資格を手放した元先生の繰り返した世界線での願い 作:Thinker1714
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「……分かった。直接的な戦力にならないのは惜しいが、あんたの言う通りだ。今の私たちに一番足りていないのは、長く戦うための物資と、それを安全に回す裏のルートだからね」
ヒナは銃から手を離し、わずかに表情を緩めると、俺に真っ直ぐな視線を向けた。
「……取引成立だ、ノイアンファングの社長。その迂回路の確保、いくらで引き受けてくれる?」
「いちいちそんな風に呼ばなくていい、死騎でもユウでも好きなように呼べばいい。金額と具体的な経由ルートのリストは後で端末に送る。トリニティで使える裏ルート、ブラックマーケットからリスクを承知で受けてくれそうなルート、そしていくつかの独立系の中継地点を経由させる。表向きは『どこかの馬の骨が流した密輸品』に見せかけるから、ゲヘナの監視網にも引っかからないはずだ……だが……俺個人としても雷帝がどのような情報網を持ってるのか皆目見当もつかない……そこは承知してくれ」
俺がそう言って条件を提示すると、マコトはホッとしたように胸を撫で下ろし、ヒナも深く頷いた。こうして、直接的な武力介入を避けつつ、物資の流通網でゲヘナの裏から支えるという形で、危険な取引は無事に成立したのだった。
それから数日後。
ゲヘナを揺るがす雷帝失墜への影が本格的に動き出したことで、事務所の裏社会ネットワークには不穏な情報が次々と流れ込んできていた。まだ小さい動きだがいつ大きくなるかわからないために本格的にリソースを割かざるを得ない以上、他の自治区の人間を不用意にこの拠点へ近づけるわけにはいかない。
俺はデスクの端末に向かい、数通の暗号化されたメッセージを作成する。
送り先は、接点を持ったアビドスの連中と、トリニティ自治区の者たちだ。
(……さて、厄介事の規模がデカくなりすぎる。アビドスやトリニティの連中が好奇心や義理立てしてここに顔を出したりでもしたら、雷帝の報復の巻き添えになりかねん。しばらくは『出入り禁止』の通達を出しておくとしよう)
『しばらくの間、こちらの都合で事務所への来訪、および依頼の受付を一時凍結する。用事があってもこちらから連絡するまでは近づかないように』――そう記した冷徹な警告文を、それぞれの安全な回線へと送信する。
情に流されて身内や関係のない生徒を危険に晒さないのも、裏社会の人間として生き残るための鉄則だった。
通信を終えてふと息をついた時、事務所の隅のソファーで、マコトとヒナの二人がようやく張り詰めていた糸を切っているのが目に入った。
ふと視線を向けると、ヒナの顔には連日の過酷な情報収集と寝不足による深い「目の下のクマ」が刻まれており、マコトもまた、先ほどから服の隙間から覗く肌に痛々しいかすり傷や打撲の痕を隠しきれていずにいた。マコトの原作での性格を考えたら、雷帝に常に可愛がられていたことは想像に固くない。だからこその恐怖のなかに身を置いてきた少女たちの、限界ギリギリのボロボロの姿がそこにあった。
「……おい、そこまでだ」
俺が声をかけると、想定していなかったのかビクッと肩を揺らした二人がこちらを向く。
「なんだ! まだ交渉の追加条件か!」
「……っ、急に大きな声を出さないでよ……」
「そこまで大きな声じゃないし……追加条件でもない。……少しはそこで休んでいけ」
俺はデスクから立ち上がり、事務所の戸棚から簡易的な医療キットと、少しばかりマシな温かい飲み物を取り出すと、二人のテーブルへと無造作に置いた。
「これから戦うって時に、お前らが過労とボロボロの身体でぶっ倒れたら、お前たちを信じてついてきてくれる奴らはどうなる?それにこっちの物資ルートの構築もパーになる。幸い、ここはゲヘナの監視も雷帝の目も届かない『中立地帯』だ。……少しぐらい、気を抜いていけ」
