伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者 作:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎
あれから、現場に戻ったものの、そこには溢れ返る呪霊がいるばかりで仲間達の姿はなかった。
死体もないので僕は仲間達が撤退したと考えた。
そして呪霊をその場で軽く殲滅し、取り敢えず高専に戻れば、歌姫先生達が出迎えてくれた。
そして渋谷事変を受けての総監部からの通達を教えてくれた。
一、夏油傑の生存の事実を確認、同人に対し再度の死刑を宣告する。
二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放、且つ封印を解く行為も罪と決定する。
三、夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し、渋谷事変を起こしたとして死罪を断定する。
四、虎杖悠仁の死刑執行猶予を取り消し、速やかな死刑の執行を決定する。
五、虎杖悠仁の死刑執行役として特級術師乙骨憂太を任命する。
当然ながらこんな通達を受け入れられる訳もなく、高専の皆も同じ感想だった。
更に死滅回游という術師同士の殺し合いが始まった。
これは加茂憲倫が仕組んだ呪術テロだ。
その平定の為に東京校と協力して動くことになった。
それとついでに父さんが伏黒甚爾との誓約状を履行し、伏黒が禪院家当主になった。が、本人の希望と禪院家の総意を纏めた結果、僕に当主の座が譲られることになった。
僕は東京校の面々と合流し、死滅回游平定の為に必要な条件を洗い出す為天元様と接触することになった。
その前に行方不明の虎杖悠仁の捜索を行うと伏黒が決めた。
虎杖悠仁の捜索は東京校の面々に任せ、僕は味方の怪我を治す役目を与えられた。
死にたてほやほやの子がいるらしい。
そうして現場に来て見れば、死にたての子とは釘崎のことであった。
左目が吹き飛んでおり、真人という呪霊の仕業故に普通の反転じゃ治せないらしい。
家入さんが僕に問い掛ける。
「治せるか?」
「魂が離れてないので何とかなる♠︎けど、時間は掛かるかな♦︎」
死んでから結構な時間が経ってるので肉体が死ぬ前に巻き戻すのも結構時間が掛かる。
実際、変化が見られたのは巻き戻し始めてから一時間が経過した頃だ。
僕は度々呪力を補給する為に自分の肉体を巻き戻し、何とか治療に成功する。
釘崎が目を覚まして起き上がる。
「神楽先輩!あれ、私死んだわよね?」
「僕の術式で死ぬ前に肉体の時間を戻したんだ♣︎」
「とんでもなぇ術式……治してくれてありがとうございます」
「気にしないでよ♠︎君もまた青い果実♦︎成長するのが楽しみな人間の一人だったんだ♣︎」
釘崎はまだまだ成長する。それが楽しみだったのだから、術式を明かしてまで生かす価値はある。
取り敢えず生き返った釘崎に状況を説明する。
釘崎は頭が痛そうに手で押さえる。
「総則に原則ってゴチャッとするわね」
「まぁ、そこはじっくり繰り返し読んで覚えれば良いよ♠︎」
釘崎が生き返ったことで東京校の面子は三年以外揃う。
停学中の三年も引っ張り出さなきゃならん。
今は兎に角戦力が欲しい。
特級術師の九十九さんと真希と狗巻と合流する。
パンダは先に三年のところへ向かっている。
九十九さんが口を開く。
「問題は天元の隠す結界だ。千以上ある扉からランダムで薨星宮へ続く扉に設定されるから、正解を引き当てる必要がある」
「かなり無理ゲーじゃない?」
「時間を使う価値はある♦︎天元様なら 加茂憲倫の思惑について何か知ってる可能性があるからね♣︎」
