季節は7月の半ば。蓮ノ空は夏休みに入る少し前まで来ていた。
そして、カルフォルニアから帰国から瑠璃乃の姿が金沢にあった。
「ついにやってきたよ…蓮ノ空!ルリ、一年半ぶりの、日本!意外と、これは、ナルホド…やや暑いかも!」
久しぶりに帰ってきた瑠璃乃は、日本の暑さに懐かしさを感じていた。
「ていうか、フツーにカリフォルニアより厚くね?蒸し蒸ししてるってゆーか、ジメジメしてるってゆーか。すぅー…はぁー…。うん、ニッポンの夏、って感じする」
すると、瑠璃乃に外国人が声をかけてきた。
「ん?え?ルリにご用ですかい?はいはいなんでしょう、外国からのお客さま!」
瑠璃乃は話を聞くと、金沢市内への道を聞いてきた。
「ここから金沢市に行くためには、どーすればいいか、ってー?えーとね、ウェイト!リトルウェイトプリーズ!」
手振りを入れながら、なんとか伝わるように頑張る。
「えーとえーと!ディス!ディスウェイ!ゴーストリート!オーバー!いえすいえす!オッケーオッケー!ゴー!センキューセンキュー!おーいえーす!ゆあうぇるかむ!」
なんとかジェスチャーを入れたおかげで、伝える事に成功した。
「お、これは、もし金沢駅に向かうなら、タクシーで一緒に行こうかって誘ってくれてる感じ……?ん〜!せんきゅせんきゅ!バイバイ!ぐっばーい!ぐっどらっく!はばないすでー!」
瑠璃乃から去っていく外国人に手を振った。
「ふぅ……。送ってもらえばよかったかなあ。でも、密室の車内はかなりムリめ。いつ充電切れるか、分かんないし。はあ……、ルリはひとりでまったり、バスでいこー。でも、楽しみだなあ。蓮ノ空スクールアイドルクラブ。久しぶりにめぐちゃんとあお君に会えるし……、……楽しいことが待ってると、いいなぁ」
瑠璃乃はバスの乗って、蓮ノ空に向かって行く。
*******
瑠璃乃が蓮ノ空に向かっている時、蒼と慈の二人は、蒼の部屋に居た。
「めぐちゃん…僕の部屋で過ごすのはいいんだけどさ」
「うん?」
「無警戒しすぎじゃない…?」
「えっ?」
僕の言葉を理解できていないのか、今のめぐちゃんは私服。僕の見ている位置からだと、めぐちゃんの谷間がはっきりと見えて、そこから中まで見えそうになっていた。おまけにめぐちゃんがミニスカートを履いているので、スカートが捲れそうになっていた。
「蒼って変態だねぇ~いいよ、別に好きなだけ見ても」
めぐちゃんはそう言って、スカートの端を持って僕の事を誘惑してきた。
「い、いいから!!」
僕は、スカートを持っていためぐちゃんの手を握ってその行動を辞めさせる。
「あお//」
「なんで…顔赤いの…」
「だって…蒼が私の手を握ってくれたから//」
「…」
「ちょっと…何か言ってよ」
「いや…知らない内にめぐちゃんが壊れてて、ちょっとなんかショック…」
「そこまで言う!?」
突っかかってくるめぐちゃん。
「はぁ…るーちゃんも来月になったら帰ってくるって言ってたし、そんなだらしない姿を見たら、るーちゃん悲しむよ」
先日、るーちゃんから八月に帰国するって連絡があったのだ。
久しぶりに会えると思うと、今から楽しみだ。
「そっか…もうそんな時期になったのか…」
「今年も暑くなりそうだけどね」
夕日の差し込む窓からは、タオルで汗を拭う陸上部が見えていた。
「ね、蒼」
「うん?」
「蒼ってさ、ルリちゃんの事好き?」
「友達的な意味?それとも恋愛的な意味?」
「どっちも?かな」
「なんで疑問形なの…」
「え~だって気になるじゃん」
「どうだろう…確かにるーちゃんの事は好きだけど…それは恋愛なのかは分からないっていうのが正直な所かな」
「ふ~ん…ならいいや」
「聞いておいてその反応なんかい」
「蒼ならそういう返事をするってめぐちゃんは知ってたからね」
そう言うめぐちゃんは、ウィンクをした。