世界の終わりに、何の話をしようか 作:獅子唐の遺跡
オリジナル作品は初めてなので初投稿です。
温かい目で見てください。
時間
———年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず。
この詩が生まれたのは、人間だからこそ…というわけではない。
たとえ人でなくとも、他の物より永くを生きる者は同じようなことを詠うだろう。
永遠を前にすれば、全ては絶対的な虚しさに包まれる。
人は生きるだけで永遠と似た虚無感、つまり世に言う充足を得る。
そして薄れていく過去に怯え、必死に抗い、歴史の狭間に消えていく。
消す者は様々だろう。永遠を妬んだ者、全てを統治する者、既に永遠を得た者。……私。
突然話し出してしまってすまない。いや、表面上の謝罪であって、この話において私に謝る必要はないんだが。
……?
ほぉ。興味が湧いたのなら、聞いておくといい。
飽きたら去っていいし、気が向けばで聞き続けてくれ。
そうだな……じゃあ、『時間』について話そうか?
かつて存在したある者たちは、こう語った。
『時間が戻らないのは、我々の認識のため』だと。
時間はときに高速で過ぎ去り、ときに中々その歩みを進めようとしない。…だが、決して戻りはしない。
それは、全ての人間が"そういうもの”だと固定的な概念で規定しているからとも。
真偽は分からず終いだ。私がみんな殺したから。
間違ってはいないんだ。それが可能であるかどうかはさておき、概念による固定というものは理を歪めることに繋がる。その点においては正解だと言っておこう。
……興味深いと思ってくれたか?それなら話した甲斐があったというものだ。
今の時間の進みはどうかって?ははは……。
この世界に存在する知的生命体は、もう多くはない。その中で時が戻る、かつての栄華を望むものは大量にいるが、望むだけではいけない。望むのではなく、そういうものだと規定するのだ。
盲信……まぁ、碌なものじゃないけど、可能性は0じゃなかった。
おっと、答えを他の話で曖昧にしてしまった。すまない、そういうものなんだ。そうあれと生み出された者の宿命だから、許してくれ。
……答えとしては、『既に時は戻り始めている』。逆行している相手は私たちより先を行く存在である以上、先行されているのだろう。面白いと思わないか?自分よりも昔の存在が、未来を超えていくのはさぞかし…。
———あぁ、すまない。冗長になりすぎてしまったね。
話はもう終わり。また話がしたい、聞きたいのなら、ついてくると良い。
力もない、目的もない、後ろ盾もない。私のお話に付き合って、一緒に歩き続けるほうが君にとってもいい人生になると思うよ。
少なくとも、孤独で死ぬことはないのだから。
じ‐かん【時間】
1 ある時刻と他の時刻との間の長さ。ある長さをもつ時。「この仕事は時間がかかる」「待ち合わせの時刻まで映画で時間をつぶす」
2 時の流れの中の、ある一点。時刻。とき。「時間どおりに開会する」「出発の時間に間に合う」
3 時の長さを数える単位。時じ。「1時間は60分である」
4 授業や勤務など、ある一定の区切られた長さの時。「算数の時間」「勤務時間」
5 哲学で、空間とともにあらゆる事象の最も基底的、普遍的な存在形式。また出来事が継起する形式。過去・現在・未来の三様態をもち、常に一方向に経過し、非可逆的である。近世以降の哲学的時間論では、空間とともに現象を構成する直観の先天的形式(カント)、意識の創造性を担う純粋持続(ベルクソン)、意識における広がりのある今の継起たる現象学的時間(フッサール)など特色あるものが出されている。
6 現象が経過していく前後関係を明示するための変数。古典力学では空間に対する独立した変数とみなされたが、相対性理論では空間とともに四次元の世界をつくるとされる。
引用元-コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E6%99%82%E9%96%93-72507