問題児に紛れてピンクの人形が来るそうですよ? 作::Supiritus
では本編へどうぞ
黒ウサギたちと共にコミュニティへ向かう途中で、カービィは十六夜に声を掛けられていた。
「なあカービィ」
「ぽよ?」
「俺と一緒に世界の果て行ってみないか?お前面白そうだし」
ヤハハと笑う十六夜に対してカービィは
「とっても楽しそうだけどー・・・あのガイドのお姉さんに迷惑かかるんじゃないのかな?」
「そういうことなら行こうぜ!あの黒ウサギは弄ったり煽ったりする方が面白いだろ!」
うん。黒ウサギかわいそうに…とんでもない問題児呼んじゃってるじゃん…
「そっかー。じゃあ行く!」
まてまてまて!それにカービィは乗っちゃうのかい!
(えーだって楽しそうじゃーん)
そうですか。まあこっちは貴方を止めるすべもないので自由にやってくださいませ…
(分かった!)
「よしじゃあそうと決まれば行こうぜカービィ!」
「うん!じゃあ久遠さんに春日部さん適当にごまかしておいて!」
「分かったわ。向こうが聞いてきたら伝えておくわ。」
ちなみに飛鳥がこう答えた時にはもうすでに尋常じゃない速度ではるかとおくまでいってしまった。
「行ってらっしゃい」
『気をつけてなー』
♢ ♢ ♢
十六夜とカービィが世界の果てに向かってしばらくたった頃。
残った飛鳥と春日部、黒ウサギは都市の外壁まで辿り着いていた。
入り口には、一人の少年が座っており、それを見た黒ウサギは耳をピンとたてて走り寄って行った。
「ジン坊っちゃ~ん!!新しい方を連れて参りましたよ~!」
近づいて来る黒ウサギに笑顔を向ける少年は後ろにいる二人を見ると、待っていましたと言わんばかりに声を掛けた。
「お帰り黒ウサギ。そちらの女性二人が?」
「はい!こちらの御四人様が……」
クルリと後ろを振り向いた黒ウサギはそこにいるはずの存在が見当たらず、カチンと体を固めた。
「………え……?あれ?私の記憶に間違いが無ければもうお二方いませんでしたっけ?
ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から【俺問題児!】っ てオーラを放っている殿方と、とても人形に似ていてる可愛らしいピンク色の殿方が…」
「あぁ……十六夜君とカービィさんのこと?
彼らなら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って駆け出して行ったわ。あっちの方に。」
飛鳥はそう言い、遥か遠くに見える断崖絶壁を指差した。
「な、なんで止めてくれなかったんですかっ!?」
「だって『止めてくれるなよ』と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですかっ!?」
「……『黒ウサギが聞いてきてから教えてよ』と言われたから」
「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう皆様方!」
「「うん」」
ジンと呼ばれた少年が話を聞くと蒼白になって叫ぶ。
「た、大変です!世界の果てには野放しにされている幻獣が……」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉 で、出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません!」
「あら、それは残念。もう彼らははゲームオーバーなの?」
「……ゲーム参加前にゲームオーバー?……斬新?」
「冗談を言っている場合ではありませんっ!!!」
ジンは彼らの身を案じているのか、ことの重大さを必死に伝えようと声を張った。
「ハァ……ジン坊ちゃん。
申し訳ありませんが、御二方のご案内をお願いしても宜しいでしょうか?」
「分かったよ。黒ウサギはどうするの?」
「……問題児様方をを捕まえに参ります。
……事のついでに【箱庭の貴族】と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたことを骨の髄まで後悔させてやりますのでっ!!」
そう言った黒ウサギは水色だった髪の毛が桃色に染まっていき、ウサギ耳をピンと立てた。
跳び上がった黒ウサギは外壁の傍にあった門柱に水平に張り付き、飛鳥たちを見た。
「一刻ほどで戻ります!
皆さんはゆっくりと素敵な箱庭ライフを御堪能ございませっ!!!」
黒ウサギは壁に亀裂が入るほどの力で跳びだして行った。
その速度は十六夜とカービィの速度とほぼ同じぐらいでで飛鳥たちの視界から消える程だった。
「……。箱庭の兎も随分早く跳べるのね……。素直に感心するわ……」
「黒ウサギは箱庭の創始者の眷属。
力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限 も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが……」
黒ウサギの跳んで行った方角を心配そうな様子で見詰めるジン。
そんなジンに飛鳥は明るめの声で話し掛けた。
「……黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、お言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。
エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」
「え……あっ!はい!
