グルメ細胞が進化していくと特異な能力まで発現することがあるが、俺の場合だと振動を自在に発生させることが可能となり、所持しているナイフを、メタルギアソリッドに登場する高周波ブレードのようにすることも可能であった。
長さからしてブレードというよりは高周波ナイフといったところだが、硬い甲殻を持つ生物であろうとバターでも切断するかのように容易く斬ることが可能になって、大概のものが斬れるようになった高周波ナイフ。
常人の目には見えない程の速度で振動し、斬れ味を向上させた高周波ナイフを振るい、体表に美炭酸カルシウムで形成されている甲殻を持つロックドラムという猛獣を甲殻ごと寸断し、珍味と言われるロックドラムの肉を余すとこなく喰らい尽くす。
味わいとしては脂肪が固いが噛み締めるごとに旨味が出てくる肉であり、常人では噛めないような肉の固さからすると好みが分かれるが、俺なら問題なく噛みちぎれるので、嫌いな食材ではない。
獲物を狩って喰らうという日々を繰り返している最中に、見付けた他の食材も食べておく俺。
クリーム松茸は、生でポリポリと食べても美味しく食べられる食材で、甘みの強いキノコであるがクセがない味わいであり、サーロインキノコは脂がのったサーロインのようなキノコだったが、上質なサーロインの味がするキノコであった。
ちょっとひと休みした洞窟内に生えていたポキポキキノコは、生で食べるとポキポキと固い食感があるが、その食感がクセになるようなキノコだったな。
他にもプリンのようなキノコであるキノコプリンなども発見したが、導かれるようにキノコ系の食材と出会うことが多かった今日は、そんな日であるのかもしれない。
何となく直感で移動を続けた先で熱帯の森に足を踏み入れると、そこを生息地にしていた野生のバジュルコッコという鳥獣と戦うことになる。
捕獲レベル74のバジュルコッコは双頭の鳥獣であり、4本の足とニワトリの頭を持っていた。
捕獲レベル5程度のガララワニや、捕獲レベル27のロックドラムとは比較にならない強さの鳥獣であるバジュルコッコは、修行前のトリコ達では勝てなかった猛獣であるが、グルメ細胞の進化を複数回経験した今の俺なら問題なく倒せる相手だ。
振動を乗せた拳をバジュルコッコへと叩き込むと、バジュルコッコという鳥獣の細胞組織が内側から破壊されていき、内部から破裂したバジュルコッコの双頭。
ゼブラが使えるようになるビートパンチと似たような技ではあるが、その内殴らなくても振動だけを飛ばせるようになるかもしれないな。
頭部を無くしたバジュルコッコの肉を喰らってみたが、捕獲レベルが高いほど美味い食材であるこの世界で、74という捕獲レベルを持つバジュルコッコが不味い訳がなく、これまで食べてきたニワトリの中で1番美味い鶏肉なのは間違いない。
しっとりとした肉質でありながら旨味が凝縮された鶏肉を噛み締める度に、口内に広がる美味なる味は「美味すぎる!」と思わず叫びたくなるような味わいだった。
バジュルコッコの血肉を残さず喰らい尽くしておくとグルメ細胞が進化していったようで、更に身体が強靭になったことが感じ取れたが、微弱な振動を飛ばして周囲の物体を探知することも可能になり、試しに飛ばした振動で食材を発見。
ジューシイタケという熱帯の森でしか取れない食材であるそれを食べてみると、まるで霜降肉のようにジューシーな味わいのシイタケであったが「美味いじゃないか」って感じな味ではあったな。
一部の場所でしか生育しないジューシイタケを見付けられたのは幸運だったと言えるだろう。
その後、熱帯の森でスマッシュルームというキノコ系の食材を見付けたが、叩くとスパイスの胞子を散布するスマッシュルームは、散布される胞子が多いほど美味くなる食材だ。
表面が非常に固いスマッシュルームから大量の胞子を放出させるには、強力な打撃力が必要になるが、今の俺なら問題ないと判断し、スマッシュルームに打ち込んだ拳。
周辺一帯が、放出されたスパイスの胞子で埋め尽くされるほどに強力な打撃により、最高に美味くなったスマッシュルームに喰らいつくと、もちもちとした食感のスマッシュルームはキノコの旨味とスパイスの味わいが組み合わさった味で、とても美味い。
スマッシュルームの味わいには満足したが、まだ満腹にはなっていない俺は熱帯の森を出て移動し、夜の高原を歩いていたが、真夜中だろうと昼間のように感じ取れるこの目は、接近してくる般若パンダの姿も正確に捉えていた。
捕獲レベル80の般若パンダは、バジュルコッコよりも捕獲レベルが上であり、戦闘力も低くはない。
しかしバジュルコッコを喰らい、細胞が段違いに進化した今の俺には、般若パンダの動きが全て感じ取れており、振り下ろされる般若パンダの腕もスローモーションのように見えている。
般若パンダが此方に打撃を叩き込もうとする僅かな一瞬の間に、鞘から引き抜いたナイフに高周波を纏わせて振るい、瞬くよりも速く般若パンダの肉体を分割して解体することが可能であった俺。
斬り分けられた般若パンダの肉を喰らっていくと、良い味をしていた般若パンダの肉。
大量にある般若パンダの美味い肉を夢中になって残さず食べた俺は、ようやく満腹となることができた。
満たされたことでようやく眠気が出てきた俺は、手頃な場所で睡眠をとっておく。
30分ほど眠れば、しばらく不眠不休で動けるこの身体は、体力も超人的であるのは確かだ。
まあ、短時間の睡眠で充分に疲れが取れるのは、悪くない。
グルメ細胞の進化を複数回経験した主人公は、修行前のトリコ達よりも格段に強かったりします
ちなみに現在はトリコ達が生まれる前だったりしますね