『鬼』それは人ならざる生き物。数百年前、鬼という醜き獣は人々を襲い、世界は恐怖と混沌しかなかった。そんななか、後に『刀士』と呼ばれる彼らが現れた。彼らは特別な刀を使い、次々と鬼を倒していった。世界が落ち着きを取り戻したころ、後に『鬼人』と呼ばれる秀麗な容姿をもつ鬼が現れた。彼らは争いを好まず、世界の落ち着きを取り戻したかった。目的が一致した刀士と鬼人は共闘し、醜き鬼―『鬼獣』は徐々に少なくなっていった。
現代、鬼人は大々的に世間に進出し、人と変わらない暮らしを送っている。鬼獣は初期に比べて数は減ったものの、危険は否めない。故に刀士は職業として確立し、国から収入を得ている。いまやヒーローのような扱いだ。
そして僕・笠凪凜斗はごくごく普通の高校生。一般的な高校に進学、偏差値は平均をキープ。という、なんてことない普通の生活を送っている。で、今は学校からの帰り道。人気のない道だがここを通るのが一番時短なので毎日この道を通っている。「平和だなー。」こんな独り言を言っても誰にも聞かれることはない。
そのとき、ドーン!!後ろで大きな音がした。なんだ?!そう思って振り返ると地面が割れて、そこから角の生えている獣が出てきた。
これってもしかして…「鬼獣?!」
やばいやばい。あー死んだな。食われるっていやだな。なんか痛そうだし。歯で噛み砕かれた後、胃酸で溶かされるとか最悪すぎる。せめて死ぬなら隕石とかで一思いに死にたかったな。自分でもびっくりするほど冷静で0.7秒ほどでこんなことを考えていた。
そのとき、ザシュッ!切れ味のいい音とともに鬼獣の血が飛び散り。砂埃が舞い上がる。
「…?なにが、おこったんだ…?」
僕が頭いっぱいに?を浮かべているとき、砂埃が晴れ若い男性が現れた。
「いやー。危なかったね。怪我はないかな?」
男性は僕に問いかける。
「あ、はい。あ、ありがとうございます。えっと、あなたは…?」
正直言って初めて刀士らしき人とあったので名前を聞いてみたいと思った。
「オレ?オレはセツ。刀士をしてる。まあ、怪我がなくてよかったよ。というか、君、もうちょっと逃げる努力をしようね。オレが来なきゃ死んでたよ。」
「すみません。」
否定はできない。死ぬと決めつけて逃げることすらしなかったからだ。
「いや、そんなに謝んなくていいよ。あ、オレ仕事あるからもう行くね。気を付けてねー。」
男性―セツさんはそういって姿を消した。僕はしばらく呆気にとられていたが、しばらくするとメディアと鬼獣処理班が来る音がしたので僕はその場を去った。
翌日
僕は自宅から少し離れた市の図書館まで来ていた。昨日のことがあったので少し、鬼獣のことを知りたくなったから。「えーと、鬼獣に関する本は…あ、これか。」僕は本を数冊取り、読書スペースへと向かった。本を読み始めてまもなく、ドーン!あの時聞いたのと似たような音がした。えっ、もしかして…!案の定、鬼獣が現れた。しかも、大型が1体にプラスして小型が数体いる。今度こそ死ぬかな。って、そんなこと考えてちゃだめだよな。まずはどうやって生き残るかだけど…
無理くね?
いや、シンプルに考えて無理ゲーだ。昨日みたいに刀士さんが来てくれないと死ぬな、これ。あーやばいやばい。鬼獣こっち来てるー!どーしよ?
その時、昨日きいた音がまた聞こえた。
ザシュッ!
「おっ、また会ったね。」
やっぱりセツさんだった。
「セツさん!」
これで一安心、だと思いたい。
「えっとー、笠凪凜斗くんだよね?少し、放したいことがあるんだけど今それどころじゃないよね。悪いんだけど、避難誘導を手伝ってもらえないかな?」
えっ、僕、名前言ったけ?まあいっか。
「ひ、避難誘導ですか?」
「うん。オレがこいつら倒すからできる限り外に人を避難させてほしい。」
正直、自信はないけど…なんか、やるしかなさそうな雰囲気だ。
「わ、分かりました!」
「ありがとう、助かるよっと!」
セツさんの周りはすでに鬼獣だらけだ。ここにいても邪魔になるよな。
「みなさん!外に避難してください!読書スペース近くで刀士と鬼獣が交戦中です!そこをさけて避難して下さい!」
僕は避難誘導をしつつ、自分も外へ逃げた。