反逆の王子は実力至上主義の世界で優しい世界を望む   作:evejanjan

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第6章-王と怪物と魔王
王の捜索


 ケヤキモールへ寄った生徒たちの話は、翌朝になっても終わっていなかった。

 

「だから、あれは絶対に取れる位置だったんだって」

 

「三千ポイント使って取れてねえ奴が言っても説得力ねえよ」

 

「途中でアームが弱くなったんだよ!」

 

「機械のせいにすんな」

 

 池と山内の言い争いを、須藤が呆れた顔で聞いている。

 

 教室の後方では、昨日参加できなかった生徒たちを囲み、ゲームセンターや食事中の出来事が何度目か分からないほど繰り返されていた。

 

「でも、一番意外だったのはあれだよな」

 

 池が急に話題を変えた。

 

 視線の先には、自分の席で端末を確認しているルルーシュがいた。

 

「何だ」

 

 名前を呼ばれていないにもかかわらず、ルルーシュは顔を上げた。

 

「結局、最後までいたじゃん。途中で帰ると思ってた」

 

「実際に時間の浪費だった」

 

「なら、なんで残ったんだよ」

 

「途中で抜ければ人数を確認し直す必要がある。すでに移動へ時間を使った以上、最後まで残る方が余計な調整が少なかっただけだ」

 

「遊びに行った次の日まで効率の話してるよ」

 

 山内が笑う。

 

「帰ろうと思えば帰れたでしょ」

 

 櫛田が柔らかく指摘した。

 

「店を決めるまでに時間がかかりすぎたからだ」

 

「それ、ランペルージが候補を増やしたからだろ」

 

「お前らが出した候補では、人数分の席を確保できない可能性があった」

 

「だから遊びに行く時まで効率とか言うなって!」

 

 教室に笑いが起きた。

 

 ルルーシュは納得していない顔をしていたが、昨日参加したこと自体を否定はしなかった。

 

 その様子を少し離れた場所から見ていたスザクは、声を出さずに笑った。

 

 昨日の予定に、達成すべき目的はなかった。

 

 クラスを勝たせるためでも、誰かの退学を防ぐためでもない。

 

 それでもルルーシュは参加し、途中で帰らず、最後まで同じ時間を過ごした。

 

 今も、無駄だったと言いながら、その時間をなかったことにはしていない。

 

 昨日一日で、ルルーシュがクラス全員へ心を開いたわけではなかった。

 

 ただ、誘われたから参加するという選択を、以前よりも自然に取れるようになった。

 

 それだけでも、スザクには十分だった。

 

「スザク」

 

 ルルーシュの声で、スザクは顔を上げた。

 

「何?」

 

「笑う理由があるなら説明しろ」

 

「別に。ただ、昨日は楽しかったなと思って」

 

「私はそうは言っていない」

 

「楽しくなかった?」

 

「非効率だったと言っている」

 

「じゃあ、次はもっと効率よく回ろうか」

 

「次があることを前提にするな」

 

「え、また来るの?」

 

 池が食いつく。

 

「そうは言っていない」

 

「今のは来る奴の言い方だろ」

 

「違う」

 

 教室の笑い声が、再び大きくなった。

 

 綾小路は自分の席から、その会話を聞いていた。

 

 ルルーシュが日常的な誘いへ応じるようになったことに、特別な意味をつける必要はない。

 

 人間関係が変化すれば、選択も変わる。

 

 少なくとも今のルルーシュは、入学直後のように、自分と無関係な時間をすべて切り捨ててはいなかった。

 

 綾小路が見ていたのは、その変化だけではない。

 

 教室前方の扉が開き、別のクラスの男子生徒が顔を覗かせた。

 

 誰かを呼ぶ様子もなく、教室内を一度見回す。

 

 目が合う前に離れていった。

 

 登校してから、同じような生徒を三人見ている。

 

 廊下ですれ違う速度を落とす者。

 