時間を使うのは仕方ない。渋谷で虎杖と離れ離れになったのが痛い。
虎杖が最初からいれば、早急に扉の総当たりを行えた。
いや、今行っても良いのだが、伏黒の要望で虎杖が合流してからになったのだ。
そう考えていると高専の地下の部屋に入って来る人物がいた。
虎杖と伏黒、乙骨と脹相もいる。
「久しぶり…って訳でもねえか」
「釘崎!?」
「神楽先輩に生き返らせて貰ったのよ。泣いて喜べ」
「無事に合流できて何より♠︎伏黒、天元様の結界の話は?」
「それは…」
「俺から話そう」
何故か脹相が話し始める。
「扉から薨星宮の途中には高専が呪具や呪物を保管している忌庫があるな。忌庫には俺の弟達、膿爛相・青瘀相・噉相・散相・骨相・焼相の亡骸がある。亡骸でも六人も揃えば俺の術式の副次的効果で気配くらい分かる筈だ」
「Good!!」
「それは良いとしてコイツは何なんだ?」
「取り敢えず俺の……兄貴ってことで……」
「悠仁ー!!!!」
「行こう」
虎杖が感動する脹相を置いて歩き始める。
置いてったら正解の扉が分かんないと思うのだが、良いのだろうか。
と、疑問に思っていたら脹相が気を取り直して慌ててついて来た。
そして正解の扉に僕達を案内してくれる。
「あれだ。間違いない。この先に弟達が眠っている。開けるぞ」
扉を開けると下へと続く階段が現れた。
「降りよう。奥に薨星宮へと続く昇降機があるんだ」
昇降機を使って下に降りると床に血痕が広がっていた。
「血痕…?何かあったのかな」
「十二年も前の話さ。今思えば、全ての歪みはあの時始まったのかもしれない。さぁ、皆、本殿はこの先だよ」
奥へと進むと真っ白の空間が広がっていた。
九十九さんが悪態を吐く。
「何もねえ」
「これが本殿?」
「いや、私達を拒絶しているのさ。天元は現に干渉しないが、六眼を封印された今なら接触が可能と踏んだんだが、見通しが甘かった」
「……」
「戻ろうか、津美紀さんには時間がない」
「帰るのか?初めまして、禪院の子、道真の血、呪胎九相図、釘崎野薔薇、そして宿儺の器」
「私には挨拶なしかい?天元」
天元の姿は円柱状の頭に二対の瞳を持つ異形の人だった。
天元が口を開く。
「君は初対面じゃないだろう。九十九由基」
「……何故薨星宮を閉じた」
「羂索に君が同調していることを警戒した。私には人の心までは分からないのでね」
「羂索?」
「かつて 加茂憲倫、今は夏油傑の肉体に宿っている術師だ」
「慈悲の羂、救済の索か……皮肉にもなってないね」
「天元様はなんでそんな感じなの?」
「私は不死であって不老ではない。君も五百年老いればこうなるよ」
「マジでか」
「十二年前、星槳体の同化に失敗してから老化は加速し、私の個としての自我が消え、天地そのものが私の自我となったんだ」
「通りで声が増えない訳だ」
九十九さんが不思議なことを言っている。
九十九さんには天元様と同化した人の声が聞こえるんだろうか。
「すみません」
「僕達はその羂索の目的と、獄門疆の解き方を聞きに来ました。知っていることを話して貰えませんか?」
「勿論…と言いたいところだが。一つ条件を出させて貰う。乙骨憂太、九十九由基、呪胎九相図、禪院神楽。四人の内二人は此処に残り、私の護衛をして貰う」
「護衛……?不死なんですよね」
「封印とかを危惧してるんですか?」
「フェアじゃないなぁ。護衛の期間も理由も明かさないのか?」
「…では、羂索について語ろうか。あの子の目的は日本全土を対象とした人類への進化の強制だ」
「具体的に何をするつもりなのかな?」
「羂索が取る進化手段は人類と私の同化だ」
「同化は星槳体以外とはできないんじゃ……?」
僕は素直に疑問を口にする。
