伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
今日は10月31日、ハロウィンの日である。
僕はいつも通り任務を遂行して補助監督の車に乗って帰ろうとしていた。
ところが、渋谷で呪術テロが起きて仕方なく渋谷へ向かうことになった。
渋谷に現着した僕は外で待機している父さん達の班に混ざった。
補助監督の明さんが状況を説明してくれる。
その内容に釘崎が驚愕の声を上げる。
「人がいない!?駅前のスクランブル交差点に!?ハロウィンの渋谷よ!?」
「そこで何かがあったみたいッス。皆散り散りに帳の縁まで逃げてこう訴えています。『五条悟を連れて来い』」
「フッ。非術師が奴を知っている訳がない。言わされているな。帳は壊せんのか?」
「難航してるッス。何せ帳自体は術師を両側から拒絶していない、力技でどうこう出来そうにない。帳を降ろしてる呪詛師を探してとっちめた方が早そうッス」
「じゃあ私らはその手伝いだな?」
「いいえ!!皆さんはまだここで待機ッス!!」
「五条悟単独での渋谷平定を狙ってのことかな♠︎何にせよ悪手でしょ♣︎」
「何で?」
釘崎が素直に疑問を顔に表す。
僕は端的に答えを口にする。
「相手は五条悟を殺すか封印か、どちらかの手段を取れる可能性が高い♦︎」
「五条先生を!?でもそんなこと……」
「これだけの呪術テロを何の策もなしに実行する訳もない♠︎事実として高度な結界術の運用を行っている呪詛師が敵側にいる♦︎五条悟は最強だが、無敵な訳じゃない♣︎人質を大量に取られた状態で特級を複数相手にして無事で済むとは思えないね♠︎」
「そんな…!じゃあ助けに行った方が良いってこと?」
「足手纏いにならないように五条悟に危険が及んだ時にだけ手助けに入る形で共闘した方が良いだろうね♣︎」
「実はそれをする為に冥冥さんの班が向かってるッス!」
「何だ…じゃあ僕達は変わらず待機だね♦︎」
どうせなら五条悟の戦ってる姿を観戦したいが、そんなことしてる場合でもないので諦めるしかない。
現代最強の実力や如何に!?とかしたかったな。
◇
21時22分、改造人間が待機をやめて帳内で非術師を襲い始めた。
なので此方も対応に回る為に帳内に突入することになった。
建物内に入って改造人間を片付ける。
すると明さんが慌てて此方に駆け寄って来た。
「伊地知さんが通話中に襲われたみたいッス!」
「じゃあ釘崎と明さんは伊地知さんの所へ向かってくれ♠︎下手人がいれば倒して拘束、いなければそのまま伊地知さんの救助♣︎」
「了解ッス!」
「僕は取り敢えず此処を片付けてからそっちに合流しようかな♦︎真希は父さんと地下へ向かって♠︎」
「分かった。にしてもあの爺やる気なさすぎる」
「おい酒」
「無視しろ」
そんな会話を交わしながら釘崎達と分かれて行動する。
僕はトランプを飛ばして建物にいる呪霊の首を切り落としていく。
助かった人達は此処で隠れているように指示する。下手に動かせば外の改造人間にやられるからな。
そうして一先ず状況を落ち着けると僕は建物を出て帳の外へ向かった。
呪力の気配的には釘崎達ともう一つ未知の呪力が交戦している。
現場に辿り着いた頃には釘崎は膝をつき、呪詛師が明さんを刀で切ろうとしていた。
術式を発動して時を止め、明さんを救出する。
ついでに釘崎も回収して呪詛師から離れると時止めを解除する。
「神楽さん…!」
「あれ…絶対切ったと思ったのに」
「君は…30点かな♠︎余り唆られないね♣︎」
「上から目線だなぁ。強いの君?」
「敢えて言おう、強いよ僕は♦︎」
呪詛師が刀を構えた瞬間、時を加速させて僕のみ高速移動する。
そして呪詛師の腹に拳を叩き込む。何故か時間をズラすのをミスって黒閃は出なかった。
それでも呪詛師は壁まで吹き飛んで激突した。
「さて、僕は嬲るのは好きじゃないから、全力でやらせて貰うよ❤︎」
壁に呪詛師を押し付け、そこに拳を突き入れる。壁が破砕して呪詛師が食い込む。
そこに更に一撃を入れ、壁の向こう側まで吹っ飛ばす。
そこまでやって漸くトランプで首を刎ねるだけでも良かったなと感想を溢す。
「どうにも思考に違和感が…術式かな?」
思考にまで影響を与えるとは中々面倒な術式を持っている。
