめやややややややめてデース!!こ、こ、殺さないでデース!!お、お願いしますデス!!!!!殺すのだけは、お、お願い!!何でもしますデスっ!!あ!なんだったら貴方様の使いになりますデースっ!使いがダメなら下僕に!いや、奴隷になりますデスっっ!いっそ性奴隷にでもっ……!!」
先程とはうって変わって、ツインテールは二重人格ではないかと思わせる程に、おとなしく…というより、うるさくなった。あと、「デース」が多い…。
そのツインテールの激変ぶりに、恭也は驚きながらも対応する。
「おい、ちょっとまてよお前、俺はお前が何者か聞いてるんだ。殺すとか言ってるわけじゃない」
すると、ツインテールは怯えながら恭也を見る。
「ほ、ほ、ほんとデスか??」
「あぁ、ほんとだ」
「うぅひゃっふーデーーース☆」
「やめろ」
「んぐふっ(デース)!」
ツインテールが飛びついてきたので、恭也は避け、軽く宙を舞っている彼女の背中を、トンと押すと、そのまま彼女の顔は地面に突き刺さるように落下。
が、ツインテールはすぐに起き上がり、恭也目掛けて飛びついてくる。
「ああもうお前ウザいよ?」
愚痴をこぼしながら、それをかわす。
「なーに銀髪ゴスロリ少女とイチャついてんのよ〜??(笑)」
と、唯は恭也をからかう。
「どこがイチャついてるように見える?」
恭也はキレ気味に返事をした。
「あはは、たのしそー♪」
「お前、後で覚えてろ」
「あはは♪」
いまだにツインテールは恭也に飛びついてくるが、恭也は彼女の首を掴み静止させる。
「にゃは〜捕まったデース♡」
ツインテールは変な喋り方をするが、恭也は無視する。
「お前、名前は?」
「え?名前デースか?私はてっきり奴隷にしてもらえるのかと〜」
「二度も言わせるな」
恭也は先程以上の厳しい眼差しで、ツインテールを睨む。ツインテールはその眼差しが怖かったようだ。
「か、鎌池 紗夜香(かまち さやか15歳)デース」
「鎌池 紗夜香…ね」
恭也は、鎌池 紗夜香という名前を聞いて、眉を寄せる。
すると、唯が口を挟んでくる。
「恭くん、もしかするともしかしてなんだけどさ、」
恭也は、唯の曖昧な言葉に苛立ちを感じる。
「なんだ唯、早く言え」
「鎌池 紗夜香ってさ、あの有名な鎌池財閥の令嬢じゃないかな?」
鎌池財閥。
その財閥は、世界樹がこの島を“喰う”前、この島を本拠地とし、全国展開する企業で、電化製品や車、インテリア等、ありとあらゆる物を取り扱う企業だった。知らない者はいないというほどの大きな財閥である。
そして、唯の言ったことに一早く反応し驚いたのは、恭也ではなくツインテールだった。
「私のこと知ってるデースか!?うれしいデーーース!!」
「って言うことは、お前はあの有名な鎌池財閥の娘ってことか?」
「そーなのデース!!このわたくしこそっ、かの有名な鎌池財閥の第42代目当主、鎌池 紗夜香デース!!!!!」
………。
紗夜香の周りに、何かキラキラしたようなものが見えた気がした。
「無い胸張って、言うことでもねーだろ」
「くっ、鎌池財閥を馬鹿にするデスか!?」
紗夜香は本当のこと(無い胸)を言われ、少し顔を染めながら怒る。
「だってそうだろ。胸ないんだし」
「あの〜」
「ぐっ……す、少しはあるデース!」
どこからその威勢は来るのだろうか。紗夜香は、よりいっそう無い胸を張る。
「あ、あの〜」
「だいたいお前、今どんな状況かわかってんのか?馬鹿か??」
「そ、それはそうデスけどっ、鎌池財閥を馬鹿にされて、黙ってるほうがおかしいデスっ!!」
「もうっ、喧嘩はやめてよ!!!!!!」
唯の突然の大声に二人は黙る。
「恭くんっ!女の子が傷つくようなことは言わない!男の子でしょう!?」
キリ、とした顔で唯は話を続ける。
二人は黙ったままだ。
「そういうことは、私に言いなさい!」
「……。」
「……。」
あまりのドM発言に二人は、口を開けない。
「私は、どんなこと言われても受け入れるよっ(照)」
『いやいやいやっ!お前(あんた)ドMか!?!?』
恭也と紗夜香の声がシンクロした。
そして、3人は笑う。
唯は陽気に。
紗夜香はほがらかに。
恭也は、あの頃を思い出すかのように。
唯は、いまだにドM発言をしている。
恭也と紗夜香は、その度に見事なシンクロで突っ込む。
ワーワーギャーギャー。
ここは、残酷で無慈悲な世界。
しかし、それに抗うかのような笑い声。
「はは、今日は良い日になりそうだ」
こんにちは! Re:Ginです!!
『復讐へのプロセス』の第二章ですよ(ぐへへ)
やばいです。テンション高いです。
今の気持ちを率直に皆様にお伝えします。
「やったぜ☆第二章書き上げたぜ!?今夜は祭りだ!祭りーーーー!!!!!」
まぁ、だいたいこんな感じです(笑)
ここらで、真面目にやっときましょう。
皆様!
『復讐へのプロセス』第二章どうだったでしょうか!?
自分的には、第一章より面白く仕上がったとおもいます!
第二章の見所としては、主人公である「統原 恭也」が前回とは違い、多少明るくなっています!!
他にも唯ちゃん!!!!!
この子は大丈夫なのでしょうか??(笑)
そして、新キャラである「鎌池 紗夜香」!!!!!
王道である銀髪ロリ系美少女と、片言喋りの異例のキャラを組み合わせてみましたが、皆様どうでしょうか?
これはこれでいけると思います…!
次回の展開はどうなっていくのでしょうか!?
さらにさらに!面白く仕上げていこうと思います!!
最後になりますが、この作品を作るにあたってご協力頂いた、親友である“Fくん”に感謝を………。
そして、この作品を読んでいる皆様に感謝を。
この作品が、皆様の糧となりますように。