伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
「さて、君達は何が目的なのかな?鏖殺?」
僕は狗巻が離れていくのを横目に呪霊に問い掛ける。
呪霊は暫し黙考した後に言葉を紡いだ。
『我々の目的は話せませんが、私の目的は人類の根絶です』
「理性があっても根幹は変わんないのか♠︎人類は嫌い?」
『好き嫌いの話ではないのです。地球は既に限界を迎えている。人類との共存は不可能です』
「自然の為に、か♦︎悪くない理由だ♣︎でも…」
僕はトランプを数枚呪霊に飛ばす。
トランプは呪霊の体に突き刺さるも、貫くことはなかった。
僕のトランプをまともに受けて耐えられるなんて中々の硬度だ。並の術師では傷すら付けれられないだろう。
大木が複数伸びて来る。速度は遅く、規模は絶大。
随分と穏便な攻撃である。あの呪力量ならもっと派手に致命的な技を使えるだろうに。
やはりかなり抑えているな。
「君の魂は窮屈そうだ♠︎」
『……そんなに私は窮屈そうに見えますか?』
「かなりね♣︎殺意を抑えるのは大変だろう?もっと自分に正直になった方が良い♦︎」
『敵に塩を送って良いので?』
「僕は最大限君との戦いを楽しみたいのさ❤︎」
トランプを一枚取り出し、構える。
あの硬度を超えて切り裂くには直接切り込むしかない。
『貴方も死して賢者となりなさい』
呪霊は木の鞠を3個飛ばす。そこから鋭い木の枝が飛び出して此方へと向かって来る。
それら全てを切り落とし、呪霊へと迫る。
呪霊は僕のトランプによる一撃を躱してカウンターの裏拳を放つ。
しかし、カウンター前提で動きを作っていた僕にそれは届くことなく、代わりに無数の切り傷が呪霊に刻まれた。
「左腕は使わないのかい?」
『貴方に出し惜しみは危険ですね。余り使いたくはないが…仕方ない』
呪霊は左肩の布を裂いて黒い左腕を露出させる。
肩には赤い花が咲いている。
呪霊は地面から無数の樹木を生やして僕に向かわせる。
僕は樹木の上に飛び乗って回避した。
「大規模だけど、速度と威力がお粗末♠︎」
『貴方には半端な攻撃は通用しない。なので、直接叩きます』
呪霊は術式による攻撃から直接戦闘へと移る。
僕は呪霊の攻撃を捌きながら切り裂いていく。
呪霊は不利を悟ると一度距離を取る。
『大地の有り難みを知ると良い』
足元の樹木が消えて僕は遥か下の地面に向かって落ちて行く。
僕はトランプを数枚下の木へと投げる。トランプには僕の呪力が込もっており、ネット状の呪力の膜を張る。
僕の肉体は呪力のネットに受け止められた。
呪霊も合わせて降下して来る。
「言い忘れてたけど、僕の呪力は特別でね♣︎呪力自体が
『呪力特性の開示……手慣れてますね』
「こそこそ隠れてた君達よりは戦闘経験は豊富だと思うよ♣︎」
今の情報開示で呪力の粘着力と弾力は跳ね上がった。
縛りは有効活用しないとね。
「さぁ、もっと本能に身を任せて、魂を解放するんだ♠︎」
『……貴方は本当に戦うことが好きですね』
「昔は違ったんだけどね♦︎君も僕と同じように戦いに愉悦を見出せると思うんだけどね♣︎」
『戦いは必要な過程であって、欲しい結果ではないのです』
「その過程を楽しむべきだと言っているのさ♠︎そうだ、君の名前は?」
『聞く必要がありますか?』
「大事な玩具の名前くらい知っとかないとね❤︎」
「……花御、それが私の名前です」
「そうか、大切に覚えておくよ♣︎」
僕は花御の出方を伺う。
花御は暫く沈黙した後に枝を地面から生やして伸ばして来た。
それに合わせて本人も突っ込んでくる。
先ず枝を切り裂き、次に花御の猛攻を受け止める。
特級らしく呪力出力も高く、素の身体能力も高いのでそこそこパワーがある。
花御の攻撃の隙を縫ってカウンターを決める。
花御は切り傷を無数に作りながらも攻撃を止めない。先程までの手加減を加えた攻撃ではなく、しっかりと殺意を乗せた一撃を繰り出して来る。
僕は反撃に出る為に術式を使う。
時が消し飛び、その間を僕は自由に動く。花御の攻撃を避けて、その背後に回る。
そして時の流れが正常に戻ったタイミングで花御の背中を切り裂いた。