天元様は優しく答えてくれる。
「以前の私ならね。十二年前に進化を始めた今の私なら、星槳体以外との同化もできなくもない」
「だが、お前は一人だろう。どうやって複数の人間と同化するんだ?」
「今、君達の目の前にいる私ですら私ではない。進化した私の魂は至る所にある。言っただろう、天地そのものが私の自我なんだ。私と同化した人間は術師という壁すら超える。そこにいてそこにいない新しい存在の形さ。私には結界術があったから進化後もこうして形と理性を保てている。だがもし、人類が進化し、その内の一人でも暴走を始めたら世界は終わりだ」
「何故?」
「個としての境界がないんだ。悪意の伝播は一瞬さ。一億人分の穢れが世界に流れ出る。先の東京が世界で再現されるんだ」
「何の為にそんなことすんだよ」
「さぁね。これも言っただろう。私に人の心までは分からない」
「でもそれって天元様が同化を拒否すれば良いだけじゃないッスか?」
「そこが問題なんだ。進化を果たした今の私は、組成としては人間より呪霊に近い。私は呪霊操術の術式対象だ」
つまり、羂索に取り込まれて無理矢理同化させられる可能性があると。
そこで僕は一つの案を思い付く。
「なら、僕の術式で天元様を進化前に戻せば良いんじゃないかな?」
「可能なのかい?呪力が保たないだろう?」
「呪力が減って来たら僕の肉体を巻き戻して呪力の補給を行えば良い♦︎」
「それなら時間は掛かるけど羂索の思惑を破壊できるな」
「神楽先輩、それ、津美紀が呪いを受ける前に戻すこともできません?」
「可能だろうね♣︎」
「じゃあ、伏黒の姉ちゃんの問題は解決だな!」
「だけど、死滅回游の
「ってか、死滅回游って何の為にやるの?」
「私との同化前の慣らしだよ。星槳体以外との同化は不可能ではないが、現時点では高確率で不完全なモノとなるだろう。死滅回游は泳者の呪力と
「となると…-」
「…だね。僕ら死滅回游に参加してゲームに消極的な人が回游を抜けるルールを追加するしかない」
「五条先生の解放も並行しましょう。、あの人がいれば一人で全て片が付く」
「天元様」
「その前に誰が残るか決めてくれ」
「「
僕と九十九さんが声を揃える。
単純に強い九十九さんと天元様を若返らせる役目のある僕が残るのが妥当だろう。
「ありがとう…これが五条悟の解放、その為に必要な獄門疆・裏だ。これを抉じ開けるには死滅回游に参加している天使を名乗る泳者の術式が必要だ。彼女の術式はあらゆる術式を消滅させる」
「そいつは今、何処にいるか分かりますか?」
「東京の東側の結界だ。回游の結界は私を拒絶しているからそれ以上の情報はない。儀式が終わるまでは二月もあれば充分だろう」
「由基さんと神楽は此処に残って天元様の護衛。私は先ず禪院家に戻って呪具の回収。用が済んだらパンダ探して回游の平定に協力する。憂太は?」
「僕は早速結界に入って回游に参加するよ。少しでも情報を集めたいし、万が一身内で潰し合うことがないように近場の結界は避けるね。結界で電波が断たれるかもしれないから暫く連絡は取れないかも」
「んで、悠仁と恵、野薔薇は金次のとこ行け」
「金次?」
「停学中の三年だよ♠︎」
「強いの?」
「ムラっ気があるけど、ノッてる時は僕より強いよ」
「それはない」
憂太は真希に否定されて落ち込む。
だが、確かにノッてる時の秤には勝てない。僕じゃ決め手に欠ける。
僕も大技欲しいなぁ、なんて考えてみたり。
そうして各々が役割を果たす為に分かれるのだった。
・オリ主
黒閃で覚醒状態に持ち込んでも中々伸びなくて悩んでいる。
術式反転で空間とか操れないかなと試行錯誤している。
・悠仁
実は釘崎と再会した時泣きかけてた。