七月の終わり、カンザスシティの編成担当者たちは、開幕前の判断が思いもよらない形で裏目に出ようとしていることを認めざるを得なかった。
チームは20の負け越しを抱え、地区四位。ワイルドカード圏からも大きく離されている。
だが、それ自体は想定の範囲内だった。チームはまだ再建の途中にあり、今季の成績だけを理由に、将来を担う若手を放出してまで補強へ動く段階ではない。チームの顔であるホイットニー・ジュニアの全盛期を考えれば、向こう数年のうちに戦力を整える必要はあるが、オールインするのは今年ではない。
問題は、日本から獲得した左腕だった。
――底ノ尾真英。
球速はメジャーの平均を下回るが、高い回転数のストレートと鋭いカットボール、チェンジアップを操り、四球をほとんど出さない。カンザスシティの編成は、彼を先発ローテーションの四、五番手として見ていた。防御率は四点台。大崩れせず、五回から六回を投げて試合を作ってくれれば十分。だからこそ、メジャー契約を保証しないマイナー契約で獲得できた。
ただし、球団内の評価が最初から一致していたわけではない。真英の獲得を強く推したのはGMだった。日本での登板映像だけでなく、ありとあらゆるデータを調べ上げ、この投手はメジャーでも先発として通用すると主張した。最後には自ら真英の代理人へ電話をかけ、単なる保険ではなく、先発候補として見ていると伝えている。
一方、編成部門の最高責任者は慎重だった。真英の投球術は評価していたが、球速の不足と、それまで日本で積み重ねてきた膨大な投球回による故障リスクを無視することはできない。獲得そのものには反対しなかったものの、将来の主力として計算するには未知数が多すぎるという立場だった。
日本で実績を残しながらも、適応できずに消えていった日本人投手は多い。日本人投手というくくりで見た時、最高責任者の所見は、アメリカ球界としてはスタンダードだと言えた。
とはいえ、最終的にはGMの熱意が通り、真英はカンザスシティへやってきた。ところが、ふたを開けてみれば、彼は想定していたよりもはるかに優れた投手だった。
スプリングトレーニングで結果を残して開幕ロースターに滑り込むと、そのまま先発ローテーションへ定着した。五回、六回を投げるだけではない。球数が百球を超えても制球を乱さず、七回、八回まで平然と投げ続ける。すでに完投、どころか完封勝利も記録し、防御率は三点台前半。カットボールはメジャーの打者から空振りを奪える決め球となり、疑問視されていたストレートも、想像以上の威力を発揮していた。
この時点での成績は、21試合に先発し、7勝7敗、防御率3.28。153回2/3を投げて、107奪三振、与四球は24個のみ。
真英は、試合を壊さない先発ではなかった。試合を支配できる先発になりつつあった。
先発投手の需要が高まり続けるメジャーリーグにおいて、その価値は言うまでもない。ポストシーズンを狙うチームにとって、登板するたびに七回前後まで投げ、ブルペンを休ませられる先発は喉から手が出るほど欲しい存在だった。
ましてや左投手で、残りの年俸も安い。トレード・デッド・ラインが近づくにつれて、カンザスシティのもとには真英についての問い合わせが増えていった。
皮肉なことに、真英を獲得したこと自体は大成功だった。
編成部門が後悔しているのは、契約二年目の主導権を真英側に渡したことだった。
真英がカンザスシティと結んだのは、一年のマイナー契約だった。しかし、契約期間が一年だからといって、その年限りで自由になれるとは限らない。メジャーへ昇格した選手は通常、サービスタイム(メジャー登録)が通算六年に達するまで、球団が保有権を維持できる。
ただし、契約にはメジャー昇格時の年俸だけでなく、シーズン終了後に真英側の意思でフリーエージェントになれる特別条項が含まれていた。その権利は、球団が契約を選択し、真英を40人枠へ加えたあとも消滅しない。
その条件を求めたのは、真英の代理人を務める妻だった。海外FA権を行使して日本を離れる以上、メジャーで結果を残しても、その後何年も球団に保有され続ける契約は受け入れられない。メジャー契約を保証されないことは呑む。その代わり、実力で居場所をつかんだ場合には、翌年以降の進路を自分で選べるようにする。
カンザスシティも、当初は二年目の保有権を球団側に残そうとした。しかし、それでは真英側が契約に応じなかった。というか、真英は細かいことを小春に任せきっていた。
GMは、それでも契約をまとめるべきだと主張した。条項を拒めば、真英はほかの球団へ行く。そもそも、マイナー契約で獲得した二十八歳の投手が、わずか一年でオプトアウトを行使するほどの市場価値を得る可能性は低い。まずは選手を確保しなければ、何も始まらない。
最高責任者は最後まで二年目の保有権にこだわったが、最終的には要求を受け入れた。当時の判断として、少なくとも不合理ではなかった。