 昇降口付近で、Dクラスの生徒が誰と帰るかを見ている者。

 

 自動販売機の前で会話しているふりをしながら、教室の出入りを確認している者。

 

 偶然ではない。

 

 試験後に他クラスの様子を探るだけなら、成績やクラスの雰囲気を見ればいい。

 

 だが彼らが確認しているのは、生徒同士の距離だった。

 

 誰が誰と話すか。

 

 誰の呼びかけに応じるか。

 

 誰が一人で動き、誰が集団へ含まれているか。

 

 龍園が動き始めた。

 

 その判断に、驚きはなかった。

 

 体育祭の後、龍園へ送った録音。

 

 ペーパーシャッフルで要求した問題変更。

 

 どちらも龍園にとっては、自分の支配圏へ外部から手を入れられた行為だった。

 

 龍園が、そのまま放置するとは考えていない。

 

 勝敗だけなら、ペーパーシャッフルはすでに終わっている。

 

 龍園が求めているのは、次の試験へ備えるための情報だけではない。

 

 自分の前へ姿を見せず、二度も計画へ干渉した人物の正体。

 

 いずれ捜索が始まることは予測していた。

 

 問題は、どこから候補を削っていくかだった。

 

 ルルーシュは、最初から候補に入る。

 

 体育祭でDクラスの配置修正へ関わり、龍園の目にも表側の策士として映っている。

 

 堀北も外せない。

 

 試験で表へ立つことが多く、龍園と直接話してきた。

 

 高円寺やスザクは、隠している能力そのものを疑われる可能性がある。

 

 自分も体育祭で走力を見せた。

 

 候補から完全に外れているとは考えない方がいい。

 

 だが、こちらから動く理由はなかった。

 

 龍園が何を根拠に、誰を候補から外すのか。

 

 その過程を見る方が、今後の判断材料になる。

 

 綾小路は教室の前を通り過ぎた生徒を追わなかった。

 

 視線も向けない。

 

 気づいていない生徒と同じように、机の上の教科書を開いた。

 

     ◇

 

 昼休み。

 

 石崎はDクラスの廊下から少し離れた曲がり角に立ち、端末へ短い文章を打ち込んでいた。

 

『朝、ランペルージは池たちと会話。昨日は複数人でモール。最後まで一緒にいた』

 

 送信する直前で、指が止まる。

 

 これだけでは何の意味もないように思えた。

 

 ルルーシュが誰と遊びに行こうが、匿名で録音を送った証拠にはならない。

 

 それでも龍園から命じられたのは、決めつけることではなく、見たものをそのまま報告することだった。

 

 石崎は文章を送信した。

 

「何やってんだ、お前」

 

 背後から声をかけられ、肩が跳ねた。

 

 振り返ると、須藤が立っていた。

 

「別に何もしてねえよ」

 

「さっきから、うちの教室の前うろついてただろ」

 

「通っただけだ」

 

「何回もか?」

 

「お前には関係ねえ」

 

 石崎が睨み返す。

 

 須藤の表情が険しくなった。

 

 体育祭以前なら、そのまま距離を詰めていたかもしれない。

 

 だが今回は、須藤が先に動く前に、隣から声が入った。

 

「須藤君」

 

 スザクが二人の間へ近づいてくる。

 

「何だよ」

 

「もうすぐ昼休みが終わる。戻ろう」

 

「こいつ、さっきからこっち見てんだぞ」

 

「見ていただけなら、それだけでは何もできないよ」

 

「でもよ」

 

「石崎君も、用事がないなら自分の教室へ戻った方がいい」

 

 スザクの声に威圧はなかった。

 

 だが石崎は、その場で言い返すことを選ばなかった。

 

 声を荒らげないまま間へ入り、こちらが殴る理由も、須藤が殴る理由も消してしまう。

 

「今戻るところだ」

 

 石崎はそう答え、二人から離れた。

 

