脳筋思考の逸般人inエンドフィールド   作:reel

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どうも作者です。
今日最後の投稿ですが、皆さん的には今の文字数がちょうど良いでしょうか?
後ほどアンケートを反映させようと考えているので、良ければ回答して頂けると助かります。

そしてお気に入り登録ありがとうございます!
コメントもお待ちしておりますよ!



食事の後は、現状把握をする必要があります

 

 

 

 

差し出されたスプーンを素直に受け取り、その雀の涙ほどのプリンを口に運ぶ。

甘く、滑らかなカスタードの風味が口の中に広がった。

 

「ありがとう、レヴィ。美味しいよ」

 

何のてらいもなく、ただ感じたままを言葉にして、笑顔を向ける。

その瞬間、レーヴァテインの時間が完全に止まった。

 

彼女は、まるで雷に打たれたかのように硬直する。管理人の笑顔と、「美味しい」という言葉が、彼女の脳内で何度も何度も反響していた。

今まで、こんな風に真っ直ぐな感謝と好意を、何の駆け引きもなしに向けられたことがあっただろうか。特に、自分が大切にしているものを分かち合った相手から。

 

彼女のルビーの瞳が、管理人の顔を捉えたまま動かない。その表情は、もはや怒りでも戸惑いでもなく、ただただ呆然としていた。顔中に熱が集まっていくのが分かる。

心臓が、肋骨を叩きつけるように激しく脈打っていた。食堂の喧騒も、周囲の視線も、もう何も感じられない。

世界には、目の前の男の笑顔と、自分の耳元で鳴り響く心臓の音しかなかった。

 

「~~~~~ッ!!」

 

意味のある言葉にならない、声にならない叫びが彼女の喉から迸る。彼女は勢いよく椅子から立ち上がると、両手で顔を覆い隠した。

指の隙間から見える耳まで、真っ赤に染まっている。

 

「な、なななな、なんであんたはそう…! そういうことを平気で…!!」

 

支離滅裂な言葉を叫びながら、彼女は自分のトレーに残された大量の食事も、食べかけのプリンもそのままに、脱兎のごとく食堂から走り去ってしまった。

 

その背中は、もはや拒絶ではなく、ただひたすらに羞恥から逃げ惑う小動物のようだった。

ガタン、と彼女が蹴立てた椅子が倒れる音が、やけに大きく響く。

 

後に残されたのは、唖然とする食堂のスタッフたちと、手付かずのままになったレーヴァテインの食事、そして倒れた椅子だけ。

テーブルの上には、が食べたプリンと、彼女が残していったもう一つのスプーンが、まるで記念碑のように鎮座していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、状況報告を終えたらしいペリカが戻ってきた。彼女は倒れた椅子と、レーヴァテインの不在、そしてテーブルに残された食事を見て、全てを察したようだった。

彼女は驚きと呆れが混じったような、しかしどこか温かい眼差しでを見つめる。

 

「…管理人。一体、レーヴァテインに何をされたのですか…?」

 

彼女は深いため息をつくと、慣れた手つきで倒れた椅子を起こし、レーヴァテインが残していったトレーを片付け始める。

その横顔には、「やれやれ」と書いてあるようだった。

 

「…彼女の食事、後で部屋に届けておきましょう。

おそらく、もうここには戻ってこないでしょうから。

…それにしても、あのレーヴァテインをここまで取り乱させるとは。以前のあなたでも、ここまでは…」

 

ペリカはそこまで言うと、はっと口をつぐんだ。失われた記憶に触れてしまったことを悔いるように、彼女は視線を伏せる。そして、気を取り直すように、に向き直った。

 

「食事がお済みでしたら、次はあなたの執務室にご案内します。今後の活動方針について、ご説明しなければならないことが山ほどありますので」

 

彼女の声は、再び監察官としての冷静さを取り戻していた。しかし、その瞳の奥には、目の前の「新しい管理人」に対する、尽きせぬ興味と微かな期待が渦巻いているのが見て取れた。

 

「執務室もだが…今のタロIIの状況はどうなっているんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「執務室もだが…今のタロIIの状況はどうなっているんだ?」

 

管理人は心の中で、ゲーム時代のエンドフィールドを思い出す

 

(確か、最初起きてからすぐバイクに乗ってペリカの後ろに着いていたはずだ…

だけどこの世界は今落ち着いているように見える、かなり切羽詰まった状態から始まってた記憶があるからな…んー、でもかなり前のことだからうろ覚えなんだよなぁ)