俺の言葉に、ヒナは驚いたように目を丸くし、認めたくないとでも言うように小さく息を吐いた後、苦笑しながらソファーに深く身体を預けた。
マコトもまた、強がりを言う気力すら失ったのか、素直に包帯を受け取り、静かな事務所の中で束の間の休息へと沈んでいくのだった――。
静まり返った事務所の中で、俺はふと体内のナノマシンによるスキャニング結果に違和感を覚えた。二人の制服、その縫い目の内側から発せられていた微小な異物反応に気づき、思わず眉をひそめる。
「……おい、動くな。束の間の休息すら、のんびりとは味合わせてくれないらしいな」
低く鋭く発せられた俺の警告に、ヒナとマコトが怪訝な表情をしてこっちを見る。
しかし、俺が狙っていたのは彼女たち自身ではない。その身に纏う制服の、微かに縫い目を違えた内側に仕込まれた極小の――雷帝が作り上げたであろう盗聴器だった。
「っ、なんだ急に……!」
「待て、ユウ、それって……!」
言葉で説明している暇などなかった。俺は躊躇うことなく、ヒナの制服の襟元とマコトのジャケットの内側から、縫い目を強引に引き裂くようにしてその発信機をひっぺがす。
だが、遅かった。
パチッ、と冷たい電子音が鳴り響き、デバイスのランプが赤く点滅したかと思うと、音を拾い終えた回路が焼き切れるように沈黙した。
……完全に、向こう側に聞かれた後だ。
「くそ……! そこまでするか……雷帝! ここまで周到に監視網を……」
俺が舌打ちをして握り潰した発信機の破片を見つめる中、ヒナとマコトの顔色が一気に青ざめる。表では自分たちが忠実に雷帝の駒として動いていたつもりが、信用すらされずに監視下に完全置かれていたこと、そしてこの中立の隠れ家すらも特定されたかもしれないという最悪の事実が、二人の背筋を凍らせていた。
「……すまない、下手をするとここに襲撃があるかもしれない。二人はすぐにここから離れろ。追手が来る前に、ゲヘナの奥深くへ姿を隠すんだ」
二人が慌てて事務所を飛び出していった後、俺は冷や汗を拭う暇もなく、再びデスクの端末に向き直った。
先ほどアビドスやトリニティに送った「しばらく近づくな」という通達だけでは甘すぎる。雷帝のシンパ等が武装して、ノイアンファングや関係のないブラックマーケットのほかの区画にも襲撃をかけるおそれがある。それに繋がりのある他の自治区へと真っ直ぐに向かうのは確実だった。
「……チッ、余計な仕事が増えたな」
俺は慌ててキーボードを叩き、アビドスのホシノやユメ、そしてトリニティのナギサたちの安全な個別回線へと、新たな緊密の警告文を打ち込む。
『――計画が狂った。こちらの拠点に雷帝の虫がついていた。ゲヘナの動きが本格的にこちらへ波及する。アビドスもトリニティも、当分の間はいかなる理由があってもブラックマーケットやうちの周辺に近づくな。連絡を断つ』
発信完了のランプを確認した瞬間、俺は端末の電源を強制的にシャットダウンし、事務所の迎撃・隠蔽プロトコルを起動させるのだった――。
盗聴器の一件から一夜が明けた翌日。
『ノイアンファング』の拠点に、ゲヘナ学園の制服を着た生徒がやってきて一通の手紙を届けていった。それは、ゲヘナの権力そのものが直接叩きつけてきたような、極めて自信に満ち溢れ、不敵で傲慢な「招待状」だった。
――『我が愛しき反逆者たちの協力者よ。一度、我が宮殿にて茶でもいかがか? ――雷帝より』
手紙に書かれた文面を見た瞬間、事務所の空気が一気に凍りついた。
雷帝はすでに、マコトとヒナが接触していたのがこの場所であることを完全に把握している。あの盗聴器には発信器だけでなく位置特定機能も組み込まれていたらしい。その上で、隠れ家を急襲して押し潰すのではなく、あえて「当事者である俺を直接ゲヘナの本丸へ招待する」という選択を選んだのだ。
