伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
宿儺との戦いを終えた僕は地下5階に向かったメンバーと合流して外に待機している高専関係者達の元へ向かった。
補助監督の死者を除けば、こちら側は余り被害を受けていない。相手が五条悟の封印に力を尽くしているからだろう。
それと早期に特級呪霊が消えたのが大きい。呪胎だったのも含めるとかなり相手側の戦力を削れている。
それでも、五条悟の奪還は必須。渋谷内に留まってる可能性を考慮して捜索に当たる。
渋谷内の呪力の気配を探りながら練り歩く。
メンバーは父さん、七海さん、真希である。
真希は置いていこうとしたのだが、無理矢理ついて来た。この戦いに参加する条件は最低でも1級術師であることだったのだが、人数不足故に1級術師以下も駆り出さなければならない状況にある。
京都校の面々が協力に来てくれてるとはいえ、葵以外は戦いになるかすら怪しい。
正直後方支援に回ってもらうのが一番だと思うのだが、学長が戦力を全て投じる判断をしたので仕方なく従うことにした。
暫く渋谷内を歩くと宿儺の領域で焦土と化した場所に偽夏油はいた。
後から来ていた筈の霞達が戦っている。
霞はシン陰を使って居合を放つが偽夏油にあっさり止められたうえに刀を折られる。
そして呪霊操術の奥の手、極の番うずまきが発動する。
僕は一瞬時を止めて霞の前に立つ。
そして代わりにうずまきの直撃を受けた。
「神楽先輩!!」
「霞、無事かい?」
「私は…問題ないです。でも、先輩が…」
「僕は反転あるから平気♠︎」
僕は拉げた腕を反転で再生する。
時戻しは使わない。アレは反転以上に呪力を消費する奥の手であるからして、この程度ならば普通に反転回した方が効率が良い。
宿儺の領域を斬撃の時は落花の情と反転で防いだのはそういう理屈だ。
炎は流石に反転じゃ耐えられない火力を感じ取ったので時戻しを使わせて貰った。
術式を使わなければ即死も有り得ただろう。
「神楽、現況は!?」
歌姫先生が前線に出て来て状況を確認する。
「霞達が偽夏油と会敵、僕は霞が死に掛けたのをカバーした♣︎」
「アレが五条悟を封印した呪詛師か」
父さん達も現場に到着する。
日下部さんも珍しく前線に出張って来ている。
「虎杖、詳しい話を聞かせてくれ♦︎」
「真人がアイツに取り込まれた。うずまきで術式を抽出するとか言ってた」
「つまりまた敵が作戦を成功させた訳だ♠︎後手に回り過ぎてるね♦︎」
虎杖に反転を回しながら思考する。
魂を操る術式を抽出する意味はなんだ?
魂を弄りたい相手がいる?
それとも単に手数を増やす為?
抽出した術式がいつまで保つか次第でも変わりそうだ。
そうこうしていると二つ結びの独特な髪型の術師が現れる。
偽夏油が声を掛けた。
「やぁ、脹相」
「アイツは…!!」
脹相と呼ばれた男は額に大粒の汗を浮かべている。
「気付いたようだね」
「そういうことか!! 加茂憲倫!!」
「私!?」
「何!?どういうこと!?」
「 加茂家の汚点…!!史上最悪の術師!!本当なら夏油の中身は150歳を超えてることになるわよ」
「妥当っちゃ妥当だな」
「 加茂憲倫も数ある名の一つに過ぎない。好きに呼びなよ」
加茂憲倫の発言から更に数百年生きてる可能性が浮かび上がって来た。
肉体を転々とする術式か。奪った肉体の術式も使えるのか。
「よくも……!!よくも俺に!!虎杖を!!弟を!!ころさせようとしたな!!」
「引っ込め三下。これ以上私を待たせるな」
「どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!」
脹相は掌を合わせて百斂を行う。
憲紀が驚愕に目を見開く。
「赤血操術!?」
穿血が放たれ、白髪頭の呪詛師が防御の姿勢を取った。
掌で穿血を受け止め、掌に穴が開く。
脹相は更に穿血を横に薙いだ。
加茂憲倫が跳んで穿血を回避する。
そうして幾度か攻防を繰り返す。
パンダが疑問を口にした。
「一応聞くけど他人だよな?」