 曲がり角を過ぎてから、一度だけ振り返る。

 

 須藤はまだ不満そうにしている。

 

 スザクは須藤を教室へ戻しながら、石崎が立っていた位置を確認していた。

 

 見られていたことには気づいている。

 

 石崎は、その事実も端末へ追記した。

 

     ◇

 

「探り方が雑すぎる」

 

 放課後のCクラス。

 

 伊吹は石崎の報告を見て、露骨に顔をしかめた。

 

「うるせえな。聞けることなんて限られてんだろ」

 

「だからって同じ教室の前を何度も往復したら、馬鹿でも気づく」

 

「じゃあ、お前がやれよ」

 

「やってる」

 

 伊吹は自分の端末を机へ置いた。

 

 記録されているのは、Dクラスの生徒が放課後に向かった場所だった。

 

 堀北は一人で図書館へ。

 

 平田は複数の生徒と教室に残り、その後は部活動。

 

 櫛田は途中まで女子生徒と一緒に移動。

 

 スザクは須藤と別れた後、寮へ。

 

 ルルーシュは教室を出るまでに時間がかかったが、特定の誰かと秘密裏に会った様子はない。

 

 断片的な情報しかない。

 

 だが龍園は、それを一つずつ確認していた。

 

 龍園のほかには、石崎、伊吹、アルベルトの三人だけが残っている。

 

 机の上には、Dクラスの名簿と、これまでの試験で目立った生徒の名前が並べられている。

 

 堀北鈴音。

 

 平田洋介。

 

 櫛田桔梗。

 

 高円寺六助。

 

 枢木スザク。

 

 ルルーシュ・ランペルージ。

 

 綾小路清隆。

 

 そのほかにも複数の名前があった。

 

「こんなの調べて、本当に見つかるのかよ」

 

 石崎が尋ねる。

 

「お前が考える必要はねえ」

 

 龍園は名簿から目を上げなかった。

 

「言われた通り、見たものを持ってこい」

 

「でも、ランペルージじゃねえのか? 体育祭でも、あいつが配置を変えてただろ」

 

「見えてる範囲ではな」

 

 龍園は机へ指を置いた。

 

 体育祭でDクラスの配置を修正したのはルルーシュだった。

 

 必要なら表へ立ち、人を動かす。

 

 その後に届いた録音は、姿を見せず、証拠だけを置いて要求を取り下げさせた。

 

 ペーパーシャッフルで接触してきた相手も、名前を出さず、こちらが動くしかない材料だけを提示した。

 

「録音を送った奴と、今回の奴は同じなの?」

 

 伊吹が聞く。

 

「可能性は高い」

 

「ランペルージは?」

 

「最初に反応を確かめる価値はある。だが、決めつけるには早い」

 

 龍園はルルーシュの名前を消さなかった。

 

 見える策士と、姿を見せない介入者。

 

 同じ人間かもしれない。

 

 協力関係にあるのかもしれない。

 

 互いを知らない可能性も残る。

 

「直接試してから判断する」

 

「堀北は?」

 

「自分の正しさを前へ出す。匿名で俺と取引するタイプじゃねえ」

 

「平田は?」

 

「一人でこんな真似をするなら、もっと前からDクラスはまとまってる」

 

「櫛田は?」

 

 石崎が聞いた。

 

 龍園は口元を歪めた。

 

「自分で自分の取引を潰してどうする」

 

「ああ、そっか」

 

「少しは考えてから聞け」

 

 候補はまだ多い。

 

 能力を隠している人間も、一人ではなかった。

 

「面倒ね」

 

 伊吹が言った。

 

「だから面白えんだろ」

 

 龍園は笑った。

 

「負けたのに?」

 

「試験の点数で一度負けた程度だ」

 

 龍園は椅子の背へ体を預けた。

 

「問題を変えさせた奴は、俺が正体を探すと分かってたはずだ。それでも動いた」

 

