瑠璃色の君に赤いバラを   作:桜紅月音

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14.特訓

 

 

「それじゃあめぐちゃん、よろしくね!」

 

 

「先に言っておくけど!」

 

 

「え…?な、なに?」

 

 

「…こないだは、あんな言い方して、ごめん。それと、蓮ノ空入学、おめでと」

 

 

本当にめぐちゃんは何をしたんだ。花帆ちゃんといいるーちゃんといい…

 

 

「うんっ!」

 

 

「じゃあ、私も水着に着替えてくるね」

 

 

めぐちゃんはそう言い、水着になって戻ってきた。

 

 

「あお、どうよ、めぐちゃんの水着は」

 

 

「可愛い」

 

 

「うへへ、ありがとっ」

 

 

めぐちゃんはそう言って、僕に抱き着いてくる。

 

 

「ちょっとちょっとめぐちゃん!あお君はルリのなんだけど!」

 

 

るーちゃんはそう言って、僕とめぐちゃんを引き離す。

 

 

「え~?別にるりちゃんの物じゃないんでしょ?蒼は」

 

 

「一応、告白されたけどね…」

 

 

「で、なんて返したの?」

 

 

「うっ…」

 

 

めぐちゃんにそう聞かれて、僕は胸に痛みを感じた。

 

 

「あお君が勘違いしてて、ルリが頑張ってアピールしてる所だよ!」

 

 

「ふ~ん、ってことは振られたんだねるりちゃん」

 

 

「めぐちゃん!?」

 

 

「ってことは私にもチャンスがあるってことか」

 

 

「…っ!めぐちゃんには渡さないんだからね!」

 

 

というやり取りがあってから、数分してめぐちゃんによる、るーちゃんの特訓練習が始まった。

 

 

「はい、ワンツー、ワンツー、よーし、そこまで」

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、どうかな、めぐちゃん」

 

 

息を切らしながらも、しっかりとやり切ったるーちゃんはめぐちゃんにそう聞く。

 

 

「うん、体力ついたね。るりちゃん。ダンスも、上手になってる」

 

 

「えへへっ、いっぱい修行してきたし」

 

 

「…それって、やっぱり、私とスクールアイドルをやるため?」

 

 

「うん!」

 

 

「…そっか。るりちゃんは昔から、私のことも蒼のことも大好きだったもんね」

 

 

「相思相愛ってヤツだねー!」

 

 

僕の事にならないと、ここまで仲が良いのは良い事だと僕思う。

 

 

「私と蒼がいないと、すーぐ充電切れになってたし」

 

 

「むぐ、武者修行してきて、だいぶバッテリー長持ちするようになったもん!大容量ルリちゃんだよ!」

 

 

「どーだがねー」

 

 

「女子、三日会わざれば刮目してウォッチング、っしょ!」

 

 

「そういえば、小学生の時にこの三人でダンス教えてもらってたよね」

 

 

「うんうん」

 

 

「そんなことあったかなー」

 

 

「めぐちゃん忘れたの!?」

 

 

「はいはいごめんね。忘れっぽくて、じゃあ、いったん休憩。水分補給しておいで、るりちゃん」

 

 

「んもー!いってきまーす!あお君いこ」

 

 

「はいはい…」

 

 

「あっ!るりちゃん、あお連れて行くなんてずるいよー!」

 

 

めぐちゃんが背後からそう言うが、僕も水分補給をしたいと思っていたのでるーちゃんに付いていくのだった。

 

 

 

*******

 

 

水分補給を終えてめぐちゃんの所に戻ってくると、花帆ちゃんとさやかちゃんが居た。

 

 

「あれ、二人ともどうしたの?」

 

 

「え?いや、ちょっと慈センパイにご挨拶をと!」

 

 

「ええ、ええ、そうなんですよ!」

 

 

何かあったなこれは…

 

 

「…なんか、距離ある?」

 

 

「確かに」

 

 

僕とるーちゃんがそう言うと、花帆ちゃんはめぐちゃんの元に向かっていく。

 

 

「め、慈せんぱぁい!今度あたしにもぉ、コーチしてくださいねぇー♪」

 

 

「はい!ぜひぜひ、ぜひ、お願いします!」

 