 

その問いかけに、ペリカは片付けようとしていた手を止め、真剣な表情で管理人に向き直った。執務室という単語から、管理人の意識が基地内部のことから、より広い世界――タロIIそのものへと向いたことを敏感に察知したのだ。

彼女の監察官としてのスイッチが、カチリと音を立てて入るのが分かった。

 

「今のタロIIの状況はどうなっているんだ?」

 

それは、記憶を失った責任者として、当然かつ最優先で確認すべき事項だった。

ペリカはその質問の意図を正確に汲み取り、脳内の情報を整理し始める。

 

「…ご説明します、管理人。ですが、その話は歩きながらよりも、執務室でデータを見ながらの方が正確にお伝えできます。こちらへ」

 

彼女はそう言って、管理人を促す。

レーヴァテインが残したトレーは、近くを通りかかったスタッフに手際よく指示を出して片付けさせると、彼女は再び先導役となって食堂を後にした。

 

先ほど来た廊下を戻り、今度は『管理区画』とプレートが掲げられた、より警備が厳重そうな通路へと入っていく。

 

この区画は他のスタッフの姿もまばらで、静寂が支配していた。壁に埋め込まれたモニターには、基地周辺の警戒レベルや、リアルタイムの気象情報などが表示されている。

 

やがて、一番奥にある重厚な扉の前でペリカは立ち止まった。彼女が認証パネルに手をかざすと、扉は静かに左右にスライドして開く。

 

そこは、広々とした執務室だった。

部屋の中央には大きな執務机が置かれ、その上には複数のモニターが並んでいる。壁一面は巨大なスクリーンになっており、今はタロIIの広大な地形データが立体的に表示されていた。窓からは基地の外の風景――赤茶けた大地と、どこまでも続く奇妙な形の岩山、そして紫がかった空が見える。

ゲーム画面で見た、あの荒涼として美しい景色が、本物となって目の前に広がっていた。

 

「ここがあなたの執務室です。エンドフィールド工業の全ての中枢機能は、ここに集約されています」

 

彼女は執務机のコンソールを操作し、壁面の巨大スクリーンに表示される情報を切り替える。

立体的な地形図の上に、いくつものアイコンや警告表示が明滅し始めた。

 

「…現状、タロIIの情勢は、決して楽観視できるものではありません。我々が最後に大規模な作戦行動を行ったのは、三週間前。あなたの意識が途絶える直前のことです」

 

彼女の指が、マップ上の一点を指し示す。そこは、基地からかなり離れた、険しい山岳地帯だった。赤い警告アイコンが、激しく点滅している。

 

「このエリアで確認された高エネルギー反応…コードネーム『アンゲロス』の調査任務の最中、我々は所属不明の勢力による大規模な奇襲を受けました。

戦闘は熾烈を極め…そして、その混乱の最中、あなたは…」

 

ペリカは言葉を切り、悔しそうに唇を噛んだ。彼女の脳裏に、あの日の光景が蘇っているのだろう。爆炎、怒号、そして、光の中に消えていった管理人の姿。

 

「…結果として、我々は多大な損害を被り、あなたの救出を最優先して撤退を余儀なくされました。

幸い、あなたの生命維持は確認できましたが、意識が回復するまで三週間を要した…というのが、これまでの経緯です。

現在、基地周辺の警戒レベルは最大に引き上げられ、外部との積極的な接触は凍結。防衛態勢を固めている状況です」

 

彼女の説明は、管理人の朧げな記憶――「切羽詰まった状態から始まったはず」という感覚と、ある意味で一致していた。

ゲーム開始直後の、あの緊迫した状況。しかし、今はその「直後」ではなく、三週間の時が経過し、基地全体が息を潜めて防衛に徹している「膠着状態」にあるのだ。

 

「敵の正体、目的、そして『アンゲロス』との関連性。全てが不明なままです。あなたが意識を取り戻した今、私たちは次の行動を決定しなければなりません。

…管理人、指揮権限を、あなたに移譲します」

 

ペリカはそう言うと、深く頭を下げた。その瞳は、真っ直ぐに管理人を見据えている。この膠着した状況を打破するための、新たな一手を、最高責任者である管理人に委ねる。

その重い決意が、彼女の全身から伝わってきた。

 