「探しても見つからないと思ってるんじゃない?」

 

「なら、見つけてやればいい」

 

 声には怒りよりも興味があった。

 

 自分のクラスへ手を入れ、計画を変えさせ、こちらの判断まで利用した。

 

 それだけの相手が、普段はDクラスの中で何もしていない顔をしている。

 

 確かめずにはいられなかった。

 

「強そうな奴から調べるのか?」

 

 石崎の問いに、龍園は名簿を見る。

 

 スザク。

 

 高円寺。

 

 綾小路。

 

 能力を隠している人間はいる。

 

 だが、強さだけでは答えにならない。

 

「理由だ」

 

「理由?」

 

「二件とも、Dクラスの誰かが潰れる前に動いてる。同じ奴なら、次も同じだ」

 

 守ろうとする相手。

 

 失いたくないもの。

 

 介入せざるを得ない場所。

 

 それを見つければいい。

 

「アルベルト」

 

 名を呼ばれ、教室の後方に立っていた大柄な男が顔を上げた。

 

「帰宅経路を見ろ。毎回同じ奴と動く人間、急に一人になる人間、途中で別れる人間を分けろ」

 

 アルベルトが静かに頷く。

 

「石崎。聞ける奴には直接聞け。誰が試験前に指示を出したか、誰が誰と勉強してたか、誰が困った時に助けへ来るか。ただし同じ場所を何度も往復するな」

 

「分かったよ」

 

「本当に分かったの?」

 

「うるせえ」

 

「伊吹は、候補を見ろ。特に、力を隠してる奴だ」

 

「私一人で?」

 

「一人の方が動きやすいだろ」

 

「面倒なところだけ押しつけてるでしょ」

 

「嫌なら石崎と代われ」

 

「それはもっと嫌」

 

 石崎が文句を言おうとしたが、龍園はすでに次の名前へ視線を移していた。

 

 Dクラスの生徒を一人ずつ調べる。

 

 能力。

 

 関係。

 

 行動。

 

 介入する理由。

 

 反応しない者を外し、理由のない者を外し、正体を隠す必要のない者を外す。

 

     ◇

 

 同じ日の放課後。

 

 Dクラスの教室では、平田が何人かの生徒から相談を受けていた。

 

「Cクラスの人から、昨日誰と帰ったか聞かれたんだけど」

 

「私は、試験前に誰と勉強してたか聞かれた」

 

「なんでそんなこと聞くんだろ」

 

 脅されたわけではない。

 

 秘密を求められたわけでもない。

 

 ただ、普段なら必要のない質問をされた。

 

 平田は一つずつ内容を確認し、名前と場所だけを端末へ残している。

 

 スザクも教室に残っていた。

 

 昼休みに石崎が教室周辺を見ていたことを伝える。

 

「嫌がらせが始まったのかしら」

 

 堀北が尋ねた。

 

「まだ、そうとは言えないと思う」

 

 スザクは答えた。

 

「直接何かされた人はいない。ただ、聞かれている内容が似ている」

 

「誰が誰と動くか」

 

 窓際からルルーシュが言った。

 

 平田が顔を上げる。

 

「気づいていたの?」

 

「教室を見るだけなら、同じ生徒が何度も来る必要はない。確認しているのは成績でも試験結果でもない。人間関係だ」

 

「目的は分かる?」

 

「まだ断定できない」

 

 ルルーシュは即答を避けた。

 

「内部情報の流出経路を探している可能性。次の試験で利用できる関係を調べている可能性。あるいは、誰か一人の行動を追うため、周囲から絞っている可能性もある」

 

「龍園君の指示だと思う?」

 

 平田が尋ねる。

 

「Cクラスの複数人が同じ種類の情報を集めている。個人的な興味ではないだろう」

 

「止める?」

 

 スザクの問いに、ルルーシュはすぐには答えなかった。

 

「現時点では、質問されただけだ」

 

「でも、続けば不安になる人もいる」

 