「他人どころか一回殺されかけてるよ」
「東堂といい、ヤバいフェロモンでも出てるんじゃないのか?」
「 加茂憲倫の話が全て本当なら、同じように作られた兄弟である可能性はある♣︎取り敢えず脹相は味方と断じて良いだろうね♠︎」
「神楽君を先頭に戦いを進めます。危うくなったら迷わず下がって下さい」
七海さんが作戦を立案する。
僕達がそれに頷いた直後、白髪頭の呪詛師から途轍もない呪力の起こりを感じ取る。
僕は咄嗟に術式を発動した。
僕以外の全員が氷に覆われ、行動不能になる。
「殺すなよ。
「全員生かす理由になるか?」
白髪頭が貫かれて穴の空いた掌を反転で治す。
術式の練度も合わせるとかなりやれそうだ。
「…80点❤︎」
「流石に彼は氷結させられないか。でも、連戦でかなり呪力を消費している。2人掛かりなら倒せなくはない」
「複数プレイは好みじゃないんだけどな♠︎まぁ、偶には良いか♦︎」
僕が興奮していると虎杖が復帰してくる。
脹相も虎杖に助けられる形で参戦する。
そして空から桃が降りてくる。
鎌異断を放つが白髪頭に素手で払われる。
白髪頭が再び呪力の起こりを見せる。
「メッセンジャーなんて、虎杖悠仁1人で事足りるでしょう!!」
呪力で作られた氷柱が空から降って来る。
僕はその全てをトランプで砕いた。
「チッ…やはり貴様から殺すべきか」
「折角だ、サシでやろう❤︎」
僕と白髪頭は加茂憲倫から離れる。
僕は先ず名前を聞くことにした。
「君の名前を教えてくれるかな?」
「必要あるか。これから死ぬ行く貴様に」
「じゃあ、僕が勝ったら名前を教えるということで♠︎」
白髪頭が掌を口元に寄せ、吐息を放つ。
それは巨大な氷へと変化する。
「試しに受けてみたけど、素晴らしい練度だね❤︎」
下手に動けば体が割れる。
白髪頭は更に氷柱を上から落とす。
「普通なら即死だね♣︎」
僕は術式で肉体を凍る前に戻して駆ける。
白髪頭の腹に黒閃を決めて吹っ飛ばす。
白髪頭は建物を幾つか突き抜けていった。
僕はそれを追って走る。
追いついた頃には白髪頭は体勢を立て直し、氷を構えていた。
幾つもの氷柱が飛んで来る。
それをトランプで弾きながら僕は前進する。
「貴様…!」
「良いね、呪力が漲っている♦︎興奮して来ちゃった❤︎」
僕は白髪頭に蹴りを喰らわせる。
それは右手で止められ、凍り付かせられる。
咄嗟に足を離して時を巻き戻す。
「さて、そろそろ僕も消耗して来たし、回復させて貰うよ♠︎」
僕は肉体の時を呪力を消費する前に戻す。
怪我も呪力の消費も肉体の疲労もなくなっている。
白髪頭が驚愕の表情を浮かべる。
「呪力が元に戻っている…!?」
「さぁ、続きを始めようか!」
僕は走る直前に呪力を爆発させて速度を上げる。
そして黒閃を放つ直前、白髪頭が膝をつく。
苦しそうに呼吸をしており、とても戦いを続けられる様子ではない。
「毒か…!!」
「そんなものいつ……穿血か♦︎脹相は呪霊と人間のハーフ、人外の血が混じって拒絶反応を起こしているのか♣︎」
僕は溜め息を吐いて白髪頭に反転を回した。
人外の血を排出し、万全の状態に回復させる。
「何故、敵の私を治す…!」
「僕は誰の邪魔も入らない状態で戦いたいのさ♠︎それに玩具は多い方が良い♣︎君はまだ遊べそうだ♦︎」
玩具は遊び過ぎて壊すこともあるけれど、それが本懐なところはある。壊すまで楽しめたということでもあるからね。
そうだ。まだ一応勝ってる訳だし、名前聞かないと。
「名前を教えてくれ♠︎」
「まだ、勝負は付いていないだろう」
「邪魔が入ったとはいえ、僕はあそこで君を殺せてた♦︎生殺与奪を握った者が勝者だ♣︎」
「……裏梅」
「覚えておくよ♠︎またね、裏梅♣︎」
僕はそう言って裏梅から離れたのだった。
・オリ主
実質呪力は無限。戦いの最中に回復する隙があれば無限に戦い続けることが可能。
邪魔が入らなければ、黒閃ラッシュで裏梅を殺せた。
・裏梅
毒でやられなければ、殺されてたということを確信している。
殺せる状況で見逃されたという事実に困惑中。