いきなり許嫁候補!? ~分家序列最下位からの成り上がり?!私、望んでませんから!ほっといてくださいよ!~ 作:天野建
それでは早速向おう!ということになったのであるが。
そこではたと気づく。
さて、どう行くか。
むろん、今我らが使用した、術式陣を使用するのであるが。
その術式陣は、川の中である。
はっきり言って使いにくい。
若君を含め、我ら3人は、術式陣に手をあてる前に、溺れる可能性が大である。
それ以前に、異能の力が極小な私は、陣を使えないのだから除外であろう?
そこ!細かい突っ込みは、私を傷つけるだけである!
控えるように!
話を戻す!
金の魚が出て来てくれれば、
さてどうするか?
決まっている。
術式陣の起動は、大人に任せる。
コレ一択である。
私たちは再度濡れるのも構わず、川へと入った。
もう少し正確を期すなら、濡れたのは、大人陣の膝までである。
私たちは皆、本家子分ズに抱っこされているので、濡れなかった。
3度目のずぶ濡れは、免れたのである。
そして三弥さんに力を込めてもらい、転移をした。
ロウへの軽食は、濡れぬようにビニールに入れて持参するのを、私は忘れなかった。
残ってくれたロウへの感謝の気持ちである!
ロウ!もう少し待っててくれ!
私たちが金の魚に飛ばされた場所。
所在地はわからないものの、一度行った場所だったのか幸いしてか、うまく転移が出来た。
もしかしたら、細井川から飛べるところは、この海辺の洞窟だけなのかもしれない。
あるいは金の魚が、転移場所を指定したままであるか。
もしくは晶露様が、ご一緒してくれたせいかもしれない。
そう、薄々気づかれている諸君も、いらっしゃるだろう。
転移して来たのは、私、若君、三弥さん、本家子分松也さん、そして晶露さまである。
この地に向かうにあたり、晶露様は疲れて、うとうとしているので、そうっと置いて行こうとしたところ、
「ぼくもいく!いくのーーー!!」
と、泣きわめいて、手がつけられなくなってしまった為、若君は仕方なく同行を許可した次第である。
若君、晶露様には甘いのある。
私の話から、危険は低いと、判断したのかもしれない。
いや!危険であろう!人魚様は神の眷属に違いなく、亡霊もいるのであるから!
神のたぐいというのは優しげに見えて、容赦がない時もある。
そしてここにいる亡霊の攻撃性が低いにしても、万に一つと言うことも、ありうるのであるから。
自分と三弥さんがいれば、対処できると判断したのかもない。
9歳にしてすごい自信である。
「まったく、わがままを通す方法を見つけおって」
若君はぶつぶつと不平を零したが、晶露様はまだ5歳である。
わがまま上等である。普段はお利口さんなのだから。
きっとまだ不安が残っていて、若君と離されるのをいやがったのであろう。
それに、ロウの迎えもある。
けれど、松也さんにだっこされて移動したところで、限界だったのか晶露様は眠ってしまわれた。
敵地とは言わないまでも、亡霊がいる場にいるのに、眠れるとは大物である。
それだけ若君を信頼しているということか。
若君それほどの強さなのか。
‥‥悔しくなんかない!