『何が…!?』
「術式を使わせて貰ったよ♠︎流石に君相手に手加減なんて出来ないからね♦︎」
僕の術式
呪力消費も制限も多いが、使い方次第で容易に特級へと至れる術式である。
花御は何が起きたのか理解できず困惑している。
その隙を逃さず、僕は花御へと攻撃を仕掛ける。花御は反応が遅れ、防御体制を取る。
『ぐっ…!』
「あらら、まともに受けるから♣︎」
花御はトランプによって右腕を切り落とされ、逃げるように距離を離した。
『出来れば使いたくはなかった…』
花御はその場を膝をつくと左掌を地面に当てる。
急速に大地の色が失われ、同時に花御の肩の赤い花に呪力が溜まっていく。
その呪力量は凄まじく、当たれば即死すら有り得る威力を誇るであろう。
『貴方の敏捷性なら避けるのは容易いでしょう。ならばどうするか…領域展開《朶頤光海》!』
花御が領域を展開し、景色が一変する。
大地は花に覆われ、空は青く澄み渡る。
僕は口角を上げて悪辣に笑った。
「考えたね♠︎でもそれじゃやられてあげられないね♦︎」
花御が刀花に溜めた呪力を放つ、認識するまでもなくそれは当たったことになる。
しかし、当たった瞬間にカウンターで術式を発動して時を止める。
そのまま静止した呪力の塊をバラバラに切り裂き、花御の眼前に立つ。
「時を支配する僕の術式があればこんなことも出来るのさ♣︎」
時止めを解除して時間の流れを正常にし、時が動き出したのに合わせて拳を放つ。
時間を操作してラグを生み出し、空間を歪ませる。
それは黒い火花として炸裂した。
『ぐっ……がぁあああぁ!』
僕の放った黒閃は花御の胸に直撃して砕いた。
やはり黒閃なら花御にも通じるか。
花御はその場に膝をつき、首を僕の方に差し出す。
「楽しかったよ♠︎それに僕の実力も確認できた♣︎さようなら♦︎」
僕がトランプで花御の首を切り落とす直前、唐突に帳が破られる。
破ったのは五条悟らしい。
それに気を取られた内に、花御は逃げの態勢を整えていた。
「……しくじったか♣︎まあ、また楽しもう♦︎今度はお互い全力で❤︎」
『次があれば、確実に貴方を殺して見せます』
「楽しみにしとくよ❤︎」
花御は樹木に覆われて消えていった。
一応花御のいた場所に五条悟の茈が飛んで来て全てを消し去ったが、祓えたかは微妙なラインだろう。
雑だけど強いのが五条悟の恐ろしさだ。
「伏黒の無事を確認しなきゃ♠︎」
僕は自分で戦闘不能に追い込んだ伏黒の心配をするのだった。
◇
「っつー訳で色々あったし人も死んでるけど、どうする?続ける?交流会」
「うーん…どうするって言われてもなぁ」
手当てを終えた東京校・京都校の生徒が集まり、会議をしている。
虎杖が五条の質問に悩ましい声を出す。
そこに割り込んだのはやはりと言うべきか葵である。
「当然、続けるに決まっているだろう」
「その心は?」
「1つ、故人を偲ぶのは当人と縁のある者達の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない。2つ、人死にが出たのならば尚更俺達に求められるのは強くなることだ。後天的強さとは結果の積み重ねり敗北を噛み締め、勝利を味わう。そうやって俺達は成長する。結果は結果としてあることが一番重要なんだ。3つ、学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引くものだからな」
「お前幾つだよ」
「っていうか、このイケメン誰?」
釘崎がメイクを落としている僕を見て口を開く。
疑問には桃が答えた。
「神楽君だよ。素はイケメンだよね」
「このイケメンが、あのピエロに!?勿体ない!!」
「別にビジュアルでモテようとか思ってないからね♠︎今は伏黒の満象の放水でメイク落ちてるだけで♦︎」
「ずっとそのままでいれば良いのに」
真希がそんなことを口走る。
そうすると僕のアイデンティティが喪失するのでお断りする。
そうして、くじ引きで二日目の勝負方法が野球に決まり、ギリギリ敗走して京都へと帰るのだった。
・オリ主
術式《時空皇帝》
時空間を支配する効果を持つ。術式効果範囲は地球全土に及ぶ。