僕はコミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。
齢十一になったばかりの若輩ですが宜しくお願いします。
所でお二方の名前をうかがっても宜しいでしょうか……?」
ジンはその歳の幼さを感じさせない丁寧な口調で自己紹介をした。
「久遠 飛鳥よ。そして、そこで猫を抱えているのが」
「……春日部 耀」
「……さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。
まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」
飛鳥はそう言うと、ジン、耀を連れて箱庭の中に入って行った。
♢ ♢ ♢
その頃カービィと十六夜は森の中を通っていた。そこでふと十六夜はこんなことを聞き始めた。
「なあカービィ」
「なーにー?」
「さっきから乗ってるその黄色いヒトデなに?俺かなりスピードだしてるのに余裕でついてきてるぞ…」
そう、新幹線以上の速さをだしているにもかかわらずカービィはついて行ってるのだ。
「あー。これね!これはワープスターって言ってね!僕の乗り物なんだ!」
「へー。それはカービィの【恩恵】なのか?」
「さあ?僕にもよくわからないやー」
十六夜はとても興味ぶかそうにそれを見ていた。
そしてカービィは質問に普通に答えているけど実は十六夜ですら見えない速さで木の実を食べていってる。それだけ食べるのが早いという。ありえない…
「お。どうやら着いたっぽいぞ」
十六夜は滝の流れる音で気付き、
「みたいだねー美味しい水の香りが聞こえてくるよー」
カービィは水の香りで気づいた。
「ヤハハ!カービィが美味しそうっていうならかなり綺麗な滝なんだろうな」
2人が通っていた森を抜けると、眼前に広がるのはとても大きな滝であった。
「うわぁ……」
「すごいねぇ……」
あまりの迫力に2人は感動していた。その滝はとても綺麗で透明度も高かった。
これは“トリトニスの大滝”
二人はこの壮大なそして美しい景色に心を奪われていた。
そんな中、滝壺の方から大きな音をたてながらナニカが姿を現した。
『GUGYAAAAAAAOoooo!!!!!!』
現れたのは大蛇。
その巨大さは、人など比べるのもおこがましい程だった。
これは蛇神と呼ばれるもの。確かにかなりの貫禄と重圧プレッシャーを感じられる。
『何故人間の小僧と人形がこんな所にいる』
威圧を籠めた声で2人にに問いを投げ掛けた。
「おい!今この蛇喋ったぞ!流石は【箱庭】ってか?」
「ねえねえ!この蛇食べるとしたらなにがいいかな?歯ごたえありそう!」
「いや…流石にこの蛇は食べる気にならないぞ…」
と十六夜とカービィは蛇の迫力なんか気にせず喋っていた。
『おい!お前ら無視か!?ま、まあいい。そこのお前。試練を選べ』
「お前ラムネ?」
「はあ?お前なに偉そうなこといってるの?お前なんかが俺を試すだと?舐めたこと言ってんじゃねえよ。試されるか決めるのは…」
カービィの言ってることは完全無視してそういうと、十六夜は近くにあった手ごろな石を拾い満面の笑みで
「この俺だぁぁーー!!」
と言いながらものすごい速さで蛇神に石をなげつけた。
「僕空気!僕空気!僕空気!」
そんなカービィのアピールはバッシャーーンと言う大きな音でかき消された。
♢ ♢ ♢
同時刻、黒ウサギはというと、
「バッシャーーン!!」
「な、なんですか今の水柱は!!急がないと!!」
そして着いたら、その目的の場所には案の定全身びっしょりと濡れている十六夜がいた。
「もう!一体どこまで来ているんですか!ここ"世界の果て"ですよ!」
黒ウサギは十六夜とカービィに向かってに怒鳴りつけた。
「お。黒ウサギか。なかなか早いな。こんな短時間で俺達に追いつけるなんて」
「ちゃんと遠足行くって行ったじゃーん!」
怒鳴られた十六夜とカービィは反省しているような様子は一切見られなかった。
「これが遠足って遠く来すぎですよ!それに早いのは当然です!私はなんたって"箱庭の貴族"と謳われる黒ウサギ・・・・え?」
黒ウサギのドヤ顔が驚き顔に。
(黒ウサギが・・・・・半刻以上もの時間追いつけなかった?)