すべてを百も承知の上で、手のひらの上で踊らせるようなその圧倒的な格の違いと狂気。相手の真意を探るためには、こちらからも直接赴くほかなかった。
だが、その決定を俺が口にした瞬間、事務所のロビーは凄まじい反発の嵐に包まれた。
「はぁっ!? アニキ、正気かよ!?」
「いくら何でも無茶苦茶だぜ! 相手はあの『雷帝』だぞ!? ゲヘナの奥深になんか踏み込んだら、二度と生きて帰れねぇかもしれねぇんだぞ!」
集まったスケバンたちやヘルメット団の部下たちが、血走った目で俺を取り囲む。普段は荒くれ者で冷徹な裏社会の連中が、これほどまでに必死に俺を引き留めようとしているのは、ひとえに雷帝という名前が持つ圧倒的なトラウマと恐怖の表れだった。
その猛反対の群れの中で、一人のスケバンの少女――元ゲヘナ学園の生徒だったという彼女が、悔しそうに歯を食いしばりながら俺の服の裾を掴んだ。
「……アニキ、頼むからやめてくれよ! あたしは昔、ゲヘナでアイツの支配がどれほど狂ってて、逆らった奴らがどんなことされてきたかを見てきたんだ……! あんな化け物の巣窟に、たった一人で乗り込むなんて自殺行為だ! 行かせない、絶対に!」
彼女の震える声には、単なるワガママではなく、かつて自分が捨てた母校の支配者に対する本物の恐怖と、俺を失いたくないという必死の忠義が込められていた。部下たちの視線が、痛いくらいに俺に突き刺さる。
「……気持ちはありがたく受け取っておく。だが、行かなきゃならない理由があるんだ」
俺は心配そうに見上げてくる彼女の頭に軽く手を置き、制止を振り切るように奥のプライベートルームへと向かった。
――もちろん、何の備えもなしに単身で虎口に飛び込むほど、俺も愚かではない。
実験室の無機質なカプセルの中で、微小なナノマシンの群れが微弱な光を放ちながら、俺自身の肉体と完全に同等の構造を形作っていく。それは肉体だけでなく、脳の神経回路、記憶の蓄積、そして今の「自我」のすべてをリアルタイムで同期・複製した、いわば『もう一人の俺』だった。
万が一、ゲヘナの本丸で雷帝の手にかかり、本体ごと消し飛ばされるような事態が起きたとしても、このナノマシン製のコピーが機能している間は、表向き俺の死を偽装し続けることができる。さらには、現地の情報をリアルタイムでここへ転送するための保険にもなる。
「……頼むぞ。『もう一人の俺』」
カプセルから滑り出してきた、鏡写しのように全く同じ自分自身に短く声をかけ、俺はコートの合わせ目を正す。
もしものための分身を小型化隠し持ち、すべてを飲み込む覚悟を決めた俺は、見送りすら拒むように背を向け、雷帝の待つゲヘナ学園へと足を踏み出したのだった――。
ゲヘナ学園の自治区へと足を踏み入れた瞬間、俺の背筋に冷たいものが走った。
――静かすぎる。
自由奔放で、常にどこかでドンパチや言い争いが起きているはずのゲヘナの街並みは、嘘のように物静かだった。通りを歩く生徒たちはみな一様にうつむき、怯えた足取りで足早に過ぎ去っていく。まるで目に見えない巨大な首枷に繋がれているかのような、不気味で淀んだ空気が街全体を支配していた。荒廃しているのとは違う、恐怖によって「飼いならされた」圧倒的な静寂。それが今のゲヘナの現状だった。
その異様な街並みを抜けて学園の本館へと向かった俺は、厳重な警備に囲まれながらも「万魔殿(パンデモニウムソサエティ)」の執務室へと通された。
重厚な扉が開くと、そこに待っていたのは――。
玉座のような椅子に深く腰掛け、底知れぬ冷気をまとった「雷帝」その人だった。
「よく来てくれたね、裏社会の何でも屋。……いや、『ノイアンファング』の社長くん」
雷帝は不敵な笑みを浮かべ、紅茶のカップをソーサーに置く。その圧倒的な威圧感と、狂気を孕んだ瞳に、ナノマシンで構築された神経回路がピリリと警告を発する。
