目を開ければ、ボクの身体は鎖に繋がれていた。
何処にあるのかも分からない、かすかな光も届かない牢獄のようなところ。
そこでボクは四肢を鎖で繋がれて、はりつけにされていたのである。
いやなんで?
「ようやくお前を食べれるな、世界で一番可愛い私のカラク。」
どこからともなく現れたのは、凛々しい騎士の格好をした銀髪美女…ティフィシア。
彼女は光を完全に遮断している、どす黒い闇のごとき瞳をボクへと向けていた。
ボクはこれからなにをされるんだ!?
「フフッ…安心してくれ、カラク。私も初めてだが、上手くやるからな。私に身体をゆだねてくれれば、きっとすぐに気持ちよくなれる。」
そんな明らかにおかしい状態で言われても、なんにも安心できないんだけど…。
「ちょっ、なんで服に手をかけ…待って、脱がさないで!?」
悲鳴にも似た声が出る。
だが身体を少しも動かすことのできないボクは、口で抵抗の言葉を放つしかできないのであった。
「いやぁ、見ないでぇ…。」
身に纏っていたものをすべて剥ぎ取られしまったボクは、涙ながらにそう言う。
だがティフィーは動きを停めるどころか、より息を荒くするだけ。
「んあっ!!ティフィー、そこ舐めるのやめてぇ!?」
ティフィーは身をかがめて、ボクのナニを舐める。
そこでようやく、ボクは悟った。
今のボクはティフィーに食べられるのを待つことしかできない、憐れな羊であるということを。
✚✚✚
「はっ!?」
ガバリと思いっきり、身体をはね起こす。
ボクのいるこの部屋は、陽の光の届かない牢獄ではなかった。
良かった、夢だった。
とはいえ夢とはいっても、ものすごく怖かったのもまた事実。
ボクはこの恐怖を優しく包みこんでくれるであろう人の温もりを求めて、ボクの寝ていたベッドに腰掛けているティフィーに抱きつく。
「うん?どうしたんだ、カラク。なにか怖い夢でも見てしまったのかい?」
「うん。すごく怖い夢を見たの。」
「そ、そうか。だけどなぜ抱きつくんだ?」
「ダメ、だった?それなら、ごめんなさい⋯。」
「別にダメじゃないぞ!!ただなんというか、気恥ずかしくてだな⋯。」
「そう?ボクはこうするの好き、だけど。」
ティフィーは黙りこくってしまう。
嫌、だったのかな?
なら離れてあげないと⋯。
悲しい気持ちを抑えながら、ボクはティフィーから離れようとする。
が、それよりも早く─────
「んむーー!!んー、んー!!」
ボクの口が先ほど見た夢のように、貪られることとなった。
口腔は至るところまで犯され、舌は一切の慈悲なく蹂躙される。
ソレは俗に言う大人のキスであった。ディープキスであった。
それと同時に思い出されていくのは、ボクが夢へと落ちる前の記憶。
あぁ⋯ボクが食べられたのは、夢という名の幻想じゃなかったんだ。
「今日の夜まで、この昂りは抑えておくつもりだったが⋯⋯存外、私の独占欲は強いみたいだな。お前が私の手元にいるうちに、お前を私だけの色に染め上げ、塗りつぶしたい。」
数十秒も深く繋がっていた唇が離れる。
ティフィーの唇からは糸が引いており、それはボクの唇へと繋がっていた。
「それじゃあまた、いただかせてもらおうじゃないか。あぁ、それと⋯この私から逃げられると思うなよ?」
強気な言葉とともに、トンと胸を押されてベッドへと倒される。
そしてボクの上に馬乗りになって、ペロリと唇を舐めるような素振りを見せた。
不敵に笑う彼女の姿が、ボクの眼にどこか蠱惑的に映ってしまったのはしょうがないことだろう。
ボクは起きていても、寝ていても食べられてしまう運命にあるらしい。
このあとめちゃくちゃハッスルした。