伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
交流会一日目のルール説明が行われた後、東京校と京都校に分かれてミーティングを行うことになった。
高専内の建物の一室に集まって会議をする。
「宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ。アレは人ではない。故に全て不問。事故として処理する。遠慮や躊躇もいらんぞ」
「殺すも何も、彼死なないから此処にいるんですよね?」
「先の虎杖の死は自死だと聞いておる。敵対術師に止めを刺す時気を付けねばならんことは?加茂」
「はい。死後、呪いに転ずることを防ぐ為に呪力で殺します」
「そうだ。他者の呪力でしっかり止めを刺せば何の問題もない。現在肉体の主導権は虎杖悠仁にある。宿儺が出て来なければただの一回生だ。縊るのは容易い」
「下らん。勝手にやってろ」
「戻れ、東堂。学長の話の途中だ」
憲紀が葵を引き止める。
葵は高田ちゃんがゲスト出演する番組を見ると言い張る。
「録画すれば良い。戻れ」
「リアタイと録画両方観んだよ。舐めてんのか?」
「良いんじゃない?葵がいなくても大丈夫でしょ♠︎」
「女の趣味の悪いお前ら(神楽を除く)にはとうの昔に失望している。謀略、策略勝手にやれよ。但し、次俺に指図してみろ。殺すぞ」
葵はそう言って去って行った。
学長も席を離れて何処かへと言ってしまう。
霞が口を開いた。
「どうします?あの様子じゃ作戦行動なんて無理ですよね」
「良いんじゃないかな?どうせアイツ東京陣営まっしぐらだもん。勝手に暴れてくれるなら私達は呪霊狩りに専念すれば」
「でも私達は虎杖悠仁を殺さなきゃでしょ。
「そもそも殺すメリットが薄いよね♣︎僕は葵と勝手にぶつかって成長してくれればそれで良いかな♦︎」
「神楽は禪院家次期当主として虎杖悠仁のような半端者がいることをどう思う?」
「半端て…まだ成長途上なだけでしょ♠︎あの呪力の流し方は良くないけど、まだまだ伸びる♣︎それに今後の為にも戦力は多い方が良いと思うよ♦︎」
「今後の為?」
桃が疑問を口にする。
皆は報告ちゃんと聞いてないのかな。
「五条悟が未登録の特級呪霊2体と遭遇し、交戦したって聞いてないの?呪霊側も知恵と力を付けて来てる…僕はそんな状況下で内輪揉めなんてしてられないと思うけど♠︎」
「特級呪霊2体って…!?祓えたの!?」
「いいや♠︎だから備えておくべきなのさ♦︎呪術界の未来を考えるなら虎杖悠仁のような特殊な例も受け入れなければならない♣︎」
「……半端は半端。私達全員で虎杖悠仁を襲撃する」
説得は失敗に終わる。
憲紀は肩物だからなぁ。保守派好みの性格だ。だから学長にも気に入られてる。
僕が東京校がゲームを終わらせるまでぐだぐだと戦闘すれば解決する話だ。
個人戦の時は殺しも難しいしね。団体戦さえ乗り切れば虎杖は生かせる。
皆が手出しできないように術式を解禁するのもアリだろう。
まあ、その場その場で対応すれば良し。臨機応変にいこう。
◇
さて、ゲームが始まった訳だが、早速葵が行方不明になっていた。
多分東京陣営に突っ込んでいったのだろう。
桃が上空に飛んで索敵を行う。
「西宮からの報告では真っ直ぐ行った先に東堂と虎杖がいるらしい」
「読み通り、だね♣︎」
僕は呪力探知で二つの気配を感じ取る。
一つは葵、もう一つは虎杖だろう。
全員が意識する必要もなく虎杖達を囲う。
そしてそれぞれが攻撃を仕掛けた。
その悉くを躱し、虎杖が中央に立つ。
全員の意識が虎杖に向いた直後、乾いた破裂音と共に憲紀と虎杖の位置が入れ替わる。
葵が怒気を込めて言葉を放つ。
「言ったよな。邪魔をすれば殺すと」
「違うな。お前は指図すれば殺すと言った」
「同じことだ。帰れ」
憲紀は迷うことなく撤退を決めた。
「退くようだナ」
「ダサ」
「ちゃんと殺せよ」
「それは虎杖次第だ。何せ俺は親友に手加減するような野暮な男じゃないからな」
憲紀達と共に森を駆け抜ける。
