いきなり許嫁候補!? ~分家序列最下位からの成り上がり?!私、望んでませんから!ほっといてくださいよ!~   作:天野建

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第100話 私、晶露様とうなだれる+第101話 私、外出禁止中。考察を深める。

 そしてそれを見抜いての若君の追求は容赦がない。

 私は諦めて、認めるしかない。

「可能性はありました。ですが、限りなく低いかと思っておりました」

 正直に言うしかない。

「可能性は低くとも、対策は考えておくべきだろう。それが晶露を害するものであれば、今ここで暢気にしていられなかったのだからな」

「はい。申し訳ありません」

 6歳児にたいしても、厳しい若君である!

「にいさま!ねえさまをおこらないでください!ぼくもちゃんとかんがえてこうどうしなかったからです!」

「そうだな。晶露も反省が必要だ。いつでも周りが助けてくれるとは限らないのであるからな」

 私と晶露様、2人でうなだれる。

 声を荒気(あらげ)ないでの静かな声。余計に堪(こた)える。

「付きの者たちにも、改めて守護のあり方を一から考え直せと言っておいた」

 若様、皆に平等。皆に説教。

「俺も少し考えが甘かったようだ。お前が年の割にしっかりしていたからと油断したのかもしれぬ」

 あ、若君自身も反省している。

 いや!君は反省しなくてもいいよ!

 私にすべての説教を集中してくれてよいのである。

 でないと、でないと、悪い方向に行きそうである!

「晶露もまだ4歳、お前もまだ6歳。付きの者がいたとはいえ、遠出を許すにはまだ早かった」

 ああ!やはりそっちに行ってしまったか!

 やめて欲しい!まだ行きたいところが沢山あるのである!

 そして行いたい実験もである!

 若君の考えをとめねばならぬ!

 私はこんなところで足踏みをしている時間などないのであるからな!

「若君!私が考えが不足しておりました!今後はあらゆる事に想定し、慎重に事を進めたいと存じまする!」

 同じ過ちはしないとは言えない!

 自身だけのことであれば、言い切ることはできるが、なにせ相手は自然神に近しき存在を相手にするのである!

 言い切ってしまえば、私の信用は、なお一層落ちるであろう。

「一段と綿密に計画をたて、お付きの者との連携も強化したいと思います!」

 だからだから!若君!

「無論。そうしてもらおう。ただ、当分の間、遠出いや、近場であっても学園以外の外出は禁止とする」

 ああ!やっはり!

 私と晶露様はがっくりと肩を落とした。

 ロウの能力アップの可能性も、一時の神隠しの前には評価されぬか。

 安全優先、即外出禁止か!

 当然といえば当然であるが!

 くそう!

 

 

 週明けて、月曜、火曜、水曜と過ごしてきて、毎度おなじみ晶露様のお部屋で、学園での宿題に取り組みながら、大海は悩んでいた。

 悩み多き、幼児なのだ。

 いや、実は悩みは1つだ。

 外出禁止と引き換えに、ゆりのきの巨木から得た良気―。

 それは残念ながら、私の元の気と融合することなく、徐々に身体から抜けてしまった。

 自分としては、できる限りゆりのきの巨木の良気を取り込んで留まるように、試行錯誤を続けてきたつもりだ。

 しかしその努力むなしく、ゆりのきの巨木から得た良気は、徐々に身体から抜けて行ってしまっているのが現状である。

 全部ではない。まだ多少は残っている。

 けれど、経緯をみるに、遠からずゆりのきの巨木から得た良気は、なくなってしまうに違いない。

 私の気の量ははっきりとは計ったことはないが、おそらく極小である。

 これでは色々な研究(遊び)を試みることはできないだろう。

 せっかく人とは違った能力があるなら、それを使ってみたいと思うのは当然であろう。

 だから今回の遠出には期待していたのだ。

 ゆりのきの巨木という貴き木から清浄なる良気をいただき、自身の気と融合させて、私自身の力の嵩上(かさあ)げを狙っていたのである。

 もう躓いてしまったのである。無念である。

 ゆりのきの巨木の良気は、人に馴染みにくいのだろうか。

 いや、それならば、かの場所がパワースポットになる筈はない。

 前世の記憶では、魔素は人の身体に馴染みやすかった。

 が、身体への負担も大きかったと記憶している。

 魔素、こちらでいうなら、負の気だからであろう。

 魔をもって魔を制す。こちらでは魔素がないから、魔法もない。

 若君からの情報によれば、妖を退治する方法は自身の気を使うのだと聞いた。

 私たち一族が持つ気は、ゆりのきの巨木の気のエネルギーと融合できたことから考えるに、我が一族の気は良気なのだろう。神気よりは劣るものの、正なる力と考えてよいのだろう。

 しかし同じ良気といえど、ご神木や霊木など、自然から生み出される良気と、人間の良気とは別物なのかもしれない。一時的にはともかくで完全に融合させ自身の気にすることはできないのかもしれない。

 空気と同じに考えればわかりやすいか。

 呼吸して出たり入ったりはするが、留まらずか。

 はあ。なんとも切ない結論に至ってしまった。

 私はまた違う方面から、自身の気を増やす方法を考えねばならないらしい。

 道のりは困難である。

 




 一区切りがあまりに短いので、連ねて投稿しました(カクヨムと小説家になろうとのマルチ投稿の関係で話数をあわせてます)
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