真英は日本で九年間、先発転向以降は、一度もローテーションから外れることなく投げ続けていた。毎年のように180回以上を投げ、ときには130球を超えてもマウンドを降りようとしなかった。医療検査で明確な異常は見つからなかったものの、その肩と肘にどれだけの負担が蓄積しているのかは、誰にも分からない。加えて、メジャーでは登板間隔も、ボールも、マウンドも変わる。球速のない日本人投手が、こちらの打者を相手にどこまで通用するかも未知数だった。
もし適応できなければ、一年で契約を終えればよい。通用したとしても、先発四、五番手程度の成績なら、真英が市場へ出るよりも、カンザスシティで二年目を迎える可能性は残る。その時に、割安で延長契約を渡せば良い。
球団の負うリスクは小さいはずだった。ただ一つ、真英がオプトアウトを行使するかどうか迷う余地すらないほど活躍する可能性を、彼らは低く見積もっていたのだ。
――GMを除いて。
彼だけは当初から、真英がメジャーで通用すると言い続けていた。
そのGMでさえ、ここまでの活躍を正確に予想していたわけではない。自分の見る目が正しかったという満足よりも、その選手を一年で手放さなければならない可能性のほうが、今でははるかに彼の内を占めていた。失敗だったとは言わない。ただ、さらに良い未来を掴める可能性を逃したことが、心残りだった。
いまや真英がシーズン終了後もカンザスシティに残る可能性は、ほとんどなかった。
球団は六月の時点で契約延長を打診していた。GMが最高責任者を説得し、当初の想定よりも大幅に条件を引き上げた提案を用意したのである。
だが、真英側に急いで応じる理由はない。残りのシーズンを健康に投げきれば、先発投手を求める複数の球団から、複数年のメジャー契約を提示される。現在の市場価値を考えれば、カンザスシティが多少条件を上積みしたところで、交渉をまとめるのは難しかった。
金を払えないわけではない。しかし、一年の実績しかない二十八歳の投手に、再建計画を左右するほどの金額と契約年数を提示することが、球団にとって正しい投資なのか。それは別の問題だった。
このまま真英を残せば、シーズン終了後にフリーエージェントとなる。クオリファイング・オファーを提示し、他球団と契約した際の補償指名権を得る道もあった。だが、そのためには真英がオファーを拒否することを前提にしなければならない。現在の市場価値を考えれば、真英が一年契約のオファーを受け入れる可能性は低いうえに、一年だけ残ってもらったところで、カンザスシティ側のメリットは乏しかった。そして、健康なままシーズンを終えれば、複数年契約を提示する球団はいくつも現れるだろう。
しかし、いま市場に出せば、補償指名権一つ以上の見返りを得られる可能性が高かった。カンザスシティは今季、ポストシーズンを争っていない。真英が残り二か月を好投したところで、チームの未来が大きく変わるわけではない。
一方で、コンテンダー・チームへ移籍させれば、複数の若手選手を獲得できる。彼らが数年後、ホイットニー・ジュニアを中心とするチームの一員になっている可能性もある。
真英を獲得したことは成功だった。長く保有できる契約を結べなかったことは、結果として機会損失になった。そして、ここから何も得られないまま手放せば、それは明確な失敗になる。
であれば、切り替えるしかない。真英の価値が最も高くなっている今、よりよい未来へ換える。
それが、最高責任者の結論だった。
カンザスシティの編成部門は、各球団から届いた提案を会議室のテーブルへ並べた。その中で最も熱心だったのは、先発投手の補強を必要としているシアトルだった。
トレード成立! 底ノ尾が3選手と交換でシアトルへ!
[名無しの代走]
カンザスシティとシアトルは31日、底ノ尾真英投手(28)を含む1対3のトレードが成立したと発表した。カンザスシティは交換要員として、シアトルの球団内プロスペクトランキング8位の遊撃手マルコ・サラザール(21)、同17位の三塁手タイラー・ベンソン(22)、同29位の一塁手ジョセフ・パスカッチ(20)を獲得する。
[名無しの代走]
シアトル!?
[名無しの代走]
ファッ!?
[名無しの代走]
かしわだ「!?」
[名無しの代走]
かっしー「やったあああああああああああ!」
[名無しの代走]
>かっしー「やったあああああああああああ!」
そりゃあんたは嬉しいだろうよ・・・
[名無しの代走]
柏田「そこのおまえさんとのプレーを希望します」
柏田「ストーカーみたいでちょっと気持ち悪いと思うかもしれない」
柏田「でも(ボクの打率のためなら)仕方ないですよね」
[名無しの代走]
柏田「やれ」
シアトルGM「はい」
[名無しの代走]
柏田たくさん湧いててくさ
[名無しの代走]
カシ×ソコキテル・・・
[名無しの代走]
は?ソコ×カシだろ
[名無しの代走]
まじかよ
試合中だぞ??