黒ウサギはあまりの2人の走力(カービィは乗り物使ってたけど)の高さに驚愕した。
「さあ十六夜さんにカービィさん!あなたたちがギフトゲームを始めてしまう前に早く帰りますよ!」
「ああ、アレのことか?」
「もしかしてあの食べ物?」
『まだだ・・・・まだ試練は終わってないぞ小僧ォ!!』
十六夜が後ろを指差すと怒り狂った白い大蛇が水の中から姿を現した。
「水神の眷属・・・・蛇神!?ってものすごく怒っているじゃありませんか!」
「別に。ただ偉そうに『試練を選べ』とかなんとか上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ・・・・・・俺を試せるかどうか試させてもらった。結果は・・・・・期待ハズレだったがな」
十六夜はニヤリと笑って言った。黒ウサギは十六夜が蛇神に喧嘩売られたからボコったということを理解した。
「そりゃ怒るに決まってます!何をやっちゃってくれてるんですか!」
『付け上がるなよ人間風情が!我がこの程度のことで倒れるものか!!』
蛇神は敵意をむき出しにしている。怒り心頭のようだ。
「そういうわけだから待っててー」
「ちょ、何言ってるんですかカービィさん!相手は神格持ちなんですよ!」
神格を持ったものは時に生態系さえも崩してしまう。そんな存在と一人でやり合おうとする十六夜に黒ウサギは待ったをかけた。
「ガイドのお姉さん!もう止められないし。というか止めたらこっちが潰されちゃうよー」
「はは!わかってんじゃねえか!」
「ガイドのお姉さんって私!?黒ウサギと呼んでくださいませ!それに十六夜さん…」
「いいから黙って見てろよ・・・・大丈夫だからさ」
「え?」
『その心意気は買ってやろう!それに免じてこの一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる!』
「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」
『フン……その戯言が貴様の最期だ!』
蛇神は大量の水で10mは超えるであろう巨大な水の竜巻を作りだした。そして竜巻は十六夜を飲み込む。
「十六夜さん!!」
「・・・・ハっ!しゃらくせぇ!!」
前に十六夜は竜巻をたった一撃の拳で消し飛ばした。
『馬鹿な!?』
「ってちょっとちょっとーーー!!こっちに水がーー!!」
竜巻は消せたけど竜巻のせいで発生した津波がカービィと黒ウサギを襲う。
「キャッ!」
「こうなったら!コピー能力!パラソル!」
「え?カービィさんはどこから傘を?それよりそんな小さな傘じゃ防げませんから!」
「まあみてて!パラソルスイング!」
「嘘!?水が全部弾かれた!?」
「へー。カービィ。やっぱりお前面白いやつだな!」ヤハハと笑う
「ま、それなりには楽しめたぜ。これはその礼だ!」
そのまま十六夜は大地を蹴り蛇神の頭上に飛び上がり・・・・
ドン!
『グアッ!!』
蛇神を蹴り飛ばした。
その一撃によって蛇神は倒れ伏し、辺り一帯に水飛沫が飛ぶ。
「全く・・・・今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」
「そんな・・・・・ありえません。デタラメです」
「焼いたらいけるかな…?」
「いや…もう諦めろよ…」
黒ウサギは驚きを隠せなかった。神格を持った存在がただの腕力で倒されてしまったのだから。そんなの黒ウサギは聞いたことがなかった。
「信じられません・・・・ですが本当に最高クラスのギフトを所持しているなら・・・・」
黒ウサギは思わず笑みを浮かべた。蛇神を素手で打倒した十六夜と大きな津波を小さい傘の一振りで全てをはじいたカービィ。二人の力があれば…悲願を達成することも夢ではないと希望を見出した。とムフフと笑っている。
『雑談コーナー』
「「いえーい!」」
はい今回も始めさせていただきます。
「いやぁ…カービィがまさかあそこまであの蛇を食べたがるとは…」
「え!?十六夜君はあれをちゃんと見てないの!?」
「ん?どういうことだ?」
「あの肉厚、あの筋肉(?)、あのボリューム、黒ウサギ曰く強い…ということは美味しいに決まっているじゃないか!強いものは美味しい!十六夜君だってわかるでしょ!」
「確かに強い敵と戦えたら嬉しいし美味しい話というか…すまなかったカービィ!今からとっ捕まえて一緒に食おうぜ!」
ちょっと待て待て!十六夜も前回言ったとおり神様だよ。絶対バチあたるよ?
「ふっ…言い忘れてたがなぁ…
俺は神なんか信じねぇっ!!」
うわぁ…って、蛇逃げてる!よかったよかった…
「「ちっ…」」
はいはい。蛇は諦めて次回予告を
「ぺぽ!なんだか次回も全く進まないんだよねぇ…」
「ああ。話ばっかりで飽きてきたぜ!」
「戦闘シーンないと読者さんが0になっちゃうよ!!」
「ああ!そうだ!てか俺らが体を動かしたい!」
本当に申し訳ありません。けど次回は書き溜めていたものの2話分をまとめてしまおうと思います。ですので次回は1万字超えそうですね。
「おお!それならかなり進むのか?」
「実際は白夜叉とのギフトゲームに辿り着かなかったり…」
うぐっ…で、では次回のサブタイトルを…
「「現状そして自由なメンバー」」
また見てくださいませ。