空で索敵していた桃が鳥の式神に落とされる。
「真依、メカ丸、西宮のカバー」
「御意」
「まあ、あの人いないと困るしね」
メカ丸達と分かれると東京校の面子が奇襲を掛けてきた。
僕はトランプでトンファーの一撃を受け止める。
「神楽さん、アンタら虎杖殺すつもりですか?」
「僕というより、憲紀の意向だよ♠︎僕は止めようとしたんだよ?」
「失敗したんですね。虎杖がこの短時間でやられる訳がない」
「その通り♦︎やっぱり良いね、彼♠︎流石は宿儺の器だ❤︎」
僕の感覚だと葵とぶつかればより強くなる。
でも本質的に求めているのは虎杖じゃない。その中に巣食う宿儺だ。
史上最強の術師両面宿儺。強者を求める僕がその名に惹かれない訳がない。
「それと同じくらい、君にも期待してるんだよ、伏黒❤︎」
「………」
「禪院家の相伝術式の中でも別格の術式を継いで生まれた君に、その奥の手に期待している♠︎まあ、それはそれとして、式神使いは本体を叩くのがセオリーだよね♣︎」
伏黒はトンファーを巧みに使って攻撃を仕掛ける。
しかしどれも僕のトランプを越えるには至らない。
「時間一杯使う訳にもいかないし、君にはここでリタイアしてもらうよ♦︎」
幾つかトランプを放って様子見をする。
伏黒はトランプをトンファーで弾いて、その影響でトンファーをお釈迦にする。
鋼鉄製のトランプの一撃を木製のトンファーで受ければそうもなろう。
腕が落ちなかったのは運が良い。僕が呪力で強化したトランプは人間の骨すら容易く断つ。
伏黒は鳥の式神、鵺を呼び出して僕に突貫させる。
僕は敢えてその攻撃を受けた。
「電気を帯びているのか……でもこの程度の出力じゃ、足止めにもならないよ♠︎」
鵺の胸を貫く。呪力特性の電気が全身に流れるが、僕の呪力量には無意味だ。
「玉犬・渾!」
白黒の巨大な犬の式神が出現する。
その爪は僕のトランプを引き裂き、僕の肉体に迫る。僕は仕方なく術式を発動させた。
「何だ…?何が起きた…!」
玉犬とやらは僕の背後に立っていた。攻撃は掠りもしていない。
伏黒は目に見えて動揺する。
「結果だけが残ったのさ♦︎僕が攻撃を避け、玉犬が僕の背後に回る…そういう結果だけが残された♠︎ヒソカというよりジョジョっぽいから余り使いたくないんだけどね♣︎」
「何言ってんのかさっぱり分かんないんすけど…」
「知らなくても良いことさ♠︎さぁ、続けよう♣︎」
僕は背後の玉犬に回し蹴りを喰らわせる。
玉犬は遥か彼方へ吹っ飛んだ。
「攻撃力は高いけど、防御力はそこまでといった所か♦︎しかし幾ら式神を叩いても意味がない…やはり本体を叩くべきだね♣︎」
「っ…!」
僕はトランプを幾つか飛ばして伏黒を切り裂く。
伏黒は血を流して地面に膝をついた。
急所は避けたが、アキレス腱は切れてしまっただろう。
立ち上がることすら困難な筈だ。
「…満象!」
伏黒が掌印を組んで象の式神を呼ぶ。
満象は大量の水を放射して僕を建物の方まで流した。
「式神が大きい分、呪力の消費も大きいだろう…そう何度も使える手じゃない♠︎」
もう既に歩ける状態ではないし、今のが最後の一手だろう。
取り敢えず一人は戦闘不能にした。ノルマは達成という訳で、後はのんびりいこう。
呪霊の気配を探しながら歩いていると、突如として上空を大量の樹木が覆った。
建物の上を狗巻が駆けている。
これだけの広範囲攻撃は並の呪霊には不可能だ。
恐らく未知の呪霊が襲撃を仕掛けてきたのだろう。
「帳が降りていく……教師陣と分断する為かな♦︎」
狗巻が僕の隣に降り立つ。
目の前に木が生えてその中から呪霊が姿を現す。
白い巨体の呪霊だ。確か五条悟の報告にもそんなのがいたな。
「狗巻、僕があの呪霊と戦うから、君は動けない者達の救出に移ってくれ♣︎」
「おかか!」
「大丈夫さ♠︎僕はこれでも禪院家の精鋭を率いる術師だからね♦︎」
僕はトランプを構えて呪霊の前に立つのだった。
・オリ主
花御の呪力を感じて興奮している。
集団戦は好きじゃないが、必要があれば行うくらいには弁えている。