「ご招待にあずかったわけだが……盗聴器でこっちの動向を探っておきながら、わざわざ俺を呼び出した真意は何だ? マコトやヒナならともかく、わざわざ外部の個人である俺を標的にした理由を聞こうか」
俺が率直に問うと、雷帝は愉しげにフッと鼻で笑った。
「簡単なことさ。君の組織の動きがね、最近やけに目障りなんだよ。ブラックマーケットでの余計な治安向上、そしてあの手この手の巧妙な物資の流通網。おまけに、君が作り出す道具や技術は、うちの技術部が舌を巻くほど質がいい。――だからさ、これからはうちの軍門に下り、ゲヘナの直轄の御用商人として便宜や融通を利かせなさい。そうすれば、君の命も組織の安全も保証してあげよう」
一方的な命令と、甘い蜜に包まれた首輪の提示。
だが、俺はその要求に鼻で笑い返して取り合わなかった。
「断る。それに、一つ聞いておきたいんだが……なぜこの学園を、ここまで徹底的に抑圧する必要がある? 自由と混沌こそがゲヘナの持ち味だと思っていたがね」
俺の問いに、雷帝の表情からわずかに温度が消えた。
「混沌や自由? そんなものは子供の気まぐれに過ぎない。このキヴォトスという歪んだ世界を完全に支配し、統率するためには……恐怖こそが一番の王道だ。恐怖で心を縛り上げ、逆らえない絶対の秩序を作り上げる。それ以外に、愚かな生徒たちを導く方法などないのさ」
「……そうか」
俺は冷ややかに息を吐き、立ち上がった。
「なら、これ以上話すことはない。そんな狂った支配に手を貸す義理もなければ、お前の下につく気もない。……お暇させてもらう」
俺が背を向けた瞬間、カチャリ、と部屋の四方から一斉に銃が構えられる音が響いた。
――案の定、すんなり帰す気など最初からなかったらしい。扉の向こうからも無数の足音が押し寄せ、万魔殿の執務室は瞬く間に完全包囲された。
「逃がすわけないだろう? 拒絶するというなら、ここでその便利な脳味噌を有効活用してあげよう。幸いあなたにはヘイローがなく、しかも男……加えて私は女。いくらでも利用価値はあるというもの……!」
雷帝の冷徹な号令とともに、周囲の生徒たちが引き金を引く。
「なっ……!!」
だが、蜂の巣にされたのは、あらかじめ万魔殿に潜り込ませていた分身体に過ぎない。
この瞬間を狙って、俺の本体はあらかじめ安全圏に用意しておいた肉体へと意識を完全にすり替えていた。――チェスにおけるキャスリング*1の如く、危険を察知した瞬間に本体と分身の位置・主導権を入れ替えたのだ。
閃光のような硝煙のなか、本体はすでに裏の脱出ルートへと身を滑らせており、室内に残された2体の分身体が暴れ出す。
本体と完全に同等の構造を持ちながらも、戦闘用に肉体の強度と反応速度を限界まで引き上げた分身体が爆発的な加速を生み出す。
銃撃の嵐を紙一重でかわしつつ、分身体は懐へと踏み込み、手近な生徒の銃身を近接戦闘術で叩き折る。さらに、もう1体が絶妙なタイミングで室内の注意を引きつけ、その隙を突いて窓ガラスを盛大に蹴破って外へと飛び出した。
――窓を割って派手に飛び出したのは、敵の目を完璧に引きつけるためのダミーだ。本命の分身体もまた、雷帝や衛兵たちの度肝を抜くような無茶苦茶な暴れっぷりで、完全に視線と戦力をその場に釘付けにする。
――そして数分後。
安全な距離まで離れた本体からの回線を通じて、脱出成功の信号を受信した瞬間。
暴れていた2体の分身体は、ピタリと動きを止めた。
直後、雷帝や衛兵たちの目の前で、分身体を形作っていた無数のナノマシンが音もなく崩壊し、サラサラとした無害な有機肥料へと変化して床へと溶け落ちていく。解析の手がかりすら一切残さない、完璧な消滅だった。
一方、敵の陽動に成功した裏で、本体である俺自身は幾重もの包囲網の隙間を縫うようにして抜け出していた。
――流石は雷帝の本丸だ。万魔殿の防衛人員だけでなく、学園の要所や通りの隅々にまで徹底的に精鋭が配置されており、どこへ抜けたところで包囲網の厚さは変わらない。まともに正面から突破しようものなら、あっという間に蜂の巣にされるような隙のない布陣だった。
