「晴れ渡る青空!透き通る海!うーみー!」
花帆ちゃんが元気に声をあげてそうはしゃいでいた。
気になっている人が居ると思うが、花帆ちゃんと呼んでいるのは本人から「名前呼びして」と言ってきた為である。
「梢先輩、僕まで来て良かったんですか…」
「いいのよ。衣装の修復までしてもらったお礼って事ね」
「お礼って…」
「ふふっ、私の水着姿じゃお礼にならないかしら」
「別にそういう訳じゃ…」
梢先輩ほどのスタイルならむしろ喜ぶ人達の方が多いだろう。
「合宿中は休養って事で楽しんでもらえると嬉しいわ」
「合宿なのに遊んでいいものなんですかね…」
梢先輩と話していると、さやかちゃんが僕達の元にやってきた。
「すみません、梢先輩、宿泊場所を提供していただいて」
「いいのよ。使うための別荘だもの」
「梢先輩、お金持ちだったんだ。どーりでなんか、雰囲気がピカピカしてますなー…!」
「ふふっ、梢センパイのすごさはこんなものじゃないんだよ」
「この上さらに!?」
「こんな感じの別荘が、たぶんあと300個くらいあるんだから!」
「そんな訳…」
「すっげー!」
「ないわ……」
ですよね…300個はいくらなんでも盛りすぎだと思ったよ。
「でも、さやもすごいよ。煮物を美味しく作れる」
「そのレベルで私を同じ土俵にあげるのやめてもらえませんか!?さ、荷物を中に運びますよ!皆さん!」
『はーい』
さやかちゃん…夕霧先輩の相手大変そうだなぁ…
先輩達と協力して、荷物を別荘の中に持ち込んでいく。
「でっか…」
「りゅ、竜宮城…!」
中に入ると、想像していたよりも豪華な内装に僕と花帆ちゃんは驚きを隠せて居なかった。
「別荘って、えくせれんとですなー!」
「梢センパイ、あたしきょうからここに住みます。この別荘ならきっと、花咲けるはず…!」
「花帆ちゃん…」
花帆ちゃんは、感動のあまりここで住むって言い始めてしまった。
気持ちは分かるけど、海の近くって色々と面倒だよ花帆ちゃん…
「潮風がすごいと思うけれど…」
「梢先輩、潮風以外にも問題はありそうなんですが…」
そして、梢先輩はこの別荘は、梢先輩のお母さんが作曲の為に使っていた事。防音設備もあるから夜遅くまで練習が出来るって事を教えてもらった。
そして、僕は気になった事を梢先輩に聞いた。
「そういえば、気になったんですけど、僕ってどこで寝ればいいんですか?」
「それならルリが立候補します!」
先輩に寝る場所を聞いたら、るーちゃんが乱入してきた。
「そうね、幼馴染って事もあるでしょうし、いいんじゃないかしら」
「流石梢先輩!って事で一緒に寝よあお君!」
目を輝かせて僕の方に振り向いて聞いてくる。
「梢先輩も良いって言ってくれるし、るーちゃんと一緒に寝る事にします」
「いえーい!!」
「瑠璃乃さん、嬉しそうですね」
喜ぶるーちゃんを観て、さやかちゃんがそう言う。
「さやもボクと一緒に寝る?」
「綴理先輩!恥ずかしいですからここでは言わないでください!」
「だって、このベット気持ちいい」
「ああ、練習もあるんですから寝ないでください!綴理先輩ー!」
あっちもあっちで大変だなぁ…村野さん頑張って…!
その時、花帆ちゃんが水着姿になって飛び出していくのが見えた。
「あっ、花帆ちゃんが水着で飛び出していってしまいましたけど…?」
「よーし、海だー!遊ぶぞー!」
「…そう」
花帆ちゃんの行動に梢先輩は頭を抱えていた。
こっちはこっちで大変なんですね…梢先輩。
「よし、ルリも水着に着替えてくる!あお君、一緒にたくさん遊ぶよ!」
「えっ!?遊ぶために来た訳じゃないよねー!?」
「今から練習の雰囲気でもないから、しばらくは遊びましょうか。蒼君もね」