次の日、なんと僕達のクラスに転入生がやってきた。
「この時期に転入生なんて珍しいね。で、なんで二人はワクワクしてないの?」
「ふふふ、だってあたしはその転校生を知ってるからね!」
「はい。昨日お会いしまして」
「そういう事」
転入生がやってくるのに、僕を含めてワクワクしているクラスメイトに対して、日野下さんと村野さんはワクワクしてなかった。
すると先生が入ってきた。
「席着いてね」
先生の一言で、散らばっていたクラスメイトがそれぞれ自分の席に着き、みんなが席に着いた事を確認すると
「みんな座ったわね。噂を聞いてるとは思うけど、このクラスに転入生が来ることになったの。入って」
先生の一言で教室の扉が開き、クラスメイトの視線は扉に向かった。
「へっ…?」
扉から姿を現したのは、幼馴染の_
「へい!大沢瑠璃乃だよ!みんなーよろよろー!」
もう一人の幼馴染の大沢瑠璃乃。るーちゃんだった。
「あっ、瑠璃乃ちゃん、同じクラスだったんだ」
前の席に座る日野下さんがるーちゃんに色んな方法でアピールをする。
そんなアピールに気付いたるーちゃんは、手を振って。僕と視線が合い。るーちゃんの頬が赤くなったのが見えた。
「ということは、昨日はまだ転入する前に部室に来てたんですね…」
「やる気満々だね!」
なるほど。二人がワクワクしてなかったのは、るーちゃんがスクールアイドルクラブに顔を出していたからなのか。
うん…?スクールアイドルクラブに行ったって事…?
「じゃあ、大沢さんは_音羽君の隣の席に座ってもらおうかな」
「はーい!」
先生に言われたるーちゃんは、隣の空いてた席に座ってこちらを見てきた。
「久しぶりあお君」
「うん、久しぶりるーちゃん」
僕がそう言うと、ニコッと笑うるーちゃん。
午前中の授業を終えて、昼休憩の時、るーちゃんはクラスメイトに捕まっていた。
僕も逃げようとしたけど、るーちゃんに捕まってしまい、僕もクラスメイトの餌食になっていた。
「瑠璃乃ちゃんと音羽君ってどんな関係なの!?」
「うんうん!さっきるーちゃん、あお君って呼んでたもんね!」
「えっと…」
「そうだよ!ルリとあお君はね、幼馴染なんだ!」
「幼馴染なんだ!ならそんなに距離が近いの納得だね!」
「ねー」
「それでなんだけど…」
「うん」
「瑠璃乃ちゃんって何かの部活入るの?」
クラスメイトがそう言った時、クラスメイトの目に火が付いたような気がした。
「瑠璃乃ちゃん!バレーボールはどう!」
「バレーボール?あー確かに、それも楽しもうかもかもー!」
「あっ!ずるいよ!バスケはどう!」
「バスケ?いいじゃんいいじゃん、ルリってけっこう球技得意なんだぜー!」
「そうそう、るーちゃんバスケかなり上手だよ」
「なら、瑠璃乃ちゃんはバスケで決まりだよ!」
なんて会話をする僕達と少し距離を置いている二人の方から悲鳴に近い声が聞こえてきたがなんだろう。るーちゃんが他の部活に取られると思っているのだろうか…
「ねーねー!合唱部に興味ないー?」
「合唱?おっきな声で歌うの、きもちよさそー!」
「ちょいあっ!」
すると、るーちゃんの前に日野下さんが乱入してきた。
「ちょっ、いきなり割り込んできて!なにするの、花帆ちゃん!」
「ね、ねえ!瑠璃乃ちゃんってまだ学校に来たばかりだよね!だったら、あたしとさやかちゃんで、校内を案内してあげるから!」
「あー、それめちゃめちゃ助かっちゃうなー!」
そして、日野下さんはルーちゃんを連れだして廊下に_
「なんで僕まで」
「瑠璃乃ちゃんと幼馴染だからだよ!」
「説明になってない…」
「いこっ!瑠璃乃ちゃん!音羽君!すぐいこっ!早くいこっ!」
日野下さんの強引に負ける形で廊下を進む僕達。
背後では、
「あー!こらー!せっかくの、時期外れの新入部員が獲得できるって思ったのにー!」
えなさん…考える事はどこも同じなんだろう。
そして、そのまま学校案内の流れになり、食堂に居た。
「いやー、ありがとありがとー。蓮ノ空っておっきくて広いから、昨日も部室見つけるの大変でさー」
「ううん、どういたしまして」
「見つからなかったらそのまま諦めて帰って、違う部活入っちゃおうかなーとかルリ思っちゃったよね。あはは、ほーんとギリギリだった」
るーちゃんがそう言うと、二人の表情が曇った。
「お昼休みで、徹底的に校内を案内するからね!目をつむってても歩けるぐらい!」
「うぇーい!」
日野下さん主催の蓮ノ空校内探検が始まった。