だが、その程度では僕に勝てる筈もない。
僕は呪詛師から視線を逸らして明さんの元へ向かう。
そこにはいつの間にか一級術師の七海さんの姿があった。
「お疲れ様です、七海さん」
「神楽君、呪詛師の方は片付きましたか?」
「ええ、今明さんの手当てを」
僕は明さんの体に触れて反転術式を回す。
明さんは怪我が治ったことで顔色も良くなった。
一旦落ち着いたのを見て七海さんが口を開く。
「五条さんが封印されました。補助監督も何人か犠牲になり、状況は最悪と言って良いでしょう」
「伊地知さんは?」
「彼は私が家入さんの元まで連れて行きました。彼も元々は術師を目指していましたから、そう簡単には死なないでしょう」
「まさか神楽先輩の予想通りになるとは」
「予想ですか…やはり五条さんの封印は其方には伝わっていなかったのですね」
「私達はすぐに室内に入ったので、そのせいッスね」
「封印されてもねばる辺り五条っぽいわね」
「釘崎さんと新田さんは此処で救護を待って下さい。私は禪院さん達と地下5階へ向かいます」
「……私も─」
「駄目です。これからの戦いは
そうして僕と七海さんは二人を置いて真希と父さんの元へと向かった。
◇
真希と父さんの二人に合流した僕達は地下5階を目指して進んでいた。
父さんが心底驚いたと言うように口を開いた。
「五条悟が封印か……狐につままれたようだ」
「私もです。ただ偽物とはいえ夏油さんが絡んでる。その辺りに種があるのかと」
「俺としてはこのまま五条家の衰退を肴に一杯…」
「やる気がねぇなら帰れよ」
「帰れ……か。それは真希、お前の方だろ。なぁ神楽?」
「そうだね♠︎特級とやり合うんだから真希は力不足だ♣︎」
「………酔っ払いよりは役に立つさ」
「君に死んで欲しくないんだよ♦︎」
「足手纏いにはならねぇ。だから、連れて行ってくれ」
そこまで言われてしまっては仕方がない。
真希が死なないように守るとしよう。
階段を降りると真希が顔を険しくする。
「!!七海さん」
「えぇ」
その先には人型の蛸のような呪霊がいた。
「私が」
「お前達、ちと鈍すぎるな」
七海さんが刀を取り出した時には父さんは呪霊に触れて術式を発動していた。
呪霊は硬直した状態で父さんに殴られる。
僕は素早くトランプ取り出して呪霊の首を刎ねた。
呪霊は消失反応を起こして消えていった。
「呪胎の内に殺すのは勿体ないけど仕方ないよね♠︎今回は一人で楽しめる訳でもないし♣︎」
「神楽先輩!?」
「おや、伏黒♦︎」
呪霊を祓った現場に伏黒が駆け付ける。
そして気配もなくいつの間にか死んだ筈の甚爾が僕達の間に立っていた。
「誰だ!?」
「伏黒甚爾、伏黒の父親だよ。死んだ筈なんだけどな♠︎」
「俺の親父!?何で今!?」
甚爾は音もなく伏黒に近付くと窓から外へと放り投げた。
「恵!!」
「逝ったか……陀艮」
更に見知らぬ呪霊がもう一体現れる。
火山頭で一つ目の呪霊だ。
「状況が変わり過ぎて滅茶苦茶だね♠︎」
「後は任せろ。人間などに依らずとも我々の魂は廻る。百年後の荒野でまた会おう……さて」
火山頭が此方を振り向く。
僕は前に出て呪霊と対峙した。
感じる呪力の圧から相当強力な特級呪霊。遊ぶには充分だ。
「貴様が花御の言っていた禪院神楽か」
「やっぱり花御の仲間か♣︎彼は元気かい?」
「花御なら死んだ。五条悟との戦いでな」
「それは残念♦︎遊ぶ約束があったのに…」
玩具が一つ減って激萎えである。
約束すら果たせなかった。
「先ずは貴様から殺す」
「思う存分遊ぼうか❤︎」
僕らが対面し、殺意を向け合っていると突如として巨大で邪悪な呪力の気配がした。
「宿儺の指か!!」
火山頭の呪霊は目にも留まらぬ速度で呪力の気配の元へと向かって行った。
「三人とも、先に地下5階へ♠︎僕はあの呪霊を追う♦︎」
「気を付けろよ」
真希の心配の声を背に、僕は宿儺の気配を感じる方へと向かうのであった。
・オリ主
良い玩具が自分を無視して宿儺の方へ向かったので落ち込んでいる。
反転アウトプットは出来るが、領域はまだ使えない。
・伏黒甚爾
本来なら神楽の方へ向かうが、自分の息子という強烈な繋がりに反応した。
・陀艮
受胎のまま瞬殺された可哀想な呪霊
・漏瑚
宿儺の復活が最優先。神楽は後回し。