いきなり許嫁候補!? ~分家序列最下位からの成り上がり?!私、望んでませんから!ほっといてくださいよ!~   作:天野建

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第55話 私、あいまいもこ、許すまじ

「うむ」

 前当主、満足そうである。

 大人同士で決めるなら、私をここに連れてきた意味はなんだよ!

 これは私、やさぐれてもよかろうよ!

 いくら提案の形をした命令とはいえ、私内容が曖昧模糊(あいまいもこ)なのである!

 私が今回の事案の中心的存在ではないのか!

 私は納得していないぞ!せめて父からでなく、本家から直接聞きたい!

 それが渦中にいる私への筋であろう!

 たとえ私が5歳の幼児であったとしてもな!

 だから声をあげさせてもらおう!

 だまって従うと思うなよ!

「おまちください!父の聞き間違いがあるかもしれませぬ!今一度私に本家からのご提案(命令)をご説明願えませんでしょうか!?父が何を受けたのかを!」

 父が隣で不満そうな顔をしてるが、自身に関わることである。

 自身の耳で聞きたいと思うのは道理であろう!

 それに父、脳筋だし!不安が大いにある!

 直接聞いて置きたいと思った私、間違っていない筈である!

 それなのに、なぜに私以外の大人が不満顔であるのか!

 解せぬ。

「よかろう」

 少し面倒そうな顔をしたが、前当主は話してくれた。

 ふう。少しは道理がわかってくれているらしい。

 ならば、最初から説明して欲しかったのである!

 前世の記憶がある私にとって、上司に逆らうことは、結構肝が冷えることなのであるからな!

 しかし、お叱りも受けずに、説明を聞けるだけでもよしとするべきであるか。

 私が大人にならねばならんのかもしれぬ。

 前当主様が語った内容は私が予測したことの1つであった。

 本家からの提案(命令)。

 まずは我ら家族の引っ越しである。

 どこへ?決まっている。この本家のお膝元へである。

 地方から、特別ではないまでも、一族内では栄転の扱いであろう。

 ちっとも嬉しくはないのであるが。

 流石に本家に住めとは言われなかった。

 それはそうであろう。分家同士のパワーバランスが崩れる。

 それに今まで存在さえ、知らなかったかもしれぬ分家序列最下位、それも末流の娘をいきなり本家宅に入れるのは危ういと考えてのことであろう。

 東京への転居。それにしたがって、私は幼稚園、転園である。

 どこへ?それは晶露様が通われている学園の幼年部にである。

 晶露様は異能の子どもたちが通う一貫教育施設の幼年部に通われているらしく、そこに私は通うことになるらしい。

 晶露様となるべく一緒に過ごせるようにとのことである。

 この学園、幼年部から小、中、高校、大学まで同じ敷地内にあり、一貫教育とのことである。

 どのような一貫教育であるのやら。気になる。

 こほん。誤解しないで欲しい。私はこの件には大いに不満を頂いているのである。

 なにせ引っ越しとなれば、我が幼稚園の友、ネイちゃんと別れなければならない。

 身を切られるようにつらい。

 しかし、父が受けると言ってしまった以上、撤回はできぬであろう。

 そして引っ越し先の家であるが、これは本家が一戸建てを用意してくれるとのこと。

 社宅という向きで、家賃は月5000円。

 当然だな。都心から離れているとはいえ、日本の首都がある東京に居を移すとなると、物価が違う。

 父の給与、薄給とまでは言わないが、今までよりも生活費の負担が格段に違うだろうことは予想に難くない。

 本家がその分の補填をしてくれるのは当然であろう。

 なにせ本家の為に引っ越しまでするのであるからな!

 更に学費も本家負担である。先に触れた学園、当然のごとく私立であり、学費もかかるのである。

 それも道理にかなうことではあるが、本家大盤振る舞いである。

 更に更に地方勤務だった両親の仕事は、本社への栄転である。

 本家が経営する会社は、警備会社であり、両親の仕事は警備員である。

 脳筋両親にぴったりの仕事だとは思う。

 ちなみに母は、私が小学校に上がるまでは、仕事を休職する予定であるが、私が晶露様と昼間は過ごすことが多くなることから、本人が希望すれば、すぐに仕事復帰可能。こちらも本社勤務の栄転となるそうだ。

 これを聞いた途端に、母の目が輝いた。

 これはすぐに復帰しそうであるな。

 母は元来アクティブな人であるからな。早く復帰をしたかったのであろう。

 育児は大変ではあるが、警備する際のある種の緊張感はないからな。

 母のことは後で家族会議だ。

 さらに言えば、引っ越し後、また転園後の私の生活であるが、かなりな縛りがあった。

 平日、朝は晶露様と一緒に学園の幼年部に行き、帰りは本家に来て、夕飯を共にした後、自宅へと帰宅。土日については基本自由に過ごして構わないとのことである。

 一々言い方が上からである。

 まあ、一族の頂点であるからな!

 しかし、私、会社勤めばりの拘束ではないか?

 繰り返し言っておく!

 私はまだ幼児である!

 これだけの拘束、そして子守を頼むのであれば、給与をよこすのである!

 決して晶露様の面倒見たくないとかではない。

 しかし、私だって、幼少期を目一杯好き勝手したい!

 やりたいことがてんこもりなのであるからな!

 くう!父よ!なぜ安請け合いしたのであるか!

 私に交渉もさせずに!

 後でお説教である!

 

 

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