「指揮権限」という言葉の重みが、ずしりと両肩にのしかかる。それは単なるゲームの選択肢ではなく、この基地にいる数百、数千の命運を左右する現実の責任だった。

ただのゲーマーだった自分が、いきなりそんな大役を担えるはずもない。しかし、この世界の「管理人」は違う。

 

ペリカの態度や、自身の身体に満ちる尋常ならざる力から察するに、彼は卓越した能力を持つ指導者だったのだろう。ならば、今はその「管理人」を演じきるしかない。

 

「指揮権限…か」

 

その言葉を聞いた管理人は少し考え込む

 

(ただの素人がいきなり出来ることじゃない…どうやらこの世界の管理人はかなり身体能力が高めで、管理人としての能力もあるようだが…)

 

身軽な体を確かめるように少し動かす。

 

管理人はペリカに問いを投げかけた。

 

「指揮権限ってなると、具体的な…内容とかはどんなものがあるんだ?」

 

思考を巡らせながら、管理人は最も根源的な問いを口にした。

 

その質問は、記憶喪失の人間が発するものとして、あまりにも自然だった。ペリカは少しも疑うことなく、待っていましたとばかりにコンソールを操作し、壁面のスクリーンに新たな情報を表示させる。

そこには、『基地運営』『人員配置』『研究開発』『作戦立案』といった項目が並んでいた。

 

「管理人の指揮権限は、エンドフィールド工業における全ての活動に及びます。具体的には、主に四つの分野に大別されます」

 

彼女はスクリーンを指し示しながら、淀みなく説明を始めた。その声は、教官が生徒に講義をするかのように明瞭で、分かりやすい。

 

「第一に、『基地運営』。エネルギーの配分、資源の採掘と備蓄、施設の増改築など、この集成工業システム全体の維持と発展に関する全ての決定権です。

例えば、あなたが今すぐ居住区画を拡張し、娯楽施設を建設するよう命じれば、我々はそれに従います。…無論、資源と人員が許す限りですが」

 

彼女はそこで一旦言葉を切り、次の項目を指す。

 

「第二に、『人員配置』。基地に所属する全スタッフの部署異動や、役職の任命、そして最も重要な…戦闘部隊の編成です。誰を前線に送り、誰を後方支援に回すか。

その判断は、あなたに一任されます」

 

スクリーンに、基地に所属する主要なオペレーターたちの顔写真とステータスが一覧で表示される。

その中には、先ほど会ったばかりのレーヴァテインの顔もあった。彼女のステータスの横には、「待機中」という文字が光っている。

 

「第三は、『研究開発』。新たな技術や装備、武器の開発方針を決定します。タロIIの未知の物質をどう利用するか、我々の技術をどの方向に進化させるか。

長期的な生存戦略に直結する重要な権限です」

 

最後に、彼女は最も大きく、そして最も重い意味を持つであろう項目を指し示した。

 

「そして第四が、『作戦立案』。基地外部での活動…調査、探索、そして戦闘に関する全ての作戦の立案と実行命令です。

三週間前の作戦も、あなたの立案によるものでした。…現状、最も急を要するのが、この分野の判断になります」

 

彼女は説明を終えると、再び管理人に向き直った。そのライトブルーの瞳には、一切の揺らぎがない。

 

「もちろん、これらの決定を行うにあたり、私や各部署の専門家が全力であなたを補佐します。

あなたは、我々が提出する情報と選択肢を吟味し、最終的な『決定』を下してくださればいい。それが、あなたの役割です」

 

彼女はそう言うと、執務机の上に置かれていた一つのデータパッドを手に取り、管理人に差し出した。

画面には、『管理人認証』という文字が点滅している。

 

「…あなたの声紋と生体認証で、全ての権限がアンロックされます。管理人、私たちはあなたの帰りを、あなたの『声』を、待ち続けました。…どうか、我々に進むべき道を」

 

静かな執務室に、ペリカの真摯な声が響く。窓の外には、荒涼としたタロIIの大地が広がっている。

 

これから下すすべての決断が、この世界の未来を形作っていく。

 

その途方もない事実に、管理人は改めて身の引き締まる思いがした。

 

 




はい、この時点で原作との差異が出てきました。
既に3週間の月日が流れております。

本文の長さアンケートです

  • このままでちょうどいい!
  • あのぉもうちょっと短くできませんかねぇ…
  • たまには長くやってもいいのよ。
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