 

「うーん♪ かわいい後輩めー!」

 

 

明らかに何かあったよね。これ

 

 

「いつの間にそんなに仲良くなっちゃってぇ…!?」

 

 

「私の人徳、かな☆」

 

 

「本当かなぁ…」

 

 

僕が疑っていると、花帆ちゃんがめぐちゃんに聞いた。

 

 

「…慈センパイって、梢センパイや綴理センパイと一緒に、スクールアイドルをやっていたんですよね」

 

 

「うん、そうだよ。私と梢、それに綴理の3人はね、かつて蓮ノ空学院スクールアイドルクラブに輝く希望の星ということで、蓮ノ大三角って言われてたんだ」

 

 

「蓮ノ大三角!」

 

 

「かっこいい!」

 

 

「そういうのかっこいいよね」

 

 

僕がそう言うと、梢先輩と夕霧先輩の二人も合流してきて

 

 

「…同じように『問題児』とも呼ばれていたわね」

 

 

「問題児…」

 

 

めぐちゃんに関しては思い当たる事が多すぎて、頭が痛くなった。

 

 

「そうだね~こずもめぐも、手のかかる子だったぁ」

 

 

「綴理が言わないで!/綴理が言うな!」

 

 

夕霧先輩の言葉に、梢先輩とめぐちゃんが咄嗟に返した。

おー息ぴったし

 

 

「いっつも先輩に食ってかかったのは、梢でしょ!『こんな練習で本当に『ラブライブ!優勝できるんですか』ってぇー!」

 

 

「梢センパイが…!?」

 

 

「慈のほうこそ、本当に目立ちたがりで、先輩を困らせてばっかり。『この曲はもっと私を推したほうが、ぜったい人気出ますよ☆』だったかしら?」

 

 

「めぐちゃんがー!?」

 

 

めぐちゃんの事に関しては分かる気がする。

 

 

「それが今じゃふたりとも、こんなに立派になって」

 

 

夕霧先輩は思い出に浸っていた。

 

 

「先輩方の話を聞いていると、昔のめぐちゃんの事が気になってきました」

 

 

「ルリもルリも!」

 

 

「そうだねぇ~今から、めぐの事でも話す~?」

 

 

夕霧先輩が梢にそう聞くと、花帆ちゃんが先輩方に聞いた。

 

 

「それならあたし、聞きたい事があるんですけど!」

 

 

「花帆さん、何かしら?」

 

 

「慈センパイって、もう、ダンスできないんですか!?」

 

 

「花帆さんーー」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

「でも、瑠璃乃ちゃんに教えているときは、できてましたよね?」

 

 

「ステージ上じゃなければね」

 

 

「でも、それって、治ったりとか」

 

 

「しなかった。あるいは、いつ治るのかもしれないけれど、それがいつになるかはわからないかな」

 

 

花帆ちゃんの質問にめぐちゃんはそう答えて、続けて言う。

 

 

「スクールアイドルをするのは、楽しかった。私にとっては、いい思い出だよ」

 

 

「だったら、ダンスができなくても、スクールアイドルにはなれますよね!?」

 

 

「花帆さん、さすがにそれは!」

 

 

「でも、でも、だって…」

 

 

「花帆ちゃん…」

 

 

「人にはそれぞれ、その人にとってもスクールアイドルがあるんだよ。もちろん、ダンスをしないスクールアイドルがいてもいいと、私は思うよ。けどね、それは私の重い描いた夢の形じゃないんだ」

 

 

と言って、梢先輩と夕霧先輩に感謝の言葉を述べて、めぐちゃんは思い残すことはないと言った。

 

 

「ルリ!ちょっと走ってくる!」

 

 

「えっ、なに、急に」

 

 

「まだ…まだ、ルリは諦めてないんだから!いくぞー!メラメラー!」

 

 

るーちゃんはそう言って、走り出しだした。

 

 

「あ、あたしも行く!まだまだがんばれるよ!」

 

 

「では、わたしもお供します!」

 

 

「はぁ…僕も行くしかないじゃん…」

 

 

るーちゃんを先頭に、花帆ちゃん、さやかちゃん、僕と走り出すのだった。

 

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