「だから、内容を記録する。誰が、誰に、何を聞いたか。質問が変化するなら、相手が何を絞っているかも分かる」

 

「わざと答えさせるの?」

 

 スザクの声が僅かに硬くなる。

 

「そうは言っていない」

 

 ルルーシュはスザクを見る。

 

「答える必要のない質問には答えなくていいと伝える。単独で対応させない。だが、今すぐこちらから衝突を起こせば、相手の目的を隠させるだけだ」

 

「分かった」

 

 スザクは短く頷いた。

 

 同意したのは、ルルーシュの判断だからではない。

 

 今の段階で、生徒を危険へ置く意図がないと確認できたからだった。

 

「今日は、相談があった内容だけを残そう」

 

 平田がまとめる。

 

「明日も続くなら、全員へ簡単に伝える。困った時は一人で対応せず、僕か堀北さんへ相談してもらう形で」

 

「それでいいわ」

 

 堀北が答えた。

 

 まだ龍園が何を探しているのかは分からない。

 

 ルルーシュも、綾小路へ疑いを向ける根拠をここで共有しなかった。

 

 最有力候補は変わっていない。

 

 だが、候補であることと、確認できた事実は別だった。

 

 推測だけで綾小路の名前を出せば、こちらから人間関係へ意味を与えることになる。

 

 ルルーシュは教室後方へ視線を向けた。

 

 綾小路の席は、すでに空いている。

 

     ◇

 

 綾小路は寮へ戻る途中、後方を歩く足音を聞いていた。

 

 一定の距離を保っている。

 

 近づきすぎず、離れすぎない。

 

 尾行としては不慣れだった。

 

 気づいていないふりをすることは難しくない。

 

 売店の前で一度足を止め、飲み物を見る。

 

 後ろの生徒も、少し遅れて掲示板の前へ立った。

 

 知らない一年生だった。

 

 制服からCクラスだと分かる。

 

 龍園本人が来るとは思っていない。

 

 最初は、目立たない生徒を使って行動を見る。

 

 反応すれば候補へ残る。

 

 気づかなければ、別の方法を試す。

 

 この程度で自分の正体へ到達することはない。

 

 問題は、調査が人間関係へ向いていることだった。

 

 誰が誰を守るか。

 

 誰のためなら、普段と違う動きをするか。

 

 それを辿れば、いずれ軽井沢へ近づく可能性がある。

 

 まだ、その段階ではない。

 

 今こちらから動けば、正解へ近づく情報を渡すだけになる。

 

 綾小路は飲み物を一本選び、会計を済ませた。

 

 後方の生徒へ振り返らない。

 

 助けを求めることも、ルルーシュたちへ説明することもしない。

 

 自分が疑われる可能性を理解したまま、普段と同じ速度で寮へ向かった。

 

     ◇

 

 夜。

 

 龍園の端末には、石崎たちから集めた情報が並んでいた。

 

 誰が誰と話したか。

 

 誰が質問を警戒したか。

 

 誰が気づかず答えたか。

 

 誰が他人の間へ入ったか。

 

 まだ答えと呼べるものはない。

 

 ルルーシュは、こちらの動きへ気づいた可能性が高い。

 

 スザクも、石崎の行動を見ている。

 

 綾小路は目立った反応を見せなかった。

 

 それ自体は、候補から外す理由にならない。

 

 龍園は名簿を開いた。

 

 最初から、簡単に正体へ届くとは思っていない。

 

 二件が同じ相手でも別人でも、どちらも姿を見せていない。

 ならば、隠れたままではいられない状況を創ればいい。

 

 守ろうとする相手。

 

 失いたくないもの。

 

 介入せざるを得ない場所。

 

 それを見つけるために、まずは余計な候補を消していく。

 

 龍園は名簿の一番上へ指を置いた。

 

「一人ずつ消していけばいい。最後に残った奴が答えだ」

 

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