伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
僕の名前は禪院神楽。呪術界御三家の一角、禪院家の次期当主であり、高専資格条件で準一級以上の精鋭で構成される部隊である柄筆頭の術師である。現在は高専三年生だ。
そんな僕には誰にも言えない秘密がある。
それは前世の記憶を持つということだ。
特別な生まれがあった訳ではないが、勉強も運動もそこそこできる普通の男子高校生だった。
しかし、ある日の帰り道でトラックに轢かれた僕は赤子として転生していた。
それも呪術という特殊な力が存在する世界に。
僕は普通の男の子らしくそういう特殊な力に強く惹かれた。
御三家という特別な家系であることも影響し、僕は圧倒的な速度で強くなることができた。
そして同時に強者との戦いを楽しむようにもなった。
相手が強ければ強い程、僕の心は興奮し、自分を追い詰めた相手を打倒して満たされるようになった。
これは僕の前世での推しの性格が大きな要因だろうと思われる。
前世での推し。それはHUNTER×HUNTERに登場する戦闘狂、ヒソカ=モロウだ。
彼の一対一でのタイマンを望むやり方が好きだった。圧倒的とは言えない念能力で戦う彼に惹かれていた。
そんな彼を見ていたからこそ、僕は強者との戦いを楽しめるようになったのだろう。
彼に憧れて鋼鉄製のトランプを武器とするようになったし、才能がある者は育つのを待つようになった。
ヒソカが僕の生きる指針となったのだ。
そんな訳で今日も良い玩具を探す為に東京の高専に来ている。
僕は京都校所属だが、姉妹校交流会の打ち合わせで学長が東京に向かうと言っていたので無理を通してついて来たのだ。
僕の他にも交流会に参加する一年を見極める為に葵と嫌がらせの為に真依が来ている。
僕らの姿を認めて刺々している黒髪の男子、伏黒が口を開いた。
「何で東京いるんですか?禪院先輩」
「あっ、やっぱり?雰囲気近いわよね。姉妹?」
「嫌だなぁ伏黒君。それじゃあ真希と区別が付かないわ。真依って呼んで」
「コイツらが乙骨と三年の代打…ね」
葵は二人を見て渋い顔をしている。
真依は早速嫌がらせを口にする。
「貴方達が心配で学長について来ちゃった。同級生が死んだんでしょう?辛かった?それともそうでもなかった?」
「…何が言いたいんですか?」
「良いのよ。言いづらいことってあるわよね。代わりに言ってあげる。器なんて聞こえは良いけど、要は半分呪いの化け物でしょ。そんな穢らわしい人外が隣で不躾に呪術師を名乗って、虫酸が走っていたのよね?死んでせいせいしたんじゃない?」
露骨に二人が嫌な顔をする。
葵が二人に反論させる間もなく割って入る。
「真依、どうでも良い話を広げるな。俺はただコイツらが乙骨の代わり足りうるのか、それが知りたい。伏黒…とか言ったか。どんな女がタイプだ。返答次第では今ここで半殺しにして乙骨…最低でも三年は交流会に引っ張り出す。因みに俺は
「性癖の開示…本気だね♦︎でも三年は無理じゃないかな、停学だし♣︎」
「何で初対面のアンタと女の趣味を話さないといけなきんですか」
「というか、あのピエロなに?」
東京校の一年の釘崎が僕について言及する。
僕の今の格好はヒソカリスペクトでピエロの姿をしている。メイクもバッチリだ。
そんなのが当たり前みたいにいたら気にもなるか。
「僕は禪院神楽、京都校の三年だよ、よろしくね❤︎」
「何故にピエロの格好なんてしてるの?」
「憧れの人がいたら、真似てみたいだろう?そんな理由さ♦︎」
「俺は京都校三年東堂葵。自己紹介終わり。これでお友達だな。早く答えろ、男でも良いぞ」
葵は自分の性癖理論を展開する。
伏黒は何とか理解しようと努めている。
そして答えを出した。
「別に、好みとかありませんよ。その人に揺るがない人間性があればそれ以上はなにも求めません」
「悪くない答えね」
「五月蝿え」
「やっぱりだ。退屈だよ、伏黒」
「残念、不合格♣︎」
伏黒は咄嗟に掌印を組んで構える。
そこに葵がラリアットをかました。
伏黒は後方へと吹っ飛んでいき、葵がそれを追う。
「伏黒!!」
「君はどうかな?」
「っ…!退いてくれない?」
僕は釘崎の前に立ちはだかる。
釘崎が焦った表情を浮かべる。
「君は葵の眼中にはないし、僕が品定めしないとね♦︎君はどれだけ実るかな?」