[名無しの代走]
なんでシアトル?
[名無しの代走]
>なんでシアトル?
カラバヨが故障
ローマックは投球制限や
一応ワイルドカード狙える位置におるし先発補強が必要だった
[名無しの代走]
>>なんでシアトル?
>カラバヨが故障
>ローマックは投球制限や
>一応ワイルドカード圏内におるし先発補強が必要だった
はえ~サンガツ
[名無しの代走]
ホイ、これが今のシアトルのヒエヒエ打線ね
1 中 ドミンゲス .278 11本 42打点 18盗塁
2 遊 柏田 .306 14本 51打点 16盗塁
3 捕 ローズ .287 22本 68打点
4 指 デ・ラ・ロサ .271 27本 76打点
5 一 ランドル .263 19本 63打点
6 三 グリエラ .256 16本 55打点
7 左 ケラー .249 13本 44打点
8 右 ピーターセン .238 10本 39打点
9 二 ワン・イーシェン .252 6本 31打点 12盗塁
[名無しの代走]
>ホイ、これが今のシアトルのヒエヒエ打線ね
ひえひえ…?
[名無しの代走]
>>ホイ、これが今のシアトルのヒエヒエ打線ね
>ひえひえ…?
6月の対戦でおまえに完封負けして冷却されたんや
おまえ戦前チーム打率:.276
おまえ戦後チーム打率:.221
おかげでワイルドカード争いまで落ちてきた
[名無しの代走]
>おまえ戦前チーム打率:.276
>おまえ戦後チーム打率:.221
>おかげでワイルドカード争いまで落ちてきた
草
こんなことなってたんか
[名無しの代走]
>おまえ戦前チーム打率:.276
>おまえ戦後チーム打率:.221
ヒェ~~~~っwwww
[名無しの代走]
3人交換とは大盤振る舞いだな
おまえにそんな価値ある?
[名無しの代走]
>3人交換とは大盤振る舞いだな
>おまえにそんな価値ある?
トッププロスペクトは出してないからな
SEA的にはいい取引
KCもFAで出ていかれる前に打てる野手三人と交換できたからwin-winや
[名無しの代走]
ホイットニーJrいるのにショートいるんか?
[名無しの代走]
>ホイットニーJrいるのにショートいるんか?
サラザールはサードもできるで
柏田にフタされてたからしゃーない
[名無しの代走]
>ローマック
ちょっと前に話題になってた165投げる20歳か
[名無しの代走]
あ~残念もっとカンザスシティで見たかった…でもここで結果残したらめっちゃいい契約もらえるだろうし頑張ってほしい
[名無しの代走]
メジャー契約複雑怪奇・・・
しらべてもようわからん
なんでカンザスはおまえ出したんや
来年も安く使えばええやん
[名無しの代走]
>なんでカンザスはおまえ出したんや
そら一年契約やからやろ
[名無しの代走]
>>なんでカンザスはおまえ出したんや
>そら一年契約やからやろ
正確には一年+シーズン終了後にFA権だったらしいで
代理人の勝利や
[名無しの代走]
KC「まあそこまで活躍せんやろ」
なお
[名無しの代走]
KCアホでは?
[名無しの代走]
>KC「まあそこまで活躍せんやろ」
>なお
普通は指標悪化すると思うじゃないですか
良くて防御率4点台だと思うじゃないですか
どうして変わってないんですか?
[名無しの代走]
今のおまえが一年2000万ドルのQO受ける可能性は限りなく低いし
補償指名権よりプロスペクト三人のほうがええやろ
[名無しの代走]
ホイットニージュニアの全盛期が数年後に来てそこで優勝狙うってなるとマネーゲームしてまでおまえに大型契約渡すわけないんだよなぁ
[名無しの代走]
それでも俺はのこってほしかったんだよぉ~
[名無しの代走]
よく考えたらシアトルも今シーズン終了後に出ていかれるってことじゃん
[名無しの代走]
柏田「あっ」
[名無しの代走]
>柏田「あっ」
草
[名無しの代走]
オオニタサン「そこのおまえさん。僕と一緒に世界を目指しましょう」
[名無しの代走]
>オオニタサン「そこのおまえさん。僕と一緒に世界を目指しましょう」
そこのおまえ「トゥンク…」
[名無しの代走]
>そこのおまえ「トゥンク…」
柏田「やめろーっ!こんなものーっ!」
[名無しの代走]
ロサンゼルス・ニューヨーク「よろしくニキーwwwwww」
[名無しの代走]
>ロサンゼルス・ニューヨーク「よろしくニキーwwwwww」
邪悪球団め・・・!
そこのおまえは渡さない!
[名無しの代走]
>邪悪球団め・・・!
>そこのおまえは渡さない!
勇者柏田、フルスイングで自由の女神を粉砕
[名無しの代走]
自由の女神「どうして・・・」
[名無しの代走]
女神とばっちりで草