いきなり許嫁候補!? ~分家序列最下位からの成り上がり?!私、望んでませんから!ほっといてくださいよ!~   作:天野建

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第136話  私、自身の気づきの遅さに、臍をかむ+第137話  私、おおおおおではない!と突っ込みを入れる

 川でお弁当広げて、ピクニック。

 なんと平和なイベントであろうか。 

 後ろには、本家子分ズがついてくる。

 金色の魚、会えるとよいなあ。

 その前に、昼食である!

 この空腹は身体に悪い!

「どこで食べましょうか?」

 私は晶露様と手を繋ぎつつ、川原を歩く。

 川原には、大小様々な大きさの石が、所狭しとある。

 これはビニールシートを敷くよりも、適当な大きさの石に腰をかけて、食べるのがよかろう。

 と、晶露様共々、きょろりと川原を見回した瞬間、頭に甲高い声が響いた。

「本宮の者!やっと来やったか!遅いではないか!」

「はへ?」

 私は突然響いた声に、驚いて変な声が出てしまった。

 この声はなんだ?

 エルフ語か!?いや日本語か!?

 私は驚きで一瞬硬直したが、すぐさま周りに目を走らせる。

 どうやら晶露様も、ロウも、本家子分ズも、謎の声が聞こえたようだ。

 「警戒!」

 松也さんが、号令を発すると、ざっと私たちの前に、子分ズ2人が立つ。

 声はまだ続く。それも大変不穏な内容で。

「疾く、行くがよい!」

 その声とともに、晶露様がふわりと浮かび上がった。

「晶露様!」

 私は咄嗟に繋いでいた手をぎゅっと握った。

 すると、私も晶露様とともに、浮かび上がり、川へと連れて行かれる。

「晶露様!」

 松也さんはじめ、本家子分ズが、すかさず私たちに手を伸ばす。

 

 が、一手遅かった!

 

 私と晶露様、そして晶露様の肩につかまるロウは、金色に光る川のサークルに、ドボンと落とされた。

 一瞬上空から見えた川。

 本当にサークル状に金に輝く場があった。

 そしてそれは、私たちがつい最近見た魔法陣に似ていた。

 触れ込みは本当だったかあ!そしてここにも魔法陣が!

 サークル状に輝く水で、なぜ気づかなかった!私!

 

 そして落とされて、咄嗟に見上げた先―。

 

 なぜか水中ではなく、水上に金色の魚が浮いて見えた。

 なぜに浮いているか!

 ただの魚ではないのか!神の眷属、あるいは精霊、妖精の類いか!?

 沈みゆく身体に、私は目一杯恨み節をこめて、金の魚を睨みつけた。

 くそう!これで、また全面外出禁止になったら、どうしてくれるのであるか!

 いや、もうこの時点で確定であるか!?

 いやだ!それだけは勘弁して欲しいのである!!

 

 

 

 なんの説明もなく!幾許(いくばく)の猶予もなく!

 いきなり飛ばすとは!

 あの金の魚め!

 今度会ったら、塩焼きにしてやるのである!!

 私と晶露様はふわっとした浮遊感の後、どさりと砂場に落とされた。

 幸いにもそれほどの高さからではなかったからか、痛みはない。

 だからこそ、こんな思考になったのであるが!

 もう一度言おう!金の魚め!

 私がどんなに苦労して、若君から外出許可をもぎ取ったか!

 塩焼きにする前に、締めてやるのである!

 私は鬱憤を晴らすように、砂場をどんと一つ大きくたたく。

 それからふうと息を吐き出して、気持ちを整える。

「ねえさま」

 震える声で、私にしがみついてくる晶露様。

 うん。私は咄嗟に晶露様の手を離さなかった自分を褒めたい。

 でなければ、晶露様とロウだけが、ここに飛ばされていたことであろう。

 ぐっじょぶである。私。

「おーみー」

 ロウも珍しく頭にしがみついてくる。

 うん。思考の逃避はやめようか。

「2人とも、視えてるかな?」

 私の問いに、2人とも頷く。

 私ほどではないにしても、2人にもそれなりの眼がある。

 片や本家のご子息、片や妖精であるからな!

 況してや、これだけの瘴気である。

 私には醜悪な臭いまでするくらいに、場の空気は悪い。

 私は吐き気を抑えながら、改めて周囲を見回す。

 前世で見たことのある場所、ダンジョンを思わせる場所である。

 しかしそれはすぐに間違いであるとわかる。

 3方向は岩で囲まれ、残りの1方向は海である。

 どうやら海に面した洞窟らしい。明かりは海方面からの外からだけで薄暗い。

 しかし、私が発した言葉を思い出して欲しい。

 前世で見たダンジョンのようであると、私は見間違えたのである。

 なぜ見間違えたか?

 そうそれは、なぜかここには姿が崩れた亡霊が、わんさかと湧いていたのである!

「おおおおお」

 おおおおおではない!亡霊よ!

 なぜ、こんなにいるのであるか! 

 

 

 

 




 大海たち、拐かされました。

 一区切りがあまりに短いので、連ねて投稿しました(カクヨムと小説家になろうとのマルチ投稿の関係で話数をあわせてます)
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