俺は敵の目を盗み、死角を縫うようにして裏通路や外壁、下水道へと身を滑り込ませる。途中、追手に利用されそうな監視カメラの回路を次々と焼き切っていく。
その際、ふと血管内を巡るナノマシンに意識を集中させ、体表の光学的・熱的反射を完全に消去する『光学迷彩』へと移行しかけ――俺は寸前でその思考を強制停止させた。
(……いや、ここで使うのは悪手だ)
そもそも、俺が普段から使っているこのナノマシン技術は極めて安全に設計されている。
都市のインフラスキャンなどに散布したものは、制御下から外れた瞬間に無害な有機肥料へと分解・土壌化する。また、ブラックマーケットに卸している道具や素材に混入させたナノマシンも、用途の形に定着した瞬間にただの金属や物質へと『マテリアル変化』を起こして不活性化するため、技術の流出や解析は絶対にされない仕組みだ。
平時の俺の肉体だって、このマテリアル変化のおかげで普通の人間と何ら変わらない生身の肉体を維持している。
だが、今やろうとしている「動的な光学迷彩」は違う。
可視光だけでなくサーモグラフィー、エコーロケーション、果てはX線すら完全に無効化し、文字通り「存在そのものを視覚・物理情報から消し去る」このトンデモ仕様の動的制御は、ナノマシンがリアルタイムで稼働し続けなければ成立しない。
もしもこの「消える現象」そのものを、あの化け物じみた雷帝の目に直接見られたり、詳細な観測データとして残されたりしたらどうなるか。
物質としての解析はされずとも、雷帝ほどの狂気的な頭脳と技術力であれば、「物理法則を無視した動的制御システムが存在する」という事実そのものを足がかりに、対抗策や模倣の糸口を掴みかねない。そんな真似を許せば、これからマコトやヒナたちが決死の覚悟で起こそうとしているクーデターなど「お遊戯」のレベルで握り潰され、間違いなく二人の尻尾を掴まれて終わるだろう。
自分一人の生還のために、この世界で最強のジョーカーの片鱗を敵にくれてやるわけにはいかない。
俺はあえてそのノーモーションの迷彩能力を使うことを封印し、自らの肉体の限界を引き出した純粋なパルクールと、裏社会で培った泥臭い隠密の足技だけで、幾重もの包囲網を紙一重でかすめ取るようにして抜け出していく。
追撃の網をどうにか振り切り、命からがらゲヘナの自治区から逃げ切ることに成功するのだった――。
無事に生還を果たし、拠点に戻った俺は、ふと今回の件で気になっていた大きな違和感を思い返していた。
――そういえば、万魔殿や学園内を駆け抜けたとき、そして街の様子を見たとき。
マコトやヒナの姿や気配はゲヘナのどこにもなかった。それどころか、風紀委員会を支えるはずの他のゲヘナの3年生たち(サツキやアコなど、本来ならこの時期にいるはずの顔ぶれ)の姿すら、影も形も見当らなかったのだ。
雷帝の圧倒的な恐怖政治の裏で、彼女たちはいったいどこへ消えたのか。
苦渋の表情が残る端末の画面を見つめながら、俺はさらなる不穏な影に身構えるのだった――。
オリジナルのゲヘナ編を早く終わらせたい(苦笑)
多分後1話で終わらせたい。
デカグラマトンとの対話やミレニアムはまだなんとかなりそう……
それではまた
今の文章量で良いのか読み足りないのかわからないので皆さんの意見を参考にします
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今の4千〜5千字くらいの目処
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5千〜1万字くらいの目処
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1万以上を目処