「言ってる意味が分かんないんだけど?」
「僕は葵と違って女の子が相手でもイケるから、君の潜在能力を確かめてあげようという話さ♣︎」
「ぶっ飛ばしても良いってことね」
「そういうこと❤︎」
釘崎は無手で襲い掛かって来る。
その速度も技のキレも辛うじて及第点だ。
釘崎の繰り出す打撃を受け流す。
放った攻撃の全てが無意味と化すのは中々堪えるだろう。
そう思ったのだが、意外にも果敢に戦い続けている。負けん気は強いらしい。
「まだまだ、もっと呪いを込めて♣︎」
「クソッ…!軽々と受けやがって!」
「徒手は得意じゃないかい?動き方が武器を持つ者のそれだ♦︎」
「寮に置きっぱなんでね!」
「駄目じゃないか、自分の得物はいつでも持っておくべきだよ、こんな風に♠︎」
僕はトランプを取り出して釘崎の拳を受け止める。
トランプ程度に攻撃を防がれた釘崎が驚愕する。
「何製だよ!?」
「鋼鉄製さ♣︎呪力で強化してるからもっと硬い♦︎」
「ウチのパシリに何してんだよ」
僕が自信ありげにトランプを自慢してると東京校の二年、真希が竹刀を割り込ませた。
ちなみに僕は禪院家当主の息子なので、真依と真希とは従兄弟である。
「百鬼夜行ぶりだね♣︎元気にしてたかい?」
「見ての通りだ。で、何でこんなことになってんだ?」
「ただの玩具探しだよ♠︎本当はもう一人の方が良かったんだけど、葵が遊びたがってたからね、譲ったんだ♦︎」
「……昔はそんなんじゃなかったろ」
「人は変わるものさ❤︎」
昔、とはいつの話をしているのやら。
もう昔の僕じゃないのに。僕は生き方を変えたんだ。より適した生き方に。
かつての未熟な僕など忘れてしまえば良いのに。
「葵の方も終わったみたいだね♠︎」
「帰るぞ、神楽、真依」
「なっ…そんな伏黒は…」
「大丈夫だ。パンダ達がついてる」
「楽しんでるようだな」
「これからって所なんだけどね♠︎」
「駄目だ。お前と違って俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ。高田ちゃんの個握がな!!」
葵は個握のチケットを見せつけて来る。
僕は肩を竦めて諦めた。
「乗り換えミスってもし会場に辿り着けなかったら俺は何をしでかすか分からんぞ。ついて来い」
「仕方がないね♣︎じゃあね二人とも、交流会で楽しもう❤︎」
僕の言葉に東京校の二人は嫌そうな顔をした。
交流会は争うのが醍醐味なのに凄く嫌そうだ。そんな顔されると流石の僕でも傷付いちゃうぞ。
内心傷付きながらも僕と真依は葵について行く。
アイドルの個握とか楽しいんだろうか、と疑問に思う。あれってファンからしたら嬉しいもんなのかね。
握手したからって何なんだろう。
そんな風に疑問を抱きながら高田ちゃんの個握へ向かうのであった。
余談だが、葵に無理矢理参加させられた真依は意外と気に入っている様子であった。
◇
そして交流会当日を迎えた。
僕達は階段を登って集合場所へと辿り着く。そこには東京校の一年と二年が揃っていた。
「あら、お出迎え?気色悪い」
「五月蝿え、早く菓子折り寄越せ出せコラ。八ツ橋、くずきり、そばぼうろ」
「しゃけ」
「腹減ってんのか?」
「怖…」
「乙骨がいないのは良いとして、一年が二人はハンデが過ぎないか?」
「そんなことないよ♠︎伏黒は二級術師だし、釘崎は無手でもそこそこやれる」
「で、あの馬鹿は?」
歌姫先生の問いに東京校の生徒が答える。
「悟は遅刻だ」
「悟が時間通りに来る訳ねえだろ」
「おまたー!!」
「五条悟!」
「五条悟❤︎」
唐突に現れた五条悟に歌姫先生が反応する。
五条悟は何やら大きな箱と人形を複数持って来ていた。
「やぁやぁ皆さんお揃いで。私出張で海外に行ってましてね」
「急に語り始めたぞ」
「はいお土産。京都の皆にはとある部族のお守りを。歌姫のはないよ」
「いらねえよ!」
「そして東京都の皆にはコチラ!!故人の虎杖悠仁君でぇーす!!」
「はい!!おっぱっぴー!!」
「アレが宿儺の器か♠︎」
死んだと聞いていたが、蘇りの方法でもあるのだろうか。
どちらにせよ、期待できる。
「楽しくなって来たね❤︎」
「お前と東堂だけだ」
真希に鋭いツッコミをされながらも僕は気分が高まっていくのを感じるのだった。
・オリ主
術式は持ってるが滅多に使わない。
使うと大抵の相手は一撃で終わる。